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オレラグ

コレオグラフィとデザイン

2019年4月17日

デザインの視点からフットボールを読み解くコラム『フットボールとデザイン』。第4回の今回はサポーターがスタンドをキャンバスに文字や模様を描く、コレオグラフィをテーマに掘り下げてみようと思います。

コレオグラフィとは

コレオグラフィとは何か。それは実際に観て貰ったほうがわかりやすいので、まずはこちらをどうぞ。

ご覧のように、スタンドを埋め尽くす人を使って文字や柄を描いたものです。『コレオグラフィ』という言葉には本来ビッグフラッグでの表現等も含まれていますが、今日のJリーグではその用途ではあまり使われていません。それについては後述します。

ニラサワ的スーパーコレオグラフィ5

ここで僕ニラサワが勝手に選ぶスーパーコレオグラフィ5選をご紹介します。まず我がアルビレックス新潟。2018年、対大分トリニータ戦で行われたもの。ただでさえ画数の多い『新潟』という文字をキレイに表現できています。しっかり読めます。素晴らしいですね。

次は浦和レッズのコレオグラフィ。数々の素晴らしいコレオグラフィを披露している浦和ですが、同じさいたま市をホームタウンとする大宮アルディージャとのアウェイゲームでのコレオグラフィです。ビジターチームにこのコレオグラフィを見せられたら、心が折れそうです。お見事。

次はまた我がアルビレックス新潟。2008年の対川崎フロンターレ戦。この日までのビッグスワンにおける川崎フロンターレとの対戦はなんと4戦全勝中。今年こそはと意気込む川崎フロンターレは『FA(ファイティング・アウェイ)宣言』と称して乗り込んできます。そこで新潟のサポーターは、ここは俺たちのホームだと『FA(フォーエバー・アルビレックス)宣言』を仕返したのでした。そして試合はもちろん新潟の勝利。この図式からのこのコレオ、最高ですね。

次はそんな川崎フロンターレ。2016年度の天皇杯決勝、吹田パナソニックスタジアムでのコレオグラフィです。元日決勝ということで、何故か『賀正』のコレオグラフィ。意味わかんないけど、無駄に完成度が高くて大好きです。

最後はまたしても浦和レッズ。2017年のACL決勝で披露したコレオグラフィ。四方どれかのスタンドだけでなく、スタジアム全体を使った圧巻のコレオグラフィ。バックスタンドに描いたのはエンブレムとACL優勝トロフィーです。間違いなく現時点でのトップに輝くコレオグラフィ。素晴らしい。

大旗をメインに使ったもの

一人ひとりがボードを掲げて作るのがスタンダードなコレオグラフィですが、もちろん大きな布をメインに使うものもあります。まずガンバ大阪の吹田パナソニックスタジアムのこけら落としゲームとなった2016年の対鹿島アントラーズ戦。カッコいいですね。

そしてなんと言っても、ズバ抜けて使い方が上手い鹿島アントラーズ。

ただ出して終わりではなく、次の展開も用意されているという、準備や実際の転換にかかる苦労を考えたくないレベルの素晴らしいコレオグラフィです。

失敗もする

バシッと決まればカッコいいコレオグラフィ。もちろん失敗もあります。

準備と実施がどれだけ難易度が高いものなのかがわかります。

あとがき

どのクラブも毎試合行うのではなく、ここぞというタイミングで行うことが多いようです。絶対に勝ちにいくぞ!と選手にもサポーターにも伝えているわけです。これからも素晴らしいコレオグラフィを観ていきたいし、参加していきたいと思います。

ニラサワ
ニラサワ
長岡出身東京在住のアルビレックス新潟サポーター。2019年シーズンより、アウェイゲーム限定サポーターズフリーペーパー『AlbiWAY』の編集長もやってます。最近読んだおすすめマンガは『純とかおる』と『いぐのべる』。