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オレラグ

会いたかった【Preview】第7節 水戸ホーリーホック

2020年7月24日
こんにちは。
今週は4連休です。先週その事実に気が付いて「え?なんで?」と思いましたが、そういえば今年はオリンピックの関係でいろいろ調整していたことを思い出しました。そして、この記事が出る24日の金曜日が本来は開会式だったようです。
しかしここに来てまた感染者増加でザワザワし始め、入場制限緩和も延期されて観光促進のキャンペーンも生煮えのまま始まってしまうようで、1年後とはいえなかなかオリンピックをイメージできるような平穏は遠い気がしてしまうこの頃です。
それでも、いや、だからこそ、厳戒態勢の下で開催してくれているフットボールを存分に楽しみたいなと思いますし、それと同時に、スポーツに限らずですが生活の中で楽しみを見つけるってとっても大事だなと改めて思わされました。
なんか堅いですね。
やだやだ。早く楽しい週末の話をしましょう。

さらに厄介な水戸

 
2週続けてのホームゲームとなる今週、デンカビッグスワンに迎えるのは水戸ホーリーホックです。今季ここまでは2勝2分2敗の勝ち点8で現在我々の2つ下、11位につけています。
昨季は過去最高の勝ち点を挙げ、順位も過去最高の7位という躍進を見せた水戸ですが、そんな躍進に導いた長谷部監督は福岡へ移籍、白井や前、志知など主力の多くも抜けて今季を迎えることになりました。
それでも、秋葉新監督を迎えて主力が入れ替わった中でもアグレッシブで組織的な戦いを昨年同様継続できています。
また直近の話で言うと、前々節終了のタイミングで名物社長としてもお馴染みだった沼田さんが退任し小島新社長が就任したのですが、そんな小島社長の初陣という節目のタイミングだった前節を、町田相手に4-0という結果もさることながら内容でも今季ベストと言っていいゲームを見せており、厄介なチームがさらに厄介なタイミングで新潟へ乗り込んでくると言っていいでしょう。

ブラッシュアップして光り始めた新たな一面

サッカーの中身について。
高いライン設定で全体をコンパクトにして早い切り替えからボールを奪いに行くという守備面のベースは基本的に昨年から変わらず、組織的な守備はやはり水戸の特長の1つです。
ただ今季は、ここまでリーグ3位の11得点を挙げているように今まではとは少し違った新しい一面も見られています。
昨年もビルドアップからSHがライン間を取って崩すといった形を持っていなかったわけではありませんが、データを見ると支配率はワースト5だったように結果的にボールは持たれた(持たせた)展開が多いチームでした。しかし今季ここまでは平均50%を上回ってリーグの中でも支配率は上位に来ています。前々節町田戦のプレビューでも触れましたが、やはり今季のJ2はポゼッションに力を入れているクラブが多いのだと改めて感じます。
水戸の場合も他のチームで見られるように、4バック(4-4-2)であればボランチの1人がサイドに下りることで最終ラインを2CBと共に3人にして、SBを押し上げSHが内側に入ってライン間を狙うビルドアップが基本として多いです。
前節町田との対戦では、町田がサイドに下りた水戸のボランチに対してSHがそのまま出て前からプレスを掛けに行っていましたが、それで空いたスペースを内側に入ったSHがうまく入ってボールを受け、そこから上がっていたSBへ渡し、さらにそこへ町田のSBが出て来たら、空いたスペースにFWが流れて受けるという動きが意識的に行われていました。
3バックの場合も基本は似たような感じで、3CBとアンカー、さらに大外のWBで左右にボールを動かしながら相手の陣形を広げつつ、3センターの1人と2トップの1人のどちらかがライン間に縦パスをもらいに下がり、もう1人がサイドのスペースに抜けるという動きが意識されているように感じます。

気を付けたい(気になる)人

空いたスペースを的確に使いながら崩す形が増えている水戸の攻撃陣で注意すべき選手を何人かご紹介。
まずはボランチの山田。
最終ラインに下りるボランチの役は彼が中心として担っています。イメージとしてはうちの秋山と似た役回りですが、秋山よりも前へ飛び出していくプレーも多い印象です。前々節の松本戦でもそんな前への飛び出しからヘディングでゴールを奪っています。
マリノスユース時代にはキャプテンで10番を背負い、昨年のU-20W杯にも出場している注目株であり、端正なルックスもあって横浜時代から“ハマのプリンス”なんて愛称もある選手です。新潟としては後ろで持たせるところはある程度許容したとしても、前に出てきたところは絶対に離さないようにしないといけないでしょう。
そしてもう2人挙げたいのが松崎と奥田です。
どちらも今季新加入の選手ですが、まず松崎の方は東洋大から加入のルーキーです。左利きで右サイドからカットインという仕掛けが得意であるのと同時にインサイドハーフとしてライン間で受けることもできる選手です。
左利きのドリブラーという点では同じ東洋出身で昨年山形でブレイクし今季セレッソに移籍した坂元を彷彿とさせるところもありますが、彼と同じように近いうちにステップアップが期待される選手です。
そしてもう1人の奥田ですが、彼はJ3のYSCCでの活躍が認められ今季水戸へやってきた選手です。彼もまたライン間に下りてボールを受けるのが得意で、さらに中央から強引にドリブルで打開もできる選手です。チームとして中山やアレフ・ピットブルといったセンターフォワードタイプの相棒としてセカンドトップ的な役割をこなせる彼がよくマッチしており、山田が最終ラインと中盤を繋ぐ選手であるならば、奥田は中盤と前線を繋げられる選手と言っていいかもしれません。
そしてこれは余談ですが奥田はうちのユース(現U-18)出身でもあります。個人的には同学年で神奈川大時代も何度か見ていた思い入れのある選手なので、今こうしてJ3からJ2へと着実にステップアップを果たしているのは嬉しかったりもするのですが、今節はおとなしくしてもらいたいと思います。

カメレオン

水戸の特徴についてもう2つほど。
1つは、今季の新体制発表の会見で秋葉さんが「サッカーは当然ですけど相手があるものですから、相手を見て常に変化してほしい」という事を仰っていました。そういったチームになるために今季の水戸は複数のポジションができる選手を揃えたようで、実際ここまでの6試合でも4-4-2から入ったり、3-5-2から入ったり、3-4-2-1から入ったりと様々です。
松本戦なんかは3-5-2で始めたものの前半の途中で4-4-2になり、後半の途中で3-4-2-1となり、終盤にまた4-4-2となるなどカメレオンのように試合の状況によって形を変えることのできるチームです。
新潟も今季は形を変えることが多いですし、ゴールシーンは特に相手を見ながらスペースを作って突くようなロジカルな形もできていますから、非常に戦術的でおもしろい試合になるのではないかなと楽しみにしています。
もう1つ、DFに関しては高いライン設定が故に裏を狙われることが多々あります。意図的なパスやフィードで狙われるのもそうですが、多少アバウトにスペースへ蹴られたのに対して少し処理に手間取ってしまうシーンもここまでいくつか見られたので、そこは新潟としては意識しておきたいところです。
また、ビルドアップのところで住吉やンドカは鋭い楔のパスを入れられる半面、あまり意図がないままとりあえずボランチに入れてしまって、ボランチが相手の寄せに囲まれてしまうという不用意なシーンが見受けられることは否めません。
前節のレビューで『前線の守備の連動』や『バランスの誤差』といったことを書きましたが、そこの部分の修正が見られれば今節は一気に決定機なんていうシーンも十分あり得ると思うので期待したいと思います。

最後に

そして、やっぱり楽しみなのは秋葉監督です。
入場制限や通常の応援ができないこともありますが、今季ここまで水戸の試合を見ていて思うのは、まぁ~よく秋葉さんの声がマイクに乗っているということ。
「守備から!守備から!」
「外は回させていいよ!」
「手堅く!手堅く!」
実際のスタンドでどのくらい響いてくるかは分かりませんが、かつて“新潟の顔”と謳われたクラブのレジェンドの1人でもある方が、敵将として相手ベンチの最前線で声を張り上げている姿も今節は楽しみにしたいと思います。
くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。