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【燃え上がれ清五郎】ナカムラくん、新潟へ行くの巻。

2014年4月4日

「新潟にサッカー観に行こうよ!」

「いいよ!」

いいのかよ!
3秒で僕らの卒業旅行が決まった。

僕とナカムラくんは都内の同じ大学の友達。僕たちは、卒業旅行の行き先を決めかねていた。
アルビレックスの試合を見逃したくなかった僕は、冗談半分でホーム開幕戦に誘ってみた。
2人の予定を合わせると、日帰りで行くしかないと判明。さっそく高速バスを予約した。夜行バスで行って夜行バスで帰ってくる、弾丸ツアーである。
ナカムラくんは、普段は海外サッカーや日本代表の試合を観ているサッカーファン。Jリーグはテレビで中継されていれば観る程度で、Jリーグの生観戦は小学生以来のようだ。

ところで、卒業旅行が新潟でいいのか?新潟なんかで!しかも日帰り!

早朝、新潟駅に到着すると天気は雪。東京育ちのナカムラくんをとてつもなく寒いところに連れてきてしまった。
凍えながら、朝飯が食べれるところを探した。

せっかくだからアルビレックスっぽいお店にしようと、新潟駅南口を出てすぐの“いちばん”に入ることに。
店内の選手のサインを見回しながら、ボリュームのある朝食をいただく。しっかりと温まり、おばちゃんに新潟弁で見送られながら、店を出た。
飯が美味くて、おばちゃんも優しい、新潟最高だなぁ。と僕は思ったのだけれど、ナカムラくんはこの価格でこのボリューム!とびっくりしていた。

シャトルバスに乗り込み、デンカビッグスワンスタジアムに到着。
大きなスタジアムがあって、野球場もあって、広大な公園もあるような環境が、ナカムラくんには新鮮に映ったようだった。

そんなことより寒い寒い。すぐに屋内へ避難。
そこでいきなり目に飛び込んでくるのが、朝っぱらからビールを飲んでいる人たち。ナカムラくんは驚いていた。
そりゃそうだ、東京の人から見たら、朝から酒なんて飲まないし、ましてやあんな極寒の中、冷たいビールなんて考えられない。
ナカムラくんの「なんだこいつら!」という表情が忘れられない。新潟の人ってなんであんなに酒が好きなんでしょう?

イタリアンを購入し、待機列に並び、いよいよ開門。

少し足を早めてスタンドに向かう。

スタジアムに入るときのワクワク感。共感してもらえたみたいだ。

応援の雰囲気を体験してもらおうと、ゴール裏の中心から少し離れたところに席を確保。
ここで先ほど購入したイタリアンを食べる。

ナカムラくんの感想は、「まずくはない」である。。。

テレビでJリーグを観るナカムラくんは、新潟は観客がたくさん入るというイメージを持っていたらしい。
ガンバ大阪戦の入場者数は、22,931人。がっかりさせちゃったなぁ。満員と2万人じゃインパクト違うもんねぇ。

キックオフ。
連動したプレスに拍手。タイミングのあったスルーパスに歓声。僕らは、徐々に試合に集中していった。

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 約2万3000人のサポーターの大声援を受ける
 アルビの選手たち。田中達也選手が攻め上がる

ナカムラくんは、日本代表の試合を観戦した時との、スタジアムの雰囲気の違いを感じていたようである。
僕が必死に声を出していると、ナカムラくんも覚えたてのチャントを口ずさみ、選手のコールにも声を出していたみたい。
プレーに対するリアクションも次第に大きくなっていった。

急に新潟に連れてきてつまらないなんて言われたらどうしようと思っていたけれど、ひと安心。
唐突に「新潟にサッカー観に行こうよ!」なんて言ってみるもんだ。
試合は、引いて守るガンバを崩せず負けてしまったのだけれど、楽しんでもらえたかなぁ。

試合後は、「あのプレーが〜」とか「あのファールは〜」とか「なんで観客減っちゃったんだろう?」とか、
そんな会話をしながらラーメンをすすった。どうやら楽しんでもらえたようだ。

観客の話をしているとき、僕は悔しくなってしまったけれど、満員のスタジアムは誰にとってもやっぱり魅力的なんですね。
ナカムラくんは、新潟の飯は美味いというイメージと、とにかく寒いというイメージを持って東京に帰りましたとさ。今度は暖かい時に誘おうっと。

以上、僕らの卒業旅行でした。

よし。今年は、新潟に縁もゆかりもないナカムラくんをこちら側の人間にすることを目標にしよう(笑)


青木優太
1990年生まれ。新潟市出身、川崎市在住。社会人1年目。
小学生の時に通ったサッカースクールがきっかけでサポーターに。
新潟→仙台→横浜→川崎と移り住むも、スタジアムに通う日々。
関東からもアルビレックスを盛り上げようと活動中。