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モアブログ

【燃え上がれ清五郎】僕がスタジアムに通い続ける理由

2014年11月21日

2人の高校生、鈴木君真柄君がこのサポーターブログに「なぜスタジアムに来ないのか」「なぜ僕達はスタジアムに行くのか」という熱の入ったコラムを書いてくれた。僕もなぜスタジアムに通い続けているのかを少し考えてみようと思う。
 
僕の場合は家を出て電車に乗ってだんだんとスタジアムが見えてくる景色が好きだ。通いだして15年たった今でも電車の窓からスタジアムが見えると「あ、見えた!」と無駄にテンションが上がる。駅を降りてバスに乗りスタジアムが近づいてくるともうこのドキドキは止まらない。最後の曲がり角を曲がるといよいよあの美しいビッグスワンが真正面に見えてくる。田園風景の中にこの美しいスタジアムが突然現れる。この景色が見えた瞬間、映画館の扉が閉まるように外界と切り離されるのだ。

PICMH20140912_000268.JPG                     デンカビッグスワンスタジアム

バスが停留所につくともう小走りでスタジアムに向かう。別にスタジアムは逃げないし試合まではまだまだたっぷり時間がある。それどころかむしろ早く着いても暇なくらいなのに何故か焦り、急ぎ、結局毎回小走りになる。こうまで心を躍らせて何を見たいのか。真柄君の記事にはいろんなことが列挙されていたけど、僕の場合は「非日常が味わえる」という事に尽きると思う。別に座り心地も良くない座席に腰を掛けて空を見ながらビールを飲んで目線の下には感動的なまでに濃い緑色の芝生が広がっているこの景色、この雰囲気。これこそが僕にとっては非日常で、ぜひ一人でも多くの人が味わってほしい空間なのだ。
 
ある程度の年齢にもなると日常の中で嫌なこと、ちょっとでもいいから離れたいことはいくらでもあると思う。でもこうやってスタジアムでビールを飲んでいる僕は完全に俗世間と切り離された気分になってくる。これは昨年このサポーターブログにメッセージをくれた中村慎太郎さんの著書にも同じことが書いてあって僕はその内容に大きく共感する。簡単に言うとね。すっげーーーーーー気分がいいんだよ。これ。これに尽きる。とにかくね、もう感動的に気分がいいんだ。で段々ワクワクしてくるんだ。「これからプロサッカーの試合が始まるんだ」って。これをちゃんと伝えることができれば、必ずサッカー観戦のファンは増えると思う。
 
内緒だけどこの非日常性は実は野球観戦でも味わうことができた。僕は筋金入りの野球音痴なんだけど福岡ドーム、千葉マリン、神宮球場、ほか三条・長岡・鳥屋野をはじめとする県内の野球場で野球を見たことがある。その中でビッグスワンのように抜群に雰囲気がよかったのは神宮球場と長岡悠久山球場だ。スタジアムの佇まいといい、座席から見る景色といい非日常性・劇場性が抜群だった。あとはまぁ・・どっこいどっこいだったかなw
 
もし、僕の家の近所に神宮球場があったとしたら、スタジアム目当てで何度か通っているうちにチームにも愛着がわいてきて、ついでに自分の応援しているチームが勝つんじゃないか、勝つしかないんじゃないか、これはもう勝っちゃうんじゃないかって感じでいつしか野球ファンになっていたはず。雰囲気のあるスタジアムにはそれくらい大きな力があると思う。そしてその魅力から僕は離れられない。
 
僕に限らず、サッカーのサポーターは「行ったことが無いスタジアム」に対する執着がすごく強い。「雰囲気が知りたい。どんななのか見てみたい。」たったそれだけなのに現地に行ってみないと気が済まない。今年でいうと序盤のアウェイ徳島ヴォルティス戦、鳴門ポカリスエットスタジアムには面白いほど「いつもの面々」が駆けつけていて本当にアウェイ感の無い空間になっていた。新潟から1,000㎞も離れていたのに。僕はレオのスーパーゴールよりもそっちにびっくりした。
 
というわけでご新規さんを誘うべきか、誘わぬべきか、どうやって誘おうか迷っているサポーターの皆さん。迷ってはいけない。感動をおすそ分けするのは僕らの大事な役割だ。まず地元のスタジアムへ誘おう。そして愛着を持ってもらって、次は別のスタジアムにも誘おう。不思議なものでアウェイに一回行くと、ホームスタジアムがもっと好きになる。僕が「アルビサポ」の自覚を初めて持ったのは人生初アウェイとなった1999年7月の仙台スタジアムだった。自称ファンはアウェイで初めてサポーターになる。そんな人も結構いるはず。
 
ということで、鈴木君真柄君のおかげで改めてスタジアムの魅力を考え直す事が出来た。二人ともありがとう!僕が次に人をビッグスワンに誘うとき、この事をきちんと伝えてみようと思う。

< 追記 >
 残念ながら都市のイメージとスタジアムの場所がかけ離れてしまっている例が日本にはいくつもある。そんな中、広島市では新スタジアムを中心部(平和公園のあたり?)に作るか、郊外に作るかで話し合われていると聞く。現地に行った人はみな納得すると思うけど、今の広島のスタジアムはたどり着くまでに「ドキドキ感」が薄れてしまうほど中心部からは遠い。地元に密着したプロスポーツクラブは町のシンボルとも言えるはず。広島市には是非シンボルにふさわしい立地でスタジアムを作って欲しいと思う。サンフレッチェのオフィシャルHPに書かれているようなスタジアムがもし平和記念公園の近くに出来れば、それはまさに町のシンボルとなりうるのではないだろうか?


 浜崎 一

1977年生まれ。神奈川出身だが、新潟大学進学という理由で偶然新潟に移り住む。大学院時代にJ2初年度のアルビレックスにはまり、その後10年間事実 上のコールリーダーとしてアルビレックスの応援の最もホットな部分で活躍。現在はゴール裏を離れ、市民レベルでサポータームーブメントを起こす仕掛け役となっている。