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オレラグ

オレンジブルーの彩り【展望】第29節 モンテディオ山形戦

2021年9月11日

こんにちは。

昔フジテレビで『笑う犬』というコント番組がありましたが、レギュラー放送が終わってから何年かに1回特番として放送された中で、内村さんが駄々をこねる総理大臣の役をするコントがありました。
支持率の低下で側近に解散を迫られても『サミットに出たいの』とか『大相撲見に行きたいの』と駄々をこねて解散しないというもので、それが何だか無性にツボで未だにネットで探しちゃうくらい好きです。

翻って現実の世界。
総裁選が迫る中で報道では続投の意欲があると言われていた菅さんが、一転不出馬、退陣を表明したニュースには少し驚きました。
この約1年は未曾有のウイルス対策で「誰がやっても難しい」なんてことをよく見聞きしましたし、確かにそうだろうなぁなんて思ったりもするのですが、それでももうちょっとうまくできなかったかなぁとか、いろいろと丁寧に説明してもらえなかったかなぁとも庶民の1人としては思うわけです。

トップ1人が替わっただけでこのウイルス禍が劇的に晴れるとは思いませんが、とりあえず菅さんお疲れ様でしたということと、次に選ばれる方は、コントのように駄々をこねるわがままな方は当然いないにしても、何とか我々にも見えるような明かりというか兆しを見出してほしいなぁなんて思います。

初めての途中解任&初の外国人監督

冒頭に政治の話なんかしてちょっと高尚な気分になったつもりでも夜が明ければまた小さな庶民です。
だからやっぱりいつも通り一番好きな話をしようということで本題に移ります。

今節から残り3分の1の戦いへと突入するリーグ戦ということで、そんな第29節は2週続けてホームで戦えるアドバンテージの下、現在うちとの勝ち点差が5しか離れていない8位山形との対戦となります。

首相が替わるという話にちなんでということではありませんが、山形も前回アウェーで対戦した時からチームの長が替わりました。
前回対戦が4月11日でしたが、それから10日後に前監督の石丸さんを解任。4試合をコーチだった佐藤さんがリリーフした後、14節の愛媛戦から昨季途中まで清水の指揮をされていたピーター・クラモフスキーさんが引き継ぎました。

すると引き継ぎ時点(13節終了時)で17位だったチームは、クラモフスキーさんになってからクラブ記録の7連勝を含む12戦無敗という破竹の勢いを見せて一時は5位まで浮上します。
前々節の山口戦でついに無敗記録がストップしてしまい、前節も水戸に敗れてクラモフスキーさん就任後初の連敗を喫しましたが、早くこの悪い流れを断ち切りたいという意気込みを持って臨んでくると考えると、連敗中とはいえ逆に厄介なタイミングでの対戦と言えるでしょう。

張るSH

クラモフスキーさんになってまず分かりやすい変化の1つとしては、ビルドアップ時の立ち位置が少し変わりました。
前回対戦時の頃は基本的にSHが内側に入りSBが高い位置へ出て幅を取るという可変が中心でしたが、現在はSHがまず大きくサイドに開いて幅を取り、その内側にSBが出てくるという形がメインとなっています。

山形のホーム戦解説でお馴染みの越智さんも何試合か前の中継で『立ち位置の優位性だったり数的優位を作りだすことが、この短期間でほんとによく落としこまれてる』とクラモフスキーさん就任後の1つの変化について仰っていました。

ただ、そういった立ち位置がより整理されたというのはあるにせよ、前体制時から数的優位を作りつつポゼッションしながら主導権を握るというやり方自体はやっていたかと思います。その中でなかなか最後の決め手を欠いたり、ゴール前の迫力が出しきれなかったりしたのがシーズン序盤で苦労していた理由の1つという印象でした。

しかしそこからクラモフスキーさんが就任して以降、先程も書いた通り破竹の勢いを見せたわけですが、その1つの理由と共に新体制になってから感じたもう1つの変化として勝手に推測したのがより縦への速さが強調されるようになったという部分です。
前からのプレスによるショートカウンターはもちろん、中盤で拾ったところや一旦やり直す場面でも、以前までならまたそこからじっくり動かしつつ丁寧に運んで崩す形を狙っていたのが、躊躇なく縦へ出せるなら出して、そのまま相手の守備が整う前に攻め切るシーンというのがクラモフスキーさんになってから増えたように感じます。

SHを開かせているのも、奪った際に素早くそこへ展開して起点を作ることで仕掛けたり押し上げたりしやすくするという意味もあるように感じました。
その意味で右にはカットインが得意の中原、左にはスピードがあり縦への突破や抜け出しが得意な加藤という2人が軸で起用されていたのですが、前節その加藤が負傷により途中交代を余儀なくされました。

予想スタメンには前節その加藤に替わって途中から入った堀米をそのまま選んでみましたが、クラモフスキーさん就任当初のように中原を左にして右に國分ということも考えられますし、山田康をサイドに移してFWを入れることでシンプルな2トップという可能性もあるでしょう。もしくは今週から練習に合流したという新加入のマルティノスがいきなり起用される可能性もひょっとするとあるかもしれません。
この左SHに誰が使われるかというのは今節における注目ポイントの1つと考えていいかもしれません。

新体制で目立ち始めた藤田の攻撃力

SHの選手起用について先に少し書きましたが、気を付けたい選手や注目すべき選手は正直たくさんいます。中原は7月のJ2月間MVPに選ばれるほどの活躍を見せていますし、トップ下の山田康なんかは自由に動きながらボールに触ってチャンスに絡んでいるという点でうちで言う善朗のような不可欠な存在となっています。
ただ、そんな中でも今回はボランチとしてスタメン予想した藤田を挙げておこうと思います。

元々守備に定評のある選手で、今季もチーム内ではもちろんのことリーグ全体を見ても随一のボール奪取能力を見せている選手です。しかし今季はそれに加えて攻撃力も目立つようになってきました。
具体的に言うと、ボランチの相方の方がCBの脇に下りたりアンカー的に残ったりしてビルドアップの役割を担うことが多く、その分藤田が高い位置に出て山田康やSBなどと共にライン間に入ってプレーする機会が多くなっているという感じです。
さらに押し込んで高い位置まで出ても、以前のように時間をかけて攻めることが多かった時はどうしてもそこから結局繋ぎ役、中継点として顔を出さざるを得なくなっていましたが、より縦に速くという攻めの形が増えたことで前に出ていった勢いそのままにゴール前まで迫るシーンが増えた印象を感じました。

得点自体はセットプレーの流れから押し込んだものがほとんどなのですが、佐藤コーチが暫定監督の時期に2点取り、クラモフスキーさんになってからさらに2点なので、得点シーン以外も含めてやはり新体制になってマイナーチェンジされたことで見出されたというか生まれたと側面と言っていいかと思います。

また越智さんの言葉をお借りしますが『彼の戦術眼というのはチームの1つの武器』と仰っていましたから、守備だけでなく神出鬼没に飛び出しても来る彼には十分注意したいところです。

最後に

前回はお互いの良い守備を前にビルドアップが思うようにいかず、それでもうちが相手のミスを突いてシュートカウンターとセットプレーでゴールを奪う試合巧者ぶりを発揮した試合でした。
守備はお互い変わらずオーガナイズされていてある程度計算できるはずなので、また今回もセットプレーやミスの有無で勝敗が左右されるようなゲームになるとも考えられますし、とはいえここまで書いてきた通り監督が替わって攻撃のバリエーションも増えている山形ですから、前回より一層難しい試合になるのは間違いないでしょう。

前節取り戻した攻撃の感覚を維持しつつ、その中で何かに固執することもなく、と同時に散らかり過ぎて単発にもならぬように。
両チームのオフェンスの質と勝負の綾がどこにあるかを楽しみに見つつ、勝利を願って今週も応援したいと思います。

あと今週末はこれを忘れてはいけません。いよいよWEリーグ開幕です。記念すべき、そして歴史的でもある新しいリーグの第1歩はぜひとも勝利で飾りたいというのはもうみんなが思っていることでしょう。
がんばれ女子、がんばれ男子、がんばれアルビレックス。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。