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【燃え上がれ清五郎】6歳児の願いと36歳児の挑戦

2013年10月31日
僕には二人の息子がいる。毎試合ホームのビッグスワンでキラキラすくいをして(バックスタンドですくすくスクエアさんがやってるアクリルの何かをお玉ですくうやつ)、観戦仲間の娘さん姉妹といちゃいちゃする事が彼らのビッグスワンだ。長男U介(6歳)のデビュー戦は1歳の時。その記念すべきカードはもちろん伝統の大宮戦だ。うん。予定通り糞ゲームで全然面白くなかった。
 
そんな彼は2010年シーズン、3歳の時に自分の意志でビッグスワンに行きたいと言いだした。当初は「お父さんと一緒にアルビレックスを応援したい」という崇高な理念で始まったビッグスワン通いだが、最近は食べ放題のおやつと上記のとおり女の色気にメロメロになっているのが残念だ。お前は毎週キャバクラに通うおっさんか!
 
一方浜崎家次男のK介(3歳)。こちらもすくすくとアルビファンに育っている。彼は物心ついた時からの熱狂的ミシェウファンで特にお気に入りなのが(おそらく)鹿島戦のループシュート。
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鹿島ー新潟 前半38分、ミシェウが右サイドから右足でループシュートを決める=2012年8月25日、県立カシマサッカースタジアム(新潟日報より)

重力に従ってボールが放物線を描くことを理解できないK介はあのシュートを見て「ミシェウのシュートはこうやってクルンって曲がるんだよ」と目を輝かせている。残念、あの放物線は(止まったボールなら)お父さんでも蹴れるんだぜ。彼の中では当然のように2012年最終節札幌戦の後半、アランミネイロがズドンと決めたミドルシュートもミシェウが決めたことになっている。

 
最近スタジアムをにぎわしている大学生年代のサポーターは小学~中学年代でビッグスワンの洗礼を浴びた世代だけど、U介、K介世代はもはや異次元。3歳にして「新潟」「東京」「鳥栖」という漢字を読み、TVにブラジル代表が映れば3歳児独特の舌っ足らずの口調で「なんでミシェウはぶやじゆ代表にいないの?」と尋ねてくる。ドーハの悲劇が20年前の10月28日。時代は変わった。
 
そんなU介K介世代は「ゼロ円移籍」が当たり前の世代だ。移籍金なんてルールはハナから知らない世代。彼は物心ついた時から中心選手は他チームに「引っ越し」をするし、マイチームは常に二ケタ順位という世代だ。先日我らがアルビレックスが9位になったときはそれこそ小躍りしていた。あれこそ小躍りというのだろう。ガッツポーズを繰り返す息子を見て僕はとっても切ない気分になった。
 
先日テレビで千葉の試合をチラ見した時に鈴木監督が映った。それを目ざとく見つけたU介は言った。「どうすればアルビレックスは昔みたいに強くなるの?」と。彼は過去のDVDを見て鈴木監督時代にそれなりの成績を収めた事を知っている。僕は「鈴木監督の時代は毎試合4万人入ってたから強かったんだよ」と答えた。彼は4万人のビッグスワンを経験していないはずだ。U介、K介どころかアルビレックスの選手でも4万人を経験したことがある選手の方が少ないんじゃないだろうか?
 
また前述した通り、今のJリーグ、特にアルビレックスには引き抜きという問題がある。幼稚園児の二人には「引っ越し」と言っているが、選手が引っ越さなくても良いような環境を作ることがアルビを強くするともいえるのは当然。
 
って事で僕たちは今「引っ越し問題」と 「4万人問題」という二つの問題に直面している事を幼稚園生から教わった。僕は大人として、親としてこれにぶつかりたいと思う。
 
これはサポーターが企画立案し、選手各個人に対しての手書きのメッセージを募集して選手に直接手渡ししようという企画。これをオフの間に読んだ選手はむせび泣きながら来季へのモチベーションを高めるだろうと言うイメージ。どれだけ勝手なイメージなんだって話ですがwwwそれでも選手達が前向きな気持ちで翌シーズンに臨めるように、僕らのプラスのオーラを選手に届けましょう!ラブコールだって拍手多めです!
 
こっちはクラブからの「この日は皆で4万人集めようぜ」という決意表明。僕はこれから僕の嫁様をビッグスワンに誘うというハードルの高い作業を試みることにした。僕の嫁様はレア度から言ったら10人分、いや100人分に相当するはず。皆で人を誘おう。7月に新潟日報が打ち立てたGIANT orangeプロジェクトはまだ継続中なのだ!
 
*追記
U介は「じゃぁ僕は幼稚園の友達を誘うよ」と気高く宣言するも母親の「そんなことしたら幼稚園の役員会を通さなきゃいけない。ダメに決まってるでしょ!」とおしかりを頂いていた。決まっているらしい。うん、そうだよね。ドンマイU介。お前の分は俺が頑張るよ。
 
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浜崎一(はまさき・はじめ) 
1977年生まれ。神奈川出身だが、新潟大学進学という理由で偶然新潟に移り住む。大学院時代にJ2初年度のアルビレックスにはまり、その後10年間事実上のコールリーダーとしてアルビレックスの応援の最もホットな部分で活躍。現在はゴール裏を離れ、市民レベルでサポータームーブメントを起こす仕掛け役となっている。