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【Still growing up】 貧乏大学生が行く青春18きっぷの旅
2014年9月3日
こんにちは、星野です。
大学生は現在、夏休み真っ最中ですが、選手は休みなんてありません。夏の疲れがグッとくる頃だろうと思いますが、選手たちにはこれでもかというぐらい思う存分プレーしてほしいですね。
7月中旬。何気なく夏休みの予定をたてていると、見つけてしまいました。関西アウェイがあるじゃないですか!しかも2つも!僕はプロジェクトの仲間たちと神戸に行くことを決めました。
でもどうやって?
飛行機?新幹線?
しかし、僕たち貧乏大学生は、そんなリッチなことはできません。じゃあ一体全体どうするんだ・・・
で、結局僕たちは青春18きっぷの旅をするという決断に至りました。
試合前日の始発に乗車し、富山・金沢・福井・滋賀・大阪と、ひたすら電車を乗り継ぎ、約13時間電車に揺られ、153駅通過し、神戸に着いたのは19時半すぎ。今思い返すと、台風11号が直撃しそうな関西方面に電車で行くってすげーことしたなって思いますね。
普段の生活では、新潟大学前から新潟までの約20分しか電車に乗らないため、景色も見慣れていて、なんら面白味もありませんが、見たことのない景色、初めて聞く駅名で「本当に鈍行で神戸に行くんだ」という実感が徐々に芽生えてきたのを覚えています。
今回の鈍行メンバーはなんと全員男!
ただでさえ外は暑いのに、いつも暑苦しい「猛者ども」が集結してしまい、やることなすことアホくさい『The・男旅』という感じになってしまいました。そのため景色を眺めても「わー!海だー!綺麗!」などの言葉は一切ありませんでした(天気が悪かったのもありますが(笑))。
最初は僕らも「指宿ベンチ入るかな?」とか、「神戸まで行って負けたらシャレになんないよな」といった、いわゆるアルビトークで盛り上がっていましたが、昼食を金沢駅の中で済ませ、再び電車に乗ると、さきほどまでの「サッカートーク」から一転、主にN先輩がする「ゲスい会話」で盛り上がっていました。滋賀県エリアに至っては、琵琶湖をバックにゲスい会話しかしていません。滋賀県最高!(悪口ではないですからね!(笑))
だいぶはしょりますが、漢字は違えど福井県の「森田駅」に勝手に親近感が湧き、「大阪駅でけー!」と田舎もんくさい会話をしていたら、きっとわくわくしていたんでしょうね。
案外疲れもなく、あっという間に神戸に到着しました。『着いたー!』って感じよりかは、『本当に鈍行で来ちゃったよ』という感情のほうが正しかったと思います。
僕たちもやればできるんだなー。
二日目。つまり試合当日。神戸は台風11号の影響で大雨でした。甲子園大会が史上初めて開会式が2日連続延期になるぐらいで、Jリーグも広島-鳥栖戦は順延が決定されました。僕たちもいよいよ不安になってきましたが、祈りが通じたのか午後になると天気も回復し、「通常通り試合を開催する」というアナウンスが入ると一気にテンションが上がり、高見盛の取り組み前の儀式並みに気合いを注入しました。
ノエスタへ向かう地下鉄では、すでにユニフォームを着ていました。すると目の前にいたおばさんに「亀田製菓はお菓子だよね」と話しかけられ、「はい、そうです。神戸の胸スポンサーは楽天ですよね」と返すと、「楽天?楽天イーグルスは仙台だ」と言われる始末。話がまったく噛み合いませんでした。試合後に入ったラーメン屋でも、ユニフォームを着ていたのですが、おじさんに「野球見に来たのか」と聞かれました・・・アレですかね、オリックスとタイガースと甲子園しか興味ないんですかね。神戸はサッカーに対する文化が、あまり根付いてないんだなと実感しました。
あ、試合ですか?
試合なら負けました。久しぶりに「潟り」ましたね。
三日目。朝7時過ぎの電車に乗り、台風直撃の中、鈍行復路の旅が始まりました。若干のダイヤの乱れはありましたが、割と順調に進んでいました。しかし、往路でゲスい話しかしなかった罰なのか、滋賀県の近江今津駅で台風の影響をもろに受けることになりました。完全に電車はストップし、3時間もの間、足止め状態に。スカパーオンデマンドで前日の試合を見たり、近くのコンビニまでダッシュで買い物に行くなど、時間をつぶしましたが電車が動く気配はまったくありません。Twitterなどで自分たちと同じような状態の方が、たくさんいることを知り「帰れないんじゃないか」という雰囲気が漂い始めました。
そこで、僕たちが選んだのは「タクシー」でした。近江今津の観光案内の方が、福井県の敦賀駅から先は、電車が動いていると、優しく丁寧に教えてくださり、敦賀までタクシーで大移動しました。あと10分決断が遅かったら、きっと金沢の辺りで野宿するはめになっていたので、大ファインプレーでした。観光案内の方とタクシーの運転手さんに感謝です。滋賀県最高!
情報通り、敦賀から先は通常運行していました。やがて、見覚えのある風景、聞き覚えのある駅名が徐々に増え、「あぁ、やっと家に帰れるんだ」という喜びが生じます。直江津・柏崎・長岡と、終点・新潟が近づくにつれ、この旅が名残惜しく、終わってほしくないという気持ちも生じます。路線図を何度も確認し、「あと何駅で到着だ」と数える回数が増えて、心の中ではなぜか葛藤していました。
結局、新潟駅に到着したのは、日をまたいだ午前0時15分ごろ。予定より4時間遅れの約17時間電車に揺られ、158駅通過(途中ワープ含む)して、無事帰潟しました。
新潟駅で電車からホームへ降りたときの「あの一歩」は、絶対忘れません。それぐらい達成感がありました!
最後に、この旅を振り返ると、いろんな人に出会った旅だったなって思います。特にワープ区間のタクシー運転手さんなんかは、もう二度と会わない可能性が高いと思いますが、そういう「一期一会の出会い」があるからこそ、人と人との関わりを大切にしようと思いました。
少し大げさですけど、人間としても一回り成長できたんじゃないかなって感じます。
台風に自ら近づき、台風と一緒に帰ってくるという「荒業」を成し遂げることができたのも、みんなのおかげです(笑)
学生は青春18きっぷ使ってみたほうがいいですよ!一生の思い出ができますから!僕も、また来年「鈍行オーレ」しようと思います。今度は台風など御免ですがね(笑)
サンキューみんな。
サンキュー青春18きっぷ。
星野 奨
1994年9月5日生まれ。新潟市南区出身。地元にサッカークラブがなかったこともあって、小・中学は野球部、高校は陸上部所属。サッカー経験があるわけ ではないが、物心ついたときにはアルビ中心の生活に。普段はNスタンドで観戦している。