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【燃え上がれ清五郎】 少し長く見てると

2014年9月19日

 こんにちは、はじめまして、わたしは埼玉県に住んでいる最上と言うモノです。今日はわたしの作文です。お暇でしたら少々お付き合い下さい。
 
 先週末は、レオのフリーキックでの得点で久々に勝利武蔵アジア大会で活躍と久々に新潟のサッカーファンが明るい心持ちで過ごせましたね。よかった、よかった。

 しかし、あえて中断前、ガンバ大阪戦後に時計の針を戻してしまいます。大阪に場所を移します。ご容赦下さい。

 
 これまで得点不足に悩まされていた我がチームは、翻って大量失点は無い事が救いでした。リーグ戦では2点、ナビスコ杯予選でも3点取られ(て、取り返し)たのが今年の最大です、よね?でした。今アルビのホームページ見てきました。
 
 そんなチームが5失点!健太郎とレオという不動のレギュラーが、同時に欠いていたとはいえ5失点!

 「先ずは1点返そう!」

 なんて、終盤応援してるのは正直ツラい。前半の前半は、決して悪いプレイばかりでは無かったです。それでも立て続けに失点を重ねるマイチームを応援しつつ、「あゝガンバは様子見てたのかなぁ」なんて後ろ向きな気持ちにもなって行きます。

 試合後、大阪モノレールで、どんより落ち込んでいるわたしを見かけて慰めて下さった方々ありがとうございました。後から聞くと、かなりのしょんぼり具合だったらしく、醜態を晒してしまい申し訳ありませんでした。

 
 普段は「ドンマイドンマイ。次勝とう次!次!」って新潟に多い(笑)タイプなのですが、あの日は「ここから2週間空くんですよ、ちょっとは落ち込んでもイイでしょ」ってやさぐれた気持ちと、深夜の高速バスで帰る関東サポがいるので、出発時間まで梅田で反省会(という名の飲み会)をやりましょう、っつってんのに、みんなとハグれてしまい、いささか心細かったと言う事で、しょんぼり界きってのしょんぼり屋さんになっていました。
 
 ああ言う時って、誰に眺められてるか分かったもんじゃないし、「類としての」アルビサポーターのカラーに関わるので、特にアウェイでは口角上げて背筋伸ばして帰って来てもいいのかなー、です。試合後、うつ向いてゴール裏にやって来る選手がいたら「胸はれ前向け」ゆうクセに、サポーターはうつ向いてるなんて「一緒に戦ってない」もいいとこですよね。反省ーっ。

 武士は食わねど高楊枝です。

 サポは勝てねどしょんぼり禁止です。

 
 その後、梅田の居酒屋さんで関東に住むアルビサポーターの知り合いと反省会をしていて、軽口を叩いていると、靴が乾いている事に気付きました。確か1週間ぐらい前から大阪は当日、雨の予報で折りたたみ傘やオレンジのポンチョを荷物に入れてたにも関わらず、使わず仕舞いだった為、少女ポリアンナよろしく小さな良かった探しに余念のない中年オヤジ「あゝ良かった」とホッとしたところで思い出します。

 数々の靴の中を水溜りにした試合を。

 その中で最も忘れがたい靴ぐしょぐしょな試合を。

 今から9年前です。

 
 2005年5月1日Jリーグdiv.1第9節・対広島のアウェイゲーム。天気が悪いことが常のビックアーチは(街中は晴れてて山の上のスタジアムは雨なんてザラですよね。先日の水害で被害にあわれた皆さまには、お見舞い申し上げます&今週末の広島戦は行ける人行ってきましょうね、と強めにオススメです)、先週末のスワンの後半の様な豪雨が90分続く過酷な観戦環境。ゴール裏(斜め後ろ)もポンチョなんかあっても全く意味が無い程の土砂降り。どんなアウェイにも大挙して押し寄せるアルビサポーターも、天候と距離とゴールデンウイークの交通事情&宿事情には勝てないか100人程。そして0-5。この間の万博と同じスコアです。試合後、当時監督の反町さん辞めさせて欲しいと弱音を吐いて、江尻コーチに思い留まる様に説得されたと噂される「あの試合」です。0-5。

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ビッグアーチに駆けつけた新潟サポーター=2005年5月1日、広島ビッグアーチ
 
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広島に0-5で敗れ、うつむく新潟の選手たち=2005年5月1日、広島ビッグアーチ
 
 わたしは当時、観戦仲間がいない通称「ピンサポ」だったので、ずーっと色んなところがしっとりしたまま、替えの靴下の途中出場の機会が訪れない事この上なく、靴ん中ビショビショのまま、ひとりで何重にも悲しく東京まで帰ってくる訳です。

 思い出すだけで半泣きになります。

 それに比べたら、今日は靴はカラカラだし、試合後、負け試合のグチを聞いてくれるサポーター仲間もいる。

 こんなの、0-5なんてたいした事ないサ。

 そんな気持ちでした。

 
 こっからは個人の思い込みです。オカルトですよ、単なる。

 そして梅田で酔っ払いながら思いました。2005年の0-5の翌節のホーム川崎戦は、クラブ史に残る伝説の、あのアンデルソン・リマの代打逆転フリーキックが炸裂した試合ですよ。

 俺たち新潟は「やられたらやられっぱなし」じゃ無いよ。不屈の心持ち有るよ。

 きっとこの2週間で立て直してくれるよ。

 気持ちの入った良い試合を見せてくれるよ。きっと。

 
 果たして、(チームが立て直されたかは兎も角、「え~っ!」)あの日のビックアーチを思い出さずにはいられない豪雨の中、勤勉な愛すべきブラジル人助っ人が、スーパーなフリーキックを炸裂させて、スワンのみんなを歓喜させる、あの日のスワンを連想してしまう様な情景がTV画面に映し出されていました。TVの向こう側です。ええ、わたしは新潟にいませんでしたー。

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レオ・シルバがFKを直接決めて勝利を呼び込んだ=13日、デンカビッグスワン

 スワンの23,981人うらやましいぞ、このヤロー!、です。

 
 わたしは2002年の秋以降のファンで、わたしより長く応援してる人もたくさんいるでしょう。でも、「少し長くみていると」悲しい結果にも別の見方があり、楽しい試合には、勝手に自分なりの思い(込み)を注ぎ込み、何割増しかで過去から面白かった出来事を盛れてしまいます。こんな風にこじつけて自分の観戦史に色んな矢印を書き込んでいく楽しみ方もあります。

 皆さんもそんな事ありませんか?

 この作文をここまで読んで下さったサポーターの方達の応援生活に、たくさんの楽しい思い込みと、たくさんの自分勝手な矢印と、あとたくさんの幸あれ

 とりあえず、今週末の広島戦に幸あって下さい、お願いします。

 

最上 玲

埼玉県在住の石川県生まれ。関東の試合を中心に観戦。金沢カレーよりバスセンターのカレーを、天狗舞より緑川を好きになってしまうくらいは新潟が好き。Negiccoのファンにまでなってしまった自分に軽く狼狽。次は新潟へのふるさと納税すら視野に。