オレラグ

選手紹介ムービーとデザイン

2019年3月27日

デザインの視点からフットボールを読み解くコラム、「フットボールとデザイン」。第3回の今回は試合前にスタジアムに流れる選手紹介ムービーをテーマに掘り下げてみようと思います。

その試合に出場する全選手を紹介する、選手紹介ムービー。やっぱりテンション上がりますよね。最近は特に各クラブが趣向を凝らしていて、大変素晴らしいと感じています。選手を鼓舞するだけでなく、観客をも熱狂の渦に巻き込んでやろうという気概が感じられます。
選手紹介ムービーが流れるタイミングはそれぞれのスタジアムで違いますが、僕たちのホーム、デンカビッグスワンスタジアムでは選手がピッチでアップをしているタイミングに流れます。いつもキックオフギリギリにスタジアムに入るって方も、次は是非ちょっと早めに入ってみてくださいね。

さて、アルビレックス新潟の所属するJ2の全22クラブのうち、選手紹介ムービーをYouTubeで発見できたのは19クラブ(3月26日現在)。それに加えてJ1の18クラブ。合計37個の動画をすべて観た上で解説します。その中で特徴的なもの、グラフィックデザイン的によく出来ているものをピックアップしていきます。

ユニフォームデザインを活用

鹿児島ユナイテッドFC

FC東京

ベガルタ仙台

川崎フロンターレ

など。
ユニフォームのデザインを選手紹介ムービーに落とし込んでいるもの。方向性としては2019シーズンで最多です。ユニフォームはそのシーズンの顔。そのデザインを選手紹介ムービーにも適用させるのはというのは素晴らしいアイデアです。強烈な一体感が生まれますし、どのシーズンのムービーなのかわかりやすいですよね。鹿児島やFC東京のようにユニフォームデザイン全部を使うパターンもありますが、仙台や川崎のように背番号だけのパターンもあります。

ご当地モチーフで差をつける

京都サンガF.C.

地方にはそれぞれ特徴的なモチーフがあります。それをムービーに上手く落とし込んでいるのが京都サンガF.C.。京都でしか使えないモチーフを存分に活用しています。強いプライドを感じる素晴らしいデザインです。

選手サインにフィーチャー

大分トリニータ

最近では様々なスポーツで取り入れられている、ヒーローインタビュー後のカメラへのサイン。それを選手紹介ムービーに取り入れているのは大分トリニータ。ギャグではないです。その他の要素はシンプルですが、それがよりサインを引き立たせています。個性的で素晴らしい。

2種類のビジョンを有効活用

サンフレッチェ広島

オーロラビジョン

電光掲示板

通常、スタジアムには映像装置が1つ以上付いています。デンカビッグスワンスタジアムにも大小のオーロラビジョンが1つずつ付いていますね。しかしサンフレッチェ広島のホームスタジアム「エディオンスタジアム広島」はフルカラーのオーロラビジョンが1つ、そして単色表示の電光掲示板が1つという組み合わせ。選手紹介ムービーは同じ内容ですが、表現方法が全く違います。単色表示の電光掲示板でムービーを再現するのは本当に大変だろうと思います。もはや職人技。上のふたつの動画を同時に再生すると、同期の様子がわかって面白いですよ。

シンプルだけど完成度高め

名古屋グランパス

ヴィッセル神戸

さすが、予算が潤沢にあるクラブというですね…！シンプルながらポイントをばっちり抑えていて、とてもスタイリッシュ。流行の最先端という感じのムービーです。非常にカッコいい。

まとめ

どれか気になるクラブはありましたか？あなたの応援しているクラブの選手紹介はどう思いましたか？
ちなみに僕が一番好きなものはFC東京の選手紹介ムービー。ユニフォームのデザインを落とし込んでいて、かつアニメーションが見ていて心地良い。素晴らしい選手紹介ムービーです。

選手紹介ムービーを見ていると、「そのクラブがどこに一番お金を掛けたいか」「そのクラブがどこのコストをカットしたいのか」が何となく見えてきますね。
試合に臨む選手やサポーターの心に火を付けるくらい、カッコよくて燃える選手紹介ムービーを作るのは大変です。お金がたくさんかかります。経営方針とそのバランスを良く表しているものだと思います。

他にも興味深い選手紹介ムービーを使っているクラブはたくさんあります。上で紹介したもの以外は以下でまとめて載せておきます。どのクラブの選手紹介ムービーが好きか、#オレラグで教えてください！

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