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オレラグ

全ては勝利のために【Preview】第4節 松本山雅FC戦

2020年7月10日

こんにちは。
J1は再開して早々ミッドウィーク開催がありました。
今季は4-3-3をベースにするチームが増えたそうですが、その中でも仙台は中盤3人の選手起用がなかなかおもしろかったり、川崎は相変わらずため息が出るほど流れるような攻撃を展開していたり、また4-3-3ではありませんがミシャさんの下で作ってきた札幌の完成度は、対戦相手だった鹿島がバタバタだったこともあってより鮮明に感じましたし、やっぱり改めてこうしてJリーグが見られるのは楽しいなと思いました。

また、こうしてある程度J1もチェックすることはアルビレックスの現時点の立ち位置というか、J1とどういう差があるかを考えるためにも必要だなと感じました。
とにかく、いつどの試合を見ても興奮や気付きがあるってやっぱサッカー最高ですね。

松本山雅FC

さて、試合のお話に入りましょう。
今週末は第4節、ホームに迎え撃つのは松本山雅FCです。

一昨年J2を制し、2度目のチャレンジとなった昨季のJ1では17位。今季また1年でJ2に戻ってきてしまった松本。
今季から指揮を執っているのが、名門市立船橋の監督を長年務め、年代別日本代表の監督なども歴任し、昨年は群馬をJ2昇格に導いた名将・布啓一郎監督です。
前任の反町さんが8年もの長期政権であり、松本というクラブにとってもJリーグに昇格してからは初の監督交代だったという大きな変革の年に、こうして4カ月もリーグが中断するというアクシデントも重なったわけですが、ここまでは1勝2分の負けなしとまずまず安定した戦いを見せています。

大体金沢(語弊あり)

今季の松本はどういったチームなのかというと、ヤンツーさんが「比較的我々(金沢)と似たようなシステムであったり戦い方をしている」と仰っていたのでつまりそういうチームです。これだけでなんとなくイメージ出来ると思いますし、いろいろ書くのも面倒だからこれだけでいっかなと思ったりもしましたがこれじゃプレビューもクソもないので、もう少し掘ってみます。

まずシステムに関してですが、反町さん時代は基本的にずっと3-4-2-1を採用しており、守備になると5-4-1で堅守を築いてそこから速攻というのが特徴でした。
しかし今年はシーズン当初から4-4-2をベースにチームを作っていたようで、開幕戦と再開初戦だった2節、また開幕前にあったルヴァンカップのセレッソ戦ではこの4-4-2で臨んでいました。
とはいえ前節甲府戦は3-4-2-1でスタートして、途中からは3-5-2にもなっていました。これは前々節にCBの橋内が負傷したこともあって変更してきたという見方もあるようですが、そうして臨んだ前節も常田が負傷交代しており、2試合続けてCBを負傷で失うアクシデントに見舞われています。
ですから今節どういう形で入ってくるかはさらに予想しづらくなっています。加えて、前節「下手に予想するもんじゃない」という個人的な反省もあるので、柔軟にシステムを使い分けられるチームであるということだけ理解しておいて、実際どう来るかは当日のお楽しみにしたいと思います。

能動的に進化

戦い方についてですが、以前までの堅守速攻のイメージがガラッと変わったわけではありませんが、もう少しボールを繋ぐ意識であったり、守備の際に前から積極的に奪いに行く意識は強くなっていて、全体的に能動的になっている印象があります。

4-4-2の場合で例示しますが、まず2トップは相手のボランチへのパスコースを消すところから始まり、バックパスや横パスをきっかけにプレッシャーをかけてどちらかのサイドに誘導し、そこへSHも出て嵌める形です。もちろんこの時後ろはコンパクトな陣形で全体をスライドして対応します。
新潟としては全体がコンパクトな分、逆サイドは広いスペースができますから、大きなサイドチェンジなどで一気に局面を替えるプレーは狙っておきたいところです。さらにこれはクロスでも同じことが言えそうです。やや大外への対応が甘くなっているシーンがこれまでのゲームでいくつか見られたので、しっかりゴール前に複数人を掛けた上でファーサイドに走りこむ状況が作れると理想的だと思います。

もし松本が3バック(5バック)であれば、前節の甲府がやっていたようにサイドの裏のスペースへシンプルにボールを送り、味方に通ればそれはそれでいいですし、もし通らなくてもそこから勢いよくプレッシャーを掛けることで松本にボールを繋がせないようにして、出来るだけ高い位置でボールを回収して松本陣内に押し込むというやり方はおもしろいかもしれません。

守備あれこれ

攻撃に関しては、まず試合の入りはあまりリスクを冒さずシンプルに長いボールを前へ送ってくることが多いです。10分、15分経つと少しずつ丁寧にビルドアップするようになるので、やはり最初のシンプルに蹴ってくるところは細心の注意が必要になるでしょう。前節甲府戦は両チームとも似たような感じで試合に入り、その甲府のシンプルな前線へのキックからDFが処理にもたついたところを突かれて松本は開始早々に失点しています。
新潟にも同じような事故が起きないとも限りませんから気を付けましょう。

こちらも守備と同様4バックか3バックかで少し変わってくるわけですが、4バックの場合、SBが高い位置を取ってSHが内側に絞って相手のライン間を狙うというのはもはやどのチームも定番ですが、松本はそれほどそこにこだわって執拗に狙っている印象はありませんでした。
もちろん、杉本なんかは狭いエリアで受けるのが上手ですし、狙っていないわけではないのですが、外側を起点に押してくる形が比較的多いようにも感じます。新潟としてはやらせていいところ(ブロックの外側)はやらせていいという割り切りが大事になってくるかもしれません。
仮に3バックだった場合は、前にスペースがあればギャップを作るために自ら運ぶことが出来るCBの選手が揃っているので、どこから寄せに行くのかということと、それによって守備の陣形を動かされ過ぎないように意識したいところです。

また、どちらのシステムでも共通している形として、最終ラインからサイドにパスが出て、そのサイドの選手がダイレクトで斜めに楔を入れる、もしくはサイドの選手が中央に出した横パスをボランチがダイレクトにサイドの裏のスペースに送ってくる形は得意な形としてこれまでの試合でも何度か見られました。
守っている側からするとダイレクトで蹴って来られると対応が難しいのですが、出させないように出し手により厳しく行くのか、受け手側である人やスペースを先手で潰すのか。いずれにしろ注目しておきたい警戒ポイントです。

パワープレーとセットプレー

その他。
まずは服部康平。
再開してからの2戦はベンチスタートで、得点が欲しい試合の終盤にDF登録ながら前線にパワープレー要因として出場しています。
ご記憶にある方もそれなりに多いと思いますが、一昨年栃木在籍時にパウロンなどと共にそびえる3バックの一角としてプレーしており、栃木のホームで戦った前半戦(9節)の試合ではヘディングでゴールも奪われている選手です。
新潟としてはつい最近甲府に高さで押し切られたこともありますし、松本もこういうパワープレーの恐さを持っているということは意識しておいて損はないはずです。

次にCKについてですが、キッカーは左右両方とも主にセルジーニョが担当していますが、これまでの試合を見る限り、ショートで少し動かしてからクロスを入れてきたり、ニアに蹴って走り込んだ選手がすらして中央へつめにいくという形だったりが半分から7割くらいを占めていたように思います。
まだ得点自体が3ゴールでありセットプレーからは得点を奪えていませんが、ショートを使ってくる場合も近くにパスだけでなく、ペナルティエリアのマイナスに送るなど結構おもしろいアイディアをいくつか見せてきています。
警戒すると言っても結局マークを外さないとか競り勝てずともしっかり競りに行って自由にやらせないといった基本的なことを徹底するに限るわけですが、いろいろ工夫してくるということは頭に入れておきたいところです。

最後に

今節からいよいよお客さんが入るとはいえ、まだ以前のように応援はできませんし、距離を空けての観戦になるので、それがどういった感じになるのかは未知数であり、また再開初戦のように慣れない雰囲気もあるかもしれません。ただ、とにかくピッチ上では前節の反省を活かし、やるべきことを積極的にやっていくのみです。

金沢に似ているという紹介をしましたが、正直個の能力などを考えると金沢よりも強力で厄介な相手であると言えるでしょう。それは降格組のチームであると考えれば当然と言えば当然なわけですが、だからこそ胸を借りるつもりで積極的にチャレンジしてほしいと思います。

諸々の事情で再放送は難しいと言われていた『ヤマトナデシコ』だって恐らく編集に編集を重ねてなんとか特別版放送にこぎつけたのです。

やれないことはない、何だってやればできる!(無理矢理)

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。