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オレラグ

今年も町田は水曜日【Preview】第5節 FC町田ゼルビア

2020年7月14日
こんにちは。
さあ、いよいよやってきました、ミッドウィーク開催です。
……なんてまあわざわざ盛り立てて書くほどの事でもないのですが、とにかく今季最初の中3日でのゲームです。
よく中2日と中3日はたった1日でも「全然違う」というお話を、選手や監督など現場に携わる方が仰っているのを見聞きします。中2日だと次の試合までに体の回復だけに割かざるを得ないということだそうですが、とはいえ中3日もやっぱり大変であることに変わりありません。
普段であれば土曜に試合があったとしたら、日・月でリカバリーやオフを取り、火・水・木で自分達が取り組んでいる戦い方のブラッシュアップと次の相手の対策を交えた練習をみっちり行えます。そして試合前日の金曜日にはセットプレーの確認やミニゲームなどできるだけ体に負荷を掛けないようにして、いざ試合という流れが基本なわけですが、中3日だとこの火・水・木のセッションがごっそり抜けるわけです。オフかリカバリーを削っても、たった1日月曜に練習を入れたらもう火曜日は試合前日ですから負荷を掛けた練習はできません。
そんな中3日、または中2日といった連戦が、年始に出ていた元々の日程から変更後は約4倍に増えています(確かそのくらい)。
まあどのチームも条件は一緒ですし、こんなイレギュラーな日程になったのは誰のせいでもありませんから文句を垂れたところでどうしようもないわけですが、そんな過酷な連戦の今季1発目のゲームとなります。

FC町田ゼルビア


昨年限りで6年間(通算で7年)指揮した相馬監督が退任すると、今季を迎えるにあたって、実に9年ぶりの復帰となるランコ・ポポヴィッチさんが新監督に就任しました。開幕戦をドローでスタートさせると、長い中断が明けてからも2試合引き分けが続き、なかなか順調かそうでないかの判断が難しいところがありました。しかし、前節ついに今季初勝利をもぎ取ることができ、今節新潟戦を前にしてチーム状態は上向きになっていると言っていいかと思います。
戦い方としては、相馬さんからポポヴィッチさんに替わってもコンパクトな陣形を保ちつつ中を締める守り方は継続されています。しかし相馬さんの頃のようなボールサイドに全員が寄って圧力を掛けるというような極端とも言えるやり方ではなく、ある程度全体のバランスを保つやり方へマイナーチェンジしています。
また攻撃でも、相馬さん体制時はその圧力を掛けて奪ったところから素早く攻め切るのが特徴としてありましたが、今季はもう少しポゼッションも取り入れながらゲームを進めるシーンが見られます。今季のJ2はうちも含めてポゼッションの質を高めることにチャレンジしているチームが増えましたが、町田もその1つです。

ベースの形を守る良し


システムはオーソドックな4-4-2。これまでの試合を見る限り試合の途中で3バックにしたりだとか大きく形を替えたりということはしていません。ビルドアップの際にボランチが下りてSBが高い位置を取り、SHが内側へ絞るといったプレーの中でのちょっとしたポジション移動はありますが、前節のハーフタイムにDAZNで出ていたポジションデータをご覧になっていただければ分かる通り、ほとんど基本の形を崩さずにやるのが今季の町田の特徴と言えるかもしれません。
基本の形を崩さないことで、守備は非常に堅く安定したチームになっています。ここまでの4試合で失点を2点に抑えているという結果からもそれが十分理解できるかと思います。
攻から守への切り替えが速いのはもちろんですが、中を締めて外へ外へ相手の攻撃を追いだすのが上手です。2トップが相手のボランチへのパスコースを消すところから始まり、どちらかのサイドにボールを出させて誘導すれば、それに伴って後ろの4-4ブロックも綺麗にスライドしてきます。新加入のマソビッチも非常に献身的でサボらない選手ですが、そういった新しく入った外国籍の選手でも違和感なく既にブロック守備の一翼を担えているあたりからも、その練度の高さが窺えます。
新潟としては松本戦同様ゴールを奪うのは大変難しいミッションになると思いますが、そういう場合は当然またセットプレーが大事になってくるでしょうし、また前任の相馬さんの時ほど極端ではないと書きましたが、とはいえしっかりスライドしてくるが故に逆サイドは空きますからサイドチェンジなど1発で局面を変えるような大きな展開は狙いたいところです。
また対戦相手のビルドアップに対して、これまでの試合を見る限り右SHに入る吉尾が相手の最終ラインに対してプレスを掛けるタイミングが少し早すぎてしまい、サイドの人数が足りなくなったり、簡単にボランチにボールを入れられたりというシーンがいくつかありました。その辺も頭に入れておいていいかもしれません。

ベースの形を守る悪し


攻撃の中心となっているのは10番の平戸です。1.5列目的に位置している彼に中央でボールを受けられるのは言わずもがな避けたいシチュエーションです。
そしてそれに加えて、サイドに流れて受けることで起点となりチャンスに繋げるシーンもこれまでの試合ではよく見られたので、新潟としてはできるだけ平戸に入る前の段階、相手のボランチやSB、CBのところである程度制限や圧力を掛けて、平戸へ入れさせないようにすることが理想でしょう。
またもう1人注意すべき選手としてボランチの高江を挙げたいと思います。
ボランチの2人はどちらかというと佐野の方がやや残り気味でビルドアップの軸となる“静”な印象で、高江の方が前線に出て行ったり、守備では後ろまで戻ったりという“動”、いわゆるボックスtoボックスタイプの選手です。
そしてそんな攻守に動ける高江は強烈なミドルシュートも持っています。前節は決勝点となるシュートを決めていますし、リーグ再開前に行われた浦和との練習試合でも見事なミドルを決めています。
攻守の潤滑油となり、時には決定打も持っている高江には要注意です。
基本の形を崩さないことが守備の堅さや安定に繋がっている旨の話を書きましたが、それに対して攻撃に関して言うと大胆な動き出しが少なくて、それがイマイチ迫力に欠けてしまう印象に繋がっているような気もします。
失点の少なさと共に得点も4試合で2点に止まっている部分はそういった迫力不足が影響している印象です。新潟としてはスペースを空けるリスクを恐がり過ぎたり考え過ぎたりせずに、ボールホルダーへきっちりチャレンジして相手の攻撃にテンポを出させないことが大事になるかなと思います。

最後に


ここまで新潟は4試合戦って2勝1分1敗、10得点8失点という成績ですが、お客さんの入った試合は2勝で4得点無失点です。
お客さんさえ入ってくれれば全勝で失点もしていないわけですから、つまりこの理屈で言えば再びウイルスの第2波など何かしらの有事で無観客開催に戻ったりしない限り、今後ここから全勝ペースということです。
屁理屈と言ってしまえばまあそれまでなんですけど、そんな見方で楽しめることがいつまで続けられるのか。期待としては15節くらいまで続けばいいなぁなんて思っています。
くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。