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オレラグ

キリキリマイにしてやれ【展望】第14節 FC琉球戦

2020年8月22日
こんにちは。
ちょっと前に川崎の試合を見ていた時、途中から入ったある選手が以前所属していたクラブで見せていたはずのキレが全く感じられなくなっていることに、改めてではありますが少し驚きました。
話はガラッと変わって今週です。湘南のある選手の言葉がツイッターで紹介されて多くの新潟サポがそれに突っ込むという出来事がありました。
サッカー選手の移籍というのは基本的に難しいものですし、決断するのは相当な覚悟やパワーを要するものなんだろうなというのは素人ながら想像できます。
最初に挙げた2つの話はちょうど最近出くわしたというだけで、それらから特に何かを見出したというわけではありません。ただ、移籍先で活躍できるにしろできないにしろ、移籍する時の出て行き方っていろんな意味で結構大事だったりするのかもなぁ・・・なんて他人事ですがなんとなく思いました。

上向きの琉球

 
 
はい、では本題に移ります。
今季最初の5連戦も今週末でラストです。今節対戦するのは現在勝ち点14で18位のFC琉球です。
昨季はJ2初挑戦ながら開幕ダッシュで旋風も起こし、結果的には14位でしっかり残留を果たしました。そのまま樋口監督が継続して指揮を執る今季は、まず昨年40人近くいた大所帯な編成を見直し、競争を促すために27人という少数精鋭のチームへと変化させてスタートしました。
しかし、新型ウイルスによる中断で過密日程となり、2人の選手がそのウイルスに感染してしまったり、さらにケガ人も複数人出てしまったりと、選手のやりくりに苦労しているというのが現状です。ユースの選手が2種登録としてベンチ入りしているところからも苦しい台所事情が窺い知れるわけですが、その中にはなんと中学3年生の選手がいたこともあってちょっと驚かされました。
とはいえ、成績の方はここ最近上向きです。
初勝利を挙げるまでに9節を要してしまったのは、今季J2の中で最も遅いものだったわけですが、その9節で岡山に勝ってからはすぐに連勝も果たし、ここ5試合は3勝1分1敗と勝ちが先行しています。

継続+阿部

戦い方について昨年から大きな変化はありません。
4-2-3-1を基本型として、まず攻撃では2CBと2ボランチが後方でビルドアップを担い、SBが幅を取って、SHと2トップが相手のライン間を狙います。ポゼッションを軸にして細かく少ないタッチで複数人が連携しながら相手守備陣を崩す、もしくはそうやって細かいパス回しで中央に起点を作ってからサイドに展開してクロスといったところが主な攻撃の手段です。
そんな攻撃において中心となっているのが現在6ゴールで得点ランキングも3位タイにつけている阿部拓馬です。
1トップのポジションに入る阿部は、丁寧に後ろから繋ぐスタイルのチームにおいて前線できっちりボールを収めて攻撃の起点となっています。また、なかなかうまく運べないという場合は、中盤や時にはボランチあたりまで下りてボールをもらってビルドアップの循環を促すこともでき、新加入ながらすっかり不可欠な存在となっています。
そして何といっても得点力です。自らドリブルで持ち込んでシュートなんていう形も2節の福岡戦では見せていましたが、やはり沼田や田中といった両サイドからのクロスに対してエリア内でDFを外す動きと合わせる技術が非常に高いです。
こうして彼の名前を上げたのは、前回京都戦の戦評でも触れたように、ここで名前を挙げた選手が結局ベンチとかベンチ外になる事が多いということを踏まえて、ぜひ今回もお休みしていただければという願いも込めています。
まあそんな願いはいいとして、前節琉球と戦った栃木の田坂さんも試合前のインタビューで「(琉球は)昨年と若干変わって阿部を中心にサッカーを展開している」と仰るくらいチームの柱ですから、とにかく出場する際はしっかり抑えたい選手です。

クロス対応に難あり

続いて守備についてなのですが、こちらは失点が22とリーグワースト2位であることからも分かるように問題を抱えています。
特に課題となっているのがクロスやCKなど横からのボールへの対応です。
ここまで22失点の内、実に4割ほどがクロスからの失点のようです。
ゴール前のマークという部分も甘さがあるのだとは思いますが、それよりもクロッサー、出し手への対応により問題があるように何試合か見る限り感じました。
守備の仕方としてまずはある程度前から取りに行くことを基本としていますが、少し持たれてしまえばすぐに切り替えてブロック守備へ移行しているように思います。そのブロックを作った際に、中を閉める意識は強く、縦パスに対してもガツンと行けてはいるのですが、サイドやブロックの外で持たれたところには少し余裕を与え過ぎる印象を感じました。
もちろん、ブロックを作って守る上である程度持たせていいところでもあるのは事実なのですが、ペナルティエリアにかかるかかからないかくらいの高さのサイドで持たれたところでも、結構な距離を空けてしまっているシーンが何度か見られました。特に相手が横に動かして揺さぶってくるのに対してスライドしながら守る時にその傾向が見えたように思います。
新潟としては、ブロックの外で持ってなかなか崩しに行けないなという場合でも、テンポを下げ過ぎず横に繋いで相手を動かすことで一瞬ボールホルダーに時間と空間ができる可能性があるので、ゴール前で合わせるFWや逆サイドのSHあたりは意識して準備してほしいですし、ファーに流れる動きなんかは特に有効になってくるんじゃないかと思います。
ちなみに、前節の栃木やその前の群馬なんかも、琉球のブロックの外でボールを動かす中で、少し余裕ができたと見るやサイドに渡すように見せてクッと楔のパスをライン間に打ち込むシーンが1つ2つ見られました。
クロス対応に課題があると書きましたが、だからといって毎回サイドに渡してクロスという形にこだわる必要もありません。最短距離が見えたのなら当然そっちを使って攻めた方がいいでしょう。

似たものとジョーカー

補足として2つ。
まずはポゼッションを志向するチームによくあることですが、運ぶところまではいいけど最後どう崩すかであったり、攻め切るかであったりという課題は琉球もあるようです。前々節群馬戦の試合前インタビューでも樋口さんは「ラスト3分の1のゾーンまではしっかり運べているので、あとはボックスの中をどこまで崩すことが出来るか」ということを仰っていました。
このラスト3分の1まで運びながらもそこで手詰まって失うとカウンターというリスクがあります。これに関してはうちにも同じことが言えるわけですが、ポゼッションを志向するチーム同士の対戦という見方でどちらが優位に立てるか、またはその裏返しでカウンターを繰り出せるか、このあたりは1つのポイントになるでしょう。
もう1つ。
また個人名を挙げますが、前節途中出場から2ゴールを奪った上原慎也にはやはり気を付けなければいけません。
ここまでスタメンはわずか1試合しかありませんが、欠場したのも1試合のみで、11試合に途中出場しているまさに琉球のスーパーサブです。
点が欲しい状況で最前線に入り、特長である高さを活かしてパワープレー的な戦いも可能にしてくれます。ポゼッションから攻撃の形を作る琉球においては違った色を持った貴重な存在です。彼が入ってきた時は琉球がまた1つギアを上げるスイッチということは、しっかり頭に入れておいた方がいいでしょう。
こんな風に書いておいて、蓋を開けたら彼がスタメンとかだったらまたこの展望記事の空振りを笑っていただければと思います。

待っているのは久々のオフだ

琉球は今季挙げた勝利が全てアウェーで、現在アウェー3連勝中のようです。まあ紹介しておいてなんですがそんなことは知ったこっちゃありません。気にせずいきましょう。
5連戦のラストしっかり勝って、久しぶりに設けられたオフ、しかも連休、気分よく迎えようではありませんか。
くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。