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駆け足の季節【展望】第21節 愛媛FC戦

2020年9月22日

こんにちは。

いよいよ半分です。っていうかもう半分です。
6月の再開以降今節を含めて20試合というほぼシーズン半分にあたる試合数は本来4カ月、今年は五輪のために中断期間が設定されていたので少し詰められていましたがそれでも3カ月半ほどで消化されるはずのものでした。
しかし今年はそれをたった約2ヶ月半で一気に駆け抜けてきました。仕方ないとはいえ改めて恐ろしいスケジュールですし、選手、スタッフ、クラブ全体(新潟だけに限りませんが)のハードワークにはただただ労いと感謝の気持ちでいっぱいです。

そんな半分という区切りではありますが、相も変わらず連戦が続きます。前節から中3日で次節は中2日、そしてたった3カ月が過ぎた頃にはもうシーズンが終わっているのです。息つく暇もありませんが、1つ1つやっていくしかありません。

厳しい戦いが続く愛媛

ということで前半戦ラストに対戦するのは現在21位の愛媛FCです。
19位でひとまず残留を果たした昨年から、今季はまず昨年までのように期限付きで補強した選手が中心の編成を改めて、自分達がパスを持つ選手を増やしました。そして山瀬や横谷、森谷といった経験と実績が豊富な選手の補強によって地力を上げ、上位進出を目指して開幕を迎えました。

中断明け初戦で徳島相手に3点を引っくり返した劇的な勝利はご記憶の方も多いと思いますが、その勢いで1度連勝を達成して以降は10試合勝ちなしという暗く長いトンネルに入ります。14節で今度は大宮相手にこれもまた劇的な勝利を挙げて勢いが戻るかと思われましたが、結局思うように勝ち点は積めず、現在は今季3回目の3連敗と苦しい状況が続いています。

森谷を中心にボールは動かせるが・・・

中断期間に4バックにトライして、再開後当初は4-3-3や4-2-3-1といった形で戦うこともありましたが、結局すぐにそれまでベースとしてきた3-4-2-1へ戻す決断をしました。やっぱり就任3年目となる川井監督の下で続けてきたその形が一番浸透していて安定しているということなのでしょう。ただ、昨年からそうでしたが試合中状況によって2トップにしたり、それこそ4バックにしたりといった一時的な変化は今年もよく行っています。
ちなみに昨年、後半開始から2人を同時に代えて2点差をまんまと引っくり返されるという悔しいホームでの対戦がありましたが、大胆な采配を見せる川井さんの策士ぶりは今季交代枠が5に増えたことでさらに際立っている印象です。

戦い方としては昨年から継続したやり方と言えるでしょう。
ボールを持って主導権を握りながら攻撃を展開して、守備はハイプレスというほどではありませんが5-4-1で引いてブロックを作るのではなく、コンパクトにラインを高く上げて守るというのが基本です。

攻撃面の方をまず見ると、ポゼッション率は新潟に次ぐリーグ6位の高さで、下位に沈んではいますが上位陣相手にも主導権を握りながらできている試合も少なくありません。
3バック+2ボランチを軸にビルドアップを行い、シャドーがライン間や選手間に顔を出しボールを引き出して大外のWBを使うなり、中央でもう一方のシャドーやトップと連携して崩すといった形です。
そんな攻撃を仕掛けてくるチームにおいて中心となっているのが、先程挙げた新加入選手たちなのですが、特にその中でも森谷がひと際存在感を放っています。主にシャドーの位置でプレーすることが多い森谷ですが、かなり自由を与えられているようで、サイドに出て起点を作ることもあれば、ボランチよりも低いところまで下がってCBからボールをもらいビルドアップをサポートすることもあります。
ここまでチームで2番目に長い時間プレーしており、攻撃陣の中では彼が最も出場していることからも、彼がポゼッションで軸になっていることは明らかです。低い位置はある程度持たせてもいいですが、中盤より前でライン間に立たれている場合は確実にケアしておく必要があるでしょう。

ただポゼッションができるチームではありますが、今季総得点21の内ほぼ半分の9点がセットプレーからのゴールです。つまり崩し切るとかフィニッシュまでやり切る、もしくはそのフィニッシュの精度といったところを課題にしています。もちろんアタッキングサードまで運べているからこそセットプレーが獲得できているとも言えますが、粘り強く中央を閉めたり、中へ入ってくるボールを跳ね返すことを集中してできていれば恐れる必要はないでしょう。

前節の守備の再現

29という失点の数自体は少ないとは言えませんが、順位の割に新潟よりも3つ多いだけなので、極端に大崩れしているわけでもありません。しかしやられ方が堪えるものであったりマズイ対応であっさりやられたりしている印象があります。

まずは堪えるものとして、これは諸刃の剣でもあるのですが、自陣でのビルドアップ中に引っかけられてそのままやられてしまうというパターンです。こういうリスクを承知の上で、丁寧に後ろからポゼッションをしていくやり方をしているとは思いますが、とはいえちょっとその回数が多いような気がします。
矛盾するようですが、前からプレスに来る相手の勢いを逆手にとって入れ替わったり運び出したりするのはむしろうまいチームです。逆にブロックを作られるとパスコースを探してしまって停滞してしまい、いわゆる持たされる状況になることも多い印象です。
ですから新潟としては、まず後ろの3バックにはある程度持たせるというやり方でもいいと思います。でも理想はやっぱり陣形が整い次第連動して前からプレスを掛けることだろうなとも思います。
抱えるリスクをそのまま被ってしまう回数が多いということは、前線からのプレスが攻撃の芽を摘むだけでなくチャンスの量産に繋がる可能性もあるということです。とにかく徳島戦の前半のような守備が再現できるのであれば、自然とペースは新潟に傾くような気がしています。

もう1つマズイ対応という話ですが、こちらもポゼッションから失ってカウンターを受けた時の対応を含めてになりますが、シンプルに1対1の対応で少し緩さを感じるシーンが何度か見られて、結果的にあっさり失点を喫してしまうケースが多くあったように感じました。
球際であるとか1vs1のマッチアップだとか、本質的なところをしっかり意識できればいつも以上に優勢に立てるのかなと思います。

愛媛の守備のネガティブな部分ばかり紹介してしまいましたが、14節大宮戦のように割り切って持たせることを意識してやったり、17節ヴェルディ戦のように完全なマンツーマンディフェンスで対応してみたりという、相手を封じることを徹底した時にしっかりやりきって勝ち切る事が出来る強さも持っています。これも川井さんの策士的な一面と言えますが、今節も何か特異な策を施してくるかもしれません。警戒しておきましょう。

最後に

中3日の長距離アウェーではありますが、実は愛媛の方はアウェー群馬戦から中2日というさらに厳しい日程になっています。しかもうちは土曜の14時キックオフだったのに対して愛媛は日曜の19時30分キックオフということで、前節終了から今節開始までは約30時間の差があります。
もちろん両チームとも多かれ少なかれ選手を入れ替えてくるでしょうし、その30時間という差がどれくらいのアドバンテージになり得るのかは分かりませんが、一応そういうコンディションの差がありますよという事前情報もご紹介しておいて締めたいと思います。

きっちり勝って連敗を止めて気持ち良くシーズンを折り返しましょう。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。