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節目は考え様【展望】第22節 ヴァンフォーレ甲府戦

2020年9月25日

こんにちは。

シーズンも折り返して今週末から後半戦がスタート、というタイミングでいよいよ今季解任第一号のリリースが出ました。
松本が今季から指揮を任せていた布さんを諦め、編成部長だった柴田さんを暫定的な後任に据えて次節からは戦うということだそうです。

今季は降格がありませんから割り切って我慢という選択も例年に比べれば取りやすいように思いますし、そもそも日程が過密なので監督交代という大きな決断を下すタイミングも難しいといった事情があるわけですが、それでも松本はついにここで踏み切りました。
正直布さんでなくとも今季の松本を指揮するというのは非常に難しいタスクだったのだろうと想像します。マンチェスターユナイテッドしかり、アーセナルしかり、日本で言えばガンバもそんな時期がありましたが、やっぱり長期体制が続いた直後というのは大変だなと改めて感じた交代劇でした。

手堅くコツコツ

さて、よそはよそ、うちはうち。本題に入りましょう。
冒頭にも述べた通り今節から後半戦スタートです。
後半戦最初の試合ホームに迎える相手は、今季中断明けの最初に対戦したヴァンフォーレ甲府です。

現在勝ち点はうちよりも4つ多い34、順位はうちより2つ上の6位という成績です。8月に1度連敗を喫した事はありましたが9月に入ってから北九州、長崎という上位陣を連破。直近3試合もそうですし、リーグ最多の10回を数える引き分けの多さが少し気になるところではありますが、負けは長崎と並んでリーグ最少の3つしかないように、非常に粘り強くコツコツと勝ち点を積み重ねることが出来ている印象です。

前回対戦からの変化という点で言えば、まずシステムが変わっています。
今季開幕や中断明け当初は守備時のベースが4-2-3-1で、攻撃の際はボランチが下がって3-4-2-1のように変化させてポゼッションをしながらアグレッシブな姿勢でゲームを進めるということを標榜していました。
しかし5節のヴェルディ戦からは守備時のシステムを3-4-2-1にして、守る時にブロックを作る際は5-4-1という昨年までと似たような形に戻しました。
またビルドアップでは3バックの中央の選手が1つ上がって中盤を厚くするというやり方をしていますが、当初ほどポゼッションにこだわらずにやっているような印象です。それは今季支配率で相手を上回った試合が6試合ほどしかないところからも言えるでしょう。

進化

基本的な立ち位置を昨年までと似たような形に戻したことで結果的に安定したわけですが、もちろん戻っただけでなくブラッシュアップもされています。
前回対戦時の見所で守備への切り替えの部分とラインの高さに問題があるみたいなことを偉そうに書いていたのですが、ここ最近のゲームを見ると明らかに改善されている印象です。
5-4-1のブロックで構えればそう簡単に破られることはないということもあってのことと思いますが、相手ボールになった際も割り切ってブロックを作る選択を素早くできています。ただ、これは繰り返しになりますが昨年までと似た形に戻っているだけなので目新しい事ではありません。それよりもそこからラインを上げて前からプレスを掛けて守るやり方がかなり浸透してきているように見受けられたことに進化を感じました。

4-4-2の相手に対しての話ですが、5-4-1での守備ブロックを作る時、中盤の4は内側を閉める意識を強く持って横をかなりコンパクトにしています。そして相手のCBに対しては1トップと2シャドーの1人が出て、幅を取るSBにはWBが捕まえに行きます。こうしてサイドで囲い込んで取り切ってカウンターというのが強みになっています。

そんな甲府の守備に対して新潟に求められるものは特別なことではありません。
ビルドアップの時に内側へ入るSHに適宜ボールを入れながら、相手の中盤にそこを意識させて前線やサイドへプレスを掛けづらくさせる作業を地道にやることと、さらに前へ出て奪いに来られた時にWB裏のスペースをシンプルに狙うということです。
そして内側へ入るSHにボールを入れる場合も、裏のスペースを狙う場合も、それら全てでそこから崩したり仕掛けたりするシチュエーションを狙う必要はありません。そういうことを見せることで相手に意識付けさせることが結果的に欲しいものを手にすることへと繋がるような気がします。

豊富なタレント

甲府の攻撃についても少し。

ビルドアップの時に右サイドでは後ろの藤田が幅を取り、前にいる松田が内側に入るということ、そして反対に左サイドでは後ろの内田が内側に入り前の泉澤が外に張ることが多いという特徴を前回の見所でも書きました。これはシステムが3-4-2-1になっても変わっていないようです。大外に張った泉澤のドリブルも、内側から神出鬼没に飛び出してくる松田も脅威です。
また、左サイドからのクロスにファーサイドから松田が合わせるという形もつい前節の磐田戦でも見られたのでこれも健在です。

『そんなこと書いておいて予想スタメンに泉澤も松田も入れてないじゃないか』というツッコミはごもっともです。
ただこれは2人とも直近2試合連続でほぼフル出場していて、さらに中2日なので、これまでの傾向からするとこの辺で一旦休ませるのではないかと思って入れませんでした。もちろんあくまでも予想なのでケロッと出てくる可能性は十分にあります。

ただ、仮に予想通り2人がベンチスタートやお休みだったとしても今回予想に入れたドゥドゥと太田も同じような役割を遜色なくこなすことのできる選手であるということを忘れてはいけません。
前節7試合ぶりにケガから帰って来たドゥドゥは泉澤のようなキレのあるドリブラーではありませんが、推進力があって泉澤以上に内側でプレーすることもできます。また太田に関しては今季甲府の中で一番の成長株と言ってもいい選手です。スピードを活かした突破や抜け出しだけでなく、最近は攻撃の起点となるようなプレーも増えているように感じます。

要は誰が出てきてもクオリティを落とさず戦うことのできる選手層を誇っているので、前線のタレントには十分注意しましょうということです。

次に攻撃における懸念点も挙げておこうと思いますが、これは後ろからのビルドアップの部分が当てはまるような気がしています。
当初ほどポゼッションにこだわらなくなったとはいえ、後ろから丁寧に繋いでいくことを志向しているのは変わりません。その中でまず出し手であるCBはある程度足下に定評もあるからこそ簡単に蹴らずにやろうとしているのですが、それが仇となってしまいパスコースを探して持ち過ぎてしまいプレスに屈して失ったり、パスがズレてしまったりするシーンは時折ありました。
また受け手の方である中盤から前の選手についても、足下で受けようとする意識が強過ぎてしまい、縦パスを狙われてうまく運べないというケースも多々ありました。

新潟としてはこちらも攻撃同様求められることは特別なものではありません。ラインを高く保ち、パスコースを封鎖した上で前線からプレスを掛けて行くことが、チャンスにも繋がってくるはずです。
前節の後半に間延びしてしまったという反省点をしっかり活かさしてほしいなと思います。

最後に

甲府は前節磐田戦こそセットプレーから1失点しましたが、それまでは5試合連続無失点を続けていました。いい守備ができてこそいいリズムが醸成されていくチームという見立てをしていますが、これは恐らく間違っていないと思います。
ですから新潟としては、相手の狙い通りにボールを奪われないようにしないといけません。そのためにはプレーをやりきることであり、シュートで終わる、攻め切るということが今節は大事になってくるのかなと思います。

今節こそ勝ち点3を奪って、後半戦を気持ちよく始めましょう。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。