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オレラグ

繰り返された5連戦の締めくくり【展望】第39節 松本山雅FC戦

2020年12月5日

こんにちは。

桐蔭横浜大のDF遠藤凌選手の来季新加入内定という嬉しいニュースがありました。
生で見たのはたぶん彼が浦和ユースに在籍していた高校3年の時にうちのU-18とクラブユース選手権で戦った時くらいしかなく、その時も改めて調べると終了間際に出場しただけだったのでどういう選手かみたいな印象は残念ながらほとんど持っていないのですが、まあうちのスカウトが欲しがったのですから良い選手であることは間違いないでしょう。
ちなみに浦和ユースということで荻原の1つ上の先輩という事になります。

183cmのCBだそうで、今季のCBは結果的にマウロと舞行龍を相当酷使してしまったということを考えると、大卒でもありますから即戦力として大いに期待したいところです。

ようこそ新潟へ。新潟に来てくれて本当にありがとうございます。
精一杯応援していきます。

大変な年

では、今回も次の試合の展望を書いて行きます。
今季も残り4試合というタイミングですが、ようやく6回あった5連戦が今節で最後となります。と言ってもまた最後に3連戦が待っているわけですが、ひとまず1つの区切りということでいいでしょう。
そんな最後の5連戦の締めは、アウェーで松本との対戦となります。

今季は我々もいろいろあって大変でしたが、松本もそれに勝るとも劣らぬ大変なシーズンを過ごしてきました。
まず前回対戦を振り返ると、リーグが再開してから3試合目の第4節に戦って1-0で新潟が勝利しています。思えばこの試合からお客さんも入れるようになったというゲームでもありました。
松本としては1年で戻って来てしまったJ2でこの試合が今季最初の敗戦だったわけですが、そこから2試合を挟んでまさかまさかの5連敗を喫します。
その後も黒星が先行する中で、9月に入ると粘り強く勝ち点1を拾いながら復調の兆しも見えたかに思われましたが、前半戦ラストの21節で琉球相手に1-6という惨敗。ここで今季から就任した布監督を解任し編成部長を務めていた柴田さんがバトンを受け継ぐ事となりました。

監督交代後も劇的にチーム状態がよくなったわけではなく、勝ち切れない試合がしばらく続きましたが、29、30節でようやく今季初の連勝を達成。
12月に入って最初の試合だった前節こそ群馬に敗れていますが、11月は上位の福岡も倒したり2回目の連勝を達成したりとシーズン終盤に来てようやく安定してきたと言えるチームです。

噛み合わせの悪い両者の駆け引き

シーズン終盤に来て安定してきたというのは、ここまでトータル14敗している内、監督交代以降、つまり後半戦だけで言えば4敗しかしていないというシンプルな結果からも分かるかと思います。ちなみに後半戦ここまで4敗というのは我々新潟と同じ数字です。

この安定感をもたらしている要因は守備にあります。
この守備に関しても敗戦の結果同様、1試合平均失点が前半戦の1.6から後半戦ここまでで0.8へ半減しているというデータが如実に表しています。

基本は3-5-2のシステムで、コンパクトなブロックを形成してミドルゾーンで構えることをベースとしつつ、状況を見ながら可能であれば前からも嵌めに行くこともするというのが松本の守り方の印象です。
また特徴として、その守る高さに応じて表情を変えながらやっている印象は特に前節は顕著に見られました。
前から嵌めに行く場合は3センターの1人と2トップの1人がシャドー的になる3-4-2-1的な形になり、ブロックを作る場合は3-5-2(5-3-2)といった具合です。

相手が4バックの場合、松本の2トップに対して対戦相手はボランチが下がって後ろを3人にしようとすることがほとんどなので、それに対してそのまま付いて行きやすいように中盤逆三角形の前2人(インサイドハーフ)は最初から相手のボランチを見る役割が課されているようです。
一般的に中盤が逆三角形の3センターの場合、彼らがスライドしながら相手のSBへ寄せるパターンが多いのですが、どうせ相手が後ろを3人にしてSBを高く上げてくるならそのまま相手のボランチにはインサイドハーフが、そしてSBにはWBが見に行った方がいいということもあるのでしょう。

ただこの場合、一般的な守り方では最終ラインに入ることになるWBが前へ出るので、その後ろにあたる3バックの脇にはスペースが生まれることになります。
29節に松本と対戦した北九州なんかはその守り方を見た上で、いつもならビルドアップのために後ろへ下がるボランチをあえて下げないことで松本のインサイドハーフを中央を留めておき、またSBも少し低い位置に残ってビルドアップをサポートすることで相手のWBを引き出し、その裏のスペースにSHやFWが流れて起点を作るという狙いを見せていました。
このあたりの誰が持った時に誰が出てくるか、またどこの誰を引き出すためにどう動いたり止まったりするかというビルドアップの駆け引きは注目したいところです。

結果は出ずとも多士済々

攻撃面に関しては現時点でリーグワースト5位タイの37点しか奪えておらず、監督交代後も守備面ほど著しい改善は見られていません。
ポゼッション率はリーグでも下位の方ですが持つところは持ちますし、やっぱり守勢に回る時間が長ければ当然カウンターも仕掛けてきます。正直に言えばどちらも特筆するほどの感じではなく、最大の得点源はセットプレーというのが現状です。
前半戦から復調したとはいえそれでもやはり下位に沈んでしまっているのはここに所以があると言えるでしょう。

ただそれじゃあ能力が低いのかと言えばそんなことはありません。むしろ昨年までJ1だったくらいですから個々のタレントはそろっています。
そんな攻撃陣の中で中心となっているのがセルジーニョです。
10番でキャプテンですからたぶん初めて見た人でも彼が中心だろうというのは想像がつくかと思いますが、実際にここまでスタメンとして27試合出ているというのはフィールドプレーヤーではチーム最多となっています。

主に2トップの一角、もしくはその1つ後ろであるインサイドハーフで出場することが多いのですが、とは言いつつ彼はあまりポジションの関係ない存在と言っていいでしょう。
前線で決定的な仕事をするような位置にいることもあれば、サイドに流れて起点作りもしますし、時には最終ラインの手前まで下りてボールの配球を担っている事もあります。フリーマン的にピッチを自由に動いて攻撃に絡んでいます。ですから守る方からすると捕まえづらい選手ではあるのですが、捕まえないといけない時だけ捕まえておけばいい、という感じで新潟としてはやれればいいのかなという気はします。

また阪野、杉本あたりも非常に厄介な選手です。
阪野は前線で張ってポストプレーもできますし、鋭い動きだしで裏を狙う事もできる選手です。
そしてそんなランドマークとなれる阪野の周りで上手に絡んでくるのが杉本です。
阪野のポストプレーから近くでボールをもらいフィニッッシャーにもなれますし、後ろから繋いできたボールをライン間でうまくもらってラストパスという仕事もできます。いずれにしても狭いスペースを苦にせずプレーできる杉本はもしかすると最も対応しづらい選手と言えるかもしれません。
どう彼に対応するかというよりは、どう彼にボールを入れさせないようにするか、という風に考えたいところです。

最後に

前々節松本と戦った京都が試合前のコイントスでエンドを替えていました。ホームスタンドとメインスタンドの間くらいから入ってくる日差しを気にしてのことだったようです。

そういえばこれまでカップ戦も含めて松本とのアウェー戦は3回全てナイトゲームでしたし、さらに松本で行われたゲームで遡れば03年の甲府とのゲームも夜で、06年の甲府戦はデーゲームでしたが曇りでした。
日曜日の天気予報を見るとどうやら晴れそうなので、少々目線に掛かる日差しが入ってくるということは、特にGKやバックスタンド側の選手は少し頭に入れておく必要があるかもしれません。

そして現地に行かれる方は、晴れて10度ちょっとあるとはいえ万全の防寒対策を忘れないようにしましょう。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。