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オレラグ

どよーんとしたドローの話【戦評】第33節 ジュビロ磐田戦

2020年11月13日

こんにちは。

アルベルさんお怒りでしたね。
最後のところのスローインはたぶんベンチサイドだったこともあってよく見えたのでしょう。ひょっとするとここ以外にも納得のいかないジャッジがあって不満が募っていたのかもしれません。
それでも相手の戦いを称賛し、自分も選手もレフェリーも生身の人間だからミスがある、ということも仰っていました。
この試合に限らずこれまでも感じていたことですが、バルセロナというビッグクラブで育成に携わるということはそれだけの人間性がないと務まらないことだろうなというのを、アルベルさんのメディア対応を見ているとよく思います。

受け入れがたいところもありますが、これもフットボール。
悔しいドローです。

スタメン

新潟のスタメンですが、前節から4人変更がありました。
まずは舞行龍が出場停止から戻ってきたことと、それと入れ替わるように田上が今節は出場停止になってしまったということで、前節CBで出場した新井がこの日は右SBに移りました。また左SBもゴメスではなく史哉が入ります。
そして前節負傷交代となった福田の位置には前節と同じように中島が入り、右SHには6試合ぶりにスタメンの大本。
さらに至恩とテセがベンチスタートとなり、左に善朗、トップ下にロメロ、最前線が矢村という前々節と同じ人選で臨むこととなりました。

対する磐田は前節からの変更が3人。
まず3バックの中央に大井が復帰。そして左WBに松本、シャドーの一角に山田がそれぞれ2試合ぶりと3試合ぶりにスタメンとなりました。
システムは展望の方で『4バックの可能性もあるかも』なんてことを書きましたが、蓋を開けてみれば前節同様3バックでした。ただ前線の並びがルリーニャではなく山田に替わったことで、2トップ+トップ下ではなく、1トップ+2シャドーというマイナーチェンジが施されていました。

前半

始まって早々、まずは新潟が奪ったところからロメロが左サイドの裏を取ってシュートを放ち、4分には磐田がテンポのいいビルドアップから運び出して最後は小川からのパスを遠藤がシュートを狙います。
いずれも枠を捉えることはできませんでしたが、早い段階で惜しいチャンスを作った立ち上がりに関しては新潟もまだ悪くない印象でした。
しかし、少しずつ試合の流れは磐田に傾いて行きます。

決定的なシュートシーンというところまでは作られたわけではありませんが、ここ2試合特によくできていた前から奪いに行く守備というのが、どうしても相手とのギャップを埋めきれずにプレッシャーを剥がされて、簡単に外のWBに起点を作られて運ばれてしまうというケースがこの日は何度も見られました。
またビルドアップに関しても、11、12分頃に新井が内側に入って起点を作りながらスムーズに運び出したシーンこそありましたが、それ以外では相手のシャドーのうち1人が前に出て2トップ的になり、それに伴ってWBも前に出ることで擬似4バックみたいな形で嵌められてなかなか縦に入れられず前進できませんでした。

結局そんな流れのまま飲水タイムを迎えるわけですが、ここでアクシデント.発生。負傷してしまった新井が続行不能ということで29分に新井→ゴメスで前半から1人交代を余儀なくされます。
この交代により、ゴメスが左SBに入って史哉が右に移りました。

すると直後に大ピンチ。
29分、遠藤の左CKを一旦は和輝がパンチングで弾きますがこぼれ球を松本がシュート。何とか和輝、そしてマウロも触って史哉がブロック。
さらにもう1回松本が詰めてきましたが、ここも史哉がナイスブロック。
さらにさらにこぼれたボールを山田が狙ってきましたがここもDF2,3人が寄せて跳ね返しました。執念の守備でしのぎ切ります。
33分にも同じく遠藤の左CKから、ロメロのハンドが疑われるようなギリギリのシーンを作られますがここはお咎めなく難を逃れます。
さらに42分には、左に流れていた遠藤が自ら入れたクロスのこぼれ球をダイレクトで狙ってきます。外から巻いてコースを狙う見事なキックでしたが、ここはポストに救われました。

新潟の方は35分、セットプレーの流れから善朗が右サイドを抜け出してクロスを供給。舞行龍がドンピシャヘッドも相手GKに阻まれる決定機を1つ作りました。
しかしチャンスと言えばこれ以外はセットプレーから1つ2つといったところで、なかなか思うようにボールが持てずやりたいこともできないまま45分が過ぎていきました。

前半終了、0-0。
それでも粘り強く守って無失点に抑えたというのが収穫の前半でした。

後半

新潟がスタートから2人の交代を行います。
矢村、大本→至恩、テセ。
この日はなかなか特長を出しきれなかった2人だったので、残念ですが前半のみでの交代も致し方なかったかなという印象でした。

さて、後半も前半同様入りは悪くないように見えました。
47分には中盤で善朗が奪ったボールを前でもらったテセが思い切ってロングシュートを放ちます。シュート自体は相手を脅かすようなものとはなりませんでしたが、積極的な姿勢が見られました。

しかしそんなポジティブな感情を持ったのも束の間、すぐに磐田の攻勢を食らいます。
まずは50分、前からのプレッシャーをかわされて右サイドの小川からスルーパス。CBの間から抜け出した中野がGKと1対1の状況となりましたが、中野のシュートは和輝がファインセーブで止めました。
さらにそのたった1分後、今度は中央遠藤から左サイドへ展開されたボールを松本がワンタッチでクロス。再びフリーで走りこんだ中野がジャンプしながら右足でうまく合わせましたが、ここも和輝が左手でわずかに触ってゴールを許しませんでした。
雄叫びを上げながらガッツポーズの和輝、めちゃめちゃかっこよかったです。

それでもピンチは続きます。
さらに約2分後、中央右から山本の裏へのボール。絶妙なタイミングで抜け出した大森の落としをまたまた中野がシュートを放ちますが、ここは枠を外れていきました。
ここで1つよかったこととして、自分のポジション的にオフサイドは取れないと思って楽をしようとせず大森について行った史哉のプレーはナイスでした。

そんないつ失点してもおかしくないような時間帯が続く中で、欲しかったゴールは突然訪れました。
58分、相手のブロックが敷かれた状況の中、ボールを動かして自分達の時間を作ると、左に流れた中島から縦パスが入ります。
裏のスペースに走り込んで受けたロメロはゴール方向に向いて突破を試みますがDFに引っかかります。しかしそのこぼれ球をテセが拾うと、トラップでうまく前へ持ち出して左足シュート!先制!
やっぱりボックス内のテセの抜け目なさはさすがだなと感じるほかありません。まさに点取り屋といった存在を見せつけてくれました。
また、前節に続いてロメロの推進力、強引さが活きたゴールでもありました。

64分、新潟は4人目の交代。善朗→荻原を投入します。
この日久々にベンチ入りを果たした荻原でしたが、出場は5試合ぶりとなりました。
そしてこの交代によって新潟は5バックへと変更します。
ゴメスがマウロ、舞行龍と共に3CBの一角を担い荻原がそのさらに外側の左SBへ入りました。そして中盤も至恩を左に移しロメロが右に下りることで、守る際は5-4-1という布陣になりました。

対する磐田は66分に大森→ルリーニャ。
元々自在に動きながらやっていたので1トップ2シャドーという配置通りにやっていたわけではありませんでしたが、ルリーニャが投入されたことで気持ち中野・ルリーニャの2トップ的な色合いが濃くなった印象でした。
しかし、入って早々にルリーニャがオーバーヘッドでゴールを狙ったシーンこそありましたが、磐田はチーム全体として後ろに人数を掛けてきた新潟に対して攻めあぐねます。
新潟としては、後ろに人数を割いてもラインはできるだけ高くしてプレッシャーを掛けるところは掛け、またプレッシャーに行くことで後ろも狙ってインターセプトするという場面をいくつか作ることができていました。

すると78分、磐田は山田→上原を投入。
もちろん山田の運動量的なこともあったのでしょうけど、より前で決定的な仕事ができる山田に替えて、もう少し後ろからボールを配ったり拾ったりできる上原を投入したことで磐田は押し込めるようになります。
何となくですがこの采配は結果的に大きな効果があったように感じました。
残り10分を切った頃から磐田がボールを持ってハーフコートゲームの様相を呈してきます。

そんな中、新潟は再びアクシデントに見舞われます。
負傷したロメロが一旦はピッチに戻ってやろうとしましたが、やっぱり難しく交代となってしまいました。新井に続いてロメロまでというのは何とも心配であり苦しいところです。
81分、ロメロ→達也さん。
アクシデントによって使い切ることにはなりましたが、この日残していた最後の交代枠で達也さんが実に19試合ぶりとなる出場を果たしました。

久々の達也さん登場で見ている方としてはテンションも上がったわけですが試合自体は耐えしのぐ展開が続きます。
磐田の方も88分に中野→吉長と、交代策を用いて何とかこじ開けにきます。
するとアディッショナルタイムに入る直前でした。
左サイドの磐田陣内深いところでテセがキープ。相手とのコンタクトで外へ出たボールはてっきりマイボールのスローイン…かと思ったらこれが磐田ボールの判定となります。
このスローインから前に送られ、ルリーニャがすらしたボールを中島はクリアしきれず、これを遠藤が右サイドへ展開します。
抜け出した吉長がドリブルでペナ角あたりまで運んでクロス。ファーサイドでフリーだった大井がヘッド。ここは和輝が反応して止めますが、こぼれ球をルリーニャが押し込みました。同点。

6分という長いアディッショナルタイムの間に、テセのヘッド、中島のFKなどいくつかセットプレーからチャンスを作りましたがゴールは奪えず。

試合終了、1-1。
悔しいドローとなり、上位との差は離れてしまいました。

守備嵌らず

改めて試合自体を振り返ってみればテセも話していたように「内容は圧倒されていた」試合でした。
そうなったのはやはり前半にも書いた、前からの守備が嵌らなかったということが大きいでしょう。

相手の3バックに対して新潟は矢村とロメロが出ても2人なわけですから1人が余ります。そこに対してボールサイドのSHが外側(WB)へのパスコースを切りながらプレスを掛けるというやり方は、前節、前々節と同様のものでした。
しかし、この日はどうにもこのSHが相手の3バックまで出て行く距離が遠いために自ら運ばれて展開されたり、もしくは浮球を使って外側へ出されたりという余裕を与えることになってしまいました。

前後半とも入りに関しては悪くなかったと書きましたが、この時間帯はより前から行くぞ、という姿勢でやれていたことで全体が上がっていて、相手のWBに対してもうちのSBが積極的に出て行って封じ込める形ができていたためいい入りができていたんだろうと思います。
それを90分できることが理想なのかもしれませんが、まあそんな簡単なことではありません。そうであるならば、もう少し後ろには持たせておいてでも全体のコンパクトさが確実に保証されてから取りに行くといった形があってもよかったのかもしれません。

多少のメンバー変更があったことでここ2試合のようなオーガナイズを発揮できなかった側面もあるかもしれませんが、とはいっても磐田の組み立てが上手だったというのも間違いないでしょう。
新潟のSHが外を切ってくるからWBがスッと中央に入って受けることもありましたし、遠藤、山本、山田、大森というボランチとシャドーはかなりフレキシブルに上下を入れ替わったり、左右に流れたりしてボールを引き出していました。
試合を通じて新潟はオフサイドを取りきれずに危ないシーンを作られることが散見されましたが、それだけ新潟としては押し上げたいけど後ろが気になる状況を作られて、それが前からのプレッシャーに全体として連動できなかった部分にも繋がるように感じました。

最後に

ケガ人が帰って来たと思ったら離脱の繰り返し。まあこれに関してはうちに限らないですし、過密日程を恨めしく思ったところで誰のせいにもできるものではないでしょうから、受け入れるしかないでしょう。
とにかくケガをした選手が大事でないこと、そしてすでに離脱中の選手の順調な回復を祈るばかりです。

さて、残りの試合数もとうとう1桁の数字になってきました。
改めてですがあんまり考え過ぎずに次の試合に勝つ、それだけでしょう。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。