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オレラグ

寒い夜だから【戦評】第41節 レノファ山口FC戦

2020年12月18日

こんにちは。

終盤に来てこうも苦しく書きづらい試合が続くことになろうとは…。
今週に入ってからは強い風とそれに乗った雪なんだか雨なんだかみぞれなんだかがガンガンと部屋の窓を叩いているのですが、ほんとに音を立てるかのようにバランスを失っているというか、ガタガタになってしまっているように見えることは否定しようのない事実かと思います。

寒いのは嫌いです。冬も嫌いです。アルビレックスは好きです。
ただただ辛いです。そんな感じです。はぁ……。

スタメン

まずうちですが、前節から3人のメンバー変更がありました。
トップに2試合ぶりの矢村、トップ下にこちらは実に18試合ぶりのスタメンとなるシルビ、そして右SHには4試合ぶりスタメンの大本が入りました。
それに伴い前節左SHだったゴメスはボランチとなり、トップ下だった至恩は左SHへと移りました。またSBの位置もいつもとは逆で史哉が右、田上が左でスタートしていました。

対してレノファの方ですが、こちらも前節からの変更は3人でした。
まずCBの一角に10試合ぶりのスタメンとなる菊地が入り、ボランチには9試合ぶりの武岡。そして最前線には今季初スタメンとなる、福岡大在学中の強化指定選手である梅木を起用してきました。

前半

開始早々、大本から島田へのパスが流れてしまった時にシルビが大本に対して前方を指すようなジェスチャーであり、また3分頃には田上が蹴ったボールであり、立ち上がりから試合後のコメントにもあった通りシンプルに背後を狙う意識みたいなものは強く感じられました。

そんな中で最初のチャンスは4分。
マウロの縦パスが引っ掛かるも、中盤での奪い合いでマウロが取り返してシルビが拾うと右の裏へ。
大本が抜け出して上げたクロスを矢村が収めて最後はゴメスがシュートも上へ外れました。
パスミスが発端であり決して意図してできたものではありませんでしたが、それでも結果的に食いついた相手のサイドの裏を起点に1つシュートまで持っていくことができました。
その後も、攻撃に関しては相手の背後を狙う形を徹底します。

守備に関しては、攻撃が相手の背後を狙う形だった分、それが通らなかったり奪われたりした辺り、つまり相手陣内の高い位置からプレッシャーを掛けようという印象はありました。
それで嵌めてうまく奪えたシーン自体は1つ2つあったくらいで、ほとんどはレノファの右SHの池上が中へ入ったり、トップ下の高井が下りたりすることによってボールを引き出されていたため、結局ミドルサードあたりで守備をする時間は長くなりました。

飲水タイム時のポゼッションデータが57vs43で、前半終了時のデータが51vs49だったことから、第1クォーターより第2クォーターの方が新潟のボール保持の割合は増えたことが分かりますが、40分にパスミスからショートカウンターでレノファにこの日最初のシュートを打たれたり、さらにセットプレーからも連続でピンチを作られたりと、終盤に関してはボールを持つことがそのままリスクになってしまうような厳しい展開となりました。

前半終了、0-0。

後半

どちらも交代なしでスタートした後半は、前半とは違い序盤からゴール前に迫ったり、シュートが多かったりする展開となります。

47分には中盤でのルーズボールに素早く反応した至恩がそのままドリブルで持ち出して1つゴールへ迫るシーンを作ると、48分にはリスタートから矢村が収めて至恩経由で右の大本へ展開してクロス。前線まで上がってきてこぼれ球に反応した島田は残念ながらオフサイドとなりますが、チャンスの手前までいくシーンを作ります。

対するレノファもまずは49分。左サイドから田中パウロが抜け出し、マイナスのパスを高井がスルーをして最後は池上がシュートも上へ外れます。
さらに52分には池上の左CKからヘナンがヘッドで合わせますがこれも外れました。

すると55分、新潟が先に動きます。
矢村、大本→中島、テセ。
それぞれそのままテセがトップに入り、中島が右SHへ入ります。

その後も59分にはレノファ、左サイド田中パウロのクロスから梅木が落として川井のシュートは枠を捉えられず。
61分には新潟、島田のクイックリスタートからテセが落として田上がシュートは、こちらもゴールとはなりません。

ゴールは奪えず、またいくつかのピンチもあり決して上々な展開ではありませんでしたが、それでもキックオフの際は一旦和輝まで戻して長いボールを送ったり、自陣のこぼれ球に対して大きくクリアするシーンがあったりと、ここ数試合の反省を活かすようなハッキリしたプレーを意識しているようにも少し感じられて、実際この日は鬼門となっていた後半入りの15分を乗り切りました。

しかし、この日の鬼門はその約5分後にありました。
66分、右サイドの深い位置で田中パウロが受けると、一旦川井へ戻して再び下がってもらい直します。
アーリーのような位置から田中パウロが上げたクロスはファーサイドへ流れ、走りこんでいた安在が折り返した先に待っていたのは高井でした。レノファ先制。
いたって当たり前のことですが入りの15分を乗り切ったからなんだって話しなのです。サッカーは45分ハーフですから。
悔しい。

飲水タイムを挟んで新潟は島田、史哉→善朗、荻原を投入。
善朗はそのままボランチ、そして本来左サイドである荻原もこの日はそのまま右SBへ入りました。右サイドは加入してから初出場となった岡山戦以来だったでしょうか(間違っていたらごめんなさい)。あの時は負傷したロメロに替わって急遽の右SHでしたが、今回は右SBということで、攻撃的にいきたいというのはもちろんですが、相手の左サイドにいた田中パウロのスピードに対するケアという意味合いもあったかもしれません。

選手を入れ替えて反撃を試みようとした新潟ですが、後ろでボールを持つ時間は増えましたが、それはレノファが無理をせずブロックを構築したためでもありますし、いくつかのセットプレーやアバウトに放り込む形がことごとく跳ね返されたのも、ほとんどがレノファとしては想定内で前を向いた状態のまま守備ができていたからなのかなと感じました。

試合終了、0-1。
右SH田中陸、ボランチ佐藤、トップに小松と、適宜フレッシュな選手を入れたレノファにしっかりと逃げ切られてしまいました。

想定の内

前からのプレッシャーが特徴であるレノファに対して背後を狙うというのはよく窺えました。大本のスタメン起用もそういった観点からすれば納得です。そしてその流れでわずかですがシュートシーン、もしくはチャンスになりそうな場面があったことは先に書いておきます。

ただいかんせんあまりに可能性の芽を見出しづらい、感じ取りづらい苦しいゲームとなりました。
そうなってしまった理由は、背後を狙うとしても「その前にもう少しボールを保持しながら、相手を食いつかせた中で狙いたかった」という史哉の言葉で十分なのかなと思います。

そもそもライン設定の高いレノファですから背後にはそれなりのスペースがあります。だからそのスペースにボールを送ること自体は難しい事ではありません。
ただ本来であればどこかにボールを入れてレノファの選手を引き出してから裏とか、横に動かす中でワンタッチなどでタイミングを外して裏でなければ期待した効果は得られないものです。
その点この日に関して言えば、レノファからすると自分達がプレスを掛けたら蹴ってくるという、裏を狙われても準備ができた状態で守るシチュエーションがほとんどだったということなのかなと思います。

頭を抱えてしまうような悩ましさ

これはこの試合に限らず、終盤になってからはずっとそうですが、技術や判断のちょっとずつのブレがどんどん重なってガタガタになってしまっている印象がこの日も感じました。

トラップがちょっと大きくなるとか、逆に何となくそこで止めてしまったりとか、パスにしても味方に次はどうプレーして欲しいかが分かりづらかったり、相手のプレッシャーを考慮し切れていなかったりというメッセージが足りないパスが散見されました。

あとは判断やコミュニケーションの部分。
後半開始の15分はハッキリプレーする意識で乗り切ったと書きましたが、それでも全体を通して意思の疎通で曖昧な部分があったのは否めないかなと思います。
これらは技術がブレるから選択する幅が狭まって判断が悪くなるとも言えますし、判断がそもそも明確ではないから技術がブレるとも言えますし、1つ1つの局面でそれぞれではあります。
ただいずれにしても、セットプレーの守備時のポジションがギリギリまで定まらなかったり、失点直後に相手の勢いに抗えないままプレーが切れた後もガクッとなっている姿だったりなんかも含めて、悩ましくもどかしい気持ちは募るばかりでした。

最後に

メモを読み返すと「悪くない」という言葉がたくさん残っていました。
それはちょっとテンポよく動かせたところやプレスに行って回収できたりした場面に大体書かれていたのですが、「いいプレー」とか「ナイスプレー」と書いていないところからも分かりますし、逆にそれだけ書いてあるとどうにかいいところを探そうと必死になっていることが浮き彫りになってくるようで、何とも辛くなりました。

残る試合はいよいよラスト1つです。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。