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オレラグ

【Review】第4節 横浜FC戦

2019年3月18日

劇的な勝利。最高ですね。
ゴールの瞬間自体がそうなのですがこういう劇的なゴールでの勝利というのはエクスタシービンビンですね。エクスタシーって言葉の使い方があっているのか分かりませんが、細かいことは気にしません。最高であります。
ナイスゲーム、アルビレックス。ありがとう、アルビレックス。

スタメン

開幕から3試合同じスタメンできたわけですが、今節初めていじってきました。
前節途中からの出場で新潟デビューを果たしたシルビーニョをいよいよスタメンで起用してきました。前節も高い技術を披露して非凡な才能の片鱗を見せてくれていましたが、翌日の練習試合ではハットトリックも達成したということで、満を持してといったところでしょうか。
またベンチにはこちらもいよいよ待望だったヨンチョルが初のベンチ入りを果たしました。

逆に横浜FCは開幕から3節まで毎回違うスタメンでしたがこの日もやはり前節から変更がありました。
武田がコンディションなのかケガなのか分かりませんが大事を取って欠場ということでヨンアピンが左のWBに上がり、左のCBに伊野波が今季初めて起用されました。
システムはイバをトップに松浦、レアンドロドミンゲスがシャドー。佐藤、渡邊がボランチの3-4-2-1で来ました。
形は前節初勝利したままの形で継続してきた格好でした。
プレビューではこれまでのベースであった3-5-1-1と予想したので見事に外したわけですが、考えてみれば“勝ったらいじるな”という判断がベターではありますね。

前半

キックオフから新潟は早速シルビーニョが絡んで右からのクロス攻撃を見せ、横浜はイバが左サイドから抜け出す形からチャンスを作りかけます。
両チームのファーストシュートもそんな彼ら2人が放ちました。
序盤はお互い長いボールを中心に守備も追いすぎないリスク抑えめの展開でしたが、そんな中で新潟がその長いボールから先手を取ることに成功します。
9分ヨンアピンのクロスを尚紀がブロックし、サチローがそれを拾って裏のスペースへ蹴りこみます。
レオがそれに反応して飛び出してきた南をかわして中央へ突進していきます。カバーに入ったDFもかわしてペナルティエリアに入ったところで南との接触でレオが倒れます。PKスポットを指した井上さんの笛が鳴り響いてPK。
この試合最初にして最大とも言える問題のシーンでしたね。
いや、問題のシーンなんて曖昧に表現しましたが、これ横浜FCサポーターだったら間違いなくキレてるし、第三者として見ていてもたぶん「これは違うでしょ〜」くらいに思っていると思います。
ただ、自分は紛うことなきアルビレックスサポーターです。
贔屓のチームがいただいたPKは遠慮せずおいしく頂くというのが昔から染みついていますので今回もおいしく頂きました。
真面目な話をすればDAZNのレフェリング分析の番組で取り上げてもらった方がいいシーンなのかなとは思いますが。

ということで11分、レオゴール!
ゆっくりとした助走からGKの動きを見て蹴ろうとしましたが、南もギリギリまで動かずかなり際どいギリギリのシュートになりました。
ただ、別に入ればいいのです。レオに開幕4試合目にして初日が出ました。

その後基本的にはレオとシルビーニョの2トップは相手のボランチを見ながら3バックにはある程度持たせて、サチローと善朗がボランチとの門を締めながらWBにボールが出たらチェックし、状況によっては後ろを確認しつつ川崎と伊野波の両脇CBへちょっかいを掛けに行くという形で対応していました。
しかし初めは長いボールや、サイドがファーストチョイスだった横浜も松浦、レアンドロドミンゲスのシャドーができるだけ下がらずに間のスペースを取って、そこへ積極的に入れるようなプレーを増やしてきたことで、ピッチ上の現象としても、また気持ち的にも受けに回るような感じになって、ラインが下がってしまいました。

そして34分やられます。
南からのリスタートで一時的に田代と伊野波が入れ替わっており、その中央にいた伊野波からのロングボールをエリア内でイバが収めます。
中央へ振り向いてすぐにラストパス。走りこんだ松浦がフィニッシュ。
同点。

エリア内で受けたイバはゴールを背にして受けましたが最初は大武をブロックしつつ腰が高く上体を上げていたので右サイドにフォローへ来た北爪へ落とすような雰囲気でキープしていました。
しかしボールのバウンドが落ち着いたところでグッと腰を入れて中央へ持ちだして大武に足を出される暇を与える前にラストパスを出していました。
また見直してみると2バウンドしたくらいでちらっと松浦の方を確認していたように見えたのでバウンドが落ち着いたタイミングで中央へ持ちだしたのは松浦の入ってくるタイミングも計算してということだったのかなとも感じました。

新潟目線でいえば最初松浦に付いて行っていた大がイバに収まったところで松浦へのパスコースを消すような位置を取ろうとしたように見えましたがちょっと中途半端になってしまったのかなという気がしました。
あともう1つは伊野波に蹴られたところ。
画面では見切れていて準備段階が分からないので断言はできませんがCBの反応を見ると少し急いで対応しに行っている感じがしたので中央のCBへプレスをかけた場合はそこからロングボールを蹴らせてはいけなかったのかなという気がしました。
基本は中央のCBにはある程度持たせて、左右のCBへ出たらロングボールの準備という想定というか約束だったのかなと、19分に右の川崎から似たようなボールが出て新井がいいカバーで奪えていたシーンがあったのでそんな風に推測しました。
だからあの場面はそのままシルビーニョはステイという判断でもよかったかもしれませんし、取りに行くならハッキリ正面から取りに行ってもよかったかもしれません。

終盤シルビーニョ、善朗のミドルシュートでゴールを脅かしますがここは南に阻まれて前半終了。1-1で折り返します。
そういえばアシスタントレフェリーの交代という珍しいシーンもありましたね。当然ですが選手がケガをするのと同様審判だってその可能性はあるわけです。それなりに長い距離を走り、時にはスプリントして、そしてジャッジを下すというのはもうそれはすでにアスリート並のものだよなとふと思いました(プレミアリーグなんか見ているとそのお腹で大丈夫?という方もいないわけじゃないですが)。
先制点は際どい判定で恩恵を受けるようなことがあったわけですが、もし逆の立場になっても判定に疑問や不満を持ってもリスペクトは忘れないようにしたいなと改めて思い至った次第です。

後半

HTにフチさんからは「ファーストディフェンダーを明確にして対応する」「受けに回るな」という言葉があり、その通り選手たちは入りから押し上げて前に出ていくことで中盤でボールを拾ったり、CKを取ったり優位に進めることができていました。
そんな中で48分にあった左サイドのイバからヨンアピンへのスルーパスを大谷が抑えたシーン。
松浦に食いついた新井はスルーで裏を通され急いで戻ります。
左サイドに流れてボールを受けたイバに対して大武が対応に行きます。
新井は急いで戻る最中スプリントして内側を駆け上がるヨンアピンについて行こうとしますが、大武は途中でそのヨンアピンの方を警戒してスッと下がったので入れ替わるように新井がイバへ対応しました。
そしてイバから出てきたパスを大武がしっかりカバーしたという流れでしたが、この2人の受け渡しがとてもスムーズで見事でした。
たぶんプロならできて当然というか難しいプレーじゃないのかもしれません。
ただ自分がSBをやっていてCBやSHとのマークの受け渡しや守備の連係がどうにも苦手だったこともあってなんだか改めてすごさを感じました。

少し逸れました、戻ります。

入りは積極的に押し込みましたが、やはりボールを持たれることで少しずつまた押し返されてきます。守備の話として押し上げられないというのもあるでしょうし、前線に起点を作れない、ビルドアップの出口を見いだせないという攻撃の話しでもあったかと思います。

すると59分、レオ→貴章。1枚目の交代を切ります。
タイプ的にどっしりと構えてポストプレーをする選手ではないというのは重々承知の上ですが、もう少しくさびのパスをDFを背にして受ける際に倒れず踏ん張ってほしいなというのは前節もそうですし、この日の起点を作れない展開の中でも感じました。
ただ再三裏に抜ける動きを見せてくれていましたし、なんといってもついにゴールも生まれたので、今後ドバドバを期待したいところです。
貴章投入によってリズムを取り戻しました。
攻撃においては明確な目印、指標が前線にできたことでそこを基準点にして攻める、また全体を押し上げられるようになったこと。
また守備では前線でプレスのスイッチ役となり横浜FCに思うようにつながせないようにすることができました。
入って早々の61分の善朗のクロスに貴章がエリア内で押されたように見えたシーンしかり、67分右サイドで相手のハンドによって得たFKのシーンしかりです。
さらにこの67分のシーンのようにセットプレーでも大きな脅威として役割を果たしてくれました。

73分横浜はイバ→戸島、1分後に新潟はシルビーニョ→新太とお互い前線を入れ替えます。
イバに関しては右足を痛めての交代でしたがその時にずっと気遣っていた新井に人柄の良さとキャンプからブラジル人選手とも積極的にしゃべっていたというコミュニケーション能力の高さが改めて滲み出ている気がしました。

79分松浦→斎藤。やっぱり今日も出てきました17歳。
そういえばこの日はU20代表の影山監督も来られていたそうですが新潟の左SBなんかも呼ぶべきなんじゃないかな〜と思ったりしています。いかがでしょうか。

そして先に3枚目の交代を行ったのは新潟でした。
83分に善朗→ヨンチョル。
ちょうどベンチで呼ばれた時アウェー側のゴール裏がカメラで抜かれていてみんなベンチの方を見ながら「お!」というような表情をしていたのがいかにみんなが待っていたかを表しているようでいい画でした。
改めて、ヨンチョルおかえり。

70〜75分くらいからゲームはどんどんオープンになっていました。
新潟でいえば70分の貴章のシュートを防がれた後の善朗の決定機や、77分の右サイドから貴章が抜け出してラストパスは引っかかるもその後自らシュートまでいったシーン。
また86分には右サイドから尚紀が一気に持ちこんで中央の新太へ送り、新太がカットインからシュートというシーンなど主にカウンターで好機を作ります。
横浜の最大のチャンスでいうと84分のリスタートのクリアを北爪が拾って上げたクロスにレアンドロドミンゲスのヘッドというシーンだったでしょうか。ここは大谷のファインセーブでしのぎます。
それ以外でもやはりレアンドロドミンゲスが持ちこんでサイドからのクロスなどゴール前に迫られるシーンがありましたが集中を切らさず体を張ってしのいでいました。

そして89分。歓喜到来です。
右サイドから大のFK。ファーサイドへの大きなボールは北爪がクリアも川崎にあたりこぼれ球をカウエ!勝ち越し!
試合を通じてFKに関しては大と善朗がフェイントで相手のラインを下げてから蹴ったりいろいろ工夫をこらしていました。
このシーンに関しても大のコメントにもあるように大武を外に出して相手の高いDFを外してといった工夫がありました。素晴らしい。
そして忘れてはいけないのが新太です。
ジェフ戦も複数アシストで貢献したわけですが今日は積極的な仕掛けが決勝点の起点となるFKをもたらしました。
この日はレオも決めたので本人としてはとにかくゴールが欲しい、今チームで一番ゴールに飢えている選手かもしれませんが、こうしてチームの勝利に確実に貢献していることはちゃんと評価してあげないといけないですね。

横浜は最後北爪→瀬沼を投入して4バック、4-2-3-1へ変更します。
右SBに瀬沼、左SBに伊野波、右SHに斎藤、左SHにヨンアピンだったかと思います。4バックというよりはCBを2人にしてとにかく前に人数をかけて反撃を試みますが、跳ね返すところは跳ね返しキープするところはキープします。スタンドからは締めのwinter wonder land。そして……

試合終了、1-2!よくぞ勝ち切ってくれました!

交代でリズムを奪う

結果的に勝った試合で途中から入った選手がよく見えるというのは交代策が結果論の部分が大きいことを考慮すればある意味当たり前であって、だから途中から入った選手の方がいい、こっちの方が見たいとか下がった選手がいまいちとかよくなかったというのは短絡的というかナンセンスです。
ただシンプルにジェフ戦といいこの横浜FC戦といい目に見える結果や明確な効果を途中出場の選手がもたらしてくれているのはとっても嬉しいことであり、素直にポジティブに捉えていいかと思います。

特にこの日でいえばやっぱり貴章ですね。
前半立ち上がりのロングボールが中心の展開は必然的にセカンドボールを中盤で奪いあうシチュエーションが多くなりますが、その部分に関しては結構取れていたし、前線や中盤のプレスバックによって奪ってすぐにサイドのスペースを使って攻めるという形ができていたのですが、貴章が投入されてプレスの強度を上げてくれたことでこのロングボールを蹴らせる展開に戻すことができました。
また中盤で奪う、拾うことができるようになったことで、それまでなかなかうまくいってなかったビルドアップをある程度省略することができるようになって攻めやすくもなりました。

その流れでいうとそのビルドアップの部分は改善点の1つかもしれません。
3-4-2-1のチームが4-4-2のチームと対戦する場合、守備の際に一番ベーシックなのはWBが下がって5バックになり、それに伴ってシャドーの選手もサイドに下がって5-4-1になり、ゴール前と中央のスペースを埋めるのと同時にそのままだと1対2で数的不利になっているサイドの数を2対2に合わせるやり方です。

ただ横浜のシャドー2人、松浦とレアンドロドミンゲスは最初のうちは内側にポジションを取りボランチへのコースを消してからSBへアプローチする、もしくは場合によっては前に出てイバと共に2CBへ圧力をかけるというような守り方でした。
それによって新潟の4バック+ボランチ2人=6人を横浜の前線3人+両WB=5人で守られてしまっている感じはしました。
それに対して例えばボランチが下がって相手にマークの取捨選択を迫りつつボールホルダーへのパスコースとCBなりSBなり下がったボランチ本人なりが運ぶ角度を作るみたいな形も相手を見ながら安定してできるようになるともう少し楽になるのかなとも思ったりしました。
ただ逆にいえばうまくいかない中でそれをしなくてもいいような展開に持ち込めたとも言えるのでそれはそれでよかったのかなとも感じます。
フチさんも「カッコ悪くてもいい」ということを伝えていたようですし。

最後に

試合後のコメントで横浜の選手が「目に見えない何かが相手に転がっているか?」というような質問に対して肯定していたり、「昨年はそういうのを引き寄せられていた」ということを話していたりしているのがなんだか印象的でした。
昇格するためにはこういうどちらにも転び得る試合をモノにすることが大事ですし、何か運のようなものも引き寄せていくことも大事なのかもしれません。どうやったら引き寄せられるのかは分かりませんが(分かっていたらどこもやっているか)サポーターとしてはクラブやスポンサーさんへの出来る範囲のサポートとか一生懸命に応援することとか、あとは100%サッカーやアルビレックスを楽しむといったところでしょうか。
来週のホーム戦が待ち遠しいです。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。