オレラグ
【Review】第5節 アビスパ福岡戦
先週木曜日にレディースの開幕戦を見に行ってきたのですが、その帰りにある宗教の宣教師をされている方、お2人に声をかけられて、いつもなら「あ、ごめんなさい、ちょっと急いでいるので……」なんて申し訳ないと思いつつかわすのですが、その日は開幕戦に勝利した直後ということもあって気分が良くてしばらくその方々と他愛もない世間話をしました。
その中で「神様はいると思いますか?」と質問をされまして、その時は「いや〜どうなんですかね〜考えたことないですね〜」なんて答えたのですが、いや、やっぱり薄々感じていましたがいそうですね、サッカーの神様。
スタメン
試合について振り返ってみます……あ〜、正直振り返りたくない…。
まあ、とりあえず書いてみます。
この日のスタメンには達也さんが2試合ぶりに復帰しました。
ベンチには將成が今季初のメンバー入りです。
対する福岡はルーキーで開幕スタメンを勝ち取った三國ケネディエブスが3試合ぶりのスタメン。それに伴い前節、前々節とCBだった實藤が右SBへスライドしました。
【福岡戦 スタメン】
GK 1大谷幸輝
DF 24川口尚紀 32新井直人 4大武峻 15渡邊泰基
MF 17カウエ 10加藤大 6戸嶋祥郎 33高木善朗
FW 14田中達也 9レオナルド https://t.co/Hv8YFwVAYX #albirex pic.twitter.com/zrFqPx0Hmw— アルビレックス新潟 (@albirex_pr) 2019年3月23日
アビスパ福岡
本日のスターティングメンバー!
GK 1 セランテス
DF 5 實藤 友紀
DF 20 三國 ケネディエブス
DF 22 輪湖 直樹
DF 39 篠原 弘次郎
MF 8 鈴木 惇
MF 14 前川 大河
MF 16 石津 大介
MF 17 松田 力
MF 19 田邉 草民
FW 9 ヤン ドンヒョン
#avispa— アビスパ福岡 (@AvispaF) 2019年3月23日
前半
開始早々の2分、左サイドの石津からのクロスをヤンドンヒョンが合わせにいってヒヤヒヤするも、直後に大武のロングフィードのこぼれ球をサチローがミドルで狙ってと、お互いに入りから1つずつ見せ場を作ります。
そのあとも10分までにどちらもシュートシーンを作る、わりと開けた立ち上がりでした。
うちはカウエが少し下がる動きでDFをサポートし相手の中盤を引き出すことでビルドアップの促進につなげていて、福岡はやはり松田、石津のサイド、特に石津が絡み起点になることでチャンスやそれに準ずるようなシーンを作っていました。
しかし途中からゲームは膠着しだします。
これは主にカウエを見る前川が下がるカウエに対してついていかずにステイするようになったことや、達也さんがピッチの右側で嫌らしいポジショニングを取ることが多くあったため石津が守備の時はかなり下がったりしていた点などから、福岡が守備の意識を強めたように感じました。ゲームの膠着は、それらが影響したのかなという気がします。
しかし、そのようなことから膠着した、締まったゲームに表面的には思えたのですが、本来はもっとオープンなゲームになり得るゲームだったのかなとも思います。
それはつまり手堅いようだけど入れる縦パスはそこそこ入っている印象でしたし、どちらかというとリスクを恐れて締まった風のゲームに自分たちでしてしまったという気がしてしまいました。
これはうちだけでなく石津、松田がそれなりにいいポジションで受けることができていた福岡側からも言えると思いましたが、特に新潟が主体でそういう風な展開にしてしまったという印象です。
もちろん、前半なのである程度バランスを考えてやることは悪くないことですしベターな判断でもあるのですが、狙える時は狙う、チャレンジする時は仕掛けるという姿勢は物足りなく映りました。
後半
選手交代はありませんでしたが、福岡は後半からビルドアップのやり方に少し変化を加えてきます。
前半は基本的に4バックと鈴木で組み立てていました。
新潟はレオと達也さんのどちらかが鈴木へのパスコースを消しながら前へ寄せに行くため、1人余るCBで持ちつつSBはある程度高い位置に出るという感じか、もしくは前節岡山戦ほど多用はしてきませんでしたが、少し輪湖が残り気味で後ろ3枚にしてギャップを作るというような形もありました。
それに対して後半は鈴木が左SBの位置に下りて輪湖が高い位置に張るか、または輪湖が少し内側のポジションを取るような形で、いずれにしろ左サイドで鈴木、輪湖、石津がトライアングルを形成し起点になるシーンを増やしてきました。
これは前半アタッキングサイドが少し右に偏ったのもあるかもしれませんし(DAZNのHTデータによると54%)右SBが前節はより攻撃的な石原だったのに対して今日はCBもできるどちらかというと守備的な實藤だったので前半を見た上で整理し直したということも言えるかもしれません。
ただ、それに対しても新潟は特に惑わされることなく行くところ・行かないところをハッキリして守ることができていました。
そんな中で54分には中盤で囲んで奪う良い形の守備から取ったCKでカウエのヘッドというチャンスを作ります。
このあたりからにわかに積極的な姿勢(縦パス、ミドルなど)やより能動的ないい守備(プレスやプレスバックからのボール回収、中盤での囲みなど)でペースを新潟側に引き寄せていきます。
そしてこの試合の大きなハイライトである2つのシーンを迎えます。
まず59分。
中盤カウエからの右サイドへのフィード。サチロー走りこんでの折り返しを達也が合わせます。無情にも枠の外へ…。
解説の勲さんもおっしゃっていましたが達也さんとしては自分の目の前でバウンドするボールだったため合わせるのは確かに難しいボールでした。
しかし田中達也ほどの選手であればここは確実に決めてほしかったというのも本音です。
もちろんそんなこと言われなくたって分かっているだろうし、本人が一番悔しいとは思いますが……。
さらに62分。
今度はレオの素晴らしいプレスバックからのボール奪取を起点につなぎ直して左サイドの善朗から再び中央のレオへくさびのパスが通ります。
レオはスムーズにボールをコントロールして右へ展開し、上がってきた尚紀はワントラップした後GKとDFの間に巻いたクロスを予想していた輪湖の逆を突いて平行に低いクロスを入れました。
ここに走りこんだレオがフリーでシュート!GK弾いたところを達也さん押し込む!
今度こそゴール!
かと思いきやオフサイドの判定……。
こぼれたボールに対して歩幅を合わせる時にわざと少し小股にしてGKを飛ばせてタイミングをずらしてからさらにふわっと浮かせるという、もう技術点だけで点をもらえそうな(もらえない)技ありの見事なシュートだったのに……。
しかもハイライトで見ると、オフでもなさそうという……。ぐぬぬ……。
64分達也さん→シルビーニョ。
達也さん相当悔しかろう。悔しいなんてもんじゃない、凡人には想像できないくらいの気持ちなのかもしれない。
どういう声を届ければいいのか分からないけど、とにかく応援していますと、いつも以上に思うばかりです。
65分福岡は前川→フェリクスミコルタという交代。
松田がインサイドハーフに移ってミコルタが右サイドに入ります。
さらに78分には両チーム同じタイミングで2人目の交代を行いました。
新潟は善朗→貴章。福岡は鈴木→城後。
貴章は右SHに入り、サチローが左SHという変更を行い、福岡は田邉がアンカーに下がって城後と松田がインサイドハーフという形になります。
また、松田と石津は時々ポジションを入れ替えたりもしていました。
連続して訪れた決定機の後も押し込んではいた印象です。
福岡は運動量が落ちて押し上げられなくなっていたのもありますし、新潟が前からボールを奪いに行くことでビルドアップの出口が見出せない、運べない状況にもなっていました。
74分の右サイドからのクロスのこぼれを大がつないでカウエが勢いよくエリアへ侵入してシュートを放ったシーンや、81分も2トップのシルビーニョとレオにサチローと大も加勢してプレッシャーをかけ、實藤のパスミスを誘発し貴章がそれをシュートしたシーンとチャンスを作りますが決め切れません。
ただ、押し込んでいる流れが続いていたのと同時にちょっとしたミスも確実に散見されるようになっていました。それが結局勝負を分けてしまうとは……。
84分シルビーニョのパスミスを発端に石津がボールを受けると左からドリブルで仕掛けていってクロスまで持っていきCKを取ります。
石津の左CKから合わせたのはヤンドンヒョン。
左のCKは通常鈴木ですが、交代していたので代わりに石津が蹴ったのがゴールにつながったというのは偶然なのか必然なのか。
ヤンドンヒョンのヘッド自体はそのまま流れたらゴールかポストか外れたかという際どいコースに飛んでいたように見えましたが大武にあたってコースが変わったというのも偶然なのか必然なのか。
そして石津がクロスを上げた時にはラインを割っていたが見逃されてしまったという偶然(これは必然としてはいけない)。
痛い目にまんまと遭ってしまいました。
直後に大→新太。サチローをボランチにして新太が左サイドに入ります。
いつも自分ならどうするかな〜と考えながら交代策は見ていますがこの日のベンチワークは特に2人目以降に関してはすごく動きづらかった印象を持ちました。
点を取るために貴章、新太を入れるのは妥当だとしても(補足する必要もないとは思いましたが念のため、当たり前中の当たり前としてズミさんや凌磨がダメとかっていうわけじゃなくこれまでの流れやその時の状況としてということ)誰を下げるかは特に替えた方がよさそうな選手もいませんでしたし、いい意味で非常に悩ましい、替えづらいものだったように感じます。
しかし、失点以降の戦いには不満が残りました。
ビハインドの状況で残り10分であれば、雑でもいいからもっとゴール前へ入れる、入っていく、狙っていくアクションが欲しかったです。
点を取るためには無暗に押すだけではダメだというのは十分承知していますが、だとしても最後に3人目の交代カードを切ってフレッシュな選手を投入しつつ時間を進めるようなプレーをほとんど抵抗できずに福岡にされてしまい、上手に締めくくられてしまったように感じたのでそこはとても気になりました。
試合終了、0-1…。
ホーム連敗……。
神様とジャッジ
集中力が落ちてミスを起点に失点。自滅でもあると同時に決めるべきところで決めないと、そして簡単なミスを続けてしまうと、やはり罰が当たるのです。
これまで人並みかそれよりちょっとだけ多めにサッカーを見てきた感覚はありますが、こういう試合は各国で、また各カテゴリーでそれはそれはまあよく遭遇します。冒頭に書いたサッカーの神様というやつはやっぱりちゃんと見ているのだと思わずにはいられません。
不運としてまずジャッジについてですが、やっぱりオフサイドでもないしラインも割っていたと思うのです。またしてもジャッジリプレイ案件なのかもしれません。
「ちゃんと見てよ」とか「それ違うでしょ〜」とかはやっぱり言っちゃいます。というか間違っているものを間違っているでしょと指摘するのは普通だとも思います。
ただ、不利益を被った時に時々誹謗中傷のような言葉を見聞きするわけですがああいうのはいかがなものでしょうか。
現代では職業的にプロフェッショナルレフェリーだったりしますが、レフェリーの語源からすれば依頼してこちらからお願いして審判をしてもらっているわけです。
この考え自体は別に時代が変わろうと修正する必要はありません。
相手がいなければ試合ができないのと同じように審判がいなければサッカーは成り立ちません。
この大前提が抜けているからそういう言葉が出てくるのかなと思ったりもしました。
神様と3メートルの意識
「あれが入ってりゃ勝っていた」とか「あれがなければ負けなかった」とか思いたくもなります。でも、それと同時にじゃあ本当にジャッジだけで勝敗が決まったのかと考えたくもなるわけです。悔しいから。
で、自分の尊敬する師匠的な方にこの試合をチェックしてもらって意見を請いました(今週に限らずほぼ毎週聞かせてもらっているけど)。
すると『守る時にその場で守るのではなく1人1人が自分の3メートル前まで守る意識が必要じゃないか』というようなことを指摘していただきました。
これを聞いて非常に合点がいったわけです。
確かに試合を通じて守備の際にクロスから合わせられるシーンが多く、逆に攻撃の時は合うシーンが少ないのは気になっていた部分の1つではありました。
3メートルというとピッチ上の物理的な距離で言えば結構大きな違いではあるのですが、その場なのかもう少し先までなのかという“意識”だけで言ったらわずかなものです。
決定的なチャンスを逃したり軽率なミスが増えたりという分かりやすいものだけでなく、そんな細かな違いが90分を通してあったということに気づいて話が繋がった気がしました。
『神は細部に宿る』という言葉がありますが、やっぱり見られていたということなのかもしれません。
気づけたからといってこれが正解なのかも分かりませんし、仮にこれが間違っていなかったとしてもそれでスッキリなんて1ミリだってするわけありません、負けていますから。
ただこんな風に解釈したよ、ということを紹介させてもらって今週はおしまいにしたいと思います。
いろいろ考えたりしますが、サッカーってやっぱり難しいし分からないことが多いです。
はあ、悔しい……。
