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オレラグ

【Review】第11節 水戸ホーリーホック戦

2019年4月30日

GWとはいえ朝遅くまで寝ていたり、ゲームばかりしたりしている子供に対して、「もっとアルビレックス見たいに規則正しくしなさい」なんて世のお母さんに例えとして使われてしまいそうなくらい、気づいて見ればここ最近綺麗にスコアを刻んでいる我がクラブ。
いやいや、そんな引用の使われ方なんてどうでもよくて、これで4試合連続のドローです。非常にもどかしい日々が続きます。

スタメン

お互いに前節の試合と全く同じ11人。
ベンチメンバーは新潟が2人で水戸は1人を入れ替えていました。
この試合自体とは少し離れますが、泰基と新太がベンチを外れました。
この2人にサチローも含めていいと思いますが、昨年途中からスタメンを奪って中心として活躍した彼らのこれからの奮起に一層期待したいところです。
そういう突き上げがあってこそのチーム力でしょうし、十分に活躍できるポテンシャルを持っていることを知っている選手たちだからこそ、そんな彼らがどれくらいレベルアップしてくれるか楽しみにしたいと思います。
もちろん、これは他のメンバー外だった選手にも同じことが言えますが、特にということでこの3選手を挙げて書いておこうと思いました。

前半

立ち上がりは両者ともに長いボールが中心の展開で入ります。多少新潟の方が丁寧に繋ごうとしている感じはしましたが、それでもまずはリスクを最小限に抑えたベターな入り方を見せていました。

最初のチャンスは5分の水戸。
左から茂木のCK。マイナスに低いボールを清水がシュート。当たり損ねたボールを伊藤が詰めますが外れます。前節の新潟同様最初のCKでサインプレーを試みてきましたがここは難を逃れました。

ただ、そのあたりからペースは水戸へ傾いていきます。
水戸のビルドアップはボランチが少しサイドへ下りてSBを上げたり、右の岸田がやや残ったりして新潟の2トップに対して数的優位を作って前へ運ぶ形が多かったのですが、それに対して新潟はあまり前からは行かず2トップはまず相手のボランチを見るような感じでやっているように見えました。
これは水戸がSBを高く押し上げるから新潟のSHが出たくても出られずにやむなくラインをステイすることにしたのか、最初から今日はそれほど行かずにやろうというプランだったのかは分からないですが、いずれにしても奪う位置が低くなったことで押し込まれがちになったのは事実だったかと思います。

また、ヴェルディ戦の前半のようにテンポよく近い距離でかつ、少ないタッチでボールを動かしていければもう少し運ぶこともできたのでしょうが、4-4-2同士でマークがハッキリしている上に水戸はプレビューでも書いたように縦パスへの迫力や強度に関しては特に強みとしているチームのため完全にはめこまれてしまっているようには感じました。
最終的には大武への黒川のファールで事なきを得た16分15秒くらいからのシーンや、20分00秒あたりから尚紀が詰まって下げざるを得なくなってしまうまでの一連の流れなんかも少し中盤を飛ばすようなボールを使ってはいるんですがうまく収まらず、中盤で拾えてもすぐにプレッシャーに晒されて下げさせられてしまう展開でした。

しかし、28分の大谷のリスタートから新井が競り勝ってレオが落としてシルビーニョがシュートまで行ったシーンあたりからリズムを取り戻していきます。

直後の29分にはシルビーニョのサイドチェンジを尚紀がもらうと早めにゴール前へ送り、レオが右サイド深くからえぐって好機につなげたり、30分には右サイドでのテンポのいい繋ぎを起点に凌磨のサイドチェンジも絡めながら左へ展開して、最後はシルビーニョとのワンツーから新井のミドルに至るチャンスも作ったりしました。
このあたりは、「意図的に長いボールを使ってその落下点に新潟の有利な点があったからリズムを戻せた」という趣旨のことをおっしゃっていた吉永さんのコメントや、長谷部さんも「セカンドボールをほとんど拾われてしまった」ということをおっしゃっていたことからも認識できた状況が間違っていなかったのかなとは思います。

リズムを取り戻すと、35分20秒あたりから最後はカウエのくさびが凌磨に通りはしませんでしたが、ビルドアップからもいい流れで相手を剥がしていけるようになっていました。

ただ、ゴールを奪うところまでは至らず。
前半終了、0-0。

後半

47分に白井のミドル、50分には茂木のFKに細川のヘッド。
新潟もCKがあったり、55分の新井のアーリークロスを凌磨が収めて折り返しにレオが飛び込むシーンだったり、DAZNのハイライトが2つしかなかった前半に対して後半は入りからゴール前のシーンが多くありました。

その中で58分。左サイドで大、大武、カウエ、広瀬と繋いで相手のプレッシャーをかわして右の尚紀まで持っていくと、尚紀からのスルーパスを内側で凌磨が受けて中へ持ち出してシュートまでいきます。
DFにあたりわずかに外れましたが、非常にいい流れで攻撃を完結するシーンを1つ作りました。

直後に新潟はレオ→貴章。ケガ明けで早速登場です。
1分後には水戸も木村→浅野。そのまま左SHに入っていました。

65分には新潟の決定機。
凌磨の素晴らしいプレスバックからのボール奪取を起点にその凌磨から長いボールが前線へ。貴章がポストになりシルビーニョが前向きで引き取ります。瞬間的にシルビーニョ、貴章、左から来ていた善朗の3人対DF2人の数的優位のビッグチャンス。ここでシルビーニョはシュートを選択しますがDFにブロックされてしまいました。
シルビーニョはシュートの後貴章にジェスチャーで何か伝えていましたが、恐らくもっとゴールに近く、内側に走りこんでくれよ。みたいなことだったのだと思います。
確かにそうなのです。
一般的にはより内側へのコースへ走りこんでそのままシュート、というのが一番ゴールへの確率が高い形ではあるのでしょうけど、貴章さんはちょっと違うんです。
難易度の低そうなシチュエーションよりちょっと角度あるところで受けた方が貴章さんの場合いいんです。なぜかは分かんないですけど。
半分本気、半分冗談でこんな風に書いてみましたが、この辺ももっとすり合わせていかないといけないのは間違いないでしょう。

後半は通していい守備ができていたように見えました。
さっきの65分のシルビーニョの決定機もそうでしたが、解説の一平さんも言及されていたように特に凌磨はほんとに献身的にプレスバックして、それでいて頭脳的に志知の攻め上がりも消していて素晴らしかったです。尚紀の落ち着いた対応も含めて右サイドでのいいボールカットは多く見られました。

74分両チーム同じタイミングで交代。
新潟は大→フランシス、水戸は茂木→村田を投入します。
新潟はこの交代によってフランシスが左SHで善朗がボランチに移りました。このあたりからだいぶボールが右へ左へ忙しなく動くオープンな展開になっていましたが、82分にはGKの好セーブに阻まれたフランシスの惜しいシュートシーンなんかもあったりして、いい守備を続けながらチャンスやチャンスになりそうなシーンまでは作っていました。

81分に水戸は清水→ジョー。
新潟は88分に凌磨→至恩。至恩は今季初出場。昨年すでにデビューどころか勝利をもたらすゴールまで決めちゃっているわけですが、改めてプロとしての第一歩を踏み出しました。
ただ、さすがに時間が少なくこれといった見せ場は作れず。
交代のタイミングに関しては守備の強度も保ちながら前に出て行こうとみんながやれていて、正直下げてもいいかなと思える選手がいなかったのでもっと早く動いてくれなんて求めるのはちょっとできないのですが、強いて言えば至恩は得意の左で使ってくれてもよかったかなとは思いました。
フランシスも左が得意な選手ではありますが、どちらかを右に回すのであれば強引にでも縦にいけるのはフランシスだとは思うのでそれでもよかったのかなとは感じます。

最終盤のオープンな展開は水戸に持っていかれました。
86分、右サイドから黒川に突破されて最後は白井のシュート。直後には左から浅野の突破からのシュート。さらに89分には右サイドからジョーに抜け出されてあわやというシーンもラストパスが通らずに救われました。
逆に新潟はカウンターに行こうとしても水戸に先に食い止められて押し返すことができませんでした。92分の帰陣の早さなんて敵ながら見事なものでした。

試合終了、0-0。
平成最後は見応えある引き分けで終わりました。

関係性と修正力

ヴェルディ戦の前半のようなボールの動かし方や運び方は、新体制初戦で相手も全く分からない状況での追い風参考記録的に思っておかないといけないとは思いますが、水戸戦は試合序盤から途中で改善されたとはいえもっとボランチ2人がボールに絡んだり、なんなら2人のパス交換からくさびを入れたりするシーンをもっと見たいのが本音です。
あとは2トップと周りとの関係性でしょうか。
前半の途中で解説の一平さんは2人の連携はいいと仰ってくれていましたが、逆を言うと2人とそれ以外の連携はやっぱりイマイチだったように思います。カウンターから2人だけの関係でシュートまで行きました、くらいの破壊力があれば最悪それでもいいのかもしれませんが、2人に関してもまだそこまでではないですから、やっぱり周りとの連携を高めていくのは早急な課題ではないかと思います。
もちろん、彼ら2人だけの問題ではないことは付け足しておきます。

それでも前半の途中で修正してリズムを取り戻したことはシンプルにポジティブな部分ではないでしょうか。
尚紀が「バタバタしてしまうことも頭に入れて試合に入った」と話していたので、我慢しながら修正していけたのはよかったと思います。
攻撃にリズムができると、必然的に奪われたり奪われかけたりしてもある程度高い位置から取りに行けますし、そこで拾う事によって良い循環になります。後半は右サイドの守備がよかったと書きましたが、後ろに追いかけながら守るシチュエーション自体は減らしていきたいですが、それでもしっかり囲んで奪えていたのでよく戦えていたのかなとは思います。

その他諸々

あといくつか小出しで書いて見ます。

1.ゴール前のアイディア、クオリティ上げよう

ボールの動かし方や攻撃の形みたいなところは確実に向上していますが、それでもこの日は0点。前節もセットプレーからの得点なので、その向上した流れからのゴールはまだ奪えていません。
もちろんセットプレーでも流れからでもゴールはゴールなので取れりゃなんでもいいのですが、せっかく下味が整ってきたのですから、しっかり仕上げられるようにしたいところです。

2.もったいないセットプレーはやめよう

この日はオフェンスファールや直接ラインを割ってしまうセットプレーが多くありました。ゴール前にボールが入る前に、チャンスがなくなってしまうのはあまりにもったいないです。
守っている側からすれば一番ありがたいわけですし、味方にあわずとも何かしらの事故が起きる可能性もなくなってしまいます。
GKに直接キャッチされるようなシーンもこれに該当すると思いますが、そういうもったいないシーンは減らしましよう、というかなくしましょう。

3.広瀬

CB出身だった解説の一平さんに清水との競り合いに勝てていないことを指摘されていて、まだまだ完全復活とは言えないかもしれませんが、後半浅野の突破を見事なタックルでカットした場面がありましたし、アディッショナルタイムのジョーに抜け出された絶体絶命のピンチも最終的にはジョーのパスミスに助けられた格好でしたが、あれも広瀬がパスコースも切らないといけないしジョーにも寄せないといけないという難しいバランスを求められた中でのギリギリの対応があってこそとも言えるかと思います。
結果的に守備陣としては完封しているわけですし、これからさらに凄味を見せてくれることを期待したいところです。

もう引き分けはお腹いっぱい

この試合、第三者としてだったらとっても見応えがあっておもしろくて、ただただ楽しく見られただろうなあと思えるくらいの好ゲームだったかと思います。
でもサポーターとしてはいくらいい試合が見られても好きなクラブが勝ってくれないと気持ちは晴れません。
その点自分としては海外サッカーなんかは気楽に見られるわけです。贔屓のチームはあっても全部をひっくるめてなんとなく楽しめますから。
それでもやっぱり、このクラブのサポーターをやめようとかってことは思ったことないし、思えないわけです。それはある意味幸せなことなのかもしれません。
一様補足しておきますが別にサポーター万歳、一途万歳みたいなことを書きたいわけじゃないですよ。こっちつまんないからあっちのサポーターになろうっていうのだって、あっちも好きだしこっちも好きっていうのだって、はたまた完全にフラットに見て楽しんだって全然いいわけです。
あ、こういう話すると嫌われるからもうやめとこ。

ちょっと脱線しましたが、とにかくそろそろ勝ちたい。
サポーターからの厳しい叱咤も温かい拍手もどうにか勝ち点3への動力へ転換してほしいと思うばかりです。
がんばれ、そしてがんばろう。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。