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【Preview】第13節 V・ファーレン長崎戦

2019年5月10日

こんにちは。
長い連休が明けた今週、みなさんいかがお過ごしでしたでしょうか……
なんてしっとり入ってみようと思ったのですが、みなさん“あれ”をご覧になられたでしょうか。
水曜、木曜の早朝に行われた欧州チャンピオンズリーグの準決勝2legの2試合、特に水曜早朝に行われたリバプールvsバルセロナの試合です。
「笛が鳴るまで諦めてはいけない」とか「サッカーは何が起こるか分からない」なんていう言葉はよく見聞きしますし、そのつもりで見たり応援したりしているわけですが、とはいってもですよ。
エースのモハメド・サラーと攻撃を司るロベルト・フィルミーノを欠いた上で、さらにバルセロナ相手に最低でも4点が必要と言う状況。「分からないと言ったってさすがにね……」なんて心のどこかで思っていたのは否定できません。
しかし、ハイテンション、ハイインテンシティの立ち上がりに先手を取ってバルセロナの攻めをしのぎつつ、後半2点畳みかけて追いつくと最後にあの意表を突いたCKからの4点目。終始震えっぱなしですよ。
泥臭いけど美しい、ロジカルだけどやっぱり圧倒的なパッション。
ほんとにすごいものを見せてもらった気分でした。
もう1試合のアヤックスvsトッテナムもすごい試合になりましたが、どちらもまだご覧になってない方はぜひ、できれば90分フルで見ていただけたらなと思います。

V・ファーレン長崎

さて、前置きが長くなりましたが本題に入ります。
と、言いつつちょっと冒頭の話を引きずると、その試合の会場となったリバプールのホーム・アンフィールドは画面越しにも伝わるほどの素晴らしい雰囲気でした。そしてそんな弾けるほどの喜怒哀楽の感情が表出している両チームのサポーターを見て、自分にも心から応援する、情熱を注げるクラブがあることに嬉しさというか、幸せな気持ちを抱くことができました。

ということで、ここからようやく本題のプレビューに入ります。
心から応援する我がクラブの今節の対戦相手はV・ファーレン長崎です。

昨年初めてのJ1を戦いましたが残念ながら1年での降格となり、6年率いた高木琢也監督が退任しました。
今季は手倉森誠新監督の下で再スタートを切っているチームです。
新潟とは天皇杯で対戦したことがありますが、リーグ戦では初めましての対戦ということで今回試合が行われるトランスコスモススタジアムもやはり初めての訪問となります。

守備の切り替え速く

基本の形は4-4-2です。今年のここまでの印象をとっても大雑把に説明すると“それなりに守れる(守る形はある)けど思うように点が取れない”という感じです。
12試合で12得点12失点と綺麗に整っていることを良いバランスと表現するのは違うかもしれませんが、ピッチ上の戦いに関しては整然とした4-4-2を保ちながら攻守を展開するという形で、こちらに関してはバランスが良いという表現で問題ないでしょう。

試合開始から最初のわずかな時間こそ多少前からプレッシャーをかけますが、割と早い段階ですぐにブロックを作って構える守備に移行します。
また、それ以降の時間帯でもプレッシャーをかけても取れないと分かったら同じく自陣に構える守備に移行するのですが、その割り切る判断も早いです。
自陣で4-4-2の陣形をある程度バランスよく、ある程度コンパクトに作って守るのですが、ある程度という言葉を2度使って強調したのはポジションごとの間隔はいいのかもしれませんが、縦パスを刺せないとか全く侵入できそうなスペースがない、というほど盤石な印象は何試合か見た限りありませんでした。
善朗や凌磨が内側に入りシルビーニョなんかもうまく縦パスを引き出しながら、さらにワンタッチ、ツータッチでテンポよくつなぐような、吉永さんになってから向上している形が出せればチャンスは結構作れるのではないかと思います。

ただ、仮にうまく縦パスを入れられずなんとなくゲームが落ち着いたり停滞した雰囲気になったりしたらそれは相手のペースと言えるかもしれません。
そうなった場合でも最低限やり続ける必要があるのは奪われた後の切り替えの速さを維持することです。
長崎は、相手がブロックを作り引いてしまって自分達が完全に押し込める状況になれば、崩すバリエーションや技術を持っているのですが、低い位置からのビルドアップの形はまだ決して豊富ではなさそうですし、中盤あたりで奪った後のボールのつなぎに関してもすぐに奪い返されるシーンが何試合か見た限りでは散見されていました。
奪われても速い切り替えで奪い返す、または狙いを定めて高い位置で奪ってしまうことでチャンスを増やすと共に相手の攻撃を摘んでしまいたいところです。

気をつけよう

注意すべきところとしては先にも少しだけ書きましたが新潟が自陣に下がってブロックを作って守るシチュエーションの時は特に警戒しないといけません。
しっかり全体が戻ってラインをコンパクトにして守備の態勢を取れていたとしても、ポストプレーのできるFWや積極的に攻め上がれるSBが絡んで崩す力を持っています。
その中でも特に厄介なのがSHに入ることが予想される大竹です。
狭いところでボールを受けることができたりラストパスを出したりできるどころか、自ら狭いところへ突っ込んで仕掛けて突破できてしまいます。
8節から4試合負けなしだった長崎ですが、大竹は9節からスタメンに定着し、そこから得点も伸びてきており、まさに彼が攻撃の起爆剤になっていると言っていいでしょう。

もう1つ、長崎のストロングポイントとして注意しないといけないのがセットプレーです。
なんとここまで12点のうち8点をセットプレーで奪っています(PKとセットプレー崩れ含む)。
呉屋やイ・ジョンホ、チェキュベックなど高さのあるFWやCBはもちろん、SBの香川がセットプレーからここまで3点を挙げているので、嗅覚というか得点感覚を持っている彼もしっかり離さずに見ておきたいところです。
また、キッカーには大竹や玉田といった直接ゴールを狙える名手がいます。
ポストプレーの得意なイ・ジョンホや呉屋といったFWがいますが、仮にそこへ入ってもビルドアップからの組み立てであれば先ほども書いた通り豊富なバリエーションはなさそうに見えたので、不必要なファールでセットプレーを与えないようにすることも優位に進める上で意識しておいた方がよさそうです。

補足

あまり前からプレッシャーをかけずバランスを大事にして様子を窺うことが多い印象の長崎は、データを見ると12失点のうち約半分の5点を開始から15分で決められており、次いで後半の開始から15分で3失点していました。
相手の出鼻を折るではありませんが、新潟がどのように来るか長崎が掴めないうちに先に食ってかかってみるのもおもしろいかもしれません。

また、仮にリードした展開で終盤を迎えた時に引いてしまうのは得策ではないかと思います。
これまでも8節のレノファ山口や、11節の東京ヴェルディが終盤システムを変えて後ろに重心をかけたところで、結局長崎が押し込み、山口は追いつかれヴェルディは1点を返されていました。
もちろん、無邪気に攻め続ける必要もありませんが、ゲームコントロールしつつ攻めの意識は最後まで持ち続けることが結果的に守り切ることにも繋がるはずです。

最後に

長崎は前節アウェーでヴェルディと対戦してから中2日でカップ戦を戦い、また中2日でこの新潟戦というスケジュールになっています。
これまでの連戦時のメンバー選考を見るとほとんど総入れ替えしていたので、恐らく今節もそうしてくるはずです。
そうなると疲労の影響はあまりないかとは思いますが、1週間、4日ないしは5日間を全員で練習することができていない、スケジュール的な影響があることは事実だと思います。
シーズン序盤に比べて復調してきているとはいえまだまだ上がり切ってないことを鑑みれば是が非でも3ポイントを取っておきたい相手であることは間違いありません(3ポイントを取っておきたいのはどの試合も同じだなんていう突っ込みは受け流します)。

長崎戦初勝利しちゃいましょう。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。