オレラグ
それでも続く【Review】第27節 モンテディオ山形戦
自分らも含め、夜の113号を連なって帰る新潟ナンバーの車列はなんとも寂しく、悲しみに暮れているように感じました。
非常に悔しい、痛い痛い敗戦です。
スタメン
新潟はレオが欠場。報道によると体調不良だったそうで、代わりに1トップへ入ったのは貴章でした。スタメンは16節の甲府戦以来です。
対する山形は、まず3バックの一角に今季初出場の加賀を起用。
また前線の組み合わせは頂点にバイアーノを置き、その下に大槻と南というセットでした。
さらに、右のWBには現在高校3年生、先月新潟で行われた国際ユースサッカーではU-17日本代表に選出されキャプテンも務めていた半田陸が入りました。2種登録で既にJリーグデビューは果たしていますが、スタメンはこの日が初めてだったようです。
前半
風もあったことでだいぶ涼しく感じられたこの日の山形。その強めの風を前半背に受ける形で攻めることになったのは新潟でした。
新潟最初のチャンスは5分。サチローのフィードからフランシスが落とし、貴章が受けたところでファールをもらい、これで得たFKをフランシスが狙っていきましたが外れます。
このシーンのように時折長いボール(サイドチェンジ含め)を織り交ぜながら攻めて行く意図は窺えましたし、チャンスになりそうなシーンはいくつか作れていたかと思います。
ただ、それ以上にゲーム自体が切り替えの速い展開の中で、その速い切り替えからボールを奪えていたり、バイアーノに対して守備陣(特に將成)がほぼ仕事をさせなかったりできていたことが、悪くないリズムでできていた要因だったように感じます。
14分の右サイドで善朗のタメから新井が抜け出してクロスや、24分にはサチローのサイドチェンジを起点に左サイドでつないで、カウエからの縦パスを貴章が落として新太が入ってくるなど、少しずついい連携からさらにゴールへ近づくチャンスを作り出していました。
もちろん、ピンチもありました。
13分にはスローインからバイアーノがエリア内で強引にシュートへ持ち込んだシーンやセットプレーの機会もいくつかありました。
しかし、繰り返しになりますが素早い切り替えで相手の自由をある程度奪えていましたし、当たり前ですがしっかり味方をカバーすること、助け合いながら守れていたことで攻撃の形はあまり作らせずにできていました。
40分には、一旦奪われたボールをサチローが奪い返すと、自ら少し運んでからスルーパス。新井が抜け出してクロスを上げるとクリアをフランシスがボレーで狙いますが外れました。
いい守備から相手の裏を取ってフィニッシュまで持ち込む流れは、ここまでで一番よかったシーンでしたが、その3分後に落とし穴が待っていました。
43分。右サイドの半田から南経由で中央の本田へ入ります。本田の狙い澄ましたスルーパスに半田が反応。抜け出した半田の折り返しにバイアーノが詰めました。失点。
抜け出された半田のところはマークに付いていた新太本人が反省していた通り最後まで付いていかないといけませんでした。
また、本田に入ったところでカウエはもっと寄せる必要があったと思います。最初に半田へ入るまでをおさらいすると、セカンドボールを拾われて、つないで右の半田まで展開されています。この流れで少しずつラインを下げて対応するところまでは問題なかっただけに、カウエだけの責任ではなく、全体で勇気を持って少しでもラインを押し上げられなかったことはもったいなく感じました。
前半終了、1点ビハインドで折り返します。
後半
お互いメンバー交代はありませんでしたが、新潟の方は後半から新太と貴章が2トップを組み、善朗を左に回して4-4-2の形にしてきました。
49分にカウエのフィードから新太とDFが競ってセカンドを貴章が拾いに行くもクリアされたシーンや、52分の將成からのフィードを貴章が右サイドに流れて受けてクロスを上げたシーンから、2トップにしたのは前線の的を増やすとか、善朗をスタートは外に置いてそこから中へ入ることで相手を惑わす意図とかがあったのかなと考えましたが、それにしてはシンプルなボールは例に挙げた以外なかったので本当の意図はどんなことだったのか気になってしまいました。
結局60分、その2トップを入れ替えます。
貴章、新太→シルビーニョ、至恩を投入しました。
シルビーニョと再び中央に戻った善朗が前線に入って、至恩が左SHに入ります。シルビーニョは16節甲府戦以来の出場ということで、実に2カ月ぶりのリーグ戦出場となりました。
62分、サチローのサイドチェンジから新井のクロス。善朗オーバーヘッドはうまく捉えられずも、フランシス拾ってクロスはDFにブロックされます。ここからしばらく、クリアされては拾い、奪われかけては奪い返して相手陣内へ押し込みながらゲームを進めますがもう1歩深くまで入って行けません。
するとフランシスがリスタートを妨害してイエローをもらった直後の65分でした。
中盤で拾った本田から右の半田へ。追い越した加賀が受けるとトラップしてから2タッチ目でシンプルにクロス。ファーサイドから走りこんだ大槻があわせました。2点目。ここもクロスのところでボールホルダーへの寄せが甘くなってしまいました。
64分、山形は南→坂元。新潟はフランシス→凌磨を投入しました。どちらも交代した選手と同じ位置へ入ります。新潟は残り25分以上を残して3人の交代枠を使い切りました。
この時間帯から、少し両チームともエキサイトし始めます。
68分の善朗への中村のタックルは、いくらボールへチャレンジできていたとしてもあの勢いと深さは危険なのでファールを取った方がいいと思いましたし、このシーンに限らず出来るだけプレーを止めずに流したい気持ちは理解できますが、もう少し止めるところは止めてコントロールしてもらった方がよかったのかなとは思います。
ただ全体を通してそれほど咎められるほどのジャッジだったかと言えばそうは感じませんでしたし、当然1点目のオフサイドかそうじゃないかの難しい判定も含めて、ジャッジが結果に影響を及ぼすほどのものだったかと言えば全くそうは思いませんでした。
76分、ゴメスが縦に仕掛けてから上げたクロスはそのままゴールの方向へ。GKが慌てて描き出すと善朗がそれを押し込みに行きます。しかしクロスバー。
さらに、83分にも善朗のクロスがそのままゴール方向へ飛んでクロスバー直撃。こぼれ球を大武が詰めましたが上へ外れました。
こうして2つ大きなチャンスがありましたが、それ以外では正直迫力不足というか、攻撃は尻すぼみで終わってしまった気がします。
それは逆に言えば山形にしっかり逃げ切られたとも言えます。
79分にバイアーノ→井出を投入すると大槻をトップに上げて井出と坂元がシャドーに入り、その途中から入ったフレッシュな2人を中心に残り10分で再び守備の圧力を強めてきました。さらに最後アディッショナルタイムには、大槻→秋山で上手にゲームをクローズされてしまいました。
試合終了、2-0。
チーム力の差が出た敗戦以外の何物でもない敗戦かと思います。
いろいろ考えて訳わからなくなる
意図していたであろう攻撃が随所に見られたのは敗戦の中でも評価できるところだとは思います。
シンプルなボールでスペースを狙うことや、サイドチェンジで相手のスライドがされ切る前に逆のスペースから運ぶこと。また、山形が取りに来たところ(主に新潟のSB)でゴメスも新井もグッと持ちだしたり、少し横へドリブルしてうまく相手を外したりできていました。さらにそこから縦パスの意識も強く感じました。以前に比べれば5-4-1で堅いブロックを作る相手に対しての攻め手という点では進歩を感じました。
しかし、今年どうにかしたというチーム状況であることを考えればこの進歩の速度じゃ今季ずっとそうですが遅いわけです。それはつまり今の進歩が結局積み上げにならないという事態にもなりかねません。
はい、唐突ですがここで今回のレビュー作成の過程についてレビュー(おさらい)します。
①試合を見る。
②大事な大事な試合に負けてしまった。
③見直す。
④いつも通り試合を振り返ってみる。
⑤負けたけどそれでもポジティブなところもちゃんと見出したいと思って書き出す。
⑥いや、待てよ、それってほんとにポジティブか?←今ここ
自分の中で“This is 行き詰まり”です。迷走しました。
もっとちゃんと見て細かいところを取り上げて書き出せればいいんですけど、ここからあと何書けばいいんだろうとか、どうやって書けばいいだろうとか、そもそも取り上げるほどの何かを見出せただろうか、とか。
ポジティブでいたいけどそればっかりじゃやっぱりダメじゃないのという堂々巡り。
端っこで応援しているいちサポーターが毎試合ああでもないこうでもないと好きなこと書いて、その中で勝手に悩んで勝手に迷って勝手に行き詰っているのはなんとも滑稽な話でお恥ずかしいですが、こんなフワッとしたレビューに懲りず次節以降も読んでいただければありがたいです。
おかえり
舞行龍 is back!のリリースがありましたね。
このまま補強はないのかなと思っていましたがまさかまさかでした。
純粋にまた舞行龍と一緒に戦える、精一杯コールやチャントを歌って応援できるのは本当に嬉しい限りです。
これによってまたさらなる競争が生まれることはとってもいいことではないでしょうか。
いつも通り指折り数えて土曜日が来るのを楽しみにしたいと思います。