オレラグ
星屑のようにきらめけ【Preview】第29節 ツエーゲン金沢戦
こんにちは。
甲子園終わりましたね。履正社が初優勝ということで、おめでとうございます。
甲子園で行われる全国大会はもちろんテレビ観戦だったのですが、今年は新潟県大会も鳥屋野球場に1日行けただけで、もうちょっと現地へ見に行きたかったなと残念に思っています。もう母校は形を変えて出場もしていないみたいなのでどの学校もどの生徒さんにも縁とかゆかりもないんですけど、それでも球場の高揚感とか幸福感は何とも言えない良さがあって、野球部の子たちが羨ましく見えるんですから、すごいものです。生まれ変わったら野球部に入りたいと思います。
酷暑の中で連日行われる日程とか、投手の球数制限とか、諸々課題はあるみたいですけど、大会がこれまでよりも安全に継続、発展していくことをいちニワカ野球ファンとして願うばかりです。
とにかく走れる金沢
では、アルビレックスの話に入ります。
今節の相手はそんな甲子園で惜しくも準優勝となった星稜でもお馴染み、石川のツエーゲン金沢です。そういえば星稜の奥川君すごかったですね。智弁和歌山戦なんか延長入ってからも150オーバーで、しかもコースにビシビシ決めて三振取っていたのには度肝を抜かされました。たぶんドラフトで競合とかになるんでしょうね。個人的にはふわっと贔屓している西武に来てくれたら嬉しいなぁなんて勝手に思っていますが、はたさてどうなりますか。
すみません、また話が戻ってしまいましたが、本題入ります。
金沢は現在勝ち点43で8位に位置しています。直近は連勝していて、さらに5試合負けなしと好調です。
前回対戦が約2か月前でそれほど大きな変化はなさそうですし、細かいことは前回対戦のプレビューと被るので割愛します。
ただ、選手や監督の口から「どこと対戦しても走り勝てる」といった趣旨のことが自信を持って出るくらいの相変わらずハードワークできるチームです。対戦するタイミングが真夏の暑さがピークの時ではなかったことを幸いと取るか、連戦や酷暑を一通り超えた分、疲労も蓄積しているからむしろ最も厄介な時期と取るか、このへんの受け止め方は各々様々だとは思いますが、ネガティブに考えてもあんまりいいことはないと思うので、ある程度暑さが落ち着いてから戦えることを前向きに捉えたいと思います。
前回にはないアクセント
ただ、いくら変わっていないとは言っても一切何も変わってないわけでもなさそうなので、そのあたりを少し。
気になる変化として育成型期限付き移籍で加入した山根の存在です。
加入してからここまで6試合に出場していますが、2トップの一角としてプレーして既に3ゴール決めており結果を出しています。今季の金沢の前線は垣田、小松、クルーニーと軸になっていた3人がいずれもサイズがあって体を張れる割と似たタイプでした。
しかし、167cmと小柄な山根は狭い空間に入って受けたり、細かいステップでDFを外してドリブル突破できたりするタイプで、金沢にとっていいアクセントになっています。新潟としては前回垣田や小松に苦杯をなめさせられましたが、加えて山根にも警戒しなければなりません。
ちなみに山根の父親は柏やそれこそ金沢でもプレーしていた山根巌さんだそうです。自分が覚えているのは中盤の底でいぶし銀なプレーをしているイメージでしたが、どうやら若い頃は息子同様に一瞬で相手をかわしたりドリブルで突破したりするタイプだったようで、やっぱり似るものなのかなぁと興味深く感じました。
課題も克服中
金沢のデータをいくつか紹介すると、
・ポゼッション率は低い(リーグワースト2位)
・引き分けが13(リーグ最多)
・先制点を取った試合は17試合(リーグ1位タイ)
・先制点を取られた試合はわずか5試合(リーグ1位)
などが挙げられます。
ポゼッション率に関しては新潟も決して高くはないですが、恐らくこの試合は新潟がやや持つ展開になるのではないかと予想します。
以前に比べて少しずつブロックを作って守ってくる相手に対してボールを持つ展開になってもチャンスは作れるようになっているとは思いますが、そこからゴールへ結実できているとは言い切れませんし、苦手なシチュエーションであることはあまり変わっていません。
それを頭に入れて臨んでくるでしょうから、金沢としてはある程度プレッシャーを掛けて蹴らせてセカンドボールを回収するのが理想としてあったとしても、ちょっとでもハマらなければ、無理せずミドルゾーンや後ろでブロックを作って守ってくる気がします。
引き分けがリーグ最多の13試合というのは、先制できても追加点が取れずに勝ち切れないという意味もあり、金沢の課題としてありました。
しかし、直近2試合では追加点を取って逃げ切ったり、一時逆転されながら再逆転したりと決定力も上がって克服しかけています。先制されるとただでさえリスクマネジメントの色を濃くして新潟としては上に書いたような苦手なシチュエーションに陥りやすくなりますから、やっぱり先に失点するのは是が非でも避けないといけないでしょう。
素早くスペースを突け
そうなると、勝つためには先制点を奪う必要があるわけですが、金沢は今季たったの5試合しか先制点を奪われておらず、こちらも非常に大変な作業になります。
金沢はきっちり人を捕まえに来るチームなのでいかにスペースを作って使えるかが肝です。作る部分で言えば、SHが下がったり中へ入ったりすることで金沢のSBを釣り出す(そこへFWが走りこむ)とか、ボールとは反対サイドのSHもグッとボールサイドへ寄って素早くパス交換しながら逆サイドを空ける(そこにSBが上がってくる)とか、そういったことが有効かと思います。
作ったスペースを使う部分で言えば、1人1人がボールを持ちすぎてしまうとせっかくスペースが出来ても使う前に寄せの速い金沢守備陣に捕まりかねません。相手のスライドや寄せが間に合わない内にテンポよくつないでいきたいところです。
これはサイドからの攻撃にも言えることで、クロスを上げるにも金沢は空中戦に自信を持っています。早い段階で低いクロスとか、ワンタッチで入れるとか、相手の準備が整い切っていない内に上げることも求められそうです。
また金沢の狙いどころとして、守備が堅くていいインターセプトも多いのですが、奪った直後に相手に引っかけられて失ったり、パスミスで奪われてしまったりすることも多々見受けられます。奪われた直後のファーストディフェンスや攻守の切り替えというのは常に大事ではありますが、今節は特に集中しておきたいところです。
ピンチはチャンス
前節善朗が通算8枚目のイエローを受けてしまい、今節金沢戦と次節柏戦が出場停止になってしまいました。ちなみに前回出場停止だったのはいつだったか振り返ったら2点リードを逆転された愛媛戦でした。間違っても同じ轍は踏めません。
今回代わりに入るのは誰なのか。
ベターなのは凌磨かシルビーニョをトップ下でそのまま起用という策でしょう。それ以外で考えてみると、貴章を入れて2トップ的にして2トップがガンガン動いてスペースを狙うというのもアリかもしれません。はたまた新太を中央に持ってきた上で、左サイドにはホーム・金沢戦にいい印象もある至恩を思い切って起用してみるのも面白いかもしれません。
文字通りチームを牽引している善朗の不在は痛手であることは間違いないですし、楽観できる状況ではありませんが、誰かの欠場は誰かのチャンスでもあります。代わりに入るのが誰になるか、そしてその選手がどんなプレーを見せてくれるか、楽しみにしたいと思います。