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夏のアウェイ観戦にぴったり!18きっぷ旅のすゝめ|ふらっとアウェイツーリズム【特別編】
オレラグ読者の皆様初めまして!
新潟県在住の自称旅人、つばさと申します。
今回は特別編、「ふらっと[18きっぷ]ツーリズム」として、お得で便利に楽しく(時には辛く)旅ができる「青春18きっぷ」を紹介させていただきたいと思います!
1.青春18きっぷのルール
ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、ナニソレ?って方のためにご説明させていただきますと、「青春18きっぷ」とは…
1日あたり2370円でJR全線乗り放題になる夢のようなきっぷです!!
これを使えば、どんなところにも1日2370円で行けちゃいます!
…といいたいところなんですが、これには色々制限やルールがありまして、それをまずは詳しく説明していきたいと思います。
メリットしか説明しないのは詐欺みたいですからね!
ルールその1 購入は5回分セットのみ
これは読んで字のごとく、JRからは5回分セットでしか販売されておりません。
1枚のきっぷに5回分の押印欄があり、使用時に日付の入った印を押してもらう方式なんですね。
5回分セットなのでお値段もきっぷ1枚あたり11,850円となっています。(増税により2019年冬発売分から12,050円に値上げ)
1回のアウェイ観戦で5回分も使わないよ!って声が聞こえてきそうですがご安心ください。
このきっぷ、同一行程での移動に限り複数人で使用することが可能です。
つまり、1枚の18きっぷ(5回分)を2人で2日間使用したり(この場合は1回余りますね)、5人で1日だけ使用したりすることができるんです。
ルールその2 発売期間と使用期間が決まっている
安くて便利に見える18きっぷですが、いつでも使えるわけではありません。
いわゆる「春休み」「夏休み」「冬休み」の期間に限られているのです。
正確には毎年多少のずれがありますが、2019年の場合…
春
発売期間:2月20日(水)~3月31日(日)
利用期間:3月1日(金)~4月10日(水)
夏
発売期間:7月1日(月)~8月31日(土)
利用期間:7月20日(土)~9月10日(火)
冬
発売期間:12月1日(日)~12月31日(火)
利用期間:12月10日(火)~2020年1月10日(金)
となっています。
もともと学生向けの商品だったこともあり、学生の長期休みに合わせたスケジュールになっていますね!
当然ですが、春に買った18きっぷを夏に持ち越して使う…などは一切できませんので、もし期間内に使い切れなそうだなーと思ったら、金券ショップやネットオークションに売ってしまう、もしくはそういったところで購入するのも得策ですね。
ちなみに…
青春18きっぷではありませんが、毎年秋にも「秋の乗り放題パス」という18きっぷのようなきっぷが発売されます。
今年は10月1日~25日まで販売され、10月12日~27日まで使用できます。
なお「秋の乗り放題パス」はいくつか18きっぷとの相違点があり、
・3日間分で7850円
・連続した3日間でしか使用できない
・1枚の券を複数人で使用できない
・子ども用の設定がある(3920円)
など、かなり性格の違うきっぷとなっていますが、乗車できる区間や種別は基本的に共通です。
アルビサポの方であれば、ちょうど3連休の中日の10/13(日)にアウェイ愛媛戦(15:00キックオフ)が開催されますので、使用を考えてみてもよいかもしれません。
ルールその3 誰でも使えます!
「青春」「18」きっぷだから私には関係ない…と思ったそこのあなた!
青春18きっぷは老若男女誰でも使えるんです!
もともと学生「向け」の商品だったというだけで、発売当初から誰でも使えるきっぷです。
気の置けない友人や愛する家族と、便利でお得なきっぷを使ったのんびり旅で「青春」を感じてみるのもいいと思います(うるさい)。
ルールその4 乗れるのは普通列車と快速列車だけ!(一部例外あり)
1日2370円でJR線乗り放題という「青春18きっぷ」ですが、乗れるのは「普通列車」と「快速列車」のみです(超重要!!)
北海道から鹿児島まで日本全国をつなぐ新幹線や、地方の素早い移動と快適な旅を約束してくれる特急などには乗れません!
もちろん首都圏に張り巡らされた地下鉄や、各地で活躍する路面電車などの私鉄にも乗れません!
一部例外として特急等に乗れる区間などはありますが、基本的にはあくまで「JR」の「普通・快速列車」にしか乗れない、と考えてください。
ルールその5 「1日」は0時から24時まで!
冒頭から書いているように、青春18きっぷは1回分=1日分です。
この「1日」とはその日の0時ぴったりから24時ぴったりまでです。(正確には0時を超えて最初に停車する駅まで)
つまり、使用日から日付をまたいで0時過ぎに目的地に着くような場合は、0時を超えて最初の停車駅から目的地までの運賃を別で支払わなければいけません。
この0時過ぎの運賃計算などは現場でやると非常にわかりにくかったりするので、事前に行程を決める際にきちんと確認しておきましょう。
こちらが青春18きっぷ(使用済み)です。
その日初めて使う際に駅員さんに印を押してもらい、その後は有人改札で入出場します。
ここまでに記載してきたルールは切符にも明記されています。
…ルール説明だけでかなり長くなってしまいましたね(汗)
わかりやすく大雑把に書きましたので、不安な方はWikipediaやJRのサイトでご確認ください。
2.私と青春18きっぷ
さて、ここからは18きっぷを何度も使用してきた私が、18きっぷ旅の思い出を少し振り返っていきたいと思います。
私の18きっぷ歴は11年ほど。
初めて使ったのは当時中学2年の2008年冬、「ふらっとアウェイツーリズム」を連載しているなるかわ氏の誘いで新潟から大阪・大垣・東京・仙台・米沢…と2日間で回る強行軍小日本一周旅行でした。
この時は真冬だったので(そして誰も天気なんて気にしてなかったのもあって)遅れや運休でえらい目に遭いました(笑)
まだ暗い早朝に新潟を出る一行。出発の時から雪がちらつき、道中はかなりの積雪。
案の定雪と風で列車が止まり、早速金沢から福井までは別料金を支払い特急を利用するなど前途多難な船出となりました。
道中でご当地の駅弁なんかも楽しみつつなんとか大阪にたどり着き、通天閣を見て串カツを食べた一行は、大垣から夜行快速「ムーンライトながら」に乗車(今は臨時になってしまいましたが、大垣を深夜に出て東京に早朝に着く大変便利な列車でした)。
エヴァ2号機みたいな光り方をしている「ムーンライトながら」。
青春18きっぷが適用でき、夜通し座っているだけで東京に到着します。
翌日は東京から東北方面へ進むわけですが、進めば進むほど降り積もる雪…
新潟まであと一歩のところまできた米沢駅で、大雪により新潟へ向かう米坂線が途中駅でまさかの運転見合わせとなることが判明。
この電車に乗れなければその日のうちに新潟には帰れない、という緊迫した状況のなか、当時携帯電話も持っていない一行は代行バスが出るのか出ないのか、ハラハラしながら駅員さんの案内を待っていたことを思い出します。(結局代行バスが出て無事新潟に帰ることが出来ました。)
こちらが雪の米沢駅前。あまりにきつかったのか、ほかにほとんど写真がありません(笑)
こういう経験もまた18きっぷならではの一種の醍醐味であり、私たちの中ではいつまでも笑い話として記憶に残る思い出となっています。
その後も私はこれに懲りるどころかすっかり魅力に取り憑かれたように、長期休みのたびに何度も18きっぷにお世話になってきましたが、私の18きっぷ旅行の経験で一番大きいのは2018年の春ですね。
それまで勤めていた会社を辞めた私は、18きっぷを2枚使い、新潟から10日間以上かけて中国地方から九州・四国と回ったのです。
一念発起して行った旅で、初めて訪れる場所や出会った人々など今でも忘れられない貴重な旅でした。
この時は予定もしっかり決めず、随時予定を変更したりなるかわ氏に相談したりしながら気ままに楽しみました。
なかでも忘れられないのは、広島県と島根県を結んでいた「三江線」。旅に出たのは3月でしたが、なんとその月末に廃線になるという路線でした。
時刻表でそれを知った私は急きょ予定を変更し、1日かけて三江線を通るルートへ。
普段1両で走っている車両は3両まで増結され、さらに車内は満員。
沿線ではたくさんの地元の方が手を振り旗を振り、まもなく姿を消す鉄路へ精一杯の感謝と声援を送っていました。
さらに、三江線最後の雄姿を一目見ようと訪れた観光客には町をあげておもてなしをしようと、様々な取り組みが行われていたのが印象的でした。
PRキャラクターも心なしか寂しそう。
思わず涙が出るような光景と、車内や沿線で出会った人たちの温かさは今でも忘れません。
また、旅行の楽しみといえば食事!
毎日現地の名物を食べ、お酒を楽しんでいました。
高知で食べたカツオのたたき。厚切りを塩で食べるという新発見。
ほかにも広島でお好み焼きやカキ、香川で讃岐うどんなどなど、ご当地で食べるのはやはり最高に美味しいことを実感しました。
飲みすぎたおかげで朝寝坊してしまい、予定の列車に乗るために新幹線を使ったことも…(笑)
このように、青春18きっぷはゆるくて不確実な方法だからこそ、人生を変えるような素晴らしい旅になるのかもしれませんね。
次は、これまでの経験から18きっぷの良い所・悪い所をご紹介します!
3.18きっぷの良い所
良い所その1 安い!!
なによりもこれですね!
金銭的余裕のなかった学生の頃(今も余裕はないですが…)は本当にお世話になりました。
移動に1日近くかかりますが、1日たった2000円ちょっとで関東に出たりできるのはこれ以上ない魅力です。
例えば、8/31(土)のアウェイ柏戦(19:00キックオフ)に新潟から当日出発する場合の一例を考えてみましょう。
8:55に新潟駅を出発し、長岡・水上・新前橋・高崎・上野と乗り継いで、最速で柏駅に到着するのが16:41となります。
ご覧のように新潟から柏への遠征であれば、当日の朝(それも割と遅めに)出ても十分間に合いますね。もちろんもう少し早めに出て、寄り道しながら行くのも自由です。
そして交通費は18きっぷ1回分のたった2370円!!大変お得ですね。
なお、実際に計画する際には乗換や食事のタイミングなども事前に考えておくと、スムーズに旅をすることができますよ。
上記のプランでは、お昼どきに水上駅で20分程度乗換えの時間がありますが、駅前にはキオスクもコンビニもないのでお気をつけて(笑)
良い所その2 途中下車できる!
18きっぷは乗り降り自由です。どこから乗ってどこで降りても構いません。
景色のきれいな駅や有名な観光地、美味しそうなお店やお土産を見つけたらいつでも降りていいんです。
前述の西日本周遊旅では、雰囲気の良さそうな熊本県の人吉駅を見て思わず散策することに。
ぶらりと歩いていると人吉旅館という老舗の風情ある旅館を発見し、最高に気持ちの良いトロトロの日帰り温泉を堪能することが出来ました。
予定に縛られずに、自由気ままな旅を楽しみたい方や、単純にアウェイのスタジアムへの直行直帰ではつまらない…という方にはうってつけのきっぷですね!
ただし!降りた先で次の列車を待たなくてはいけないということは忘れないでくださいね。
景色の良い秘境駅なんかだと、次の列車は夕方…なんてこともあるかもしれません(笑)
良い所その3 予約や席の指定が必要ない!
18きっぷは期間内であればいつでも使えるため、思い立った時にいつでも旅に出られます。
もちろん旅の当日に窓口や券売機(指定席券売機のみ)で購入することもできますよ。
席の予約をしたり、必ずその列車に乗らなければいけないということもありません。
気の向くままに、自分のペースで旅ができるのです。
また、例えば「急きょアウェイ観戦に行きたくなったけれど、(先日の山形戦のように)すでに高速バスの予約はいっぱいでどうしよう…」という時にも、18きっぷなら予約の必要もなく、言うなればその場のノリでも参戦することができます!
きっちり予定を決めた旅もいいですが、なにも決まっていない自由な旅も乙なものですよ!
4.18きっぷの悪い所
ここからは悪い所です。
便利で安い分、いろいろ制約のあるきっぷなのでこの先をしっかり読んでくださいね!
悪い所その1 普通・快速列車しか乗れない!
これは18きっぷの一番基本のルールですが、それが一番のウィークポイントです(笑)
たとえば私はこの8月末に新潟から高松へ18きっぷで旅行に行きますが、なんと1日目は始発で新潟を出た後丸一日列車に乗って、高松につくのは翌0:20です。
途中長い停車時間があるのは姫路駅の50分だけ。ずーっと座っている(か、座れずに立ち尽くしている)ことになります。
新幹線や飛行機が高いお金をとるのは、それで短縮できる時間にそれだけの価値を見出す人が多いから。
18きっぷでの旅はお金の代わりに時間を消費しますので、時間のない方やせっかちな方にはおすすめできません…。
代わりに、お金はないけど時間はあるという方や、お金も時間もあるけど物好きな方にはとてもおすすめできるきっぷです。
悪い所その2 遅延や運休が致命傷に!
前述のとおり、18きっぷで乗れるのは普通・快速列車のみです。
もし天気や事故の影響で列車が遅れてもそれは変わりませんし、乗り継ごうと思っていた列車との接続も約束されません。
つまり、遅れや運休が発生した時点で本来の計画から大幅に変更することを余儀なくされるのです。
そうした状況を極力避けるために、事前の計画段階で複数のルートやプランを練っておくのも手です。
たどり着けなかった場合最悪宿泊できる場所(ネットカフェやサウナなど)の確認や、観戦に間に合わせるためのリカバリープランなど、きちんと考えておきましょう。
どうしても普通・快速列車だけでリカバリーが難しい場合は、前述の思い出話のように一部区間だけきちんと料金を払って新幹線や特急を利用する方法もあります。
これは18きっぷで旅行する人たちには「ワープ」と呼ばれる方法です。
追加でお金を払う必要があるのでお財布への負担はかかりますが、このワープを上手に利用することで時間の節約にも有効です。
18きっぷ旅の天敵、遅延と運休。
この時も万事休すかと思いましたが、なんとか別料金を支払い特急に乗って難を逃れました。
自分が利用する予定の路線や電車だけでなく、接続している路線や別の電車のことも頭に入れておくと、どんな状況でも効率的な旅ができますよ!
悪い所その3 とにかく暇!!
18きっぷでの移動は、「普通に乗車券を買うと2370円以上になる区間」=結構な長距離で行うため、基本的にはずーっと列車に揺られることになります。
このあいだ、何もすることがありません(笑)
スマホはバッテリーも心配ですし、必ず電波があるとも限りません。
携帯音楽プレイヤーで音楽を聴いたり(音漏れにはくれぐれも気を付けて)、本を持ってきて読んだり…と、何もすることがない時間を有効活用する手段を持っておくと良いでしょう。
これを機に仲間とじっくり話をしてみたり、ご当地のグルメやお酒を楽しむのもおすすめです!
また、18きっぷでの移動中はとても長い時間座っている(もしくは立っている)ため、体が痛くなってしまうこともあります。
乗換の際や長時間停車する際には、車外に出てストレッチとリフレッシュを心がけましょう。
思いがけない風景にも出会えるかもしれません!
高知駅前の龍馬像。
1人でいるものだと思ってたら3人いてびびったのは秘密。
5.あとがき
ここまで青春18きっぷについてご紹介してきましたが、魅力は伝わりましたでしょうか?
安くて便利で癖のある18きっぷは、いつもと少し違う旅や遠征を楽しむのにぴったりです。
アウェイ観戦そのものだけでなく、移動や道中の発見もすべて思い出に残ることでしょう。
首都圏からであればかなりのアウェイに1日でたどり着けますし、新潟からでも関西近辺までは1日でたどり着くことができます。
興味のある方はぜひ普段より少し多めに休みを取って、壮大でミステリアスな18きっぷアウェイツアーを計画してみてください!
準備と下調べとちょっとの勇気があれば、きっと素晴らしい旅になることでしょう!
ここでひとつアドバイス…
18きっぷでの旅行計画を練る際には「ジョルダン」の18きっぷ検索がおすすめです。
JRの普通列車と快速列車しか乗れないというルールをきちんと守ったルートを検索してくれます。
使い方は普通の乗換検索とまったく一緒!
ただし、スマホから使う場合はページをPC版に切り替えないと出てこないのでご注意ください。
それでは皆様、良い旅を!!
Good luck!!