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オレラグ

勝ちたい【Review】第15節 FC琉球戦

2019年5月27日

なんだかボーっとしてしまうのは急な暑さのせいか勝てないもやもやのせいか。
書こうと思っても全然集中できないのは、この週末ずっと外でサッカー見ていたせいで真っ赤に焼けた腕と顔がひりひりするせいか、それとも勝てないもやもやのせいか。
好きな人には幸せでいてほしいと思うのと同じように、好きなクラブには勝って笑ってほしいと思のです。
クラブの幸せが僕らの幸せであることなら、クラブの悲しみもまた僕らの悲しみでもあるのです。

辛い日々が続きます。

スタメン

まず善朗が出場停止明けで復帰、さらにケガをしていた泰基が6試合ぶりに先発に戻ってきました。ちなみに吉永さんになってからは初の出場です。また貴章が8試合ぶりにスタメンで起用されました。ベンチは前日入りした沖縄での練習でズミさんがケガをしたということで6人の登録でした。
対する琉球は福井が出場停止でCBには予想通り岡崎が入り、それ以外は前節と同じメンバーでこの試合に臨みます。

前半

まず懸念されていた気温ですが、この日の最高気温は沖縄より新潟の方が暑いくらいで、試合開始時の公式記録も気温25.1℃、湿度も56%とかなり快適で動きやすい環境の下、行われました。

そんな動きやすい気候もあって試合の入りは前からプレッシャーをかけて相手のビルドアップを好きなようにさせないことはできていたと思います。
最初のチャンスも新太が相手GKまでプレスに行き、さらに連続で善朗がプレッシャーをかけて引っかけたところを起点にしたCKからでした。
6分左から善朗のCK。貴章ヘッドもブロック、その後ゴール前の混戦を詰めにいきますがカルバハルにキャッチされます。

試合後のコメントで吉永さんは「高さに相手が弱いのかなという印象」だったと、貴章をスタメンで使った意図についておっしゃっていましたが、その点はある程度目論見通りだったのではないでしょうか。
この最初のチャンスにしてもDFからのロングボールを貴章がヘッドですらしたプレーが発端ではありました。
振り返ってみるとプレスで相手のビルドアップを制限して、高さの優位性を活かして起点やチャンスを作れていた立ち上がりに点を取っておきたかったと思ってしまいます。

しかし、先制どころか逆に先手を取られてしまいました。
11分、上里のくさびを鈴木が収めたところでファールを取られて与えたFK。
富所が狙ったボールは壁に当たり大谷から逃げるように右隅へ決まってしまいました。
その直前も中盤まで運ばれたボールをしっかりボールホルダーに寄せることで下げさせることができており、その後サイドでのくさびのボールもファールにはなってしまいましたが、尚紀が寄せて潰すことができています。しかしその後、上里から鈴木の縦パスはボランチの間を見事に通されてしまっていました。
新太の寄せ方(コースの切り方、寄せる距離など)とボランチ2人の後ろへの警戒心、さらにその双方の連携の面で一瞬隙ができてしまったと言えそうです。

それ以降で得点の匂いがしたのは、琉球でいうと27分の風間のクロスバー直撃のFKくらいだったでしょうか。15分の右サイドから田中が意表を突いたシュートや、44分の左サイドから富所が蹴ったFKなんかもいいシュートでしたがいずれも大谷が落ち着いて対応することができていました。
逆に新潟もハイライトで言うと14分の中盤で大がカットしたところからシュートカウンターで貴章のシュートまで行ったシーンと、38分の新太がポストプレーをしたところから最終的に貴章が右サイド深くで受けてクロスを上げたところくらいだったかと思います。

判定へのイライラが溜まる中、守備は我慢できているけど攻撃の形があまりに乏しい。というのが前半の全体の印象でした。

後半

やっぱり入りは貴章への長いボールを中心にしていましたが、50分に凌磨がライン間で受けるシーンを始めとして、前半に比べて変化が見られるようになりました。
少しゲームに動きが出てきた中で琉球に右サイドから攻め込まれるシーンが続いた矢先の54分、新潟は早くも動きます。
大→レオ。善朗をボランチにして新太が左サイドにスライド。そして貴章とレオの2トップへと変更しました。

直後の60分には泰基のロングスローから新太のシュートがブロックされたこぼれ球を善朗が狙います。惜しくも外れてしまいますが、交代とこのシュートシーンを皮切りに相手陣内に押し込む時間が増えた印象でした。
そう感じたのは守備でも攻撃でも(特に守備)前へ前へという意識が強くなったように感じたことと、レオが裏やサイドに抜ける動きをしてくれて、パスの出し手もそこを使ってくれたおかげで攻め込むことができたのかなと思います。

琉球は64分、田中→河合を投入して流れを変えようと試みますが、直後には中盤でルーズボールを拾ったところから最後は尚紀のクロスにカウエのヘッドや、シュートまでは行けませんでしたが67分の大武のフィードにレオが抜け出したシーン。
さらには、73分の凌磨からのクロスが跳ね返されたボールを新太がシュートへいった場面と、チャンスやチャンスになりそうな場面を続けて作ります。73分シーンにしても、その前にカウエからのパスにレオが反応して粘ってマイボールにしていたり、もう1つ遡れば大武からライン間の凌磨へくさびが入っていたりいい形が確実に増えていました。

74分、凌磨→フランシス。
なんとか打開するために4試合ぶりの出場となるフランシスを投入すると83分、ついにこじ開けます。
左サイド泰基からのロングスローはクリアされますが尚紀がトラップで前へ持ち出してシュート。GK弾いたところにレオ!同点!
試合後のコメントで尚紀はこのシーンについて「自分のところに来たらシュートしか考えていなかった」と話していましたが、その意識があったからこその、あの完璧なトラップだったのではないかと思います。

さあ、まだ時間は十分ある。逆転するぞと意気上がった直後でした。
86分、右サイド西岡のアーリークロスにファーサイドであわせたのは直前に入ったばかりの上原。琉球勝ち越し。
確かに西岡に対して新太は寄せきれていませんでしたし、上原のマークも付き切れてはいませんでした。
でも、それ入っちゃうのか……そんな気持ちが正直なところです。

直後新太→至恩。
終盤両サイドからフランシス、至恩の突破力を活かしてなんとかゴール奪いにいきますが間に合わず。

試合終了、2-1。3連敗。

攻撃の課題

この試合で気になったのは守から攻への切り替え(ポジティブトランジション)の遅さと攻撃の形の乏しさ(どちらも特に前半)です。
下の図のシーンなんかは解説の方にも指摘されていて、スピードが上げられない、停滞感が出てしまっている典型的なシーンだったかと思います。
せっかくルーズボールを拾えたり縦パスが入っても、追い越してくる人が少なかったり、サポートが薄かったり、またはサポートに行っていたとしても後ろや横で受けようとする人ばかりになってしまっていたり……。
これはなんとなくの推測ではありますが、無理なら何度でもやり直しながら攻めることを吉永さんになって以降やっていたこともあって、その意識が過剰に働いているのかもしれないと思いました。

当然ですが決してスピードが上がらず何度もやり直しながら攻めることが悪いわけではありません。むしろあってほしいものであり必要なことです。
しかし、さらに気になるのはスピードが上がらない上に、やり直してじっくり攻める形すら少なくなってしまっていることです。こっちの方が問題でしょう。
吉永さん就任直後はよく見られたワンタッチ、ツータッチで縦に入れて落として展開してみたいな形が全体的に減少しているのはちょっと心配になってしまいます。
もちろん相手も対策してきますから当初ほど狙い通りにやるのは容易でなくなっているとは思いますが、これはいつだったかのレビューでも似たようなことを書いた気がしますが、対策されたらどうしましょう?くらいのものではどうしようもないわけです。
後半になって前への迫力は出てきて、少ないタッチでの打開もわずかではありますが見られるようになったと思いますが、これを1試合通してできるだけ波を少なく実行できるよう になってほしいと願うばかりです。

最低限の守備

守備に関しては、まず大前提として、3失点、3失点、2失点で3連敗ですから全く褒められたものではありません。ただその大前提に立ちつつ、さらに“前の試合に比べれば”という十分な枕詞を付けた上でこの琉球戦はそれなりにやれていたのではないかと思うのです。
決定的なピンチは少なかったですし、これまで琉球の全試合を見てきたわけではないので確信を持って言い切ることはできませんが、それでも自分が見てきた限り琉球らしい連動した崩しは少なかったように思います。
試合前に吉永さんは「守備の使い分けをしないといけない」とおっしゃっていたようですが、その観点からも前からプレスをかける守備は積極的にできていましたし、ブロックを作って最後のところで体をつける、跳ね返す守備は我慢強くできていたと感じました。

前節を踏まえて今節は「気持ちを前面に出して戦おうと望んでそれは出せたと」尚紀は話していました。また、これが「当たり前」で「最低ライン」だとも言っていたように、もっとやらないといけないわけです。
同点直後の言い方は悪いですが相手をぶっ潰してでも奪いに行っていたあの感じを90分は無理ですから、要所、要所で見せられるようになるとい いなと勝手に思ってしまいました。

最後に

ありがたいことに何でもいいところを見つけながら物事を楽しむように性格が形成されて、ことサッカーにおいてはそれが顕著で、だからこそ特に好きになったのかもしれませんが、正直この日は試合を見ながらあれがよくないとか、もっとこうだろとか、なんだか悪いところばっかり見てしまっていました。
この文章を考えながら、“吉永さん就任直後はできていた形が減少して……”なんて偉そうに書いていましたが自分こそできていたことができていないじゃないかと気づいたので、今回はそんな反省と自戒の念を忘れないように記しておいて締めたいと思います。

はぁ…勝ちたい。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。