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【燃え上がれ清五郎】ニイガタの魅力とは?
2013年7月11日
先日6日・第14節の試合をスタジアムで観戦していた皆さんは、素晴らしい感動を味わったのではないでしょうか。もちろん僕もその一人でした。
試合開始4時間半前からNスタンドでのコレオグラフィー(人文字)準備作業に参加していましたが、やることが多くて時間はあっという間に過ぎていきました。いざ選手が入場するという時、Nスタンドの皆さんから一斉にボードを掲げて頂き、スタジアムの大型ビジョンに「アイシテルニイガタ」の文字が浮かび上がった時の感動はひとしおでしたね。
僕はこの試合、田中亜土夢選手が得点を決めた後の動きがとても印象的でした。彼は、ゴールを決めた後真っ先に自分たちの陣地へ戻って行き、他の選手たちにも手招きしているように見えました。それは「まだ同点だ、もう1点取って勝つぞ!」という意思表示に見えたのです。彼のこのひたむきな姿勢が、逆転ゴールを生んだと言っていいのかもしれません。
先日、アルビレックス新潟の社員さんとお話をする機会がありました。以前までチームの強化を担当していたその方が言うには、「他のチームから新潟へ来て欲しい選手がいる時に、『新潟はここが魅力なんです』というアピールポイントが欲しいんです」と。残念ながら我らがアルビレックスが、毎年優勝争いに絡むようなチームではないことも、高い給料を払えるほど金持ちクラブではないことも事実でしょう。ではニイガタの魅力とは何でしょうか?
以前は、「4万人の観客の前でプレーできる」のが1つの魅力であり、実際にそれがきっかけで移籍してきた選手がいたそうです。ビッグスワンに乗り込んできた相手チームの選手が、いつか自分もこのスタジアムで大声援を受けてプレーしたい、と思える雰囲気作りが、我がチームを強くする理由になるのです。そしてそれは、スタジアムに足を運ぶ新潟サポーターの数が多ければ多いほど、またその一人ひとりが選手を後押しする拍手と声援を送れば送るほど、意味を増してくるのです。ですが残念なことに、今はこれも実現できていません。
思えば、これまで新潟サポーターに愛されてきた選手の多くは、ひたむきでがむしゃらなプレイヤーだった気がします。その彼らの一生懸命なプレーに、サポーターも力いっぱい声援を送りました。選手入場時のビッグフラッグ掲出や、コレオグラフィの文字にも、全てはひたむきにチームを応援したいという想いが詰まっています。「いいプレーには賞賛を、ミスした時には励ましを」そんな空気に包まれた4万人のサポーターで埋め尽くされたスタジアムで、サポーターがひたむきに声援を送り、選手たちはがむしゃらなプレーで応える。そしてまた、それを目指して新しい選手が集まってくる。これこそが新潟の魅力じゃないかと僕は思うのです。僕らが今進めているプロジェクトが、全てここに通じていることを信じて。
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渡辺英雄(わたなべ ひでお)
1973年生まれ。新潟大学法科大学院助手。新潟大学在学時からアルビレックス新潟のサポーターとなり、現在は新大アルビプロジェクトを教員の立場から取り組んでいる。また、ホームゲーム後に新潟県スポーツ公園内のレストラン「ラ・ピアンタ」で不定期開催している「サポーターズバー」の実行委員としても活躍中。