ALBIWAY ALBIWAY

オレラグ

加速する隣人【展望】第31節 モンテディオ山形戦

2020年11月3日

こんにちは。

冬の風物詩である選手権の都道府県予選が各地で盛り上がっています。
新潟では3日に準決勝があり、前年度県勢初の全国ベスト4進出を果たした帝京長岡と、2015年度以来の全国出場を目指す明訓が、土曜日にビッグスワンで行われる決勝に駒を進めました。

今年はインハイがなくなって、選手権も開催できるか分からないような状況でしたから、とにかくこうして大会が開催できているということがほんとうによかったなと思いますし、こういうご時世もあって以前より全国各地の予選が配信で見られるようになっている感覚があり、これに関してはいちサッカーファンとしては怪我の功名ではありませんが、ありがたいなと感謝するばかりです。
日テレの選手権ページに行けば各地の準決勝・決勝のスケジュールと配信の有無がチェックできるので、ぜひぜひ。

急上昇の山形

さて、11月に入っても忙しなく続くリーグ戦です。
今月は9月に続いて8試合が組まれているわけですが、早速今節は前節から中2日でのゲームとなります。
31節、ミッドウィークにアウェーへ乗り込み対戦するのはお隣、モンテディオ山形です。

前節こそ京都に敗れていますが、今福岡と並んでリーグでも1,2を争う勢いを見せているのが山形です。
前回は6節に対戦して1-1のドローだったわけですが、あれから3カ月半ほどが過ぎ、うちもそうですが山形もいろいろと変わっています。

まずはシステムが変わりました。
以前対戦した頃は3-4-2-1もしくは3-5-2といった感じで3バックをベースに戦っていましたが、10節(8月8日)の京都戦からは4-4-2(4-2-3-1)を基本として戦うようになっています。理由としては、それまで抱えていた深刻な得点力不足の解消というのが最も大きいかと思います。
するとその京都戦で、それまでで今季最多の3ゴールをいきなり奪うと、甲府からも3点、琉球からは4点と明らかな成果が見られ、結局8月は6試合を4勝2分という成績を残して波に乗りました。
9月に入ると2回の2連敗を含む6試合勝ちなしという時期があり、勢いが一旦は消えたかと思われましたが、それでも22節(9月27日)の磐田戦で勝利して以降は9試合で6勝1分2敗と再び勢いが加速して今に至ります。

また、ケガ人も出てメンバーの入れ替わりもそれなりにあるのですが、なんと言ってもそれまでチーム得点王だった山岸が10月に福岡へ引き抜かれました。
勢いが復活し始めたところでの電撃移籍だったので心配もされましたが、山岸移籍以降も琉球から3点、愛媛から4点、ヴェルディからも4点と、得点力は復活するどころかそれまで以上の破壊力を見せるようになっています。

2列目を中心とした前線の連携

得点王が抜けてむしろチームの得点力が上がるというのは興味深い話ではありますが、中身を見ればやろうとしているプレーと、山岸の移籍によって出場機会が増えた選手の特性がしっかりマッチしているというのは間違いありません。

今年はポゼッションをしながら崩していくという方向性で始めたものの、当初はなかなか思うようにライン間を突けなかったり崩す形を作ることができなかったり苦労していました。
しかしここ最近は、右SHの凌磨と山岸の移籍によって出場機会の増えたトップ下の南が2列目でスムーズな連携を見せており、そこにようやくチームにフィットしてきたトップのヴィニシウス・アラウージョが絡むことで破壊力のある攻撃を実現しています。

また、左サイドに関しては凌磨や南と同じように内側に入って狭い位置で起点を作ったり連携が取れる前川が10月にセレッソから期限付きで加入したり、彼らとは毛色の違ったスピードと突破力が武器の加藤を起用することで違いを作ることもできています。

前節の京都戦は0-3というスコア的には完敗のゲームでしたが、それまでの試合同様にサイドやライン間で起点を作ったところからゴール前に侵入することはできていましたし、ゴール前でフリーの状態で放ったシュートが不運にもGKの正面へ飛んでしまったということが2度ほどあったので、攻撃の内容としては十分相手に脅威を与えていました。
また、凌磨に関しては4試合前の愛媛戦、前々節のヴェルディ戦でゴールを決めていますし、前節も右サイドから1人でDF複数人を抜き去ってチャンスを演出していて非常に調子がよさそうです。恐さをよく知っている以上警戒しておきたいところです。

切り替えの1歩目

ここ最近得点力の増加によって順位を上げていた山形ですが、守備に関しては一貫して安定しています。現在31失点というのはリーグ5位タイの少なさです。
基本は前から積極的にプレスを掛けに行き、ダメならミドルゾーンで4-4-2のブロックを作ります。ブロックを作る際は、陣形をコンパクトに保ってとにかく中へ入れさせないようにして、外へ追い込むと同時に囲い込んで奪う、というのが徹底されています。

ここ何試合かを見る限り、山形が2トップのため相手は後ろを3人にして組み立てようとしてくることが多いのですが、それに対して山形は攻撃の際に内側へ入る凌磨がそのまま2トップと共に前へ出て嵌めに行く形が多いように感じました。この前へ出て行くアプローチがとても速いですし、仮に外へ逃げられてもそこからライン間を狙う相手を隠すように連動して守るのが非常に上手です。

ただ、その凌磨が出てくる右サイドに攻略のためのポイントがあるように思います。
前節の京都戦は凌磨が前へ出た時に、後ろのSBとの距離が離れてしまうケースが見られました。コンパクトなブロックを敷く山形に対して京都が対角のフィードを使いながらサイドの高い位置に起点を作るようないいボールの動かし方があってこそであり、また山形も相手のサッカーに合わせてしまったことで本来の距離感でプレーできなかったということを反省していましたが、攻守の入れ替わったタイミングの山形の右サイドにできるスペースというのは狙いどころとして考えられるのかなと思います。

得点源とリスクの天秤

その他2つ。
CKの守備は、以前対戦した頃はゾーン+1,2人マンツーでやっていた記憶がありますが、最近は完全なゾーンでやっているようです。
ゾーンであればやはり狙い目としてはファーサイドになってくるでしょう。ショートを使ったりニアですらしたりして相手を動かすことでファーサイドは空きやすくなってくるはずです。
セカンドボールもゾーンの場合フリーで拾える確率は高くなるような印象なので、前節同様新潟の大きな得点源であるセットプレーは大事に活かしたいところです。

攻撃の特長として2列目の選手達による連携ということは先に書きましたが、その分クロスは上げさせてもいい、というくらいの気持ちでいいような気がしています。
クロス自体は多いチームですし、クロスから点が取れていないチームということでもないのですが、やはりアタッキングサードに入ってからフィニッシュまではかなりの確率で持ち込めるチームになっているので、それであれば内側へ入れて連携で崩してくるところを徹底的に消して、外に追い込んでクロスを上げさせて跳ね返すということの方がリスクは低く抑えられるような気がします。
マウロが出場停止というのはこの点において小さくない懸念点ではありますが、それでもそっちの方がいいように思います。

最後に

前回対戦の展望ではシュート数がリーグでもワースト5に入るくらい少ないチームと書いていたのですが、今は逆にトップ5に入るくらい多いチームへと変貌しています。
新潟もシュート数は多いチームですから、中2日という日程を考えると打ち合いとまではいかないかもしれませんが、前回よりもオフェンシブな展開になるような気はしています。

ここ最近は見応えがあっておもしろい試合を毎試合のようにやってくれていて、それはそれで見ていてとても楽しいのですが、3試合連続ドローですから、そろそろ勝ち点3が欲しい、勝利が見たいなと思います。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。