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オレラグ

苦み100%【展望】第36節 愛媛FC戦

2020年11月27日

こんにちは。

なんとも苦く、いろいろと大変な試合になりました。
とりあえずこの日よかったことと言えば、ガチガチの防寒が功を奏して体の芯まで冷えることを防ぎつつ試合が見られたということと、久々に買ったmini totoが当たったくらいでしょうか。
とは言いつつ、そんな幸運はくじではなくアルビレックスに降って欲しかった、なんてくじ買っといてそんなことを言うのもズルイ話ですが、そんな風に神様にわがままを言いたくなるのでした。とほほ。

スタメン

では、スタメンから。
新潟は前節からの変更が1人。
史哉が左SBとして2試合ぶりにスタメンに戻ったことで、前節殊勲の決勝点を挙げたゴメスが中盤に上がりました。また、前節後半から位置を入れ替えた中島と善朗のポジションに関しても、この日はスタートから善朗がボランチ、中島が右SHで至恩がトップ下という並びでした。

対する愛媛は、トップに入った丹羽が5試合ぶり、シャドーの忽那が2試合ぶりにスタメンということで、前節から前線3人のうち2人を入れ替えて臨んできました。

前半

愛媛ボールのキックオフに対して、至恩と矢村が先陣を切ってプレスを掛けにいき、積極的に入ろうという姿勢を見せます。
しかし、それに対して愛媛は山崎からのフィードを左サイド深い位置で長沼が収め、落としたボールを川村がクロスに丹羽がシュートと、開始30秒で見せ場を作りました。
新潟の方も、2分にスローインから抜け出した至恩がゴール前まで仕掛ける惜しいシーンを作り、またボールを動かしながら間を狙うプレーも見られるようになりますが、恐らく狙いとして左サイドへ展開してからの攻撃を続けて来ていた愛媛に早い時間帯で先手を取られてしまいます。

15分、ビルドアップで左サイドから運び出されると、前野のクロスを一旦は舞行龍がクリアしますが、これを再び前野に拾われてクロス。今度は丹羽がボレー。愛媛先制。
相手にボールを持たれて、ある程度構えて我慢が必要というシチュエーションでしたが、ちょっとあっさりとやられてしまいました。

失点後、17分には中盤高い位置で奪ったところからゴメスが抜け出してのシュートがあり、20分にはFKを中島が直接狙うなど、いずれもゴールとはなりませんがフィニッシュの形を作ると、飲水タイム明け直後にゴールネットを揺らします。
27分、中央でボールをもらった至恩が狭いところを仕掛けていくと、混戦の中からこぼれたボールに田上が抜け出し、GKとの1対1を難なく決めます。
同点……かと思いましたが、主審は副審との協議の結果オフサイドということでノーゴールの判定を下しました。

混戦からボールが出てきた瞬間、カメラのアングル的に判断するのは難しいですが、それでも確かに田上はオフサイドポジションだったかと思います。そしてボールの出所が相手なのか中島かというところで主審は副審と確認を取り、オフサイドと判定したのだろうと思います。
実際ゴールが入った瞬間副審もフラッグを挙げて中央へ戻るアクションはせずにそのまま止まったままだったので、オフサイドの可能性があるから主審と確認しようという流れだったと思うので、これは致し方ないというか、むしろ冷静なジャッジだったとすら言えるのかもしれません。
いずれにしろ悔しいことに変わりはありませんでしたが。

その後、史哉が高い位置まで走り込んで受けたところから至恩がクロスへいく場面や、テンポのいいビルドアップで相手を剥がしたり、縦パスから矢村が抜け出しかけたりと、チャンスに“なりそう”なところまでは作ります。
また、2列目の3人が失点前後くらいの時間帯からかなり流動的にポジションを替えつつプレーしていたことに関しては、ここ最近とは違うSBが外側でSHが内側でプレーする仕組みにしていたことと、対3バックの愛媛という部分も含めて「理に適っている」と梅山さんも仰っていました。
このように意図して狙っていたことも悪くなかったかと思いますが、結局飲水タイム以降はアディッショナルタイムにあった善朗のCKにマウロがヘッドで合わせたシーンくらいしかシュートは打てませんでした。

前半終了、0-1。

後半

新潟は頭から動きます。
史哉→テセ。ゴメスを左SBに下げて、矢村とテセの2トップといった感じに変更しました。

開始早々、田上のフィードから矢村が裏のスペースでボールを受けたところからゴール前に迫るシーンを作ると、47分にも田上のサイドチェンジを起点にゴメスから至恩へ繋ぎ、エリア内まで仕掛けていくなど、1つカウンターを食らったシーンこそありましたが、連続してゴールに迫るシーンを作ります。

そして49分でした。
高い位置からの連動したプレスで善朗が奪うと、そこからショートカウンター発動。至恩から中島へ渡りシュートはGKセーブ。
そのこぼれ球を山瀬が拾ってクリアしたところで新潟の選手が一斉にハンドを主張しますが、プレーは続行。
スタジアム全体が騒然とする中、セカンドボールを新潟が拾ってもう1度やり直しますが、右サイドで田上が前野に奪われます。
そこから今度は愛媛のカウンター発動。
前野から丹羽へ渡り、丹羽は一旦左サイドの川村へ預けると、スルーパスから再び丹羽が内側を抜け出します。カバーに入った舞行龍をうまくかわして、出てきた和輝にも慌てず冷静にゴールへ流し込みました。2点目。

スタジアムがザワザワした雰囲気の中でバタバタとやられてしまいました。セカンドボールを拾ってやり直せてもいますし、また失ったのも相手陣内だったことからも、攻め切るなり、もう1回じっくり繋いで落ち着けるなり、はたまたカード覚悟で止めて空気をリセットするなりできたわけですから、集中を切らしてやられたというこちらの過失と言わざるを得ないでしょう。

そして、そのハンドかどうかの部分ですが、ボールの軌道も不自然でしたから山瀬の腕に当たったことは間違ないかと思います。
ただ、自分がプレーしようとしてミスなどで跳ね返ったボールが手に当たってもそれはハンドにはならない、というのが19/20のルール改正で定められていました。詳しくはこちらをどうぞ↓
https://www.youtube.com/watch?v=J74xamEM0ys

自分もこのジャッジリプレイで学んでいたのですが、まあ、何となくで頭に入っていたので現地で見ている時はそんな冷静にルールを思い出して素直に受け入れることはできませんでした。反省です。

それでも最悪なのは次です。
55分、山瀬からのサイドチェンジを長沼がもらうと、川村が縦に抜けてもらい再び長沼に戻します。長沼は田上と1対1になりますが、寄せが甘くなったところを見てクロス。これがクリアしにいった舞行龍の足の先を通過しそのままゴールへと吸い込まれました。3点目。

裏のスペースに走った川村には善朗が付いて行きました。
一旦長沼に戻ったところで前野が追い越す動きを見せます。人数としては田上、善朗、戻って来ていた中島の3人vs長沼、川村、前野という3人の数的同数はできていました。
しかしここで、田上は追い越す前野を見ようとするために長沼に対しては中島に出て来いと合図をしていましたが、中島は外から中央へ戻ってくる川村をケアするためにステイする判断をします。そして善朗も元々ついていた川村は中島に任せて追い越す前野を見ようとしているようでした。
この連携や声掛けが中途半端になった結果、長沼には十分過ぎるスペースと時間が与えられることになってしまいました。
ちょっとしたことであり、これもやはり集中力の欠如は否めなかったかと思います。あまりにもったいない失点でした。

3点のビハインドとなった新潟は62分にCKから中島のミドル、65分には田上が直接FKを狙いますがどちらも枠を捉えられません。
67分、中島→大本。右サイドに槍となれる選手を投入します。
しかしボールは持てても3点の余裕がある愛媛は当然無理をせず5-4-1のブロックを敷いて構えるため、新潟は攻めあぐねる展開が続きます。

飲水タイムを挟み、両チーム次々に選手交代を行います。
新潟の方はまず74分に矢村、ゴメス→達也、荻原。そのままFWと左SBを入れ替えます。
また80分には善朗→秋山をそのままボランチへ投入しました。
大本、荻原を入れることで左右からどんどん仕掛けていく狙いを明確にした中で、特に荻原は何度かいい仕掛けからクロスでチャンスメークをしていましたし、それだけに止まらず自らゴール前に侵入してシュートも狙っていくなど迫力を感じさせてくれました。
反対に80分に入った秋山は少し不安定というか心配な出来でした。
そもそもスピードで突破や体の強さで勝負みたいな特長が分かりやすいフィジカル的なタイプではないので、あの状況から目立つというのは難しい側面もあるのかもしれませんが、それにしてもちょっとしたミスや動きの少なさなんかは気になるところでした。

愛媛の方は71分に最初の交代を行います。
忽那、長沼→有田、横谷を投入。有田がトップで横谷がシャドー、それまでトップだった丹羽が左のWBへと移ります。
さらに78分にはボランチの森谷→渡邊と、より守備に特長のある選手を投入してリスクマネジメントに重きを置きます。
梅山さんが終盤、前から寄せに行った山瀬のプレーを称賛していましたが、チームとしても高い位置では5-2-3的な感じでより中央を閉めて、新潟のSBには低い位置であればある程度やらせていいくらいの感じから、自陣に入れば5-4-1でがっちりブロックを作るという判断や切り替え、集中力は見事でした。
自陣で5-4-1のブロックを作る際もGKの岡本からは「(後ろに)重くなり過ぎるな!」と声が掛かっていたように、下がり過ぎずコンパクトに網を張ってもいました。

85分に愛媛は山崎、川村→池田、西田。交代枠を使い切って運動量を落とさないよう締めに入ります。
新潟の方はシンプルにテセを狙った形や、荻原の仕掛けなどでいくつかゴール前まで運ぶことはありましたが、ゴールは奪えず。

試合終了、0-3。
いろいろ不満やイライラが募りつつも、結果的には完敗となってしまいました。

2人を活かす起用の妙

試合後に愛媛の左のシャドーを務めていた川村が「あのポジション(新潟の右サイド)は相手チームのウィークポイントであることはスカウティングで分かっていたし…」ということをコメントしていました。また、解説の梅山さんも「(新潟のSBの)背後を取るよりは、長沼が田上の前であえて受けて、食いつかせて背後というのを狙っている意図が見えますね」とも仰っていました。
愛媛の4節前にあった磐田戦でも、長沼が大外で相手DFを引き付けて、その裏に川村が飛び出してクロスから得点という形があったのですが、今節もそんな彼らの特長を新潟のウィークにそのまま当てられたと言えるのかもしれません。

また、そういったアタッキングサードの攻略という点においても効果を発揮していたのと同時に、ビルドアップでも川村の存在は新潟にとって厄介になっていた印象でした。
先制点の少し前に新潟がプレスを掛けた際、右SHの位置にいたゴメスが相手の3バックの左にいる前野まで寄せたのですが、それによって空いたスペースに川村がスッと下りてボールを受けてプレッシャーを剥がすことに成功していました。
これ以外にも新潟がプレスを掛けるタイミングで、川村が下りることによってボランチの善朗の注意を引き付けて、相手のボランチである森谷にストレスなくボールが入ってしまうということもありました。
つまり主に新潟がプレスを掛けるタイミングで川村下がることによって、新潟の2ボランチに対して愛媛が2ボランチ+川村という状況を作ることができていたということかと思います。

前半の飲水タイム時に愛媛の方がポゼッション率が高い理由について梅山さんは「新潟もプレッシャーは行っているんですけど、奪えない、嵌め切ることができてなく、掻い潜られている」と仰っていましたが、その一因として川村の働きがあったように思います。

さらに補足にはなりますが、川村は本来ボランチが主戦場の選手でありますし、この日ボランチを務めていた山瀬も本来はもう少し高い位置、それこそシャドーなどを本職としている選手です。
試合後に愛媛の川井さんは山瀬について「久しぶりにボランチで使ったけど、実は彼は潰すこともできるし、球際のハードワークも厭わない」と仰っていました。
本来はよりアタッカーとしての特長をもっている山瀬の守備の才能、そして本来もう少し低い位置からゲームクリエイトする特長を持った川村のアグレッシブにランニングする才能を、位置を入れ替えることで発揮させた川井さんの采配もズバリ的中したゲームだったのかなと思います。

触れざるを得ない話

ちょっとジャッジについても。
田上の幻のゴール、そして2点目の直前のハンドかどうかについては先に書いた通りです。
結果として自分の贔屓するクラブが不利益を被ったので何の不満や悔しさもなくいられるはずはありませんが、それでもその2つに関してはルールとして納得する必要があるのだろうと思います。

ただ、やっぱりそれ以外、ゲームコントロールという部分で小さくない疑念や不信感は募りました。
和輝が後ろから突かれてあわやゴールになりそうだったシーンや、舞行龍がハンドを取られて愛媛ボールのリスタートとなったシーンなど。
まあ確かに和輝はしっかり後ろを確認する必要はあったでしょうし、舞行龍も結果的にセルフジャッジとなったということで気を付けないといけなかったのでしょう。
とはいえ、和輝のシーンに関して言えば主審は完全に目を離していました。確かに見ていなかったものを想像で笛を吹く事があってはいけませんが、副審も含めて誰も見ていなかったのかなという疑問や、そもそも目を離さないでいただきたかったというのはあります。
また舞行龍のシーンでも、オフサイドフラッグが上がった後に旗を下げてというプレー続行の合図をしていましたが、副審も含めてもう少し選手としっかりコミュニケーションを取れなかったのかなとも思わなくもありません。まあ、合図はしているのでどうしたってこっちの過失でしかないと言われれば確かにそうなのかもしれませんが……。

三上さんの担当する試合をうちの試合に限らず今までどれくらい見たかは覚えていませんし、覚えてないということはたぶんそつなくコントロールされている試合も多かったはずなので、この1試合だけで三上さんに対して烙印を押すとか悪い評価を断じるのはフェアではないとは思っています。
ただ、今回はこうしてストレスの溜まるゲームになってしまったということは事実ですので要改善していただければなと思います。

努めて冷静に書いてみようと思って書いてみましたが、ただやっぱり現地で見ている時はそうもいきませんでした。声を出しちゃいけないのが辛くて辛くて。まあそもそも声を出さずにサッカーを見る、応援するなんてことはどだい無理な話ではあるのですが。

最後に

最後になってしまいましたが、試合前日にアルベルさんの来季続投が発表されました。
試合当日もアップのタイミングでNスタンドにはメッセージが出ていましたが、本当に嬉しく、そしてありがとうという言葉じゃ足りないくらい感謝の気持ちでいっぱいです。

今季残り6試合、そして続く来年、どんなチームに進化していくのか楽しみでしかないですし、改めて応援というか一緒に歩いていきたいなという感じです。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。