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オレラグ

積み重なるお互いの文化【展望】第37節 V・ファーレン長崎戦

2020年11月27日

こんにちは。

マラドーナが亡くなったという悲しいニュースがありました。
世代的にリアルタイムで見られたわけではありませんが、それでも86年のW杯で生まれた“神の手”であり“5人抜き”の映像は何度見たことか、というくらいよく目にしました。代表でのプレー以外でもバルサでの活躍、スクデットを獲ったナポリでの伝説など、断片的なものばかりですが、そのどれもがまさにレジェンドであり、天才の輝きでした。
クライフが旅立った時も思いましたが、マラドーナについても彼がプレーしていた時代を実際に生きてみたかったと思わせてくれるくらいの偉大な存在です。

60歳というのはあまりに早く残念です。
ご冥福をお祈りします。

昇格へのデッドヒート

さて、本題参ります。
残り6試合という佳境も佳境な時期ではありますが、中2日ということで過密日程が続きます。
今節はアウェーでV・ファーレン長崎との対戦です。

現在は勝ち点67で3位。自動昇格圏の2位とは勝ち点差が3しかないということで、昇格の可能性を現実的に捉えられる位置につけています。
ただ、ここに至るまでにはそれなりのアップダウンがありました。

前回対戦は9月2日。
当時首位にいた長崎はその直近も3連勝と波に乗っていました。ただ我々に対して試合終了間際の同点弾によって連勝を止められると、そこからまさかの8戦勝ちなし。9月は1勝もできないまま過ぎてしまいました。
それでも10月に入って最初の試合で栃木に勝利すると、そこからは完全に息を吹き返して、結局10月は3勝2分1敗という成績を残します。
さらに11月に入ると、マリノスから期限付きで加入したエジガル・ジュニオの活躍もあり開幕以来の4連勝を達成。琉球に敗れて連勝こそ止まりましたが、11月も10月に続いて敗戦はその1つだけに抑え、こうして今月最後の試合を迎えています。

ぶれない強さ

基本的な戦い方は前回から変わっていません。
攻撃はポゼッションを是としたスタイルで行いつつも、状況によってロングボールやカウンターというバリエーション、柔軟性を持ち合わせています。
守備ではハーフラインを少し越えたくらいからプレスを掛けることが多いですが、あくまでもそれはコースを限定することが趣旨としてあり、しっかり構えてブロックの網に引っかけるというやり方が軸になっています。

そんな一貫して手堅い特徴を持ったチームですが、ここ最近の試合を見ていて少し変化があると感じた部分を強いて挙げるとすれば、ビルドアップ時のSHのポジショニングと役割です。
ビルドアップの形はボランチの秋野が最終ラインに下がって後ろを2CBと共に3人にし、SHがライン間を狙うように内側へ入って、SBが高い位置で幅を取るというのが基本です。
それ自体に変化はないのですが、ライン間を狙うように内側へ絞るSHが、少し下がって受ける(受けようとする)ことで、相手の急所を突くだけでなく後ろからボールを運び出すサポートの役割も増えているような気がしました。

これは対戦相手との噛み合わせなどもあるので一概にチームとして変化させようとしてなっているわけではないのかもしれませんが、そうやって少し低い位置へ顔を出すことによって相手を引き出したり、選手間の距離を広げたりすることで、そこへトップ下やFWが中央で起点を作るという形が多く見られるようになっている印象です。

好調で厄介な2人

そんなSHのポジションで現在最も出場機会を得ているのと同時に、今長崎の中でも特に好調ぶりが際立っている名倉と氣田の2人を要注意人物として挙げておきたいと思います。

まず名倉の方ですが、主に右SHや時々トップ下なんかを務める選手です。
小柄でテクニックがあり狭いエリアで受けて決定的な仕事ができるということで、まさにライン間でもらって急所を突くプレーを得意としているのですが、彼もやはり最近は少し下がって受ける仕事をしながら、且つそれまでのようにライン間で受けたり飛び出したりといったこともやっているので、よりプレーの幅が広がっていると言えそうです。
コンディションがいいからそうなってきているのか、そういうこともすることでさらに充実してコンディションが上がってきているのか、どちらなのかは定かではありませんが、新潟としては彼に対してどこまでならやらせてもいい、といった判断が大事になってくるような気がします。

もう1人の氣田ですが、彼は主に左SHでプレーすることが多い選手です。
彼も名倉同様、少し下がった位置でボールを受けながらビルドアップのサポートという役割をやっています。ただ名倉とは違い、大学時代も含めて以前はサイドで受けてドリブル突破というのを特長としていた印象がありました。しかし今季長崎でデビューしてからは内側に入って狭いエリアでプレーすることも増えていますし、何より内側で受けたところからドリブルで仕掛けて行く形も日に日に見せられるようになっています。特に最近はドリブルのキレに鋭さが増しているように感じられます。

2人とも対応するにあたって違った難しさがありますが、同じくらい厄介な選手です。ここに入れさせずにリズムを作らせないということは大事になってくるのかなという気がします。

速攻も必要

要注意として2人を挙げましたが、正直それ以外にも脅威となる選手はいくらでもいます。
途中加入のエジガル・ジュニオは加入して早々からゴールという結果を出すだけでなく、スペースにランニングして攻撃の起点になることや、プレスバックの意識も非常に高い選手です。
さらに、ボランチのカイオ・セザールは前回対戦でもそのフィジカルの強さに大きなインパクトを受けましたが、相変わらず中盤のフィルターとして君臨していますし、マイボールの際も体の強さと柔らかいタッチでキープできてしまい、彼のところでボールを失うことはほとんどないと言っていいでしょう。

またチームとしても、攻から守への切り替えは非常に速く鋭いものがあり、長崎の生命線と言ってもいいような気がします。
前回対戦でも、守備は悪くないけど攻撃で停滞してしまっている内にセットプレーで先制されてしまう展開を強いられましたし、また前節愛媛戦の試合後ゴメスが課題として「相手に完全に引かれたときの崩し方」を挙げていましたが、長崎の4-4-2ブロックはリーグでも屈指の堅固さを誇ります。
長崎の守備への切り替えに後手を踏まず、守備の陣形が整う前にこっちが攻め切る形をどれだけ作ることができるかというのも、この試合を制する意味で大事になってくるのではないでしょうか。

最後に

いろいろと結果が見えてくるシーズン最終盤ですが、とにかく勝ちたい。
上位の長崎を倒して最後の12月を迎えましょう。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。