ALBIWAY ALBIWAY

オレラグ

終わり始まり【戦評】第37節 V・ファーレン長崎戦

2020年11月30日

こんにちは。

約2か月ぶりの連敗です。がっくし。
なんかこう、ドキドキできないというか、いつものようにおもしろがれないというか、まあ人には好みというものがありますからね。我ながら不思議ではありますがまあそういうことなんだろうなと思います。
まあこれはあんまり深読みせず、さらっと流して下さい。

まさに力負け、きっちり現時点での実力の差によって敗れたゲームということかと思います。悔しい。

スタメン

ではまずスタメンから。
新潟の方は前節からの変更が4人。
まずはケガから復帰の小島が7試合ぶりにスタメン復帰です。
次に島田が元々の契約の関係+出場停止も重なって欠場ということで、代わりにボランチはゴメスと善朗のコンビとなりました。
さらに2列目は、トップ下に至恩、左に13試合ぶりスタメンの荻原、右に古巣対戦となる大本が2試合ぶりにスタメンで、中島は10試合ぶりのベンチスタートとなりました。
そしてトップには2試合ぶりにテセが起用されました。
またベンチにはシルビが久々7試合ぶりに入っていましたが、何より一番のサプライズは2種登録で現在高校1年生の丸山嵩大が入ったということでした。

2004年生まれですって。J1初挑戦の年ですね。
まあそんなこと言ったら至恩や和輝も物心ついたころにはJ1だったでしょうから大した差ではないのでしょうけど、とはいえ個人的な話で申し訳ないですけど、自分と10離れた選手がとうとうトップのベンチに入ってきたということに、時間は確実に巡っているということを改めて実感させられました。
まあ近々干支が一回りし、その内子供でもおかしくないくらい年の離れた選手も出てくるのでしょう。そんな選手も今と変わらず応援できるように、これからも何とか生きていこうと思います。

だいぶ脱線しましたが、丸山君初のトップチームでのメンバー入りおめでとう。U-18でもあと2年プレーできますから焦る必要はないのでしょうけど、それでもベンチ入りを果たした以上、次はトップデビューを目指してがんばれ。

さて、対する長崎のメンバーですが、こちらは前節から2人の変更がありました。
まず2トップの一角が玉田ではなく2試合ぶりにエジガルジュニオ。
そして右SHに名倉ではなくこちらも2試合ぶりとなる大竹が入りました。
注目に挙げた名倉はベンチ入りもせず。まあそんなもんです。

前半

開始早々、小島のキックが短くなってしまったのを拾われてエジガルがループで狙うも舞行龍がカバー。
さらに2分にはフレイレのフィードからエジガルに抜け出されそうになったところも舞行龍がカバー。
舞行龍が連続していいカバーを見せますが、どうにも歯車がかみ合ってない感じがして、立ち上がりからヒヤッとする場面を作られます。

13分に長崎のシュートシーン。
氣田の仕掛けからエジガルのポストプレーを経由してカイオにミドルを狙われますが少し外れます。
新潟もそのすぐ後、CKの2次攻撃から善朗のクロスにテセヘッドと、1つシュートシーンを作ることはできました。
しかし試合のリズム自体は常にやや長崎、といった感じで進んでいたかと思います。

粘り強く守れてもいましたし、間を狙ったパスや、荻原、大本を活用してサイドから仕掛けようとするいくつかの意図したプレーもあり、特別悪いわけではない印象ではありました。それは飲水タイム時に出ていたデータで、ポゼッション率が53vs47というボール保持自体は大体五分五分でやりあえていたということからも読み取れるかと思います。

ただ当然ボールを持っているだけではサッカーはいけないわけで。
同じタイミングで出ていたデータでシュート数が5vs1だったという数字からは、長崎の方がよりゴール前まで迫ることができていたという事実が浮かび上がっていて、それが常に長崎の方がややペースを握った状態に映った1つの理由だったのだろうと思います。

そして飲水タイム明けも流れは変わらない中で、とうとうゲームが動きます。
30分、センターサークル付近で秋野、大竹、カイオと細かく繋いで、秋野から斜めのパスが少し内側に入っていた氣田へ通ります。
少し仕掛けてから左に展開すると、大外にポジションを取っていた江川がワンタッチで低いクロス。これに富樫がプッシュ。先制。

中盤でテンポよく繋いで相手を引き付けてから中央とサイドの間、いわゆるハーフレーンに入ったSHを経由して外へ展開すると、最後はGKとDFの間という、守る側からすると一番対応しづらいボールを供給し、FWがあわせる。文句なしに崩されての失点でした。

終盤の37分には大本が右サイドを打開して運び出したところからゴール前へのくさび。テセがフリーで受けたものの、後ろ向きでトラップが少しズレテしまい反転シュートはDFのブロックに防がれます。
さらにセカンドボールを拾って繋ぎ直したところから、最後は至恩が右からシュートも今度はGKのセーブに遭いました。
さらに、前半ラストプレーには相手GK徳重のミスから大本に絶好のチャンスが訪れましたが、ループシュートはわずかにゴールの上へ飛んでしまいゴールとはなりません。

前半終了、1-0。
恐らく長崎のプラン通りに進んだ試合で、それでも前半終盤にはいくつか挙げたように結構なチャンスがありました。そのどれか1つでも入っていればまた違った展開が望めたのかなという気もしますが、これぞまさにたられば。言ったところで仕方ありません。

後半

どちらも交代なしで始まった後半。飲水タイムまでの時間帯、つまり第3クォーターに、よりチャンスを作っていたのは新潟でした。

55分。じっくり後ろでボールを動かしたところから荻原が仕掛けて深い位置まで入ると、落としをもらった史哉のクロスの跳ね返りを善朗がボレー。
DFにあたりこぼれ球を高い位置でもう1回奪い返すと、今度は少し内側で受けた荻原がカットインから右足シュート。しかしここはわずかに枠の外。

58分、小島からのスローを受けた善朗が縦パス。
センターサークル内で至恩が上手くターンして左へ展開。
荻原の鋭いクロスはGKが弾きますが誰も詰められず。

62分に荻原→中島という交代を挟んだ直後の63分には、田上のロングスローのクリアボールを拾った善朗が繋いで田上がクロス。
これにうまくマークを外していた至恩がヘッドで狙いましたがGKの正面でゴールとはなりません。
テンポのいい繋ぎからの運びであったり、前から嵌めにいく積極的な態勢で守備ができていたり、チャンス以外でもペースを引き寄せられている感じはしました。
しかしそんな矢先でした。

67分、左サイドの氣田からパスをもらったカイオが中央へ鋭い縦パス。
エジガルがポストに入ってワンタッチで落とすと、フォローに入った秋野もワンタッチで右へ展開。
ボールをもらった大竹はフェイントを入れながら縦に突破してふわっとしたクロス。これにエジガルが飛び込みました。2点目。

これも1点目と同様、中央でテンポよく繋いで相手を引き付けてからサイドに展開して、クロスに合わせるという綺麗に崩された失点でした。
サイドの局面では、大竹に対してどうしても左足を警戒する分、縦に出て行ったところに史哉は我慢しきれず先に飛んでしまいました。
また、クロスに対してもニアへ入った富樫へ2CBとGKの意識はどうしても向いてしまったため、その背中を先に取られてしまいました。仮にそこで合わなくても、そのさらに奥で氣田もフリーで待っていましたから、それだけ厚みのある攻撃を長崎はできていたということでしょう。

飲水タイムを挟んで、長崎の方は73分にゴールの際出血のあったエジガルを無理せず畑とスイッチします。
対して新潟の方は79分にテセ、大本→矢村、シルビを投入。
シルビがトップで、右SHに矢村が入りました。
しかし正直2点リードされてからの終盤は上手にゲームを殺された印象でした。
85分に大竹、富樫→吉岡、磯村を投入。
吉岡が右SHにそのまま入り運動量を担保しつつ、FWの富樫を下げて磯村を入れることで中盤を厚くします。
さらに長いアディッショナルタイムの間にフレイレ、氣田→鹿山、庄司と2人のDFを入れて5-4-1へと盤石の守備固めを行ってきました。

新潟の方は86分に至恩を下げて、いよいよ今季初出場となるモリシュンがピッチに入り、1つ2つ仕掛けを見せてくれましたが、大きなチャンスまでは生み出せず。

試合終了、2-0。
試合後に解説の前田さんも仰っていましたがまさに「長崎のゲーム」といった感じで、完敗となりました。

守備嵌らず

解説の前田さんが試合中、特に前半何度かご指摘されていましたが、やっぱり守備の嵌め方、誰がどこまで出て相手を見に行くのかというのがハッキリしませんでした。
テセさんが「至恩をカイオセザールにマンツーンマンでつけていたので、もう1個プレスに行きたいときに嵌らず・・・」ということを話していましたが、その通り、至恩がカイオでテセさんがCBへ寄せに行った時にもう1人のCB、または下がったボランチの秋野まで連動したプレスを掛けられず運び出されたり、縦パスを供給されたりしていました。

嵌める策として、SHの大本と荻原が外側(相手SBへのパスコース)を切りながら、空いてしまう相手選手へプレスを掛けるという狙い自体は見て取れました。
しかし、例えば前半7分頃には外側を切ってCBのフレイレまで出た荻原に対して、右SBの毎熊が内側に移動して縦パスを受けるシーンがあったり、テセさんのコメントにもあった通り元々至恩をカイオに付けるため2CBはテセさんに対して数的優位ができるので、ボランチの秋野は後ろに下がる形をデフォルトとせず、中盤で捌くシーンがいつもより多かったように感じました。

そうやって前からのプレッシャーが嵌め切れなかったことで、必然的に中盤より後ろでもちょっとした歪、マークのズレが起こってしまったという次第でしょう。
先制点の氣田に受けて運ばれた場面なんかはまさに典型的ですが、それ以外でも、内側へ入って少し下がって受けようとするSH(氣田、大竹)に対して新潟のSBが付いて行ってケアしても、先程挙げた毎熊に内側で受けられた前半7分も本来ならボランチあたりが毎熊まで出て連動してプレスを掛けられるといいのですが、FWも中盤に顔を出してボランチの気を引くことに寄って思い切って前へ奪いに出られないという状況を作られていました。

総じて、長崎がしっかり新潟の陣形、ポジションを見ながら上手にスペースを作ってそこを活用できていたということが言えるのかなと思います。

引かれた相手を崩す課題

攻撃に関しては、後半、第3クォーターあたりは特に悪くない印象があったのは確かでしたが、これもテセさんが言っていた通り、長崎がリードしてからは気持ち守備が構えるようになったために、ブロックの外では持てるようになっただけというのは否定しようのない事実でしょう。

とはいえ、ボールを動かすところは動かしたり、テンポよく外したり、間にポジションを取ってボールを引き出したり、サイドを替えて仕掛けたりなど、焦れて雑になったりちぐはぐになったりはせず、ロジカルに攻撃の形や、シュートまでの崩しを狙っていたというのは感じましたし、あんまり悲観的になり過ぎるのも違うのかなという気はします。

誰が出てもクオリティを全く落とさずできるのが理想であり目指すべきことではありますが、だからといって離脱や欠場が多いというエクスキューズを全く考慮せず、こんなんじゃダメだと烙印を押すのはあまりに酷な気がしてしまいます。
J2、J1、日本に限らず欧州のそれなりの強豪チームでも、あの選手がいないとやっぱり変わるな、みたいな現象はよく見られることですし。

“まあしょうがないよね、次、次”なんて簡単に受け入れてしまってはいけないですが、現状力の差で上回られている長崎に現実を突きつけられたということを直視して精進するしかない、なんて、まあありきたりな気持ちではあるのですが、そういうことかなと何となく思っています。

最後に

翌日の試合で福岡が勝利したため今季昇格の可能性は5試合を残して消滅しました。
これもありきたりですが、可能性がなくなったといっても残りの5試合を消化試合にしてはいけないでしょう。
昨年吉永さんが「1年前くらいにほぼ勝負が決まっているくらいで臨むクラブが上位にいると感じる」と仰っていたことを思い出します。

残り5試合、相も変わらず1試合1試合どんな試合になるか、どんなプレーが見られるか、楽しみにしつつ応援したいと思います。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。