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師より走る栃木【展望】第38節 栃木SC戦

2020年12月1日

こんにちは。

U-18監督兼アカデミーダイレクターを務めていた吉永さんの退任が発表されました。
正直契約事なんて選手や監督人事を始めとして、外から見ている自分なんかには実際の真相は知る由もないですからああだこうだ言えることもないのですが、それでもやっぱり育成こそ継続が大事という視点からすると1年で替わってしまうということへの不安がありますし、あとは純粋に吉永さんとお別れになってしまうのが寂しくて残念ということを今は感じています。

とにかくいろいろお世話になったということで感謝感謝です。
これからどちらに行かれてどんなことをされるのかは分かりませんが、またどこかでお会いできる日を楽しみにしたいと思います。
ありがとうございました。

今季初の3連勝を狙う栃木

では次の試合の展望に移ります。
今節から12月突入です。先週に引き続きホームでのナイトゲームということで、先週もそうでしたがもう晩秋ではなく初冬のホーム戦ですので、まずは何より万全の寒さ対策をしましょう。
そして対戦相手の方は、現在11位の栃木SCとなります。

振り返ってみると前回対戦は8月最初のゲームだった第9節でした。結果は0-0のスコアレスドローでしたが、開幕からそれまで圧倒的な得点力を誇っていた新潟としては、この試合が今季初めての無得点に抑えられた試合でもありました。
そのように堅い守備をベースとした栃木は、以降も粘り強くしぶとい戦いを続けており、現在も失点数は徳島、福岡の上位2チームに次ぐ3番目の少なさを誇っています。

11月に入ってからの33節~35節で今季初めての3連敗を喫しましたが、直近のここ2試合は連勝しており、今節は今季まだできていない3連勝を目指しての戦いとなります。

より徹底、より鋭く

うちも含めて、徳島や東京Vといったポジショナルプレーと言われるやり方を明確にするチームがあり、北九州や水戸といった4-4-2をベースに組織的且つ破壊力のある攻撃を見せるチームがあり、様々な特色を持ったチームが混在している今季のJ2なわけですが、その中でも栃木の存在というのはこのリーグをより面白くしてくれたチームだったように思います。
それはつまりハードワークを前面に押し出し、守備は前線からのハイプレス、攻撃はポゼッションにこだわらずシンプルに縦という、他とは一線を画した戦い方を実践し、それをここまで貫いていたからです。

そんな一貫した戦いを続ける中で、強みやそうでない部分もそれほど変わっていない印象をここ何試合か見た限りでも感じました。

まず攻撃の強みとしては何といっても全員がハッキリと同じ画を描けていることと、それがあるからこそ迷いなくプレーできているという部分です。
古今東西、サッカーには様々な戦い方が存在するわけですが、そのどれを選択したとしても、結局のところここがしっかり統一されていて、表現できていればある程度のところまでは行けるような気がします。まあある程度というのがどの程度なのかは自分で言っときながら分かりませんが。

また、仮にプレスに行くけど奪えなかったり、セカンドボールが拾えず自陣で我慢する展開だったり、栃木が自分達のペースでプレーできていなくても、1本のロングパス、1回のカウンターで点が取れてしまうという試合の流れみたいなものも関係なく優位に立ててしまうのも、強みに感じます。

ただ、逆にプレスが嵌ってセカンドボールも拾って相手陣内に押し込むことはできていながらも、ラストパスやクロスの精度がよくなくてチャンスを作り切れないというのが、今季の栃木の攻撃における改善し切れていないウィークポイントではあるようです。
失点がリーグ3位の少なさなら得点もリーグで2番目に少ないというのは、まさにその決め切るところの質の問題が表れていると言えるのかもしれません。

相手を広げられるか

守備に関しての強みは何と言ってもハイプレスでしょう。
相手に考えたり動き出したりする隙も与えないくらい激しくそして連動して奪いに行く守備は非常に迫力があります。
また、セカンドボールや自陣で守る際のボールホルダーへのアプローチや反応も速くて鋭いです。
これらはいずれも以前よりブラッシュアップされている印象でもあります。

しかしこれに関しては逆に弱みになり得る部分でもあるでしょう。
前回対戦の際もサイドチェンジなんかを使いながら大きく展開することで押し込む形を作る時間帯もありました。
当然ですが人よりもボールの方が走る(移動する)スピードは速いです。またヨハン・クライフの名言でもありましたが、ボールは疲れません。
つまり、いかに寄せやスライドが速かったとしても、ピッチを広く使いながらボールを動かすことができれば、そのプレスの威力を減らすことができますし、それでもプレスを掛けて来ればどこかに広いスペースが必ずできます。
そういった状況、シチュエーションを新潟がいかに作ることができるのかというのは栃木攻略に向けてのポイントのように思います。

補足にはなりますが、前節栃木と対戦した山口は、3トップのワイドを高い位置で大外に張ったポジションを取らせることで、栃木のSB、ひいては4バックが押し上げられないようにピン止めして、前からのプレスを掛けづらい状況を作っていました。
これも栃木の陣形を広げるための1ついいアイディアでしょう。

最後に

最近の栃木のトピックとしてはベテランの奮闘があります。
まずは39歳のGK塩田です。
今季栃木に加入した塩田はリーグ再開後7試合目でケガをしてしまい離脱します。以降は主に川田、そして夏に加入したオビパウエルオビンナがゴールマウスを守っていました。
しかし育成型で加入していたオビは10月にマリノスへ復帰。そこから再び出場機会を得た川田もちょっとミスもあったりして不安定さは否めませんでした。
そんな中で前々節から復帰した塩田がさすがのプレーを披露してチームを連敗から脱出させると共に連勝へも導きました。
安定しつつ調子も上がっている塩田は新潟にとって厚い壁となりそうです。

そしてもう1人が何を隠そう貴章です。
現在今季初の2戦連続ゴールを奪っているのですが、1人のファンとして活躍が嬉しい半面、なんでよりによって新潟戦を前にしたこのタイミングなんだという恐怖も感じます。
ここ最近はベンチスタートがほとんどですが、同点の場面やビハインドの場面で後半からチームのギアをグッと上げる役割を貴章は担っています。
スタートから出たって途中からだって厄介な選手であることに変わりはありませんが、とにかく今節はおとなしくしていただければなと願うばかりです。

そんな再会も楽しみにしつつ、12月の初戦、今季残り5試合。
台所事情も苦しく、最大の目標も潰えてしまったこの試合でどんな試合を見せてくれるかというのは、大いに注視しておきたいなと思います。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。