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オレラグ

泣くも笑うも好きも嫌いも【展望】第11節 ジェフユナイテッド千葉戦

2021年4月30日

こんにちは。

先週、『14歳のプレイリスト』というラジオ番組があり、タイトルに惹かれて聴いてみたのですが、なかなかにおもしろくて興味深いものでした。
2,3年前にニューヨークタイムズに掲載された「人は14歳の時に聴いた音楽で、その後の音楽の好みが形成される」という記事から、じゃあみなさんは14歳の時どんな音楽を聴いていましたか、という内容のものだったのですが、確かに振り返ると自分もその頃聴いた音楽が今もコアにあるなというのを改めて実感しました(そう思い込んでいる節も否めませんが)。

そして結局自分の場合、話はここからフットボールに置き替わってしまいます。
フットボールの好みが形成されるのはいつなのか。そもそもフットボール好きみんながみんな、フットボールの好みがハッキリ形成されるとは必ずしも言えないのではないか。
またどこかのクラブを好きになってサポーターになることと、その人がどんなフットボールを好むようになるかは少し分けて考えるべきではないか。

そうやっていろいろ考えていたら、現在アルベルさんの下でアルビレックスが取り組んでいることは非常に有意義であると同時に壮大なことにも思えてきました。
少なくとも、1つのバックパスに対してザワザワするのではなく肯定的な拍手が多くなっている“今”というのは、何だかとても興味深い節目というか転換点なような気がして、貴重な時間を目の当たりにできているように思えた次第です。

堅守が軸

さて、本題に入りましょう。
今節からまた連戦です。前回と違い試合と試合のインターバルは2回とも中3日ですし、その内ホームが2試合でアウェイも大宮なので移動を含めて多少は先々週よりも悪くない日程ですが、とはいえ連戦は連戦です。
がんばって乗り切りましょう。

そんなGW連戦の初戦は、現在13位のジェフユナイテッド千葉です。
ユン・ジョンファンさんが2年目の指揮を執るジェフは、まず今季を迎えるにあたり結構な選手の入れ替わりがありました。
まず増嶋、田坂、佐藤寿人のベテラン3人が引退。そして為田、山下、鳥海、クレーベがJ1へ引き抜かれ、外国籍選手もチャンミンギュ以外は全員退団となりました。
それでもジェフはジェフです。セレッソから福満、浦和から鈴木大輔といった経験豊富な選手を始め、五輪世代の岩崎、また同じJ2のライバルでもある山形から大槻と末吉のダブル獲りに、鹿島で燻っていた伊東、小田という両SBと多彩な補強に成功しました。

開幕から初勝利まで4試合を要し、その勝利も束の間、5、6節は連敗と苦しいスタートとなりましたが、7節の金沢戦で勝利を挙げると、そこから3試合負けなしで且つ3戦連続完封を果たし、強みの守備が安定したことで勝ち点を積み上げてきました。
前節こそ相模原に敗れはしましたが、ロングスローから力技で押し込まれた格好であり、守備組織は依然として安定感を保っている印象です。

システム変更で守備力アップ

まだ10試合が終わっただけの時期ですが、ジェフはすでにちょっとした陣形の変化がありました。

開幕から7節の金沢戦までは昨年から引き続きで4-4-2(4-2-3-1)をベースに戦っていたのですが、8節の栃木戦では貴章対策を掲げて3バックに変更します。その試合で完封に成功すると、恐らく手応えを感じられたということなのでしょう。それ以降も9、10節と続けて3-5-2のシステムをスタートから採用しています。

ただ、陣形は変わりましたが基本的な戦い方は変わっていません。
ポゼッションにはこだわらずにまずはシンプルに前線へ長いボールというのが中心です。そして守備も前から積極的に奪いに行くのではなく、自陣や高くてもミドルサードくらいにブロックを築き、そこでしっかり守ったところからカウンターというのを狙っています。

昨年の終盤、少し前から取りに行く形を見せることで結果が出た時期もありましたし、今季開幕前の新体制会見ではユンさんからも「もっと攻撃的な守備を目指して…」みたいな話はありました。
実際開幕戦の甲府戦や4節の松本戦、9節の水戸戦なんかも、少し取りに行くアプローチから外に誘導してサイドで潰すという形が奏功し結果も出ていましたが、やはり基本的な考え方はリスクマネジメント最優先であり堅いブロック守備が強みと言えるでしょう。

新潟としては恐らくボールは持つ展開になるでしょう。それもここ数試合同様かなり極端にポゼッションの差が出ると予想されます。そんな中でまずはジェフが狙っているカウンターを食らわないように、低い位置や中盤でイージーなミスをしないことが求められます。

また、3-5-2ですからセオリーとして3バックの脇=WBの裏は狙いたいところです。噛み合わせ的にうちのSBのところはジェフからすると嵌めづらい場所になりますから、素早くボールを動かすことで運び出したり、相手のWBやインサイドハーフを引き付けてから間や裏を狙ったりというのが見られるといいかなと思います。
まあ、今の新潟が自信を持ってやり切れれば十分に打開できるでしょう。

得点力が明確な課題

ジェフの攻撃についても少し。

開幕前の新体制会見で鈴木健仁GMは「攻撃のバリエーションを増やさないと得点力が上がらない」という課題を挙げ、それを鑑みて補強も行ったという事でした。
ちなみにそんな補強の一環として、今季からヘッドコーチには我々とも大変縁の深い小林慶行さんが加わっています。

実際昨年よりもボールを持ちながら主体性のある攻めを展開するシーンは多くなっている印象です。ポゼッション率も昨年より5%ほど上がり1試合平均で50%を越えています。
しかし、ここまでポゼッションが50%を越えた試合の成績が3分3敗。逆に50%を下回った試合は3勝1敗ということですから、やはりある程度持たれた展開からロングボールやカウンター、そしてそこから得たセットプレーで1点をもぎ取り逃げ切るというのが依然として強みになっています。

前節の相模原戦なんかは分かりやすかったですが、後ろの3バックはほとんどストレスなく持てる中で、インサイドハーフの見木、高橋、そして前線の福満が相模原のライン間や中盤の脇に流れてボールを引き出そうとするものの、リズムが一定でパスも足下、足下ばかりになって持たされている印象は否めませんでした。

だからといってわざわざうちが相手にボールを持たせてプレーする必要は全くありませんが、ちょっと繋ぎに関しては不安定な部分があります。
うちとしては全部が全部ハイプレスでは相手も長いボールを蹴ってくるだけで無駄な消費になりかねませんから、メリハリを付けてプレッシャーを掛けることで常にショートカウンターという刃は研いでおきたいところです。

豊富な戦力

その他書いておきたいこととして、まずはセットプレーについて。

ここまでの何試合かを見る限り、左右どちらからのボールでもニアに低いボールを入れて、そこに小田が走り込んで中央へ逸らしたり、または直接狙ったりというシーンが毎試合必ずありました。
またそうやって何人かがニアに走り込むことで視線を集めておいて、マイナスにグラウンダーのパスを送りフリーで待っていた選手がシュートというデザインプレーも見られました。
このあたりは十分に注意が必要でしょう。

そしてそんなセットプレーにも絡むこととして、予想スタメンには書いていませんが強力なFWを2人紹介しておきます。
それが櫻川ソロモンとブワニカ啓太です。
父がナイジェリア人の櫻川と父がウガンダ人というブワニカは、高さとバネ、さらに抜け出すスピード、またリーチの長さといった非常に魅力的な身体能力を有しています。
フラーの渋谷さんもご自身のYouTubeチャンネルで注目選手として挙げていらっしゃいましたが、やはり対戦する側としてはどうしても気になる存在であることは間違いありません。

また、今季新加入したものの新型ウイルスのため入国が遅れていたサウダーニャが今月19日に2週間の待機期間を経て合流しています。前節はコンディションを考慮してメンバー外でしたがひょっとすると今節あたりから入ってくる可能性があります。
兄弟コンビがマジックをする時のあの掛け声と響きが似ていて何だかかわいらしい名前ですが、左利きで単独でも局面を打開できるドリブルが得意という恐い選手だそうなので、もしメンバーに入ってくるようなら要警戒です。

最後に

冒頭に14歳がどうのこうのという話をしましたが、それこそジェフが降格したのは確か自分が14、15歳とか中学生くらいの頃だったはずなので、それなりに長い月日が経ったのだなと改めて思わされます。

それくらい上がるというのは大変なことだということでしょう。
ここまで負けなしで好調を維持しているとはいえ、ちょっと前にアルベルさんも仰っていたように我々はまだ何も成し遂げていません。
1つ1つ、丁寧に、コツコツと。
今節も勝ち点を積み上げましょう。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。