オレラグ
師事もチームでSiege【展望】第14節 FC町田ゼルビア戦
こんにちは。
今節が行われる週末は5月15、16日ということでちょうどJリーグのお誕生日です。年齢で言えば28歳ですから、うちの選手だと田上やゴンサ、あと学年というくくりも含めれば史哉と同じということになります。
Jリーグさんの1つ後輩である自分なんかは、ヴェルディ川崎が華やかだったことも『横浜フリューゲルスという非常に強いチームがあったこと』も映像や記事で後々知ったわけなので、この28年全体についてどうこう思ったり言えたりもできないですが、とにかく自分の街にクラブがあってよかったなということと、そのクラブが一際熱狂した時を経験できたのはありがたいことだったなと改めて感じるということです。
そして、あの熱狂にも負けず劣らずの日々であり戦いがもうすでに始まっているのかもしれないと今はわくわくすることができています。
もちろん過去は過去、今は今、単純に比べられるようなことではないのですが、2年後のJリーグ30周年の時やさらにその先、我々はどこにいてどんな戦いができているのか、今はとてもポジティブに妄想ができます。
これはきっと悪いことではないはずです。
無敗ストップ実績あり
では今節の話にいきましょう。
今週末は第14節、アウェイでFC町田ゼルビアとの対戦となります。
町田は現在6勝3分4敗の勝ち点21で6位に位置しています。直近3試合の結果こそ1勝1分1敗ではありますが、その直前までは3戦連続完封による3連勝も達成しており、シーズン当初に比べて明らかにチームとしての完成度や質が上がり、調子も上向いている印象です。
ちなみに、しばらくうちと一緒に無敗記録を伸ばし続けていた琉球を止めたのがこの町田でしたから、我々も十分に気を付けたいところです。
♪はっせがわアーリアジャスール ジャスール ジャスール
今季の町田を語る上で触れておかないといけないことと言えば、これはもう間違いなく新加入の長谷川アーリアジャスールということになるでしょう。
ポポヴィッチ監督にとってはFC東京からセレッソ、そしてスペインのサラゴサにも連れていったほどのお気に入りですから、この町田でも中心的な存在になるのだろうということは想像できたわけですが、その予想通りチームの核となり、昨季得点がリーグワースト4位だった町田の攻撃力を見事に活性化しています。
元々4-4-2を基本とした組織的な守備が特長としてあり、そこからのカウンターというのが得意だった町田ですが、彼のキープ力や前線から中盤に下りてのゲームメーク能力といったところが、カウンターに比べると少し難のあったポゼッションからの攻撃の質もグッと向上させた印象です。
また、ゴールに直結するようなプレーやそこに至るチャンスメークにおいても、これまでは10番の平戸にかかる役割であり仕事量というのがちょっと多めだったのですが、アーリアが入ったことによってそこもうまく分担できるようになり、さらにその2人が近い距離で絡む事によって攻撃のリズムも醸成されるといった新しい効果も生まれました。
ビルドアップの際、町田はボランチの高江が下がって後ろを3人にし、SBが高い位置を取ってSHが内側に入るという可変が基本的にはよく行われるのですが、左SHに入る平戸と1.5列目的にいるアーリアを中心として、そこへFWの中島やSBの奥山が絡む3人目、4人目の動きというのは特に脅威となる形です。
新潟としてはやはりアーリアに仕事をさせないということが1つの大事なタスクになるのかなと思います。
もちろんアーリアだけでなくドゥドゥ、太田、そしてテセといった今季加入の攻撃手はみんな強力な選手ばかりですので、そういった強烈な個にも万全な準備をしておく必要があるでしょう。
トリックのデパート
もう1つ注意しておきたいこととしてセットプレーを挙げておきます。
特別セットプレーからの得点比率が高いということでもないのですが、かなり種類に富んだ様々なアイディアを用意しているのが町田というチームです。
例えばCKの際、ゴール前に走り込んでいく選手達が円陣を組んでぐるぐる回ってからそれぞれ打ち合わせていた場所へ散っていくというのが今季何度か見られました。これはマンツーマンで付いてくる相手に対して最初からピッタリ付かれないようにすることで後手の対応を強いるみたいな意図なのでしょう。
またサイドからのFKの際には、相手の壁の前に1人立たせておいて、ゴール前の選手が1人ボールの方へ走ってショートパスをもらい、それと同時に壁の前にいた選手がゴール前に入っていき、ショートパスをもらった選手が落として壁の前にいた選手を使うように見せかけてゴール方向へターンするというトリックプレーもありました(たぶん分かりづらいと思うので、気になる方は9節琉球戦の53分をご覧ください)。
守る側としてはまずボールが出たところにしっかり誰かがアタックするというのは大前提として、やはりボールばかり見過ぎない、いわゆるボールウォッチャーにならないということが大事になるでしょう。ボールが勝手にゴールへ飛び込むなんてことはなくて、結局シュートを打つのは人間なわけです。
当たり前も当たり前の話ではありますが、とはいえそういった人とボールをどれくらい見るかの塩梅こそが難しいことであり、まさに言うは易く行うは難しという話です。ですからまあ“何かしてくるぞ”ということだけまず頭に入れておけるといいのかなとは思います。
最後に
今節から6位町田、3位京都、2位琉球、5位甲府(順位は13節終了時点)という上位との対戦が続くということで、く~っ!って感じです。わくわくです。テンション上がります。
上位の彼らでも前節の松本のように対新潟を意識した仕様を準備してくるのか、それともやっぱりそんなの関係ないとばかりに自分達の色を全面に出してくるのか。いずれにしても戦術的で且つエキサイティングな試合になることは請負でしょう。
そんなわくわくスケジュールの1発目。
リニューアルした天空の城を攻め落としてやりましょう。