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ポジショナルな暮らし【展望】第3節 レノファ山口FC戦

2021年3月12日

こんにちは。

ホーム開幕の土曜日は雨上がりの曇天でめっちゃ寒かったにも関わらず、翌日からは連日きれいな青が広がる今週です。どうしてこううまい具合にいかないかなぁとお天道様の気まぐれにちょっと文句を垂れつつ、それでもそんなことは笑って許せるのも12年ぶりの開幕連勝のおかげでしょう。
まあ言ってしまえば天気なんてものは気まぐれな物ですし、お天道様を許す、許さないなんてそもそも偉そうに言える身分でもないわけですが。

とにかくお天道様にはどうか今年もホーム戦の日は特によしなにしていただければなと思いますし、あと知り合いかどうか分かりませんがサッカーの神様にもどうぞよろしくお伝えいただければ嬉しいなと思います。

よりフレキシブルに進化

さて神様への挨拶はこれくらいにして、サッカーのお話をしましょう。
今週末はアウェイでレノファ山口との対戦です。今節も基本的なメインとなる情報はAlbiWAYの方をぜひともご覧くださいということで、こちらではもう少し細々とした話を攻守に分けてしていきたいと思います。

まず攻撃について。
基本的なシステムは4-4-2。スタイルとしてはライン間や相手選手の間にポジションを取りつつ、ボールを持って攻めたいというチームです。
そしてそんなポゼッションを是とするに戦い方において、ビルドアップの際はボランチの1人(基本8番の佐藤謙介)が最終ラインに下りてCBと共に後ろは3人で担い、SBをやや高い位置に押し上げるというのは昨年までの霜田体制とも共通する部分です。

ただ、前体制時では両SH(ウイング)が高い位置で大きく開いて幅を取り、そこへ長短のパスを用いてボールを供給したところから1vs1の仕掛けで突破を狙うというのが多い形でしたが、渡邉晋新監督となった今季はそれほど常に大きく開かせておいて幅を強く意識しているような感じではないようです。
両SHの選手が内側に入って中間ポジションを取り、外側をSBが出るという事もありますし、またはSBがいわゆる偽SBと言われるボランチの脇などの内側に入って、SHが外側に出るという形もあります。
このようにサイドの役割を入れ替えたり、また中間ポジションに入れたところから内側を崩しにいったりと、相手を見つつ柔軟に判断しながら攻撃のルートを選べているというのが、昨季以前より進化したところかなと感じました。

前節琉球戦で奪ったゴールは、内側に入ったSBの石川が大外でボールを受けた高木からのスルーパスに抜け出して上げたクロスを草野が合わせるという形でしたし、さらに昨年から攻撃の中心だった高井が昨年よりも中央のエリアでライン間に下りて起点を作るプレーというのが今年は増えているので、SBとSHの連携、役割の交換、そして起点となる高井といったところは要警戒ポイントとして抑えておく必要があるでしょう。

完成度の差を示そう

しかしもちろん課題もあります。

渡邉監督は前節琉球戦前のインタビューで琉球戦に向けて調整してきた部分を問われて「攻撃の最後のところで勇気を持って仕掛ける、大胆さを持つ」ということを仰っていました。
その琉球戦では後半になってからそういった部分も少しずつ見られるようになりましたが、サイドからドリブルでどんどん仕掛ける形の多かった昨年と比較するとやはりこの2戦はそういう思い切りのよさみたいなものが物足りなく感じたのは否めません。
またもう1つ挙げると、ビルドアップのところで連動して強くプレスを掛けられた際に、その圧力に嵌ってしまってイージーミスからピンチを迎えるというシーンが散見されました。

いずれの点も新チームで開幕したばかりということもありますから、やりたいことがオートマチックにできなかったり、やろうとしていることを割り切らずに多少無理してでもやり切ろうとすることで起こったりしている現象なのかなと思います。
そういった視点で考えれば、第3節という早い段階で当たることができる我々としてもこのあたりはしっかり抜け目なく狙っていきたいところです。

組織的に改善

次に守備について。

こちらは昨季リーグワーストの失点数だったこともあって、渡邉さんもより強く力を入れているようですが、この2戦だけを見た限りでも確かな進歩が感じられました。

まずはブロックを作り構えて守る際の耐久力、我慢強さが明らかに改善されているように思います。
基本的に前からアグレッシブにプレスを掛けて奪いに行く守備というのがチームのスタイルであり、それは監督が替わっても変わらない部分なのですが、昨年はそういうスタイルが故にというのもあってか、どうしても最後のところでマークが付き切れていないだとか、シュータ―に寄せ切れていないだとか、スペースが空いてしまっているみたいな踏ん張りの弱さがありました。

しかしここまでの2戦、特に完封した開幕の松本戦がそうでしたが、押し込まれる時間帯も4-4-2のブロックで不用意にスペースを与えることはなく、またゴール前へ入ってくるボールも確実に跳ね返すことで、ほとんど崩されるシーンを作らせませんでした。

そして一方の前から奪いに行く守備についても、こちらも昨年まではどうしても全体の距離が広がってしまってそこを突かれるということがありましたが、ラインコントロールもかなり整備されて、常に縦横のコンパクトさを維持しながら守ることができるようになっている印象でした。

動かせ、揺さぶれ

明確に改善がされ始めているレノファの守備ですが、それでも前節は琉球に2失点を喫し敗れています。その2失点も似たような形でやられていましたので、攻略の参考になり得るかなということで紹介しておきましょう。
最初の失点はサイドチェンジを起点に右サイドで受けた琉球・風間宏矢のクロスをファーサイドで阿部が合わせたというもの。
そして2点目はCB知念から1つ飛ばして左SHの清武に渡ったところから、クロスを阿部がシュートを放ち、GKが弾いたのを田中が詰めるというものでした。

いずれもクロスを上げた選手に対してほとんど寄せ切れないまま中央へボールを供給されてしまったというのが守備の問題点だったのかなと感じました。そしてそうなった理由としてはサイドチェンジであり、1つ飛ばしたパスでスライドし切れない間にやられてしまったというのが言えるかと思います。
1点目に関しては分かりやすく大きなサイドチェンジがあり、さらにクロスで大外のファーサイドと2回に渡って大きく揺さぶられています。また2点目に関してはCBから左SHへのパスですが、その前に左SBが中央へスプリントを掛けることで山口の注意を引きつつ左SHへのパスコースを広げるアクションがありました。

昨年までよりもコンパクトでソリッドになった山口の守備ですが、だからこそ大外を起点にしてサイドチェンジや早いテンポのパスで揺さぶりを掛けるというのは新潟も大いに参考になるのかなと感じます。

また攻略の参考ついでにセットプレーについても少し紹介しておくと、昨年まではニアに2人ほどストーンを置いてあとはマンツーで守っていたのですが、今季は完全なゾーンでの守備に変えていました。
ゾーンの守備に対してはやはり目線を動かすことが大事であり、そこでその目線からうまく外れたところに入って飛び込めるかというのがポイントです。ですからここまで山口と対戦した松本と琉球も当然やっていましたが、やはりショートコーナーで相手の目線を動かすという策はしっかり手札として持っておくべきでしょう。

最後に

新潟は出場停止となる至恩の位置に誰が入るのか。山口で言えば開幕戦で島屋がケガをした右SHには前節から引き続き池上なのか、それともまたテコ入れをするのか。そして久々にやってきた高木兄弟対決など今節も見所はたくさんありますが、渡邉監督率いる山口と我らがアルベルさん率いる新潟による知的で戦術的な戦いというのは大いに期待したいところです。

もちろんそんな見応えある展開が期待される今節とて、最後に勝つのは我々新潟であります。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。