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オレラグ

火もまた涼しと思えるようになりたい【展望】第17節 ヴァンフォーレ甲府戦

2021年6月4日

こんにちは。

これは先週の話ではあるのですが、まだ触れてなかったのでここで改めて書いておきます。
医福からシマブクカズヨシ選手の来季加入内定が発表されました。拍手。嬉しい。ようこそ新潟へ。

といってもまあキャンプの時から練習に参加している姿は見られていましたし、やっぱりと言えばやっぱりという話なので特別驚きはないですが、正式に加入が決まったということで大変喜ばしい限りです。

新加入選手の内定が決まると恒例として、以前どこかで見ていないかを過去のノートを引っ張り出して調べるのですが、シマブクに関しては高校生の時にちょっとだけありました。
1回は彼が高2の時にうちのユースと対戦したクラブユース選手権。ただこの時は後半のアディッショナルタイムにちらっと出ただけでしたのでほとんど覚えていません。ちなみにそのシマブクの1分後に遠藤も途中出場していました。

そして2回目は彼が高3の時、駒場で行われたプレミアリーグイーストでのさいたまダービー。
その時浦和ユースは3-4-2-1と4-4-2を可変させながらやっていたのですが、そんなやり方の中で彼は左のWB兼SHとしてプレーしていました。切れ味鋭いドリブルは確かに印象に残っていましたが、それ以外にも内側に入って細かい連携プレーを見せたり、セットプレーのキッカーも任されたりしていたことがノートには書かれていました。
ちなみにその時左サイドでコンビを組んでいたのが昨年レンタルとしてうちでプレーした荻原でした。何だか最近は浦和ユース出身者に縁がありますね。(埼玉の方角に向かって)あざす。

改めて、シマブク、ようこそアルビレックスへ。
得意のドリブルでどんどん仕掛けちゃってください。そして来季加入内定ではありますけど特別指定ですから、今年中からでもどんどん試合に絡んじゃってください。
これからよろしくお願いします。

新しい名前のお馴染みな場所

冒頭ちょっと長くなりましたが朗報ですからいいでしょう。
ここからは本題の次節展望に参りたいと思います。

3週間ぶりのアウェイ戦、また約1カ月ぶりの土曜日開催となる今節は、今季からJITリサイクルインクスタジアムと名称の変わった小瀬の競技場にて、ヴァンフォーレ甲府との対戦となります。

甲府は現在勝ち点でいうと我々より7つ少ない29ポイントで5位に位置しています。まだ中盤戦に入ったばかりの時期ということで言えば昇格に向けて悪くない位置にいると言えるでしょう。

それにしても作っていただいた基本情報を見て思いましたけど、甲府とはこれまで47回も対戦してるんですね。自分はその内の半分以上は見てるのかなぁなんて何となく過去の試合を調べ始めてみたのですが、藤田健、倉貫、バレー、ビジュなどなど懐かしい名前の数々に囲まれ、そんな懐かしさに浸ってたら、あらやだもうこんな時間、という感じです。あるあるですね。

甲府といえば堅守

2021年に戻りましょう。

甲府の最大の特徴であり強みは堅い守備にあります。これは伊藤監督も『甲府の伝統は堅い守備』ということを仰っているように今のチームだけに限ったことではないのですが、今年もやはりその伝統である堅い守備は健在であり、現時点での失点数10も京都に次いでリーグ2位の少なさとなっています。

守備における基本の陣形は5-4-1ということで、これは人数を掛けてスペースを埋めてがっちり守ることに長けた形です。
ただ、人数を掛けてがっちり守ると言っても後ろにべたっと引くのではなく、最終ラインはなるべく高くラインを設定し、ミドルサードに全体がコンパクトにおさまるような形が基本です。

プレッシャーの加減ということで言うと、試合の序盤こそ少し前からアグレッシブに奪いに行きますが、それ以降の時間はミドルサードにコンパクトな陣形を作り、しっかりセットしたところから取りに行くことがほとんどです。
最初に最前線のFWが少しずつコースを限定し、次にボールが動いたら今度はボールサイドのSH(攻撃時はシャドー)の選手がボールホルダーへアプローチし、全体で外へ外へ追い出してWBと共に囲んで奪いに行くというのが主な手段です。
ただこのSHは、最初のセットする際のポジショニングがかなり絞った位置を取って内側を閉める意識が非常に高いです。そのため場合によってはうちのSBのところで少し時間が作れる可能性はあります。前々節甲府と対戦した水戸なんかはここを起点にサイドから運び出して、そこから内側に入れつつ崩しにかかるシーンをいくつも作れていました。うまく相手を引き出してスペースを使うみたいなことがうちもできるといいのかなと思います。

また、ラインを上げる意識が高いという点で、相手がバックパスなどをした時により強く意識してラインを上げているのですが、そのタイミングで1発のロングボールから高く上げたラインの裏に抜けられるケースはなきにしもあらずです。ここもうちとしては狙っておけると良いかなと思います。

ピリリと効く荒木

ここまでのポゼッション率自体はあまり高いものではありませんが、後ろから丁寧にビルドアップしながら攻撃の形を作ろうとするチームではあります。

特徴的なのは3バック(5バック)の中央に位置する選手(主に新井)がビルドアップ時にはアンカーの位置に上がるような可変の仕方です。
これは昨年から継続している形ではあるのですが、昨年よりも相手のプレッシャーを見ながらアンカーに上がるのか、それとも後ろにいたまま3バックの形でやるのか、ということを適宜正しく判断しながらできるようになっている印象はあります。
後ろにいたままやる場合はボランチのうちの1人(主に山田)がアンカー的に残り、もう1人のボランチとシャドーの1人がその脇、相手に取って捕まえづらい中間ポジションを取ることが多いです。

また、相変わらず左サイドに張る泉澤の仕掛けがこのチームの大きな武器であるということは昨年までと変わらないのですが、だから泉澤を警戒っているのは言わずもがなですし、たぶん昨年もそんな風に書いていたと思うので、今回はその左サイドで1つ後方のWBに入る荒木を注意すべき選手としてピックアップしてみました。
今季は77分で交代した6節の北九州戦以外、全てスタメンフル出場している不動のWBなのですが、何が良いかと言えばオフザボールの動きです。

外に張った泉澤へボールを送る場合、相手が整う前にできるだけ素早く入れることでより優位な状況の1vs1を作りやすくなることが多いのですが、そういった状況を作るためにWBの荒木は、インナーラップで中央へ走ることによってCBから直接パスを入れやすくするためのパスコースを上手に空けるプレーをよく見せています。
また自分が内側に入って相手を引き付けることで、CB自身にボールを持ち出してもらって攻撃にさらなる厚みを出しやすくしたりするという、味方へスペースと時間を供給するのが非常に上手な選手です。

もちろん自らがボールに絡む場合でも、アンカーの選手の脇に入ってビルドアップをサポートすることもあれば、インナーラップで高い位置まで出て崩しの局面に参加することもできます。
神出鬼没で相手にとって嫌らしい位置に顔を出すプレーが秀逸なので、守る側とすれば惑わされないように付いて行き過ぎないということは言えるかもしれません。

やっぱセットプレー

甲府はセットプレーが強みでもあり弱みにもなっています。
ここまでセットプレーからの得点が11点あるのですが、これはリーグ最多の数字になっています。ちなみにここまで総得点が21点なので実に半分がセットプレーからという事になります。

反対にセットプレーからの失点がここまで12点中7点ということで、全失点におけるセットプレーからの比率はリーグワーストです。もちろんこれは失点自体が少ないので比率が高くなっているとも言えるのですが、セットプレーからの失点が多いという事実は間違いないので、今節もというか今節はいつも以上に攻守においてセットプレーはキーポイントになるかもしれません。

弱点ついでということでもないですがもう1つ。
直近2試合、京都と水戸相手に前からのプレスを剥がしきれず思うようにボールが運べないシーンが散見されました。
また、そんな展開によって押し込まれる時間が長くなる中で、自慢の堅い守備によって我慢強く守ることはできていたのですが、いざ奪ったところで前線の選手との距離が離れていて前へ出て行くのに時間がかかり、結局その途中でまたすぐに奪い返されて押し込まれる時間帯というのが結構長い間ありました。

がっちりブロックを敷かれたらそれはそれでこじ開けるのは大変になるわけですが、速い切り替えを前提に押し込む事がすなわち相手の攻撃の威力をグッと下げることにも繋がるので、じっくりボールを動かしながら主導権を握ることが今節も大事になってくるのかなとは思います。

最後に

当日の甲府市の天気予報をチェックしてみたら、最高気温がなんと29.8度。今年の盆地・甲府での戦いは暑い中で行われる事になりそうです。
まだ体が慣れていないこの時期の暑さはもしかすると夏場よりも厄介に思えることもあるかもしれません。

選手だけでなく当日スタジアムへ行かれるサポーターさんも含めて、しっかりみんなでコンディション整えて試合に臨みましょう。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。