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叫べ 歴史は繰り返すとはこのことか【展望】第34節 V・ファーレン長崎戦

2021年10月15日

こんにちは。

先週今週と世界各地でW杯予選が行われました。
我が日本代表は、先月オマーンに敗れてしまったがためにこの10月シリーズがより一層重たいものになってしまったわけですが、結果はアウェーでサウジアラビアに敗戦、ホームでオーストラリアに勝利となりました。
サウジに敗れてからの数日は、やれ解任だ、やれ長谷川健太だ、なんてかなり騒がしくなったわけですが、オーストラリア戦の勝利で多少雰囲気は前向きになったような気がします。

チーム作りとか選手選考とかピッチレベルのところで疑問や不安もないことはもちろんないのですが、どうしても代表を見る際の視点はそれよりも先にお上への不信感が立ってしまうここ数年です。
個人的には別に森保さんのままでいいと思っています。ただオーストラリア戦後にあの会長さんが『しっかりと勝っているときにそういう事を考えるタイミングではない』とコメントされていたのを見て、そういう事を考えるタイミングではない時に監督を替える決断をなされたのはどなたでしたっけとつい思ってしまいました。

“魚は頭から腐る”なんて言います。
別に上が腐っているなんて断定するつもりはございませんし断定しようもありません。ただこの予選を終えたとて、しばらくはこの国のサッカー界の進歩を憂う日々が続くような気がしてしまっています。

松田さんでV字回復

さて、日本代表も大切ですがもっと大切なクラブのお話に移りましょう。
今週はそれこそかつて日本やコロンビアのナショナルチームで活躍した選手を擁し、それ以外でも反則級のタレントが揃うV・ファーレン長崎と対戦する第34節です。

まず前回対戦の振り返りですが、3月のホーム開幕戦で対戦し、途中で1人少なくなりながらも善朗のFKによる1点を守り切って勝利を収めました。

そこからの長崎はしばらく苦労しました。
12節までリーグで唯一全試合失点という連続失点のクラブワースト記録を作ってしまい、そんな最中で11節終了時に今季から監督となった吉田さんを解任。替わってアカデミーダイレクターだった松田さんが就任しました。

すると就任初戦で今季初の完封による勝利を掴むと、15節からはなんと5試合連続完封による破竹の5連勝を達成します。
4-4-2の組織的な守備が十八番というか哲学の根幹である松田さんの下、その後も堅実に勝ち点を積み重ねて見る見る内に順位を挙げ、攻撃力も増してきた直近も3連勝で今節の上位直接対決を迎えました。

静的で固定的

吉田さんの頃はうちとの対戦もそうだったように時折3バックも併用していたのですが、松田さんになってからは4バック一択となっています。

ビルドアップも前体制時はボランチが下りてSBが高く出てSHが内側に入ってという可変がほぼデフォルトになっていましたが、松田さんになってからはわりと4-4-2の形をそのままでプレーしていることが多くなった印象です。
試合を重ねるに連れ、SHが内側に入ってSBが高く出るくらいのアレンジは見られるようになっていますが、基本はSHが外で幅を取り、SBはビルドアップのタスクをやや後方で担うというのが多いです。

この辺は長崎と対戦する際に金沢のヤンツーさんも『監督が替わってから両サイドをワイドに使って、スペースを広く使って個の打開というものが多く見られてると思います』と仰っていましたし、レノファの前監督渡邉さんも『あまり動きはないけど、相手を引き出したり前線の強力な個は警戒』ということを仰っていました。

複雑に動き過ぎず、また1人1人が自分のポジションに立つことでピッチを広く使うというのは、元々松田さんのやり方としてあったとも言えるでしょうし、お2人が共に言及されていたように強力な個、タレントが揃っているからこそ、その質的な優位を活かすために相手を広げて1vs1の局面を作りたいという意図があってのことなのかもしれません。

揺さぶってみよう

先にビルドアップなど攻撃について少し書きましたが、さっきも書いたように4-4-2の組織的な守備が特徴でもある松田さんを監督に据えたわけですから、監督交代の狙いやその効果がより色濃く反映されているのは守備面の方と言えるでしょう。

試合を見ていて特に思うのはとにかくコンパクトであるという事です。
4-4-2というそれぞれのラインにしても、選手1人1人の距離にしても、全体として見た時に縦も横も非常にコンパクトに保たれています。

そのコンパクトさを保つために基本2トップもそれほど無理には前からプレスをかけません。ですからうちのCBのところはもしかするとある程度持たせてもらえる局面も多くなるかもしれませんが、いかんせん中央を堅く締められていますから、ボールの循環がU字を書くだけの外回りばかりになりかねません。
かと言って何とか真ん中に通そうとコースを探し過ぎてしまうと、前節の愛媛がそうでしたがじわじわ寄せられてどんどん追い込まれてサイドやボランチのところで引っかけられるシーンが続出する危険もあります。

松田さんになってからの失点は21試合でわずか15しかなく、その21試合で敗れた試合もたった2つしかないということで、攻略するのは相当に大変ではありますが、切り替えの速さで互角以上に戦う事を前提に、コンパクトだからこそ大きなサイドチェンジをはじめ素早く局面やレーンを替えるようにボールを動かす、相手を揺さぶっていくことは大切になってくるのかなと思います。

名倉かハットか、どちらもか

監督が替われば使われる選手も少なからず変化があるわけですが、序盤はチームの中心として考えられていたルアンやCBのフレイレなんかは松田さんになってからほとんど出場機会がなくなっています。替わって江川や植中といった日本人の若い選手が起用されるようになったのですが、その中でもここ最近チームのいいアクセントになっている名倉を今回は注目として挙げてみました。

開幕当初はスタメンで出ていたものの吉田監督時代の間にも少しずつ出場機会を減らし、松田監督になってからもしばらくは試合から遠ざかっていました。
しかしウェリントン ハットの怪我なんかもあり8月の終わりから出場機会を増やすと、ここ最近はSHとして少し内側に入って起点になったり、彼が相手を引き付けて空いたスペースを誰かが入ったりなど多彩に攻撃へ絡んでいます。ここ最近の長崎は5試合で15点と毎試合のように複数得点を奪っているのですが、そんな好調な攻撃陣において特に存在感を出している選手です。

ただ、一応予想スタメンは3連勝中ということで前節からそのままのメンバーを予想しましたが、前節途中出場でウェリントン ハットが復帰してきたので、もしかすると左SHは入れ替えがあるかもしれません。
もしくは、FWの植中が前節脳震盪の疑いで交代となっており、何も問題がなければ前節から中5日空いているので今節も出場は可能なのですが、大事を取って休ませるという選択を取るならば、名倉かウェリントン・ハットのどちらかが前線に入ることで2人を併用する可能性もあるでしょう。

左利きで技術があり狭いスペースでも難なくプレーできる彼ら2人が同時に出るとなれば、普段よりも細かい連携から中間のスペースを崩しにかかるなんてプレーも増えるかもしれません。いずれにしてもこのアクセントとなれるレフティーには十分気を付けないといけないでしょう。

最後に

うちは千葉ちゃんが出場停止で至恩も怪我、さらにロメロも怪我みたいな報道もありましたから、彼らがいないというのは痛手ではあります。

ただ、誰か特定の選手だけに頼るようなチームではありません。
CBで言えばこれまでも史哉がきっちり与えられたタスクを遂行している実績がありますし、SHも前節三戸ちゃんは急遽の出場でも結果を残しました。そしてカイトや星も何ら遜色なく攻撃を牽引してくれる存在です。
もちろんなかなか出場機会を得られていないそれ以外の選手達だって虎視眈眈とチャンスを狙っているでしょうし、そういう選手こそより一層高いモチベーションでやってくれるということもあるでしょう。

一戦必勝、みんなで勝ちましょう。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。