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オレラグ

ビターも教訓【戦評】第13節 松本山雅FC戦

2021年5月11日

こんにちは。

今回の試合で各局が一通り1試合ずつ生中継をしたということになります。いやはや、ありがたい限りです。
今回はBSNということで、実況やピッチリポーターもだいぶ力が入っている感じはしました。その力み故か多々ツッコミたくなる部分もあったことはあったのですが、まあ現状こういう毎試合アルビレックスについて好きに書くようなサッカー馬鹿のニーズに合わせる必要はないですし、より多くの方に見ていただくことが大事であるという事を考えれば、ほんとにありがたい露出の機会ではあったのかなと思います。

ただ、とはいえわがままを言わせてもらえるならば、どこの局でも構いませんので、ぜひとも立石さんと平澤さんのコメンタリーで中継を組んでいただけたらなぁと思わずにはいられません。特に自分達のラジオ局でレギュラー番組をされているという縁もありますから、BSNさん、いかがでしょう。

いや、勝手にお2人を担ぎ出しておいてどこでもいいから中継してなんて自分勝手なお願いも甚だしいのは重々承知であります。それでもせっかく中継していただけるということであるなら、より造詣が深いお2人でやっていただく日もあったら面白いんじゃないかなぁという感じです。はい。

瓶に入って海を漂う手紙のように、この願いがふわふわといつか誰かに届きますように。

スタメン

さて、今日も試合について振り返ってみよう、ということでまずはスタメンから。

まず新潟の方ですが、舞行龍と星が2試合ぶりのスタメンということで、もうここは完全に史哉、矢村と共にローテーションといった感じで回してきました。

対する松本の方は前節からの変更が3人。
2試合ぶりの阪野、3試合ぶりの佐藤、そして4試合ぶりに星キョーワンがスタメンということになりました。ここ2試合ケガで欠場していた佐藤はてっきりもう少しかかるものだと思っていたのですが、よりによって今節から復帰となりました。もう1試合くらい休んでもらってもよかったと思うんですけどね。
あと個人的には矢板中央や駒澤の頃から結構見る機会の多かった星キョーワンが、こうして我がクラブの敵として立ちはだかってきたことがちょっと感慨深くも感じました。

左はやらせん

試合後の柴田さんや松本の選手のコメントなどを聞いても、今季初の無得点という結果はやはり“してやられた”と言って差し支えないものだったかなと思います。厳密に言えばゴールレスですから“やられた”わけでもないのですが、松本の戦略通りに試合を運ばれたということは事実でしょう。

とりあえず松本の守備のやり方、追い方みたいなところを開始45秒あたりのシーンから拾って図にしていただいたので、それと共に少し書いてみます。

まずボールを持った千葉が少し持ち出してヤンとパス交換というところまでは、右シャドーに入った阪野がゴメスにボールが出たら行けるようにしつつ、内側にポジションを取った島田へのコースを消すように構えています。
続いてヤンとのパス交換を経た後、千葉が内側に持ち出した瞬間に阪野はゴメスへのパスコースをハッキリ消すように外切りで千葉までじわじわ寄せてきます。
この時、トップの横山はヤンを監視し、左シャドーの河合は斜めに入るパスを警戒しつつ舞行龍へ出られる位置を取ります。またボランチの佐藤もグッとヤンの近くまで出ると同時に、河合同様斜め後ろにいた善朗へのパスコースもケアしてきました。

そしてボールが千葉から舞行龍へ出ると同時に河合は正面から寄せに行きますが、奏哉のところまで左WBの外山が出られていないのを確認したため、舞行龍まで無理にアタックし過ぎず、ボールの流れと一緒に奏哉の方までプレッシャーを掛けてきました。

阪野がこのように常に外切りで寄せて来ていたことが1つ。また本来CBであり、今季も出場した試合は基本CB起用だった大野を右WBに置くことで柴田さんも説明されていたように至恩対策を施したことが1つ。
こうして松本はこのシーンのように左からボールを運ばせない、ボールを入れさせないというのを徹底してきました。

また河合の追い方からも、例えば彼も外切りで寄せて中央に誘導して奪うというやり方もある中で、そうではなく基本的にはこの開始早々のシーンのように真ん中から出て行って外(新潟の右サイド)へ出させて、このシーンでは出られませんでしたがWBの外山と共に挟むという追い方で、新潟を左から右に誘導して奪いに行くという狙いが明確に表現されてもいました。

だから狙いたい左

そんな新潟から見て左から右へ誘導してくる松本の守備に対して、新潟がチャレンジやトライをしたシーンのうちの1つを拾ってみました。
前半もアディッショナルタイムに入った46分です。

ヤンからボールをもらった舞行龍に対してヤンのお目付け役だった横山がそのまま連続で寄せにきたのですが、舞行龍はここで少し持ち出してから中央へ横パスを入れました。
ヤンは少しタイミングが合わず受けられませんでしたが、奥にいた島田が拾い、一旦ヤンに落としたところから中間ポジションにいた善朗へ縦パスが入りました。

結果的にこの後左に開いたカイトのところで詰まってしまいもう1回やり直す形となったのですが、ヤンから舞行龍がもらった瞬間に阪野が千葉まで出て行ったため、阪野と右WB大野との間に距離ができ、また右のボランチだった前もボールの位置に合わせて少し左にスライドしていたためその背中にはスペースができていました。
この阪野が外切りで前へ出ることで生まれるスペースを新潟はチームとして狙うシーンがいくつか見られました。

ちなみにこのシーンで言えば少し不意のタイミングで難しかった部分もあるとはいえ、島田がボールをもらって素早く縦の善朗へ預けられればもう少しスピードに乗った状態で開けた展開ができたかなとも感じます。

これ以外に17分頃にもやはり阪野が外切りで前に出たために空いたスペースに、舞行龍から角度を付けたパスがハンドになったものの至恩へ通る場面もありましたし、後半になるとこの空いたスペースへ素早く入れたり、もしくは入れてフリックしたりすることでいくつかのチャンスも創出できていました。

悔しくも前向き

アルベルさんは『引き分けですが全く心配していません』と試合後仰っていましたが、まさに同じ気持ちです。

例えば上で書いたような松本の守り方に対して、そのやり方によって空いてくるスペースを狙えてない、または狙おうとしているように見えないとか、またはコンパクトに高くラインを設定している相手に対して動き出しがないとか、そういったことであれば心配しないといけません。
もちろん思うようにいかない中で至恩とカイトを入れ替えるなどの試行錯誤した苦労があり、さらに舞行龍が話していたように裏のスペースに『蹴り過ぎた』という反省点があったのは事実です。

それでも、これがダメならこうしてみようとか、こっちを見せながらこっちとかっていうトライはこれまでの試合と同じように幾度も見られました。
60分過ぎに何度か続けて間に起点を作りつつ左から仕掛けるシーンを作りましたが、これを受けて松本は飲水タイムを使って後半から鈴木の投入に伴いトップに移っていた阪野を再び右のシャドーに戻しており、これは守備において松本が手当てをせざるを得ない状況を新潟が強いることができていたということかなと思います。

引き分けという結果に対して心底悔しく腹立たしく思うことと、内容を精査した上でネガティブになる必要はないと前を向くことは全く持って矛盾するものではないでしょう。
舞行龍がカイトにいくつかチャンスがあったというところで『入る日も入らいない日もあるので、今日はそういう日だった』と話していましたが、まさにNot his day。もしくはNot our day。
自信を持ってやり続けるが吉なんじゃないかなと思います。

最後に

連戦終わりです。お疲れさまでした。
来週からは次々に上位陣との対戦が待っていますから、しっかり英気を養ってほしいなと思います。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。