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オレラグ

0-0の撃戦【戦評】第20節 水戸ホーリーホック戦

2021年6月28日

こんにちは。

試合後の秋葉さんの第一声が『痺れますね~』でしたが、同感です。
っていうか応援している側の人間としてはそんな試合を見せてくれてありがとうございます、といったところでしょうか。

当然悔しいです。
3ポイント取れる、いや取らないといけない試合でゴールを奪えずに1ポイントで終わってしまったわけですから、そりゃ痛いなとも思うし心底悔しくもあります。
ただ、そんな感情と同時にどこか充実感というか幸福感を感じていたのも事実でした。

もちろん勝ってくれるに越したことはありませんし、勝てなかったらテンションが下がるのはまあ当然なこととしてあるのですが、それと同時にその日の試合が単純にどれだけおもしろかったかとか、見応えがあったかとか、何か発見できたものがあったかみたいなところで勝敗とは別にテンションの上下が自分の場合はあります。

その点から言うと、この日はまずお互いにアグレッシブであり集中が90分一瞬たりとも切れなかったということ。そしてその両チームともがやりたいことを表現しつつ(または表現しようとしつつ)もお互いをリスペクトしていたこと。そしてそんな試合を見せてくれたのが自分の心のクラブと、かつてそんな心のクラブの一員、顔として活躍した人が率いるチームだったということが、充実感や幸福感を抱かせてくれたのだろうと思います。

とにかくお互いナイスファイト、そしてナイスゲームでした。ありがとうございました。

スタメン

ではスタメンから振り返ります。
まずうちの方ですが、出場停止から舞行龍が復帰しました。そして前線には2試合ぶりスタメンのカイト、両サイドには前節復帰したロメロと途中出場から活躍した至恩が入り、さらにボランチには10節以来にゴンサが名を連ねました。
また、ベンチには將成が今季初のベンチ入りを果たしました。前節は遠藤が入り今節は將成ということで、ここも切磋琢磨してどんどん突きあげてほしいなと思います。

対する水戸は、まず出場停止の平野に替わって新里が入りました。さらに左サイドには森ではなく5試合ぶりにスタメンの山根。そしてシステム自体も4-4-2ではなく4-3-3(4-1-4-1)で、うちのビルドアップをより前から抑えたい意図が見受けられました。

強いて挙げるなら①

善朗が『相手は守備だけしかしていなかったような試合』と話していましたが、まさしくその通りだと思っています。
先に書いておくと、自分も基本的にはあの手この手を使いながらチャンスを作り出していたのでこれをやり続ければいいという認識です。

だから課題はアルベルさんも仰っていたように『決め切るところ』ではあるのですが、フィニッシュのところやラストサードの打開に関してはチームとして組み立てるのにも限界があると思うので、最後は個々人の質を上げようということになってくるでしょう。そうであるならばもうここで何かこまごまと書くこともありません。
でもそれじゃせっかく毎試合やってるこの記事がもったいないなとも思うので、組み立ての部分でもう少しこうしたいみたいなことを強いて挙げるなら、という形で今回は取り上げてみました。

ということで前半31分のシーンです。

CBのパス交換で舞行龍から千葉に渡ったタイミングで水戸は奥田が出てきました。寄せられた千葉は再び舞行龍に返すのですが、ここで水戸の木村と新里がそのボールの動きに合わせて左へスライドします。
この時、奥田が前に出たため少し空いたスペース、新里との距離がやや広がってできたスペースを使う意識がもう少しあってもよかったかなという気がしました。

このシーンではそこにゴメスがいるものの、水戸の右SH松崎もいるので単純にそこへ入れるのはかなりハイリスクですし、パス及びトラップも高い質が求められるかとは思います。
ただ、自分勝手に理想を言ってしまうのであれば、そのゴメスに鋭いパスを入れて、ワンタッチで落とすことによって前を向いて受けられるゴンサが左サイドに展開というのを想像しました。
もしくはゴメスがその中間のレーンにいつつも、少し松崎から離れるように前に出てボールを受けたい素振りを見せることで、松崎と右SB村田の気を引いておいて舞行龍からサイドチェンジで至恩なんかもアリかなと思いますし、舞行龍であればこの球出しはできないことではないかなとも思いました。

強いて挙げるなら②

もう1つの例として、時間は前後しますが前半20分のシーンです。

うちのボランチ2人に対して奥田と木村が嵌めに来る中で、それでも本来のポジション的にというか、それぞれの選手のタイプ的に、やはり木村は少し後ろを埋める意識が強く、奥田は少し前に出てCBまで見に行く意識がこのシーンを始め全体を通した印象として感じました。

そういった役割を踏まえると、やはりこのシーンでもさっきの31分のように千葉から舞行龍へ渡り木村と新里が左にスライドすることで奥田と新里の間に生まれるちょっとした隙間を使う意識があってもよかったかなという気はしました。

この場面で言えば、そのスペースに入っている(動いている)ゴンサにビシッとパスを入れたとて、距離の近さ的に奥田のプレスバックを受けて難しい局面にはなるでしょう。だからゴンサに入れるというよりも、スルーをしてもう1つ奥のロメロに入れるイメージがより現実的であり効果的だったかなとは思います。

いずれにしてもリスクが高い上に簡単なプレーではありませんから、このシーンでそれができるかどうか、またはそもそもやるべきかどうかは何とも言えませんが、とにかくここの奥田が前に出て少しできるギャップを使う意識や、そこへトライするシーンがもう少しあってもよかったかなとは感じました。

とはいえ、梅山さんが試合中木村のポジショニングを褒めていたように、アンカー脇というものを極力消したり、あるんだけどないように見せたりしていた水戸の守備組織も見事なものでした。

様々な道

強いて挙げてみましたが、改めて手を替え品を替え前半から攻撃を展開していたことは間違いありませんし、それ自体十分に評価できるものだったと思います。

立ち上がりからカイトが2回(左右1回ずつ)抜け出す形で裏への意識を見せ、途中今度は幅を取った選手から抜け出す動きを見せる選手の背中で斜めのくさびを受け、3人目の動きで崩しにかかる形も見られました。
また、その幅を取る選手が最初はSHだったのが途中からSBになったりもしていましたし、そのSHも前半は飲水タイムを境に左右を入れ替えたりして変化を加えていました。

この左右を入れ替えることに関して、後半は結局左の矢村と右の至恩をそのままプレーさせていましたが、梅山さんも何度か至恩が仕掛ける場面で『左からならシュートまでいけそうなシーンでしたね』ということを仰っており、このへんの判断であり狙いみたいなところは少し気になるところではありました。

右から縦に仕掛けて深い位置を取ることによって、折り返してからフィニッシュというより確率の高い形をもっと作りたいのか、はたまた右から中へドリブルすることで押し込まれた相手の目線を動かしつつ、右から来るパスであれば、中央で受ける善朗が左から来るパスよりも右足でフリックやラストパスを出しやすいから(76分の孝司がエリア内で打ち切れなかった場面のように)そういうパターンをもっと増やしたいのか…。

推測してみたことのどちらも意図しているのかもしれませんし、そういう話じゃないと鼻で笑われるかもしれませんが、こういうことを考えるのが楽しいですし、何であれこういったトライから攻撃のバリエーションが増えてくれれば嬉しいなと思います。

安定した守備

守備に関して言えばほとんど決定的なシーンは作らせませんでした。強いて言えば藤尾が入ってから少し押し返された時間帯にちょっとヒヤッとしたくらいでしょうか。

警戒したい選手として挙げていた松崎もいつものように間で受けて起点になるようなプレーはほとんどできていませんでしたし、起点が出来ない分、得意とする狭いエリアをテンポよく繋いで崩すシーンなんかもできていませんでした。

また、思うように運べない中で奥田がボランチの脇まで下りてビルドアップをサポートしリズムを作るというアクションがこれまでの試合では見られ、この試合でも何度かあったとは思うのですが、やらせていいところはやらせるとしても、縦パスに対しては確実に激しく寄せに行くことが出来ていましたし、その中でゴンサが潰したり回収したりという自身の特長をよく発揮してくれていたかなと思います。

だからこそ、特に押し込んで回収してという連続でチャンスを幾度も作った55分~65分あたりで1点欲しかったなぁとも感じました。

最後に

冒頭みたいな話って人によっては綺麗事だとか危機感が足りないとかって受け取られちゃうんですかね。まあ知らんけど。

昇格のためにはこういう試合で1ポイントじゃいけない、なんてことは十分承知しています。一応人並みにサッカーは見てきたと思うので、昇格争いにおいてあの試合で勝ち切れたからとか、あそこで引き分けてしまったがために…みたいな話しがあるあるなのはよく存じてます。とはいえです。

悔しい。でも悔しい一色ではない。充実感も幸福感もある。
改めて自分がこの試合で感じた正直な感想です。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。