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オレラグ

こんな苦けりゃたぶん良薬【戦評】第21節 ジュビロ磐田戦

2021年7月5日

こんにちは。

なんでしょうね。
今季これが4回目の敗戦を受けた振り返りになるわけですが、一番難しい。っていうかやりたくない。
まあ残念な敗戦に加えて、これを考えてる日曜日がここ数日とは打って変わって雨降りでして、さらに気圧も下がってきたためか頭痛も襲ってきてすこぶる体調悪いからやる気が起きないというのもあるのですが。

基本的には自分がやりたいから毎試合やってるわけなので、やりたくないって嘆くんならやらなきゃいいじゃんって至極シンプルな話ではあるのですが、いつも協力してくれる人もいますからわがまま言うのもよくないですし、何よりせっかく毎試合やってるのにここで途切らせちゃうのもそれこそ負けた気分になるので、いつもよりは簡易的になりそうですが、今回も思ったことを書き残しておきます。

スタメン

まずうちの方ですが、脳震盪のリスクを考慮して1試合お休みとなっていた三戸ちゃんが無事復帰。またボランチにはこちらも2試合ぶりに島田がスタメン復帰となりました。
そんな中で一番のトピックはやはり福田のメンバー入りでしょう。
昨年の秋に前十字靭帯断裂という大ケガを負ってから実に8カ月。ついに復帰してベンチ入りを果たしました。
よくぞ帰ってきてくれました。おかえりなさい。

対する磐田ですが、こちらは展望の方でもしかするといないかもと書いていた大井がやはり負傷の影響もあり欠場。替わって山本義が8試合ぶりのスタメンとなりました。

副審が大変なのは重々承知、だけどちょっとだけ…

この日の敗戦はどう見たって前半に尽きるでしょう。あまりにもったいないゲームをしてしまった印象です。

入りに関してはポジティブでした。キックオフから後ろに下げた磐田に対して前から出て行き、3バックには孝司と両SHが嵌めに行きます。WBのところも続けて至恩が寄せることでパスミスを誘発し、奪ったボールを縦に入れて右に展開してという一連の流れでFK獲得までいけました。

最初のビルドアップに関しても相手が無理に出てこないこともありましたが、落ち着いて動かしつつ中央のヤンへうまくボールを付けることはできていました。

しかし、前半4分の失点。
まあオフサイドでしょう、たぶん。
他のチームがどれくらいの頻度や感覚で納得しがたい判定に巡り合っているのかは定かではありませんが、少なくともこれだけ短いスパンで、非常に際どいとか難しいとは言いづらいオフサイドを取ってもらなかったのはなかなか大きな不運ではないでしょうか。
何ですかね、新潟のユニって見分けづらいんですかね。いや、逆に見やす過ぎるんでしょうか。すみません、くだらない事は言わない方がいいですね。

こういうことを指摘せずに丸っと飲みこんで、全て自分達がよくなかったから判定は一切関係ないと言え切れたらそりゃかっこいいなとも思うわけですが、なかなかそこまで優等生にもなりきれないのが正直なところです。
もちろんこの日の敗戦は前半の内容からして自分達のパフォーマンスがよくなかったことが原因であるのは明白です。
ただ、納得できない判定に一言も不満を言わないでおくこともできないわけです。

何だか最初から判定に対する不満でよくないなって気もしますが、試合の立ち上がりにあったので最初に書いておいたというだけです。自分達ではどうにもできない、アルベルさんの仰っていた『勝てない相手』に対しての不満はここで終わりです。

おあつらえ向き

気を取り直して前半についてです。

この日も至恩と三戸ちゃんが幅を取り、SBが少し内側に顔を出しながらボールを動かす形がベースとして見られました。
幅を広げつつ内側では中間の位置を取って、というポジショニングの意図自体はこれまで通り納得できるものでしたしそれ自体が悪かったとは思いません。
しかしそれは“自分達の視点で見れば”という意味合いがこれまでよりもこの日は色濃くなってしまっていたように感じました。

例えば幅を取って相手を広げるにしても、磐田は構えて守る際に後ろが5人になるわけですから、対応しに行く場合それほど横に大きくスライドする必要はありません。
また、幅を取りつつ内側のスペースにはSBであり善朗なんかが入るわけですが、ここも中間に立ったり、そこへのパスを狙ったりしていること自体はいいものの、各々がそれぞれでそうやっているように感じられ、フォローであったり補完したりする動きが少なく、また連動した絡みも生まれにくくなっていたように感じました。
それによって善朗も、他チーム同様ですがこの日も特に狙い澄まして相手に厳しく寄せられることになり、それに加えて磐田はシャドーの2人がSHというよりボランチとスクエア的に内側を閉める意識が強くあるため、その脇でうちのSBが受けたとしても、磐田からすると人数も掛けて視野も確保できた状態、言ってしまえばおあつらえ向きに守ることができていたように感じました。

さらに、シャドーが内側にいることによって磐田からすると中盤のルーズボールなんかも拾いやすかったり、味方を素早くフォローしやすかったりできるため、2点目なんかはその例として言えそうですが、奪ったり拾ったりしたところからスムーズにカウンターを繰り出せていたのではないでしょうか。
試合後に敵将の鈴木さんも『前半は予想通りというか…』と仰っていましたが、まさに狙い通りに事が運んだ結果の3得点だったのかなと思います。

求めたい修正力

さて後半です。
後半だけで言えば2-0ということを強調するまでもなく、後半の45分間はしっかり立て直していいプレーを見せてくれました。

そこで大きな役割を果たしてくれたのが途中出場の4人です。
まず結果という点から言えば、鋭い反応による飛び出しからスパッと決め切ったカイト。そしてどんどんゴール前に入っていくプレーから、結果的に自らのシュートで得たPKを落ち着いて決めたロメロ。見事でした。

そしてそんなロメロと共に後半頭から出場した星はチームの潤滑油となり、リズムを生みました。
後半から4-3-3にシステムを変更し、ヤンをアンカーに置いて星と善朗がインサイドハーフとなったわけですが、例えば左で開いて受けた至恩に対して素早くフォローに入ることで前半には入れられなかった縦パスが入ったり、または彼自身が左に開いて受けることで至恩がトップ下的にポジションを移しより自由にボールを引き出すことを可能にしました。

さらにもう1人がこの日最大の朗報と言っていいでしょう。復活を果たした福田です。
至恩との交代により星が左サイドに移って福田がインサイドハーフとなったわけですが、さすがでした。
正直復帰初戦でどれくらいできるものなのか心配していたところもあったのですが、ボールタッチを始めとして、体の向きの作り方とか動き出しや動き直しといった体のキレみたいな部分も抱いていた心配は杞憂に終わりました。

星にしても福田にしてもですが、中央のより高い位置に入って相手を引っ張る動きなんかを常に行い、それによってスペースが生まれやすくなることで、前半は「悪くないポジショニングを取れてはいるけど……」止まりだったところから、そういった選手(善朗やSBの2人)がよりボールに絡みやすくなる効果をもたらしていたように思います。

とはいえ、こうして後半は明らかに修正が施されてあと1歩というところまでいけたわけですが、だから4-3-3の方がいいとか、途中から出たメンバーの方がいい、というのはあまりに短絡的でしょう。

この日途中から出たメンバーが良かったのは事実ですから、次節以降スタメンに抜擢される可能性は大いにあるでしょうし、そういう競争はあって然るべきです。ただ、だからといって前半出ていた選手がダメなわけでは当然ありません。そしてシステムに関しても4-4-2で始めたとしても攻撃時に4-4-2のままやっていることなんてありません。
『相手の出方を見ながら、立ち位置だったり、こうしようというプランはあると思うんですけど、自分達で考えながらできるようになれば、守備においても攻撃においても、相手の嫌がることができると思います』という千葉ちゃんの言葉が結局は重要なんだろうと思います。

最後に

はい、終わり。

前半のような戦いをしてしまった上でちゃんと殴られたということで言えば、これがまた何かポジティブな意味で大きなきっかけになり得ると捉えることもできるんじゃないかと思います。それが前半戦ラストという切りのいいタイミングに訪れたのも必然だったのかもしれません(やや強引ですが)。

アルベルさんが『障壁は大きければ大きいほど、私は、そして私のチームはさらに強くなります』と、何だかミスチルの歌詞みたいなことを仰っていましたが、確かにそう思います。

1年という長い旅もいよいよ後半戦へ突入です。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。