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オレラグ

策を増やして3を増やす【戦評】第26節 SC相模原戦

2021年8月24日

こんにちは。

いや~よかった。中断明け3試合目にしてようやく勝ちました。
これで直近5試合の成績が2勝3分0敗。仮に今節敗れてたら1勝3分1敗ですから当たり前ですけど全く印象が変わりますね。

試合後にアルベルさんが『内容には満足できない』と仰っていたように、決して会心の勝利というわけではありません。そんな中でも負けない事、投げ出さない事、逃げ出さない事、信じぬく事など大事なことは数あれども、勝ち点3を取り切る事、それが一番大事なのです。

結果に対する感情の相違でイライラしたりモヤモヤしたりすることもないですし、反省しつつも素直にポジティブな気持ちで次へ向むかって行けるというのはとっても素晴らしいです。ありがとう。ナイスファイトでした。

スタメン

それではスタメン及びベンチメンバーからおさらいです。
うちは前節から4人スタメンの入れ替えがありました。
まずはGKのポジションに前節途中出場で完封に貢献した和輝。そしてボランチにはヤンが3試合ぶりのスタメンとなって福田とコンビを組みます。さらに右SHにはこちらも3試合ぶりにスタメンとなる星が入り、こちらは加入後初スタメンとなる高澤が最前線の位置に入りました。

また孝司や島田がメンバー外となり、5試合ぶりのゴンサや三戸ちゃん、さらにベンチ入りも今季初となる大本などがメンバーに名を連ねました。

対する相模原ですが、こちらは前節と全く同じ11人をスタメンに抜擢してきました。
ちなみにベンチメンバーは前節から中山と梅鉢が外れていたのですが、替わりにユーリしか入っておらず6人しか連れて来ていませんでした。どういった事情かは分かりませんが昨年の大宮でもケガ人多発でベンチに7人連れて来ない試合が結構ありましたから、高木さんらしいといえばらしいなとも感じました。

守備の選択

勝ち試合ではあるんですけど課題というか気になったシーンについて触れてみます。
まずは守備面についてのお話ということで47分です。
一旦うちはブロックを敷いて構える形を取って相手にボールを下げさせてからの展開です。

作っていただいた図の前から少し補足しておくと、ボールをもらった木村に対して星が少し出て行ったのをスイッチに、白井、藤原と動いたボールに対して高澤が続けて追います。
そこから下りてきた藤本に縦パスが入るのですが、ここにはしっかり福田が蓋をしに行くと同時に成岡には善朗、川上には星が絞って嵌めこむ形ができていました。
ここからは図の通りボールは最終ラインの白井まで一旦戻るのですが、左の木村からワイドの兒玉、さらに縦パスで澤上に起点を作られて、落としたボールを川上から逆サイドへ展開という運び方をされました。

まず前提として、この一連のプレスやカバーやスライドといった流れ自体は決して悪くなかったと思いますし、結果的にサイドチェンジのボールもラインを割ってミスになっていますから問題ないと言えば問題ありません。
ただ、解説の梅山さんも仰っていたように『奪いどころが分かりづらい』というのは確かにそうで、そう感じるシーンがここ以外にもいくつかあった部分が少し気になりました。

改善案として、澤上に入ったところでしっかり潰し切るか外に出してプレーを切ってしまうというのは1つでしょうし、どうにかボランチの方(中央)にだけは渡さないように寄せたり囲んだりするというのも言えるかもしれません。
その中でも個人的には、一旦下げさせて左に展開された際に、星が木村へ出たことで連動して兒玉に奏哉も出て行ったわけですが、そうではなく木村にはある程度持たせてもいいから星が少し中央のスペースを消す位置から兒玉にボールが渡ったら出て行けるようにブロックを形成する形でもよかったのかなという気はしました。

ただ正直その改善案が正しいのかは何とも言えません。前提として悪くないとは思うので。

それでもこのシーン以外にも、木村に対して高澤と星が2人で行ってしまって間を通され成岡にフリーで持たれたり(38分)、藤原へカイトが出たものの背中のコースを消し切れていないがために後ろで福田が川上と藤本に1vs2の状況を作られていたり(46分)といった、システムのかみ合わせが悪い相手に対して奪いに行く時の消し方や押し上げ具合みたいなところの曖昧さが垣間見えた部分は否めない気がしました。

これは前節の千葉戦から引き続きの課題と言えますが、だからこそ個人的に挙げてみた後ろは持たせてでもコンパクトなブロックを敷いて迎え撃つ守り方ももう少しあってもいいのかなという気はしました。
もちろん奪いに行く際の強度を上げたり、連動をもっと速くしたりして取り切る形をブラッシュアップできればそれに越したことはありませんが。

一方を見せてもう一方

次に攻撃面について。
こちらは取り上げた63分のシーンは良かった場面ですが、これも課題ではありませんがちょっと気になったポイントについてです。

押し込んだ流れから一旦やり直したところで、最終ラインの千葉から1つ飛ばしたパスが奏哉に渡りファールをもらったシーン。
ここは梅山さんも仰っていたようにロメロが内側から裏に抜ける動きをして相手を引っ張ることで奏哉が空き、またロメロが抜けたことで空いたスペースに今度は善朗が受けに来る流れができましたが、こういう誰かが引っ張って空けたところをまた誰かが使いながらボールを動かす意識はもっと見られてもよかったように感じました。

前半で特に感じたことですが、福田やヤンのところにボールが入ると成岡や川上が自由にさせまいと結構しっかり捕まえに来ていたので、その背中のスペースがまず1つ。
また右サイドの大外にボールが入ったところで内側から善朗が外に抜けることで生まれた中央のスペースも、突ける余地と受けることで得る利益は十分あるように感じました。

後者に関して言えば、前線の特に高澤にはある程度最前線で基準点になってもらう意図があったみたいですから、それはそれでよかったのでしょうし、人数を掛けて守る相手に対して先に裏を狙う意図もこの日は特に顕著に見られたのでそれも含めて悪くはなかったのですが、それでももう少し間に入れる、隙間を狙うようなプレーが攻撃のバランス的にあってもよかったような気がしました。

いい時間に点を取るというゲームコントロール

勝った試合なのに気になる事を挙げてしまったので、ちょっとよかったところも残しておきます。

まずはしっかり試合を支配していたことと、この日におけるゲームプランの立て方とそれを実践して結果を出したという事実が何よりも素晴らしかったということです。

アルベルさんも選手もコメントしていましたが、ブロックを作って守ってくる相手に対してクロスでゴール前に迫ることと、時間をかければブロックを作られるからこそその前に機を見て裏を積極的に狙うというのは常に見ていても感じました。
そんなプランの下、前線には高澤を置きつつ、星のいる右から作ってカイトのいる左から飛び込んで仕留めるという意図した形でしっかり2ゴールが奪えました。

またクロスでゴール前に迫る形を多くした中で、その跳ね返りのボールを回収するという守備の面で福田と3試合ぶりスタメンのヤンというボランチコンビの存在感も際立っていました。
終盤押し込まれる展開に関しては、自分達でコントロールしてそうならないようにする努力は前提として、それでもリードしていればどの試合でも起こり得るものでしょう。だからこそファール覚悟でも止めるところは止める福田やゴンサの貢献は忘れてはいけませんし、80分頃に夛田がカットインしてきた時のDF陣が見せたラインコントロールなんかは相手3,4人を置き去りにする見事な物であり、最後まで集中を切らさずにプレーできていたかと思います。

ヒヤヒヤしたのは間違いありませんが、その時間帯のコントロールよりかは、逆転した後もなお厚みのある攻撃で押し込んだ時間帯にしっかり追加点を取れるようにするという攻撃面にフォーカスした方がいいかなという印象を持ちました。

最後に

これは推測の話ですが、同点やビハインドのまま時間が進んでしまっていたら恐らく至恩や三戸ちゃん、そして大本といった個で仕掛けられる選手を投入してギアを上げる意図もあってのメンバー選考だったのだろうと思います。

特に大本に関しては結局この日も出場機会はありませんでしたが、五輪期間中にあった富山との練習試合でも大いにアピールしていました。チームからすると今後も訪れるであろう難しい試合展開の中で個の仕掛けによって打開する力というのは間違いなく必要になってくる部分です。
だからこそチーム随一の槍となれる大本には期待したいなと、今節メンバー入りを果たしたことで改めて感じました。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。