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オレラグ

それはすなわちウルトラソウル【戦評】第27節 水戸ホーリーホック戦

2021年8月30日

こんにちは。

いーやしんどい。
あんなに辛いのは久々の感覚でした。
もちろんそうな風になる可能性もあるっていうのは理解してたんですけどね。

あ、ワクチンの話です。
先日2回目を打ってきたんですけど、1回目の時よりもダルさに襲われるのが早くて、その日の夜には体がカーッと熱くなったので扇風機を付けたんですけど、表面が熱くなってるだけなので風に当たるとブルブルッと寒く感じるという、まあとにかく久々のしんどさでした。

それでまあ土曜日にはある程度回復して試合自体は落ち着いて見られたんですけど、90分後にはまた体調を崩してしまったようなしんどさに襲われました。
いや、もしかするとフラフラの状態で試合を見てたらそのまま辛すぎて倒れてたかもしれないと考えれば、これくらいのしんどさで済んだとも言えるのでうまいこと試合までに帳尻を合わせてくれた自分の体に感謝しないといけないのかもしれません。

そんなつまらない上に寂しくなる冗談でも、皮肉っぽくこぼしておかないと気が滅入る一方なのでどうかお許し願いたいとそういうわけなのです。

スタメン


ではスタメンです。
うちの方はまずGKに小島が戻ってきました。とりあえず大事なくこうして復帰できたということで何よりでした。またサブのGKには前節勝利に貢献して先週U-20代表にも選ばれた和輝ではなく航斗が入っていました。もう何度も書いていますがほんとに層が厚いです。
そしてフィールドプレーヤーの方は前節から変更なしで、ベンチには田上、島田、孝司が入っていました。

対する水戸の方ですが、藤尾が2試合ぶりのスタメンで中山と2トップを組むのに伴い奥田を左SHにスライドさせる形を敷いてきました。
ということで、AlbiWAYでもこっちでも注目として名前を挙げていた伊藤はベンチにも入っていませんでした。何というか、まあ、こんなもんです。
正直メンバーを見た時は「いないならいないに越したことはない」なんてポジティブに考えていたんですが、そういう話じゃありませんでした……。

悪くない入り

そんなわけで今回はワクチン明けで体調が万全でない等々の理由で図はなしで振り返るんですが、まずこの日の試合についてとってもざっくり言ってしまえば、前節京都相手に見せた内容のいいプレーに加えて課題だった決定力をしっかり改善してきた水戸に対して、なかなか思うようにいかないストレスをずっとどこか引きずったままテンポが上がらずに様々な反応やアクションで後手に回った新潟の対戦が4-0というのは残念ながら妥当な結果なんだろうという感じです。

時系列的に振り返ってみましょう。

まずは立ち上がりから先制されるまでですが、ここはアルベルさんも仰っていた通り『しっかりと試合をコントロールして、チャンスも作れていた』20分間でした。

うちの2CBに対して2トップが嵌めに来るところも、小島を使いながら顔を出したヤンを経由してフリーになった舞行龍へ渡す形もありましたし、そんな風に前から取りに来る相手に対して引っくり返す形で裏のスペースにボールを送って起点を作り、シュートまでいくシーンは試合の入りから何度か作り出すことができていました。
ここまでのプランとその遂行力に関しては十分に評価していいものだったかと思います。もちろんここで先制できていれば文句なしでしたが、これはまあ所詮たらればです。

最適解は何だったのか

そんないいペースで押し込む形も作れていた中、カウンターから先手を取られたのが21分でした。

あのシーンに関しては確かに難しい判断だったように感じます。
クリアボール、というかあれだけピタッと収まっているのでたぶん意図的なパスなんでしょうけど、奥田にボールが入ったところで星が懸命に戻って一旦スピードを落とすところまではこぎつけました。
星は試合後にファールをしてでも止めるとか止めるチャンスがあったということを話していましたが、後ろには残っていた福田がいて、逆サイドにはいち早くゴメスも帰って来ていたのに対して水戸はその瞬間にはまだ上がり切れていませんでしたから、ファールをせずに遅らせる判断は十分に支持できるように感じました。

次の松崎へ渡ったところでは福田が出たもののかわされてしまったわけですが、ここは福田であればガツンと行ってもよかったような気もします。
とはいえ回り込んだ選手も見えたのでしょうし、松崎がわずかに上体を上げつつ歩幅を広げたことでダイレクトで中へ入れるような雰囲気を見せたようにも感じたので、それらを考えると飛び込まずにステイした判断も理解できるし、やっぱり難しい場面だったなと思ってしまいます。

ただ理解できるとか難しい判断だとか言ってもそういうのも止められるようにならないと上のレベルには行けないでしょうから、それでも止めてくれと求めるべきなんだろうとは思いますが。

反撃の狼煙上がらず

問題はここからでしょう。

リードした事で水戸がより活力を増した部分は確かにあります。それで一時的に我慢を強いられるようなこともあるでしょう。ただそれでもそれを跳ね返した上でゴールを奪うために何かしら希望を感じるようなプレーをしたり見せ場を作ったりしないといけなかったと思うのですが、残念ながらそういうものを感じられるようなシーンは少なかった印象です。

もちろん全く何もなかったわけでもありません。
立ち上がり同様小島も使いながら相手の2トップのラインを突破するビルドアップはありましたし、相手の4-4ブロックに対して間を取るポジショニングを取りつつ、その中間のスペースを浮球も使いながら狙ったり、またはどちらかのサイドで動かした後に素早く逆サイドへ展開しようとしたりする狙いも窺えました。
しかしいかんせんそこまでで攻撃がストップしてしまうことが多すぎました。水戸の対応が素晴らしかったのもまた事実ですが、うまくいかない内にどんどんストレスも増してリズムが悪くなってしまった感があります。

後半の頭から至恩を投入し、早々から至恩のドリブルを起点にいくつかの見せ場を作ることができたので、さあここから反撃開始か、と期待は膨らんだのですが……。

奪い切る、止め切る

2点目は52分でした。

右サイド新里のクロスを一旦は小島が弾いたものの、奥田から藤尾で押し込まれました。
軸足の裏を通して裏街道で抜けた新里の突破は敵ながらあっぱれでしたが、その直前で松崎が仕掛けてクロスまで持ち込んだシーンも含めて、やっぱりこういうドリブルによる仕掛けのアクションは今節に限った話ではないですがもっとうちもチャレンジするべきかなと感じさせられました。
これは後半頭から至恩を投入して、実際に彼のドリブルから良い時間帯も作れていたわけなので余計そんな風に思いました。

そして反撃の機運が再びしぼんでしまい、なかなか歯車がかみ合わない中で今度は62分、68分と連続失点を喫します。
3失点目の際に解説の渡邉一平さんが『DFも足が止まっているように見えました』と仰っていましたが、確かにそう感じました。試合終盤に3点目と4点目についてこれもまた一平さんが『気持ちが切れたようにも見える』ということを仰っていましたが、気持ちが切れていたかどうかは自分には分かりません。ただ少なくとも3点目の起点となった左サイドで失った後のボールへの反応と取りに行く強度の物足りなさ、さらに水戸の前へ出て行く時の速さと比較してうちの戻る速さの劣勢は、悲しいかな認めざるを得ない気がしました。

そしてこの守備面、ボールを奪うという点がこの試合、特に先制されて以降は一番問題に感じた部分でもありました。
攻撃のリズムが出ない中で失ってはいけないタイミングでロストするから必然的にラグが生まれてしまっているのか、何か狙いとして詰め切れていない迷いみたいなのが守備面にあったのか、様々考えられることはあるのでしょうけど、単純なルーズボールの場面にしろ、前からプレスに行って嵌める形から生まれた場面にしろ、寄せたところや囲んだところで取り切れない、最短距離は塞いだけど流れ自体は切れないまま結局ピンチみたいなシーンが見られた部分は非常に由々しく感じました。

いつかの振り返りで『もう少しブロックを作って構える守備があってもいいかも』的なことを書いた気がするのですが、それもこのチームのやり方としてはしっかり速い切り替えができていて前から圧力をかけることが大前提での話です。
そもそも寄せたり囲んだりしたところで奪いきれないとなると構えたところでピンチは減らないでしょう。相手が様々に対策してきて難しい判断を迫られる部分が増えているのは確かだとは思いますが、まずこの奪うとか止める部分は真っ先に取り組んでほしいなとは思いました。

悔しい話と感心した話

終盤オフェンシブなロメロや孝司を入れ、SBですが田上なんかもどんどん前に絡んでいっていくつか惜しいシーンを作りましたが結局1点も奪えませんでした。

これはあんまり受け入れたくないことではあるのですが、水戸が前から来る中でCBから浮球のパスがライン間あたりに立つ前線の選手へ送られたシーンで、どうしても収まりきらなかったり落としのパスがズレて失ったりしてしまう場面がいくつか見られたところから、前節水戸相手に押されながらもシンプルなボールから起点を作ってゴールを奪った京都との差を感じずにはいられませんでした。
一応補足しておきますが、これは前線にいる高澤がよくないとか、だからやっぱり孝司の方がいいとかそういうことではないです。

あとこれついでにではないですが、なんだかGKの人選も誰がよくないとか誰の方がいいとか誰を使うべきとかなんかで盛り上がってたみたいですね。
確かに『俺だったらこいつを使う』とか、『こいつは違うだろ』とかって気心の知れた仲間とその場でワーワー話すのは楽しいです。今はなかなか集まってそういう事もしづらい世情ですけど、そういう語りたくなるのもまたサッカーの面白さだとも思います。

ただまあ誰に話すでもなく世界中誰でも見られる(つまり本人も見られる)ところにパッとそんな気持ちを吐き出せるなんてすごいなと感心してしまいます。
これは別に『やめたほうがいい』とか『そういうのはよくない』なんてことを言いたいわけでもないし自分なんかが言う筋合いもありません。
『あなたこそ毎試合こうして偉そうに試合の事をダラダラ書いてるじゃん』って言われたらその通りです。ただ特定の選手に対して課題と感じたことや疑問に思ったことも一応本人に対して直接言えって言われたら言えるように書いてはいるつもりです(これで『じゃあこれも本人に言えるのか』って過去の文からスクショとかして突っ込まれたらどうしましょ。まあそこまで熱心に読んでくれている人がいたらむしろ感謝だけど)。

本人に対して『あなたはよくないからあの人の方がいい』なんてことは絶対に言えないので、だからそれでも見られるリスクを承知で吐き出せる方の強いメンタルには感心してしまうということです。
なんか前も似たような事を書いた気がしなくもないですが、まあ改めて思ったので書いておきます。それと同時にいつもお世話になっている師匠にいろいろ聞きながら、GKという特殊で専門的なポジションの善し悪しの基準なんかを勉強したいと思います。

最後に

あーあ、また面倒なこと書いちゃった。まあいいや。

さて大敗でした。
ただ、結末ばかりに気を取られてこの瞬間を楽しめてないのではないか。
さすがに4-0で大敗したこの瞬間を楽しむことはできませんが、それでもあれもこれもその手でドアを開けようじゃないかと。祝福が欲しいのなら悲しみを知って、独りで、いやみんなで泣けばいいと。
そして輝くウルトラソウルと。

ちょっと最後締めで分かりづらくなった気もしなくもないですが、今回の振り返りを書いている途中でラジオから流れてきたウルトラソウルに励まされた気がしました。
あともしかするとウルトラソウルってこの日『足りなかった』とアルベルさんが仰っていた『勝利にこだわるメンタリティー』みたいなことなのかもしれませんね。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。