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オレラグ

必須アピール 馬車になってもならなくても【戦評】第36節 ファジアーノ岡山戦

2021年11月2日

こんにちは。

試合見て投票行って、帰ってきて試合見直して、これ書き始めます。

ニュースから得る情報、自分の経験や体験から感じること、より長く日々を繰り返すほどそれらが増えていくのは自然でしょう。
そしてそれは選挙のたびに誰に入れるかを考えるための材料が増えているとも言えるかと思います。
だから政治とか選挙も長く見続けたり参加し続けたりするほど、おもしろくなるかは分からないですが、より関心は持てるようになるのかなと思うのです。

そしてそんなことは政治や選挙に限らず、サッカーもそうです。
誰かを追いかけたりどこかを長く応援したりすることで、一瞬のプレーがかつてのプレーと重なったり、その日の感動がいつかの興奮を思い出させてくれたりします。
そういった長く見続けて成長を見られるといった意味で心のクラブのアカデミー出身選手というのはより特別に思える存在になってきます。

復活の巧、切磋琢磨する航斗と和輝、アームバンドを巻いた史哉、さらに確かなチームのアクセントとなって我々を困らせた幾笑。元気にがんばってくれているのをこうして見られるのは嬉しい限りです。
この2年間はほぼU-18の試合を見られず過ぎてしまったのが本当に残念というか悔しかったので、来年こそはまた必ず見に行こうと改めてこの日思いました。

スタメン

スタメン振り返りましょう。
うちは前節から半分にあたる5人を入れ替えてきました。
まずDFラインに共に2試合ぶりのスタメンとなる史哉とゴメス。
次にボランチはこちらも2試合ぶりスタメンとなるヤンと、実に16試合ぶりのスタメン、出場自体も10試合ぶりとなるゴンサが入ります。
そして最前線は3試合ぶりにスタメンとなるカイトでした。
またベンチには10試合ぶりの大本、17試合ぶりの遠藤、18試合ぶりの小見と久々の顔ぶれが並びました。

対する岡山は前節からの変更が2人。
まず出場停止のデュークに替わって3試合ぶりスタメンの山本。そして喜山が負傷で空いたボランチにはSHだった石毛がスライドし、替わって右SHには7試合ぶりにスタメンの木村が入りました。
バランスを考慮してボランチが本職の選手をそのまま入れるかなと思っていたのですが、石毛をスライドさせてさらにドリブラーを入れてくるややオフェンシブな陣容を選択してきました。

しぼんだ前半

追いついて1-1のドロー。
大雑把に言えばやや停滞気味だった前半と選手交代によって盛り返した後半という90分でした。
とりあえず前後半1つずついい感じだったシーンを拾って図にしてもらったのでそこからいろいろ思ったことをつらつら書き並べていきます。

まず前半から拾ったシーンが6分です。
史哉からのくさびをシマブクが相手のボランチとSHの間に入って受けてヤンへ落とします。
少しパスが後ろになったのでやり直し。
再びもらった史哉から千葉へ渡し、今度は逆のボランチとSHの間に三戸ちゃんが下りてもらい、落としのパスを今度はゴンサがワンタッチでスルーパス。右サイドを田上が抜け出してクロスまでいってCKを得たシーンです。

史哉からシマブクへ入れた直前にも千葉から中央に下りた善朗へくさびが入っていて、それは落としのボールが大きくなってしまいまたやり直しとなったのですが、こうして出し入れしながら前向きに受けられる選手を作りつつ、そこからスペースに飛び出す形が早い時間に1つできました。
さらに立ち上がりに関してはサイドでテンポよく繋いで抜け出す形なんかも見られました。

そして前半を通じてもシマブクや三戸ちゃん(時々田上)や善朗が中間のポジションに入ってそこへくさびが入る、もしくは狙う形自体は結構トライできていたように思います。
しかし岡山の守備がそういった間に入れてくるのをよく準備して守れていましたし、解説の中島さんも仰っていたように縦パスが入った後のフォローがいない、もしくは遅れてしまうという問題があり、この6分のシーン以降は縦パスからそのままスピードに乗って出て行くシーンというのはほとんどできませんでした。
また、相手陣内で押し込む形ができてもその時にはすでに岡山はしっかりセットしているため出し所を探してしまってリズムが生まれづらくなったのかなとも感じました。

前半立ち上がり以降でよかった数少ないシーンと言えば、航斗から史哉へ渡し、中央に下りたゴンサから相手2トップの間でヤンが受けて、そこから素早くライン間の善朗へ入れて持ち出してから右の三戸ちゃんがカットインしてミドルに至った37分くらいだったかと思います。

ヤンのバックパスが少し大きくなって航斗まで戻ってしまったのが起点になったプレーでしたが、逆にそれが全体を広げることに繋がり中央からスピードアップすることができたシーンでした。
そういう一旦下げて広げたり引き出してから出て行ったりする形をより意図的に狙ってできるようになるとさらにいいなとも感じました。

膨らんだ後半

続いて後半です。
作っていただいた図が84分です。
史哉から千葉に渡ったところで相手のFWが内側からプレスに出てきます。それと同時に巧が内側へポジションを移します。
そして千葉から中間に下りてきた善朗へくさびのパスが入ると、善朗は相手CBに寄せられてファールを受けながらもそれをフリックでうまくかわし、内側に入っていた巧がうまく入れ替わって出て行きかけました。

まずうまかったのは千葉のプレー。
史哉からボールをもらったところで体を外側へ向けて幅を取っている大本へ出す雰囲気を見せました。それによって選手交代を機に左SHへ移っていた上門はボールカットを狙って外側に動いてしまい、内側のコースが広がりました。

そして何よりこういった縦パスが入った後のフォロー、3人目の動きでうまくスピードに乗っていくプレーが、後半はこれ以外にも左右のサイド問わず何度か見られるようになっていました。
小見や大本(大本投入前は主に巧)など外で引っ張れる選手がしっかり存在感を見せてくれたことで岡山としても全体を広げられたというのはあるかもしれません。
終始ちょっとボールに寄っている印象だったカメラワークに対して、前半はテンポが悪い分あまり気にならなかったのが、後半はよりスピード感を持って出て行けるシーンが増えたことでちょっと見づらいなと感じるようになったのはそれだけ迫力あるアタックができるようになった証と言えるでしょう。

もちろん、試合後に有馬さんが後半に関して『奪った後のミスが多くて、ちょっとバタバタして自分たちからロストすることが多かった』と仰っていた通り、岡山側の過失もあってうちのリズムがあまり遮られずに済んだり、さらにオープンな展開にもなったことで出て行きやすくなったりというのはあったと思いますが、いずれにしてもアルベルさんも仰っていたように今季出場機会の少ない選手達が溌剌とプレーして持ち味を発揮してくれたというのは大変ポジティブなものでした。

相手を見ながらとは

間にパスを入れるというのは相手も警戒してくる中で、それを上回るためには結局さらに高い精度ということになってくるのかな、というのは前半中島さんも仰っていたのでまあ間違ってはいないんだろうと思います。

ただこの日に関して言えば、もう少し相手を見て状況を認識してプレーできる余地はあるようにも感じました。
別にできてないわけじゃありません。よく相手を見て中間のポジションを取ったり、動き出したりというのはしていると思います。
それでもまだいくつかですが、相手が厳しく寄せてくることを警戒するがあまりに、実際それほど強く来ていないけど速くプレーしようとしてミスになったり、難しい体勢のままプレーしてパスがズレてしまったりという印象が、シチュエーションや人によってですが感じることがありました。
そういった個の局面で見られる部分が、ひいてはチームとしてもボールを動かす時に相手を引き出し切れない部分にも関わってきているような気がなんとなくですがしました。

とはいえそんな風に思ってはみたものの、停滞感が拭えないここしばらくの期間は結局『精度を上げたい』ということばっかり書いている気がして、それが何だかまだまだサッカーという競技への理解不足を露呈している気がして悔しかったので、またいろいろ見直したり視点を変えてみたりして感じたことではあるので抽象的と言えば抽象的なのは自覚しています。

ただ、それでも三戸ちゃんなんかを見ているとあまりそういった感じを受けず、ギリギリでも判断を変えてプレーできる身のこなしなんかは印象的にも感じられました。
当然、だから三戸ちゃんはいいとかそういうことではなくて、三戸ちゃんにもまた違った伸び代はあるのだろうとは思いますが、相手をさらに見ながら状況を認識した上でプレーするということに関して言えばチームとしてももっとやれるんじゃないかなと思ったということです。

それでもこれは全てに通ずることではありますが言うは易し行うは難しであり、また一朝一夕にできるようになるものでもないというのは大前提の話しではあるのですが。

最後に

もう1つちょっと付け足し。

先制点は中盤で奪われたところからわずか3本のパスで中央を突破されました。守備時に元々中を閉めるため内側にポジションを取ることが多いSHが、そのまま攻撃になると中央のエリアで経由地になるというまさに岡山の狙い通りのカウンターだったかと思います。

前半攻撃でリズムが悪い時というのは、どうしてもボールを動かしたり運び出したりすることを考えてしまうためか、失って守備になった瞬間に少し止まっているとまでは言いませんが反応が遅れてしまう感じがありました。
逆に岡山からすると構えて待ちつつ準備できていたところで奪えるから攻撃にスムーズへ移行できます。

対してリズムよく動かせるようになった後半は、岡山も新潟のテンポのいいポゼッションに対して構えてはいるものの前半よりリアクションでその都度対応せざるを得ない状況が生じるようになり、仮に奪えてもそこで一瞬考えたり探したりする間ができてしまい、それがうちの守備への切り替えよりも時間が掛かってしまってミスが増えたとも言えるかもしれません。

近年は切り替えを速くするどころか、もう切り替えという概念すらもないシームレスなんて言われるようになっているわけですが、攻守一体という意味でもやはり後半の方がポジティブだったんだろうと思います。

そんな切り替えにおいてこの日も中盤で攻守に大きく貢献していたヤンが『久々に楽しくサッカーができた感覚があった』と話していたのは何だかすごく嬉しく思えました。

なかなか難しい状況ですが、変わらずやり続けてほしいなと思います。
残りは6試合です。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。