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オレラグ

そこに歓喜の使者はいるのか【戦評】第38節 松本山雅FC戦

2021年11月9日

こんにちは。

土曜日、久々の市陸にてレディースを見てきました。
GK高橋のPKストップなんかもあったりしならが粘り強く戦えていたとは思うのですが、終了間際に再び与えてしまったPKを決められ3連敗となりました。内容も含めてですが前途多難な戦いが続きそうです。

日曜日、選手権の県大会決勝を見てきました。
こちらもこちらで北越のGK内田が何度も決定的なシュートを防ぐ活躍がありましたが、それでも失った1点を取り返すことはできず、帝京長岡の優勝という結果となりました。実にあの新潟工業以来の4連覇だそうで。今年もお正月が楽しみです。

そして我がクラブ。
自分が見に行っていた2試合と同じく爽やかな秋晴れの下、残留争いの渦中にある松本との対戦でしたが、結果は1-1のドロー。
うーん……。なかなかどう捉えていいものか、難しいところです。

スタメン

とりあえずいつも通りスタメンから。

まずうちですが、ここ最近は毎試合わりと多めの入れ替えが行われているわけですが、今節もやはり4人の入れ替えがありました。
左SBのゴメス、ボランチのヤン、トップのカイトといったところは2試合ぶりですからローテーション的な一環みたいなことでもあったかと思いますが、前節途中出場で久々に怪我から復帰したロメロが今節は満を持してスタメンに名を連ねました。
ひとまず元気に帰って来てくれて何よりです。

対して松本ですが、こちらは前節から3人の入れ替えがありました。
まずFWの伊藤については2試合ぶりということで特に驚きはありませんでしたが、怪我明けで途中出場が続いていたセルジーニョをここで6試合ぶりにスタメンに戻してきました。
さらにここまでは途中出場しかなかったものの、前節後半からの投入で2ゴールと結果を出した榎本を今季初めてスタメンに抜擢してきました。

前節からはアタッカー2人を入れ替えると同時に、ボランチを1人削ってシステムも3-5-2に変更してオフェンシブな姿勢を押し出す陣容となりました。

もったいない立ち上がり

アルベルさんが試合後に最初の15分を反省しなければいけないということを仰っていましたが、そうですよね、間違いないと思います。
ただ個人的には15分というより24分の飲水タイムまでと言ってもいい気はします。
コメンタリーのお2人も触れていましたが、アルベルさんが飲水タイムの際にかなり大きなジェスチャーと恐らくかなり強い口調で集まった選手達に指示を出していて、あの檄によってやっとしっかり目が覚めたのかなという印象を受けました。

そう感じたのは、飲水タイム明け直後にヤンからの縦パスを善朗がライン間で受けてうまくターンからミドルを狙えたことが1つ。
そして27分頃に解説の飯尾さんが思わず唸った千葉の縦パスからもようやく目覚めてきた感じを受けることができました。
舞行龍からボールをもらった千葉はボールを少し外に置いて体も外に向けたところからグインとひねって、3センターの右を担うセルジーニョとアンカーの佐藤との間に入った善朗へ縦パスを入れたというプレーです。

飲水タイム明けからの攻勢

5-3-2で守る相手に対して、うちはボランチが下りるなどして後ろを3人にし、SBは幅を取りつつ、両SHと善朗が相手の3センターの周りに立つみたいな基本的な位置取りは入りから常にやっていました。

ただ恐らくですが、飲水前までであればその27分のシーンで千葉から縦パスが入るにしても、対角ではなく正面にいる3センターの左を担う河合の外側の脇に入ったロメロへ一旦入れる選択になっていたのかなと推測ではありますが感じました。

もちろん3センターの脇にスペースがあるからこそ、そこにまず起点を作ることで相手を引き出しておいてスペースを作り出して攻略するというのは1つの手段です。

しかし、飲水前まではほとんどがその選択肢でありリズムもあまり変わらずにやってしまっているような感じで、松本としても3センターがスライドしつつ、CBも少し出る準備をするという形を取られ、うちとしては詰まったりやり直したりする場面は多く感じました。

例えばそれが意図的に無理をせずに飲水明けからちょっとスイッチを入れよう、みたいな狙いがあったのであればそれはそれでいいと思うのですが、その飲水タイムでの激しい身振り手振りによるアクションを見るとやっぱりそういうことではなさそうだなというのは感じる部分でした。

それでも結果的に飲水タイム明けからは先に挙げたような感じで中央のエリアへ狭くともチャレンジするようになりました。
そうすることで松本としては中央をまずやらせてはいけないわけですから急いで収縮するとなると、脇のスペースにさっきよりも時間や空間の余裕も生まれます。
またそれまで以上に松本としては集結させられる分だけ、一旦攻撃を跳ね返せてもこぼれ球への反応がどうしても遅れてより自陣で我慢する展開に押し込まれるようになったということが言えるような気がしました。

それにしてもその27分のシーンを始めとしてチバメーターはこの日もチャリンチャリン鳴っていたわけですが、舞行龍だって勝るとも劣らない良い縦パスをこの日も何度も出していました。
特に38分頃にあったこぼれ球をボレーのように蹴り込みゴール前のロメロの下へピタッと入れたシーン。まじで震えましたね。
マドリーのアラバか、はたまたシティのルベンネベスか、そんな感じのビューティフルパスでした。

そういう戦いの連続

この日も支配率は67%という高い数字が残りました。
それでも今季の支配率の高さ順でいうとベスト5に入らないわけですから改めてまあボールはよく持てているなと実感します。
それと同時に『決定力不足』『典型的な試合展開』といった言葉がアルベルさんからも出たように、持ってはいるけど相手を上回る数のゴールは今節も奪えませんでした。

ちなみにですが今季ここまで支配率65%を越えた試合はこの日で13試合目だったようですが、結果は3勝にとどまっているようです。しかも最後に65%を越えながら勝ったのがアウェーの大宮戦まで遡らなければならないということで、確かにここ最近は秋田戦といい金沢戦といい勝利どころか敗れてしまった苦い記憶が残っています。

そういった意味で考えるとセットプレーで取り切ったという部分はちゃんと評価されてしかるべきでしょう。
それもまず2トップと3センターの間で福田が起点を作るところから始まり、相手のアンカーを引き出すことに成功したらすばやく横のヤンを使ってそのアンカーの背中に入った善朗まで繋ぐというセットプレーに至るまでの形も見事でした。

とはいえです。
名波さんが『通常よりも3m下げて戦いました』と仰っていましたが、前節の磐田に続いてラインを下げて持たせるところは持たせてくる相手に対してこの日ももう1つ決定打は打ちこめませんでした。

どうすればいいんでしょうか。
正直なことを言えば、それでもこういう自分達がやろうとしていることをやり続けて積み上げていくしかなくない?と思っている節もないことはないです。というか結構そう思ってます。

ですからまあ今節だからこそ強調しておきたいことっていうとなかなか難しいのですが、強いて言えばサイドの局面における3人目の動きを使った攻略はもうひと声欲しかったような気がしました。

というのも展望でも書きましたがやっぱり松本はCBとWBで少しギャップができるケースというのが少なからずありました。そこへのボールの入れ方や人の関わり方次第でポケットと呼ばれるペナルティエリアのより深い位置に侵入でき得る可能性を感じたシーンというのはいくつかあったように感じます。
ただ何か目新しい事を見つけられたわけでもないので、繰り返しになりますがこれまでやってきていることをやり続けてほしいという感じです。

より高い平均値をコンスタントに

これはちょっとうちがどうこうという話ではないのですが少しだけ。

前半ちょっと危険なタックルがあったり、明らかに手を使ったファールがあったりして、まずそれが大きな怪我などにならなくてよかったというのはあるのですが、前半飯尾さんが『(ボールホルダーへの)寄せもここ何試合かよりも全然いいと思いますね』と仰っていたように、松本はここ最近とは違うというか、少なくとも前節と比べると数段ギアを上げてきているように感じました。

それでも時間が経つに連れて緩さが出てしまってうちからすると余裕を持ってプレーできてしまうことがあるのは確かだったのですが、それでもいつも以上に意識したり徹底したりということがそのタックルであったり手を使ったファールになっていたのかなという気がします。
そしてそれは結局残留争いで切羽詰まっているという心理状況をよく表しているようにも感じました。

うちとしては次節、次々節もそんな残留争いの渦中に位置するチームとの対戦が続くわけですから、くれぐれも今節のような試合の入り方をしないようにというのは心に留めておかないといけないでしょう。

最後に

勝ちたい。
ただただ勝ちたい。
さすがに5試合勝ちなしは長い、そんで辛い。

まあだからといって次節全然違う事を急にやってきたらそれはそれで、というかむしろそれは違うでしょってなるでしょうから、まあやることは基本変わらずやってほしいなとも思うわけですが、やっぱり勝ちが見たいなと思うのは紛れもない真実ですから、やっぱり変わらず応援しようと思うのです。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。