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オレラグ

染まるオレンジと久々に架かったレインボー【戦評】第39節 愛媛FC戦

2021年11月15日

こんにちは。

先週の半ばからとうとうストーブを使い始めました。
雨続きで気温もグッと下がりいよいよそんな季節に入ったということを実感する中で迎えたホームゲーム。

この日も寒かったです。
ハーフタイムから後半の序盤にかけてもかなりどしゃぶりになりましたが、1日を通しても降ったり止んだりで自転車で見に行くのも躊躇われるようでした(まあ結局自転車で行って帰りにびしょびしょになったわけですが)。

それでも我がクラブはしっかり勝ってくれました。
サポーター想いの素晴らしいチームであります。いや、5試合勝ちなしでしたからそこも勝ち続けてくれていたらもっとサポーター想いなんでしょうけど、まあそれはそれです。

単純にやっぱり勝つって嬉しい、気分がいい。
ほんとありがとうございますですし、おめでとうございますです。

スタメン

ではメンバーのおさらい。

まずうちの方は右SB奏哉、ボランチ島田、左SH三戸の3人が前節からの変更点で、島田と三戸は2試合ぶりで奏哉は少し空いて4試合ぶりのスタメンとなりました。

そして先に書いておきますが、36節岡山戦以来今季4回目のベンチ入りとなった遠藤がついにリーグ戦デビューを果たしました。
これまでベンチに入った3回は偶然にも全てアウェーだったこともあり今回は初のホーム戦でのメンバー入りでさらにデビューということになりました。

パスを引っかけてしまって島田と千葉の先輩2人にカバーしてもらったシーンもありつつ、その直後には素晴らしいボールカットもあり、短い時間ながら逃げ切りのタスクを担ってくれました。
とにかくおめでとう。さらなる活躍を期待したいと思います。

対する愛媛ですが、こちらは前節からのメンバー変更は榎本に替わって山瀬という1人のみでした。
しかしポジションは予想されたシャドーではなくボランチに入っており、シャドーには川村を上げる選択をしてきました。
昨年も同じような配置変更から彼ら2人の活躍にしてやられたというのをスタートのポジションを確認した時にふと思い出してしまいましたが、今年はしっかり抑えてくれました。

綺麗な中央からの崩し

今節も今節とて、ポゼッションは6割ちょっとの数字ということである程度押し込む形で試合は進みました。というか意図的に進めることができましたと言うべきですかね。

そんな中で個人的にこの試合一番綺麗でスムーズに崩せたのではないかなというシーンを図にしてもらったのでそこからまたあーだこーだ思ったことを書いていきます。

前半37分。
舞行龍から右の奏哉へ渡し、奏哉は内側の島田へ渡します。
中央で受けた島田は利き足側の左にボールを置くと斜めに鋭いパスを供給。それを善朗がワンタッチで落とし、レシーバーとなったヤンもワンタッチでスルーパス。カイトがいいトラップでうまく抜け出してシュートまで持ち込んだシーンです。

中央のエリアから流れるような展開で運び出せました。
まず舞行龍が隣の千葉を1つ飛ばして奏哉へ入れたことで、対応に来たシャドーの川村とトップの吉田の間に空間と島田が受けて捌けるだけの時間を生み出しました。
そこから今度はヤンが中央に入ることでトップの吉田を少し内側へ絞らせるように誘導して善朗への斜めのパスコースを作ります。

そして島田から善朗へのパスも言ってしまえばヤンを1つ飛ばしたパスですから、それによって善朗からのダイレクトでの落としをヤンはど真ん中というエリアでしかもフリーとなってもらうことができました。
さらに善朗からヤンへ落とされるタイミングでライン間に入っていた三戸が少しだけ手前に動いてボールを受ける動きをしたことによってCBの茂木を釣りだすことに成功し、ヤンのスルーパスからその茂木の空けたスペースにカイトが抜け出すことができました。

ヤンや三戸がポジションを取ったライン間はもちろんのこと、5-4-1(このシーンで言えば5-2-3)で守る愛媛に対して、ここでは少し広げた3の間や2の脇で起点を作ることがしっかりできていました。

良き狙いとちょっとした注文

5-4-1で完全にブロック作られた場合も、4のサイドを担うシャドーの選手はかなり内側を締める意識が強かったため、ロメロなんかが一旦その4の脇に下りてボールを受けることで少し引き出すことで、そこから戻されたパスを千葉が受けて少しだけ開いた中盤の門を通してライン間の選手に入れるシーンもありました。

また同じように愛媛の4の脇でうちの2列目の3人の内の誰かが下りることで、シャドーの気を引き付けておいてSBに時間と空間を作ったり、そこから今度はその下りた選手が前に出て相手からするとWBが付くかCBが付くか微妙な位置取りを取ることによってそのいずれかを引っ張り出し、それで空いた裏のスペースにカイトなんかが飛び出したりという形も見られました。

まずどこに受けられる余地があって、そこで受けるとどこが空いてくるかというのをよく見ながら判断してプレーできていたように思います。

あと注文を付けるとすれば、これは前節だがその前だかにも書いたかと思いますが、サイドで持ったところからエリア内に1人とその内側に1人いる状況から3人目の動き出しで深い位置を取りたかったというのが1つ。
そしてもう1つは次に作っていただいた図(前半18分)のような場面でゴール前に迫れるかという部分です。

完全にブロックを敷かれる中でも、CBが持ち出す間にライン間の善朗が動き出すことによってDFを釣り出し、そのスペースに外から島田が飛び出すというところまでは素晴らしい狙いでした。
そこからその空けたスペースへいかに角度を付けてパスを入れられるようにできるかという部分を、より精度を上げるなりアイデアを出すなりできるようになったらいいなと感じました。

ゴールにも繋がったアグレッシブな守備

梅山さんが試合中『愛媛のビルドアップに新潟の4-2-3-1の3と1がぴったり嵌る』ということを仰っていましたが、確かに3バック+ボランチの山瀬が少し残って関わるビルドアップに対して前から嵌めこんで奪ったり回収したりするシーンは前半からよく見られました。

それも含めて守備についても1つ拾ってみたシーンを図にしていただきましたということでこちらは62分です。

相手のゴールキックの場面で前から嵌めに行こうとするうちの守備に対して、GKの岡本は1つ飛ばしてWBの高木へ出しましたがそこへロメロがプレスバックして遅らせます。
高木はトラップしてから中へドリブルして少し探るのですが、その間に今度は善朗がプレスバックで戻りボランチにいた川村に正面から対応することができていました。

さらにそこから横の山瀬にボールが出ると今度はヤンがグッと前に出て距離を詰めることができていました。
すると今度はヤンが前に出たことによって相手のシャドーである近藤が空くというのを三戸がしっかり認識した上で、一旦そこへのパスコースを消すために少し下がってケアをしてから、ボールが出た茂木のところまで後ろを確認しつつ出て行き、結果的に長いボールを蹴らせてマイボールのスローインにできました。

この一連の流れ、嵌めに出たところからの戻って、戻って、出て、消して、また出てという各々の連動が見事でした。

この場面の映像では切れていて映っていないですが、ゴールキックの際に近くでボールを受けようとする相手CBに対して前の2人+SHが相手のWBとCBの間の位置に立つことですぐ前へ出て嵌めこむシーンは幾度も見られましたし、流れの中でも先に紹介した梅山さんの言葉通りに前から嵌めて繋がせないシーンはよく見られました。

それに加えてこのシーンのヤンのように、前の4人が圧力をかけた時にしっかりボランチもプッシュアップできていたことも見事でした。むしろそこのボランチ2人の判断やがんばりこそがとても重要だったような気もします

課題は自省を込めて

とはいえアルベルさんも仰っていましたが、クロスバーだったり千葉のカバーだったり航斗のセーブだったりによって救われた決定的ピンチも確かにありました。

クロスバーに当たって救われた前半のシーンで言えば、HTにアルベルさんからも『スライドの距離感』という言葉が出ていたように、ロメロが池田に少し出たものの全体として距離が離れてしまっていて左WBの内田に完全にフリーで持ち出されてクロスを入れられたものでした。

後半のピンチに関しては主に失い方の部分で問題があった印象です。
もちろん縦にチャンレンジしてのものもありましたから全部が全部ということでもないですが、特に後半の立ち上がりの数分間は気になりました。

後半から愛媛はより前から圧力を掛けて来ている印象でした。
梅山さんも途中山瀬のプレーを褒めていましたが、彼がスイッチ役のような感じでチームの重心を上げてきていた印象です。
そんな愛媛に対して後半の立ち上がりは深い位置から繋ごうとし過ぎて危険なボールロストがいくつか起こってしまいました。

10分経つか経たないかくらいから少しシンプルな長いボールを送って逆にチャンスを作れるようにもなっていましたが、HTから強く降り始めていた雨への慣れというか適応なんかも含めてもう少し最初は相手を引っくり返すようなボールを蹴る判断があってもよかったように思います。

あと課題ついでに攻撃に関しても触れておきますが、まだまだスピードを上げていい場面で上げ切れないところはあるというのは確かでしょう。

特に前半。
2回くらい奏哉がマイボールにしてやり直した瞬間にアルベルさんが大きなアクションで不満を露わにしているシーンがありました。
帰ってから改めて見直すと確かにカットした瞬間にそのままダイレクトで縦パスが入れられれば前に人数も掛かっていたから一気にチャンスになり得たなというシーンがありました。

飲水タイムを経てからは奏哉も前への選択が増えてより積極的に深い位置まで出て行くシーンが増えていったわけですが、この日はたまたま奏哉のところで目立ったというだけでもちろんこの辺の判断は奏哉に限らないかと思います。チームとして突ける瞬間を逃さないスピード感というのはさらに意識していくべきなんだろうと思います。

そして現地で見ていた瞬間は自分自身も奏哉がボールを落ち着けたとポジティブに捉えていたので、もう少し前に行けるかどうかをちゃんと見極められるようになりたいなという良い学びになりました。

最後に

磐田の昇格が決まりましたね。

今節が終わった時点で20ポイント差を付けられ、今年はまざまざと力の差を突きつけられた気が改めてですがします。

そういう意味ではチャンスクリエイトにしろ決定力にしろまだまだな部分はあるにせよ、今節はCKからと前からの守備で奪ったPKというセットプレー2つによって久々の複数得点を取れたというのは紛れもなくポジティブなことでしょう。

勝ち切る強さを身に付けるために、残り3試合、そしてその先。
引き続きがんばりましょう。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。