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【燃え上がれ清五郎】10年間の時を経て、行こうぜ!アジアの向こう側!(後)
【変わり行く変わらないもの~The chaging same~】
◆上昇気流にのる優勝候補のC大阪相手に、正々堂々と自分たちのサッカーで勝負し、渡り合った新潟。ピッチ上には当然、10年前のピッチに立っていた選手はいない※。選手、監督は入れ替わり、クラブは変化しているけど、攻守におけるハードワーク、ひたむきさ、ファイトする心、10年前の新潟のイレブンが私の心を震わせたものは、全く変わらず受け継がれている。
※編集部加筆※当時、本間勲選手はチームに在籍していましたが、右足の骨折から復帰した直後で、この試合にはベンチ入りしていませんでした
◆この新潟の「変わり行く変わらないもの」の礎を築いたと個人的に思うのが、反町康治監督と鈴木淳監督。そして、それを引き継ぎ熟成させている、現在指揮を執る柳下正明監督。その3人が語った、私にとって印象的な言葉。
◆反町監督「J1参入1年生の新潟が、J1の上級生の鹿島が忘れかけていたハードワークの大切さを示せた試合。目指すサッカーは、人もボールも動くムービングフットボール。“No move No football”だね。」(以前、Jsportsで放送していた「Football Anticlimax」の中で2004年2ndステージでの鹿島戦勝利を振り返って)
◆鈴木監督「チャレンジ、あるいはトライすること。気持ちを入れてゲームをするということをやらないのだったら、プロのサッカー選手としては失格だし、そんなのだったらサッカーをやる必要はないし。やりたくないのだったら、やめればいいと。やりたいのだったら、やっぱり本当にピッチでサッカーを楽しむというか、本気でやらないとダメだなということですね。」(2007年のアウエー磐田戦で、ハーフタイム中のいわゆる「ちゃぶ台ひっくり返し事件」について聞かれたインタビューで)
◆柳下監督「新潟は、もうスタイルができあがっている。アグレッシブに攻守においてプレーする、アップダウンのできる選手、責任を持って最後までプレーをする選手が多い」(2012年の監督就任会見で)
【時は来た!行こうぜ!アジアの向こう側!】
◆「史上最攻~時は来た!~」っていうのが、キンチョウスタジアムの大型ビジョンで見たC大阪の今季のスローガンやけど、「時は来た!」んは新潟やないかと。今季の新潟は、毎年恒例となった主力の流出を最小限に抑え、これまでの新潟の「変わり行く変わらないもの」をベースに、柳下監督のもと、攻守において自分たちからアクションを起こすアクションサッカーを熟成中。J1のどのチームと戦っても、新潟スタイルのサッカーで渡り合えるほどの熟成度で、しかもまだまだ伸びしろがある。
◆昨季終盤、J1を席巻したこの新潟スタイルでやれる手応えを得たからこそ、複数チームから移籍オファーのあった主力選手が新潟に残ってくれたんやないかと思います。スーパーなレオが残留し、生え抜きのアトム(田中亜土夢)が10番をつけ、ケンゴ、舞行龍(ジェームズ)、カズ(大野和成)、マサル(加藤大)らの武者修行組がスタメンで主力を担い、達也、ヒデ、成岡、健太郎らがキャリアハイをマークするこのチーム状況。また、アルビのスタイルでサッカーをやりたいと小泉慶という有望な選手が入団してくるなど、地方の雄、広島のようにサッカーのスタイルで選手が集まってくるような環境もできつつある現在。
◆健太郎曰く「残留争いしているのであれば、勝ち点1でも満足できるけど、ウチはACLを目指しているので」(セレッソ戦後、勝ち点1の意味を問われて。エルゴラッソより) クラブ、監督、選手が本気でACL出場圏内を狙っている今季。皆さん、選手は本気です。シーズンは始まったばかりで、リーグ優勝ももちろん狙える。ナビスコ杯、天皇杯のタイトルも狙える。謙信公やないですが、タイトルは、天の時、地の利、人の和が揃わないと、現実的にはなかなか獲れんもんと思います。今季はクラブ史上最も「天地人」が揃った可能性のあるシーズンやないですか。某番組でゴン中山が優勝候補に挙げてましたが、少しでも可能性のあるチームやなければ挙げないわけで…
◆サポーターの皆さん、今年は、ACL出場圏内はもちろん、タイトルをとりましょう!10年前、私を長居スタジアムに誘った友人曰く「今後、J1昇格時を超える感動はないかもしれない」と。いや、今まさに今季がおとぎ話の第2章かもしらん。歴史の証人となるのは今です。そういう意味で、リーグ戦第6節マリノス戦、第7節鹿島戦は上位陣との対決は、今年を振り返ったときに間違いなくターニングポイントとなる2連戦。第6節マリノス戦、4万人の大声援を送り地の利を活かすべく、スタジアムに参戦し、おとぎ話の第2章の歴史の証人となりましょう!
2003年11月23日、アルビレックス新潟がJ1昇格を決めた試合後。
ビッグスワンで選手もスタッフもサポーターも全員が喜びを爆発させた
【番外】
◆現実的に、ACL出場獲得というのは、来季に向けた最大の選手流出抑制策になるんやないかなぁと。獲れなかった時、来年の契約更新が怖いっす(苦笑)。
佐藤康弘(さとうやすひろ)
1973年新潟市南区(旧・白根市)出身。進学、就職が関西で、気づけば人生の半分以上を関西で過ごす。仕事の都合で計画的な参戦ができないが、時間ができたとみるや刹那的行動でホーム、アゥエイに出没中。現在の関心事は、2012年の残留争いのときガンバを応援していた関西人の妻が勲ファンになっていく過程を観察すること。