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オレラグ

ようやく、僕の中でフットボールが日常になったのかもしれない。

2019年7月31日

もう、2ヶ月以上も現地でアルビレックスの試合を観ていない。そろそろ、現地で観戦したいという欲が抑えられなくなって突然夜行バスに飛び乗って遠征に行ってしまいそうだ!…と、いつもの自分ならそうなるはずなんだけど、今シーズンはそうはならない。

去年は半分以上を現地で観戦していたのだが、今シーズンは、現時点でまだ7試合。帰省ついでのホームゲームと関東近郊の試合、それと今年早々に予約した沖縄遠征だけだ。

去年までの行ける試合はすべて行く!という勢いから比べると今シーズンはかなり観戦数が減った。

その理由は、結婚してライフステージが変わったこともあるし、お金をかける部分が変わったこともあると思う。仕事が忙しくなったということもある。毎週のように長距離を移動する体力がなくなったのかもしれない。チームの結果が出ていないときのネット上の暴言のような意見をみて疲れてしまったのかもしれない。
距離を置きたくなって熱が冷めてしまったというふうに見えるだろう。

でも、どれも理由の一つではあるけれど、どれも明確な原因ではないように思える。
気づいたらアルビレックスのことを考えているし、ニュースは欠かさずチェックしてしまう。もちろん、試合は欠かさずダゾーンで観る。熱が冷めたわけではない。もう何年も追いかけているのだから今更急に見なくなるみたいなことはないんだろうけど。

この心境の変化が自分の中に起こったのは、僕にとって面白い出来事だった。

目の前の試合に同じ試合はない!行かないで後悔するなら、無理してでも行く!極端に言えば、アルビレックスこそが人生だ!
という心境から、人生の楽しみのひとつにアルビレックスがある。という心持ちに変わってきたような気がする。

もちろん、ゴール裏で声を出したい気持ちもあるし、ここぞという時は世界中どこにだって駆けつけるつもりだ。

だけど、ゴール裏で観戦することも減りつつあるし、ユニフォームを来て熱心に応援する人だけがサポーターと言うなら、もう僕はサポーターではないのかも知れない。まぁ、もっとももうそんな極端なことを言う人も少なくなっただろうけど。

長い間応援していると、サポーターをやめてしまった人や、一時的に離れた人、離れざるを得なかった人、もう一度戻ってきた人など、色々な人の顔が思い浮かぶ。それぞれがそれぞれに事情があって、環境の変化や心境の変化でアルビレックスとの関わり方が変わっていく。
人それぞれに、アルビレックスとの日常がある。

数ヶ月前にドイツとイギリスに行ったのだが、ドイツのハンブルグでは、スタジアムの周りを騎馬隊が取り囲み殺伐としていた。でも、試合後はスタジアムの周りでサポーターたちがビールを片手に試合のことを話している様子だった。

一方、イギリスのプレミアリーグのクリスタル・パレスのファンたちは、試合開始ギリギリまでパブで酒を飲んで、手ぶらで試合を見て終わったらすぐに帰っていった。

ヨーロッパで、フットボールのある日常を垣間見ることができた。住宅地の中にあるスタジアムに、ふらっと遊びに来て、酒を飲んで、フットボールを楽しんで、さっと帰る。電車の中ではチャントを歌い出す酔っ払いもいる。みんな楽しそうだ。

非日常のお祭り騒ぎも良いけれど、日常にフットボールのある風景を見てとても幸せな気分になった。

もちろん、僕が見た部分は、ほんの一部分でしかない。ひとくちにヨーロッパといっても、国によってもリーグによってもクラブによっても、この日常は異なるのだろうけれど。

新潟はどうだろう?
カナール広場で試合までの時間を思い思いに過ごす姿をみて、僕がヨーロッパで見た幸せな風景と重なるものを感じた。すっかりサポーターにとってビッグスワンに通うことは日常になっているし、街中にはポスターが貼ってあるし、新潟県内のテレビでは選手が出演するCMだって流れる。そこにはアルビレックスのある日常がある。

いまここでしか見れない興奮を求めにスタジアムに通っていたけど、今はそれだけではない。フットボール観に行くことが生活の中で非日常の特別なことじゃなくなった。日常の延長でスタジアムに行き、試合前後の観光やグルメを楽しんだり、いつもの仲間に会って喋ったり。

今は、アルビレックスがある日々がとても楽しい。
ようやく、僕の中でフットボールが日常になったのかもしれない。

aoki
あおきゆうた
新潟市出身川崎市在住のアルビレックス新潟サポーター。深澤マサのドリブルに憧れサッカーを始めるもあえなく挫折。最近は、マンチェスターシティのドキュメンタリーにハマり、プレミアリーグにも興味が出てきました。