ALBIWAY ALBIWAY

オレラグ

この1が活きますように【Review】第25節 FC町田ゼルビア戦

2019年8月2日

取って、取られて、取り返して。
気温こそ30度を切っていましたが、無風で相当に蒸し暑かったであろう状況の下、ビールでも飲みながらフラットに見られたらきっと大変に面白いサッカー観戦になったのだろうなという展開でしたが、俺らのクラブの試合となればそうも言っていられません。
貴章も「負けに等しい」とコメントしていたみたいですが、残念ながらそういう捉え方で間違いないのかなと思います。
悔しいですね。

スタメン

新潟は5試合連続のおなじみになりつつあるスタメンで、ベンチには5試合ぶりに達也さんが入りました。
町田の方はここ最近ボランチでの出場が続いていた奥山が左SB、右SHに入ることの多かった森村がボランチ、FWに入ることの多かった土居が右SHにスライドして、FWには2試合ぶりにスタメンのジョンチュングン、左SHには今季スタメンが6試合目の岡田と、前節から2人を変更してきました。

前半

町田が予想通り試合の入りから前へ前へとボールを送って圧力をかけてきますが、セーフティーにしっかりしのいでいると、8分にスローインからレオが抜け出してシュートまでいったシーンをきっかけに少しずつ新潟のチャンスが増えて行きます。

14分には大武のクリアをレオが落として新太が受けると右に展開。
フランシスがエリア内仕掛けるもDFのカバーに遭います。
直後には、スローインからの流れで新井が右サイドをえぐってクロス。
大外の新太が受けると落としをサチローがシュートを狙いますが外れました。
町田攻略の定番である、奪ったらすぐに裏や逆サイドといったスペースを狙う形を基本に、セットプレーもいくつか取りながら自分達の時間を作りましたがゴールは奪えません。

逆に25分前後から今度は町田のチャンスシーンが増えます。
25分は福井の素早いパントキックから右サイドで起点を作ると、そこから繋いで岡田が中央へのパス。土居経由で左の富樫へ渡ると中へ持ち出してシュートはDFブロック。
33分にも右サイド佐野のアーリークロスに富樫が難しい体勢であわせるも大谷がセーブします。
新潟は引き続き長いボールで反撃を狙っていましたが、相手を引っくり返せなかったり、すぐに回収されて攻め込まれたり我慢の時間が続きます。

30分の時点でポゼッションは51(新潟)対49(町田)でシュート数も3対3。お互いがペースを握る時間があり一進一退の展開でしたが、その中で先手を取ったのは新潟でした。
39分、自陣右サイドでボールを拾うとフランシスが一気に前線へ。佐野のクリアミスを新太が拾うとドリブルで運んでいき、エリア入ったところで中央へのパス。レオがトラップから右足シュート!先制!

レオのシュート技術がさすがでした。
新太からのパスが少し自分の右に来ましたが、それをトラップして体が開いた状態からグッと体を畳むようにして巻き込む形のキックでゴールの左隅へ決め切りきました。
パスがやや右に出て、トラップもピタッと止めるのではなくそのまま流す感じで止めていたので、DFはそのままゴールの右へ外側から巻くようなシュートを警戒したために外側のシュートコースに体を入れていました。レオからすればそのあたりもしっかり計算していたのだろうと思います。素晴らしい。

しかし、得点直後にアクシデント発生。
泰基が負傷により交代を余儀なくされ、急遽ゴメスが投入されました。
とりあえず、残り時間も少ないからこのまま何事もなく折り返せたらいいなと思っていたら、逆にこれ以上ない展開になります。
アディッショナルタイム、善朗の右CKに奥から走り込んであわせたのは大武!追加点!タイミング完璧でした。素晴らしいパート2。

余談ですが、この少し前のプレーで新井がセーフティーにクリアしたことに対してレオが「逆サイドに出せよ!」とすごい派手なアクションで怒っていて、それに対して新井は「残り時間考えろよ!」みたいなアクションで言い返していました。
しかし、2点目のCKを取った場面では右サイドでレオが囲まれて潰された後にすかさず新井が拾って上げたクロスが発端になっており、その後レオと新井はちょっと強めにハイタッチをしていました。
言い合うのも助け合うのも当然といえば当然なことではあるのですが、このハイタッチがすごく痺れるというかカッコよくてグッときました。

前半終了、0-2。
狙い通りの速攻と、ラストのセットプレーで2点リードという非常にポジティブなゲーム運びが出来ていました。

後半

町田は頭から一気に2人替えてきます。
ジョンチュングン、岡田→中島、戸高を投入してきました。
ポジションはそのまま中島がFWで戸高が右SHに入ります。

試合が終わった直後は一気に2人を替えてきたことで後半の最初からゲームを持っていかれて、そこが潮目になった印象になっていました。
しかし振り返ってみると、町田は前半同様入りから前へ圧力をかけてきてはいたものの、それに対しては何とかしのぎつつも、48分には大谷のリスタートからフランシスが抜け出しかけたり、カウンターからフランシスがシュートまでいったりというチャンスは作れていました。
そうなるとやっぱり1点返されたところが大きな分岐点だったと言えそうです。

53分、フランシスのクリアミスを奥山に拾われ、戸高に渡ると、スペースにトラップして左足でスパッ。敵ながら見事なゴールでした。

新潟はボールをカットして前線に送っても、相手のDFが横や後ろに追いかけないといけないような全体を引っくり返す形が減ったり、そういうボールを送っても味方が追いかけられていなかったりで、簡単に回収されて攻撃に転じられてしまう展開が続きます。

すると64分、右サイド森村のスルーパスに佐野がスルーしてロメロフランクが抜け出すと、角度のないところから放ったシュートが大武にあたってゴールへ。同点。

67分には何とか流れを変えようと新太→至恩を投入します。
74分に大武のクリアからレオが収めて、至恩のドリブルから最後はフランシスのクロスまで至る見せ場を作りましたが、その直後の75分にとうとうやられます。
カットしたボールをパスミスで簡単に奪い返されたのを起点に、右サイドの佐野がアーリークロス。富樫と大武がマッチアップしますがこぼれ球を富樫に拾われ、最後は中島のシュート。ついに2点を引っくり返されました。

79分、フランシスを下げて右SHにそのまま貴章を投入します。
町田はリードしたこともあってか、高くコンパクトなライン設定は維持しつつも前から取りに行く姿勢を少し抑えたように見えました。それによって新潟もようやく落ち着いてボールを持てるようになります。
すると84分、善朗の右CKに貴章がズドン!
ニアに走りこむと見せかけて途中で止まることでマークを剥がし、圧倒的な高さで叩きこみました。さすがです。

終盤セットプレーを中心にチャンスを作りましたが、結局届かず。
試合終了、3-3。

後半の戦い

せっかくの2点リードを不意にしてしまっては善朗も話していたように「昇格は難しい」と言わざるをえません。しかも2点引っくり返される経験は今季この日が初めてではないということもさらに悩ましいところです。
問題の後半についてまず町田目線で見てみると、後半から入った2人がゴールという結果以上に効果的な働きをしていました。
中島は少し下がったりサイドに流れたりしながら起点を作り、戸高は外に張ったり、ライン間に潜ったり、時には逆サイドまで出たりして、とにかくダイナミックな動きを単発ではなくできるだけ連続してやっていたことが前半との大きな違いだったように思います。またその2人によって周りの動き(特に土居)も活性化されたように感じました。

新潟としては前半に比べて動き出しの増えた相手に対応しきれずに1点返されてしまったわけですが、それでもまだリードしていました。
失点は53分、64分、75分と約10分おきに奪われましたが、そのそれぞれの10分間で何かしらもう少し修正できなかったのかと思ってしまいます。
具体的には、DFと中盤(特にボランチ)が後ろに重くなり前線との距離ができてしまった点で、ゴメスも言っていた「前から行くのか少し構えるか」という統一の部分。
また、奪ったら裏や逆サイドという意識が強すぎたせいかそれ一辺倒になっていた点で、解説の渡邉一平さんも仰っていた「もっとボールを持ってゲームを進める」ことができなかったかというところです。
これに関しては1失点目の直後にすぐにパントキックをした大谷に対してカウエが声をかけ、その後は少しゆっくり時間を置いてから蹴っていたり、至恩が投入直後に少し下がって受けて後ろへ下げて作り直したりする場面なんかも見られたので、惜しいというかもう少し共通意識を持ってやれたらなと思ってしまいました。

左サイドの守備

この日は結果的に2点目と3点目を左サイドから崩されて失点してしまいました。これまでの試合でも左がウィークポイントとして見られて狙われることは結構あります。
この試合において左右で感じたのは守る技術です。
右の新井と將成は対応する際にメリハリがあるように感じました。
もう少し寄せてもいいのかなと見ていて思えても、そこから急所は突けない状況であればある程度の距離まで詰めたら無理はせず、奪いに行く時は自分のタイミングで出力をあげられている気がします。
左の方もしっかりマークは出来ているし、走られても付いて行けてはいるのですが、右に比べるとリアクションの色が濃いというか一生懸命付いていって守っているように感じられました。だから後半、動きの増えた相手に対してどんどん苦しくなってしまったのかもしれません。
いくつかそんな風に感じることがあっただけで、確たるものではなくあくまでも印象ではあるのですが、もう少し左もグレーに守るというか、うまくぼかしながら局面を守れるといいのかなと感じました。

最後に

2点を引っくり返されたのは初めてじゃないと書きましたが、今回はそれでも追いつくことができました。ここはちゃんと評価しないといけません。

中3日で次が来ます。とにかくしっかり休んでもらって、可能な限りのコンディションまで戻して3連戦の最後に臨んでほしいと思います。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。