ALBIWAY ALBIWAY

オレラグ

水分、塩分、勝ち点3【Preview】第11節 レノファ山口FC

2020年8月11日
こんにちは。
いよいよ本気を出してきた暑さと、大きくレギュレーションを変えながらも甲子園で高校生が溌剌とプレーしている映像を見て、ようやく今が8月であることを実感してきました。
そんな真っ盛りであるまさに真夏のこの時期。普通に生活するだけでも暑過ぎてしんどいというのに5連戦を戦うなんて、選手たちに対してはもう尊敬でしかありません。
正直勝ってほしいとかより先に、ケガをしないようにとか体調を壊さないようにということを願ってしまわないこともないのですが、まあ、そんなこと一サポーターに言われるまでもなく気を付けているでしょうし余計なお世話でしょうから、今節も今節とて、勝ってほしいということを一番に願って応援したいと思います。

苦しいレノファ

 
さて、誰へ何のためかも分からない無意味な宣言のようなことを冒頭に書いてしまったことを軽く反省して、本題に入ります。
大宮戦から中3日。続けてホームで戦えるということで、今節デンカビッグスワンに迎え撃つのは現在21位のレノファ山口FCです。
今季ここまでをまずザッと振り返ると開幕戦で京都に勝利しましたが、中断明け以降は4試合未勝利。6節(7/18)琉球戦で再開後初勝利を挙げましたが、そこからまた4試合勝ちなしが続いて今節を迎えています。
開幕前に菊池流帆や前、三幸など昨年までの主力の半数が抜けてしまったことで、新しい選手たちでまたチームを作り直すところから始まった今季のレノファ。それでも就任3年目の霜田監督の下、ボールを持つことであり、積極的に前から奪いに行くことなど攻撃的なスタイルは継続されています。
ただ、攻撃で一定の成果も見えますが、大きくチームを作り直すところから始めたこともあってまだうまく連動できていない印象もありますし、守備の方では脆さも否めず、結局2回あった4試合勝ちなしの期間はどちらも3敗ずつと、引き分けで勝ち点を積み上げることもできなかったことで下位に沈んでしまっているという状態です。

発展途上

今季の基本的な形は4-2-3-1。
攻撃の方法としては、相手の状況を見ながら1人のボランチがCB間やサイドに下りて後ろに数的優位を作ってビルドアップを安定させて、相手のライン間や選手と選手の間といったギャップに顔を出しながら起点を作り、そこから高井や森といったアタッカーがサイドや裏で受けてクロスやシュートを狙うといった形が多いです。
さらに、CBやボランチからの横パスをSBがワンタッチで縦や斜めに送って、FWやトップ下が抜け出したり、反対にSBからの横パスをボランチがワンタッチで縦や裏に送ってそれに前線の選手が反応したりという、横パスで相手DFの視線を横に動かしている瞬間に3人目が縦に飛び出してくるという形がよく見られます。
ただ、ビルドアップから崩す形を狙いとしているのは昨年以前と変わらないのですが、少しだけ違う印象になった部分があるように何試合か見て感じました。それは後ろでボールを動かす時に今までよりもビルドアップにこだわりすぎず、無理だと思ったらシンプルに長いボールを入れることもわずかですが増えているような気がするということです。
また、丁寧なポゼッションから攻撃の形を作ろうとする中で、どうしても新しい選手が多いため連動し切れていない面もあり、案外カウンターの方がチャンスシーンの中心となっている印象もあります。
そういったこともあってポゼッションの数字も伸びていないのだろうという印象です。

CKとギャップ

守備の脆さは否めないと書きましたが、1つ大きな課題はやはりCKです。
まずここまでの10試合で無失点試合は開幕戦しかありません。そしてその失点した9試合の内、7試合でCK、もしくはそのこぼれ球から失点しています。
守り方はニアポストの前とニアのエリアに1人ずつ置いたら残りは基本マンツーマンなのですが、やられ方の内容を見てみるとそのニアの前に走り込まれて合わせられたり、ニアを越えた中央で勢いよく後ろから走り込んできた相手にマーカーが付いて行き切れず前を取られて合わされたりしています。
またインスイングで失点していることの方が多いのですが、インスイングであればニアの前で、アウトスイングであればニアを越えた中央というのが球筋を考えると狙いやすいのでそこも注目です。
ちなみに純粋な高さの勝負で競り負けている感じでもないので、うちも高い選手はいますが、それよりもいかに早く反応できるかや、味方と連携して走るコースを作れるかといったタイミングを意識して臨むべきかもしれません。
もう1つ守備について。
これは流れの中での話ですが、前から奪いに行くこともあって多少各ラインや選手間にギャップが生まれることがあります。
特に分かりやすいのがボランチの脇です。
前から奪いに行くとなった際に山口のSHは結構早い段階で前のめりに出て来て牽制してくる傾向があります。そのため、その背中=ボランチの脇あたりにスペースができてしまうことがあり、ここを長崎であればトップ下としてプレーしていた玉田や、甲府であればシャドーの選手が少し下りて受けることで起点を作ることに成功していました。
前節の大宮戦では立ち上がりに敵のハイプレスを食らって戸惑ってしまったわけですが、例えばもっと和輝を使いながらであったり、速いテンポと少ないタッチでボールを動かすことでパスコースを見出したりといった感じで前節の反省を活かすことができれば、そこから相手のウィークポイントも突きやすくなるはずです。

最後に

最後に注目であり警戒したい選手として、38番の河野を挙げておきます。
2003年生まれ。試合当日に迎える誕生日で17歳になる現在高校2年生の選手です。昨年の内にトップチームに登録されて41節にはデビューも果たし、今季は6節の琉球戦から徐々に出番を増やすと、8節にはプロ初ゴールも決めてここ2試合はスタメンにも名を連ねています。
FW登録でここまでは主にトップ下としてプレーしていて、ゴール前での仕掛けやシュートのセンスはもちろんなのですが、中盤に下がってボールを受けてから展開してといったポストプレーもしっかりできます。この攻撃の循環を促すプレーをプロの舞台でも普通にできてしまうのには感心してしまいました。
個人的には2年前のJユースカップの1回戦でうちのU-18とレノファのU-18が対戦した際、1人だけベンチ入りしていた中学生が途中出場で臆することなく普通にプレーしていた記憶がまだよく残っています。まさかこんな早くトップの試合で巡り合うとは思いませんでした。
今節はスタメンかベンチスタートか、もしかすると来ない可能性もないことはないですが、いずれにしても警戒且つ注目しておいて損はない選手です。
さあ、もう引き分けは十分です。
勝ちましょう。