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オレラグ

【Review】第6節 徳島ヴォルティス戦

2019年4月1日

とりあえず明るい話題から入りますね。
新潟アルビレックスBB、初のチャンピオンシップ出場決定!おめでとうございます!素晴らしい!
攻撃力は看板のガードナーを中心に今年も健在ですが、昨年課題と言われていた失点の多さも我慢強くしのげるようになり接戦をモノにしながらついにチャンピオンシップ出場権を勝ちとりました。
個人的な思い出になりますがまだbjリーグだった12-13シーズンに有明でのカンファレンスファイナルを見に行って、その時はブザービーターで横浜に敗れてファイナル進出を逃したのですが、悔しさと同時にタイトルまであと少しというあの会場の雰囲気は痺れるもので未だに忘れられません。
今からポストシーズンが楽しみですがとにかくまずは地区優勝。
そして“目指せ横アリ、目指せ優勝”ですね。

スタメン

さて、サッカーです。
やっちまいました、連敗です。
昨年も6節に徳島と対戦してその時は勝利したわけですが今年は敗戦。
さらに年度が替わる前に初の連敗というのは昨年より結果だけ見ると後退してしまっている……。
比較したところで昨年は昨年、今年は今年ではあるのですが、う〜ん……由々しき状況です。
この日、メンバーを見た時に少し驚きがありました。
まず2トップがシルビーニョと新太という初めてのコンビ。新太に関しては今季初のスタメンです。
またベンチにはサムエルチャー……じゃない。サムエルサントスとフランシスが初のメンバー入りをしました。
対する徳島はやっぱりメンバーを少し入れ替え、またシステムも前節と異なったもので臨んできました。
まずメンバーでいうと、ここまでフル出場中の1人としてプレビューで紹介した田向がベンチにも入らず。
さらに今季は4節の琉球戦でベンチに入ったのみであとは全くメンバーにも入っていなかった渡井がスタメンに抜擢されました。
こんなの予想しようがない……。
そしてシステムは中盤がダイヤモンド型の4-4-2(4-3-1-2)でした。
試合の最初からこの形でスタートするのは今年初めてだったようです。

前半

基本的な徳島の組織、守り方としては前から奪いに行く際は2トップが2CBにプレスをかけ、新潟が数的優位を作るためにボランチ(主にカウエ)が下がってもトップ下の野村がそのままついていくという形で、さらにSBには3センターの左右に位置する渡井と小西がプレスへ行く準備を、中央でプレスをかけている時点で整えているという感じで完全に蓋をしてきました。
また当然全部が全部前から取りにいけるわけではないので、多少その場でとどまってから再び取りに行くというシーンもあったのですが、その際は岸本がやや野村と並んでシャドー、もしくは少し右サイドに出て中盤を埋めるような役割をこなしているようにも見えました。

攻撃ではまず上に書いたような良い守備がベースにあり、そこから奪ってからの切り替えが素早く見事でした。速攻が速いのは当たり前として、遅攻でも中盤ダイヤモンドによる中央での数的優位を活かしてテンポよくボールを動かしてどんどんくさびのパスを入れていて、その際1人1人のボールを持つ時間が短いために遅攻でも速さや鋭さのようなものを感じました。
ただそれでも、自分の感覚としては最後の自陣ゴール前3分の1はなんとか守れている方ではないかとも思ったのですが、これはもっとやられていてもおかしくなかったという印象から来たものだったのかなという気もします。

3分、岩尾の縦パスから狭いところをつながれて野村にミドルシュートを打たれます。大谷がキャッチで事なきを得ますが早々から中央を割られてヒヤリとしました。
そして5分、カウンターで渡井が抜け出そうとしたところをファールで止めて大武にイエローが出ます。
雨も強く降っていてかなりスリッピーな状況ということもあって入りからどうにも慎重におそるおそる入っている印象がありました。これに関しては新太がコメントしていた「リスペクトしすぎた」という一面に加えて、この5分のミスを発端としてカウンターになりかけたピンチのイメージがずっと残ってしまい、より慎重に、もう少し遠慮なく言えば臆病に前半の45分をさせてしまったのかなとも感じました。

また、スリッピーなピッチというところでいえば、いたるところで滑ってしまう場面がよく見られましたが、これは別にうちに限ったことではなく徳島もそれなりに滑っていたようには思います。
ただ、うちの方が致命的なプレーに繋がっていた気がして、それというのはここぞという踏み込むところ、つまり仕掛けるところ(攻撃に限らず守備でも)で滑りやすくなるわけで、その可能性へのリスクヘッジという点が大の「スパイク選び」というコメントも含めて諸々事前の準備が足りなかったのかなという印象を持ちました。

22分自陣右サイドでサチローのパスミス。
内田裕に奪われると彼からのクロスに合わせたのは岸本。失点。
準備不足、必要以上の慎重さ、多すぎる簡単なミスと重なれば失点してしまうのは残念ながら必然の流れだった気がします。

攻撃に関しては尚紀のクロスがもう少しでオウンゴールというのとカウンターで1つチャンスがありました。
思い返せば昨年のホーム徳島戦も守備の時間が長く我慢が続く中で今年は相手のベンチに座っていた選手が一瞬の隙にミドルシュートを決めて勝ち切っていました。結果的にこの日1失点だけだったことを考えると“不思議の勝ち”に持ちこめる可能性もあったのではないかと思わなくもないですが、前半に関してはシュート1本(24分のシルビーニョのミドル)という事実からするとさすがにゴールの可能性はわずかな灯火でしかなかったと言うしかありません。

後半

頭から交代をします。
サチロー→凌磨。そのまま右サイドに入りました。
失点の起点になってしまったわけですが、あのシーンに限らずちょっとボールが足につかないシーンや判断の悪さが目立ってしまっていた気がします。だから、交代は致し方ないかなと思うのと同時に、彼自身のことだけで言えばしっかり修正して次節以降やってくれる選手だとも思っているのであんまり心配はしていません。

48分カウエのフィードに新太が裏へ飛び出したシーン、51分右サイドのシルビーニョから中央の善朗を経由して左サイドの泰基へ展開してクロスにシルビーニョが飛び込んだシーン、さらに53分左サイドから大と善朗のパス交換で運び、ペナルティエリア内を新太とシルビーニョのワンツーから突破して最後凌磨のシュートというシーンなど、後半は明らかに前半と違う表情のゲームになります。

68分新潟はシルビーニョ→貴章。そのままFWへ入ります。
徳島は66分に渡井→佐藤、68分に内田裕→福岡。
佐藤と岸本の2トップで清武が3センターの左に入ります。福岡はそのまま左SB。

交代後も70分に凌磨のクロスに新太ヘッドや、77分には泰基のロングスローの流れから尚紀のフィードに大武のヘッドとチャンスを作りますがゴールは奪えません。

78分尚紀→サムエルサントス。そのまま右SBに入りいよいよデビューを果たしました。
残り10分を切って徳島は3バックに変更します。福岡、バイス、内田航の3バックで右に藤田、左に岸本。3センターはそのままで野村と佐藤が2トップの3-5-2にしてきました。

そのあとも82分、新井のインターセプトから貴章がスルーパスに抜け出して深い位置からクロスはクリアというシーンや、87分にはサムエルサントスのクロスに凌磨のヘッドとチャンスは作りますがこじあけられません。

後半は出足の速さ、動き出しの増加、距離感、球離れの良さ。これらが明らかに改善されました。総じて表現すればアグレッシブになったという言い方になるでしょうか。
63分なんかはフチさんもテクニカルエリアの前まで出て激しくプレッシャーをかけるように要求していましたが、プレスの強度も格段に上がっていました。

守備では両SHがかなり内側にポジションを取るようにして中央での相手の3センターによる優位を消すような修正がされているように見えましたし、前線からのファーストプレスも前半は行っているようで行き切れずに中盤へ通されていて、そのためにボランチの2人も思い切って押し上げられないという悪循環に見えましたが、後半はしっかり行き切ってくれることで、カウエや大が奪いに行く位置が高くなっていたと思います。

攻撃ではまず何より球離れがよくなったことでリズムが生まれました。
球離れをよくするには動き出しや受けに行くフォローが最低限必要で、さらに加えてそこを使ってあげないと状況は変わりづらいのですが、まず縦へシンプルに入れていく意識もあったのでそれによって相手も動かされて外が空くようなシーンも見られるようになっていたかと思います。
また、ビルドアップの際に大谷を使ったりしながら2トップに対してしっかり数的優位を作れるようにもなっていました。前半はそもそも蓋をされてそこまで余裕がありませんでしたが、しっかり角度を作っていくつかの選択肢を持った数的優位というのを作れていたと感じます。

しかし、結局最後までゴールは奪えずそのまま試合終了、0-1。
連敗となりました。

修正力

後半の改善について最後バーっと書いてみましたが、本来はあれが最低限のベースでないといけないわけです。そこから細かいところの判断力や質の向上、バリエーションを増やす作業によって敵との差をつけないといけないんだと思います。だから、1歩進んで2歩下がっている状態なのかもしれません。

フチさんは試合後のコメントで「相手の立ち位置が違ってもうちは4-4-2のゾーンで守っているから立ち位置は変わらないのでそんなに混乱に陥ることはなかった」ということをおっしゃっていたのですが、確かにそうなんですけど、前からプレッシャーをかけて奪いにいく際はやっぱり人を捕まえにいくわけで、そこで捕まえ切れなかったり、コースを消しきれないことで割と簡単に中盤で前を向かれたり、くさびのパスを入れられてしまっていた気はしました。
開始1分過ぎのところで大武が“4”と指で示して声をかけていて、フチさんもテクニカルエリアの前まで出て何かを伝えたか確認していたかに見えたので、恐らくその時点で相手の形は把握できていたのではないかと推測するので、そう考えると前半のうちに何かしらの手立てを打ってもう少しゲームをイーブンくらいにできなかったかなぁと思ってしまうわけです。

また、前半は確かに腰の引けた戦いになってしまったわけですが、これを気持ちの問題で片づけてもいけないと思います。というか気持ちが勝敗を分ける最大の理由だったという試合はないことはないですが、よっぽどの試合でしかそれは該当しないとも思っています。この部分って結構よく聞かれる気がするんですけど数値化できない分原因にされやすいのかもしれません。分かりませんが。
実際後半には技術的なちょっとした立ち位置の修正で改善はされているわけですし。

ハテナ

最後に1つ。
これはレビューというよりただの疑問なのですが、これまでボランチの立ち位置は左に大、右にカウエが基本でした。それぞれの利き足側をベースポジションにするのがベターなのでこうなっていたと思うのですが、この日は逆だったように見えました。
キックオフの際は相手が右に選手を寄せているから守備力の高いカウエを最初だけそっち(新潟の左側)にしているのかなと思いましたが、その後もそのまま左にカウエ、右に大をベースにやっているように感じました。
試合中様々に動くのでずっとそこにいるわけではないですし、流動的になるのでそこに深い理由はないのかもしれませんが、大が右にいることで近くのサイド(尚紀やサチロー)からのパスを受ける際にパスの来る方へ正対しているかもしくは半身の状態だとしてもどうしても利き足である左足側から相手が寄せてくるため右足で扱わないといけないことがあり、それで多少やりづらそうというか窮屈そうでリズムが悪くなっていたように感じました。
この立ち位置の入れ替えはどういう意図が考えられるか、それとも特に意味はないのか、はたまた自分の見間違いか。
気になる方はぜひ見直していただきたいなというお願いで今回は終わります。

連戦、がんばりましょう。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。