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オレラグ

残り3分の2もあるのか、3分の2しかないのか 【Review】第14節 愛媛FC戦

2019年5月20日

さあ、今節も書いていこう。
と、思ってパソコンの前に座ってはみた。
が、しかし。進まぬ。
いや、書きたいことがないわけではないのです。むしろいつも以上にあるはずなんです。
ただ、この日の気持ちの落とし所が見当たらないというか、なんだかいろいろ考えるといつの間にかボーっとしてしまって進まないのです。
困った挙句、じゃあそのままその状況を冒頭にしてしまおう、ということでこの書き出しが進まない自分の現状から入ってみた次第です。
がんばって振り返ってみます。

スタメン

善朗が出場停止でどのような変更があるか気になっていたこの日のスタメン。まずCBには初スタメンのパウロンが入り、尚紀が右SBに戻り、左には新井で、DFラインは前節の後半と同じメンバーで来ました。
そして中盤。こちらも今季初スタメンのズミさんがボランチでカウエとコンビを組み、右に大、左に凌磨を配置します。
さらに1トップであるレオナルドの後ろ1.5列目というか、トップ下というか、まあ呼び方はなんでもいいですが、7試合ぶりのスタメンとなる新太が入りました。

愛媛の方も3バックの中央に林堂、右WBに小暮、右のシャドーに近藤と前節からのメンバー変更は3人でした。

前半

開始3分くらいまでは愛媛も高い位置までプレッシャーをかけに来たことで長いボールが多めの、行ったり来たりの展開になりました。
しかし、それ以降は愛媛が新潟のCBまで無理して追わなくなり、また、状況次第では自陣にしっかり5-4-1のブロックを作る形を取ります。しかもその形を取る判断も早い段階で下すようになったことで、新潟がゆとりをもってボールを保持できる流れになりました。
そして、結局前半は概ね最後まで新潟がボールを持って進みます

ファーストシュートは2分、前野のフィードをプレッシャーに行った大がブロックすると、拾った新太から大、さらに中央のレオとつないでミドルを放ちますがGKキャッチ。
その後も5分には左サイドから来たボールを中央に入ってきた大が、6分にはパウロンのクリアをレオが競り、こぼれ球を拾った新太から凌磨が裏に抜け出してと、立て続けにシュートシーンを作ります。
この2つのシーンからは積極的なシュートへの意識もそうですし、右に大、左に凌磨と効き足とは逆のサイドにそれぞれを置いたメリットも早々から見られました。

その後も愛媛が5-4-1で守ってくるのに対して練習からやっている何度でもやり直しながら崩しにかかるプレーをしていたようには見えます。ちょっと前線の動き出しや、ボールをもらう意識が足りなく感じることもあり、なかなか縦に入らず後ろで持っている時間が長くなっていましたが、焦れている様子もなかったですし、持たされているという嫌な雰囲気もなく落ち着いてやれている印象は受けました。
実際数は多くありませんでしたが、14分の尚紀が裏に抜け出した場面のように、新太がくさびを受けて近い距離でテンポよくつなぐプレーや、24分のレオがゴール前まで迫った場面のように、大とズミさんで出し入れしながら運ぶプレーや、そこからズミさんの鋭いくさびが凌磨や新太に入るシーンもあったのはよかったです。

さらに、11分のズミさんのフィードからレオが裏に抜け出そうとしたシーンや、この日FMPORTの中継で解説をされていた平澤さんが褒めていた20分の凌磨がファールをもらったターンからのドリブルのように、丁寧につなぐだけじゃないアクセントとなるプレーを、こちらも数は少なかったですができていたのではないかと思います。

そして、忘れてはいけないのが前からの連動した守備です。
ファーストシュートに至ったプレスを筆頭に、23分の新太のシュートまで至った右サイドでのレオ、新太、大、尚紀、ズミさんの追い込みや、39分の同じく右サイドでの追い込みからの神谷へのズミさんの潰しなども良いプレーでした。
前半はしっかりつなごうとする愛媛に対して複数人が連動して守れているシーンがいくつか見られた気がします。

そして先制点もそんないい守備から生まれました。
33分、GK岡本のスローを受けた近藤からズミさんが見事なインターセプト。新太とレオの崩しはギリギリでクリアされますが、新井が拾って凌磨が上げたクロスに新太ヘッド!素晴らしい!待望の新太今季初ゴール!
平澤さんは拾った新井が凌磨へワンタッチでつないだところを「相手のリズムを崩したのではないか」と称賛されていました。なるほど。

さらに44分、右サイドからズミさんのFK。ファーサイドであわせたのは大武!お見事!
21分にも大のFKに大武があわせて惜しくもオフサイドになったシーンがありましたが、そもそもそんなに高さのないこの日の愛媛は大武に対してゾーン気味にも見えましたが野澤が付いていたので(付かざるを得なかったというべきか)、その大きな優位性をしっかり活かせたのはよかったです。
また、このFKは尚紀がドリブルで運んだプレーが起点となっていましたが、平澤さんは「パスが多かった中でドリブルを見せたことで相手も焦ったのではないか」と指摘されていましたし、DAZN解説の勲さんも「相手の前に入ってしまういい持ち出しでした」とこちらも尚紀のドリブルを称賛していました。いいぞ、尚紀。

前半終了、2-0。
立ち上がり特に簡単なミスが散見され、13分にはパウロンが縦パスを引っかけられて近藤にシュートを打たれたシーンがありましたが、決定的なピンチまでは作らせることなく2点リードできたのかなと思います。
今回のレビューはここでおしまいにしたいのですが……。
そうもいきませんね、書き進めます。

後半

愛媛はスタートから2人を替えてきました。
野澤→山瀬、小暮→吉田という交代を行います。山瀬はそのままボランチ、吉田は右のシャドーに入り、右のWBには近藤がスライドしました。

後半はとりあえず流れだけ簡単に振り返ってみます。

48分、ボランチとFWの間で山瀬がボールを受けるとくさびのパス。
これまたDFと中盤の間に入ってきた吉田がこれをワンタッチで前へ送ります。神谷はトラップでCB2人の間を難なく抜け出し落ち着いてフィニッシュ。1点返されます。

さらに54分、左サイドから下川がカットインして山瀬へ落とすと、山瀬は寄せが遅いのを認識して右足ミドル。同点。
開始10分であっさりと追いつかれてしまいました。

61分にカウエのミドルでようやく後半最初のシュートを放ちますが、直後の62分には、また山瀬がライン間で起点となり、吉田、神谷と中央をつないでいき左の下川まで通ると、下川のクロスに藤本にヘッドであわされる決定機を作られてしまいます。

65分には新太→達也さん。そのままトップ下に入ります。
達也さんが入り、間で受けて起点を作ったり、逆に山瀬に起点を作らせないような守備だったりとわずかに修正したかと思いましたが、それでも基本的に流れは変わりません。
71分にはこぼれ球を拾った山瀬が右サイドから1発のパスでゴール前へ。
神谷は飛び出すと完璧なトラップからボレーで狙いますが枠を外れます。
もうこのシーンについては試合を見ながら書いていたメモにも「オイオイ……」と呆然とした気持ちの一言が走り書きされていました。

76分、もともとパウロンを下げてゴメス投入の準備をしていましたが、取り消して大→至恩を入れます。至恩が左サイドで凌磨を右に移しました。
直後の77分、ライン間で達也さんが受けると至恩へ渡し、至恩は仕掛けてからオーバーラップの達也さんへ戻すと、達也さんのクロスにレオヘッドは外れます。
至恩のいい仕掛けが出始め、平澤さんも試合中おっしゃっていましたが、後半立ち上がりから愛媛は飛ばしたことでそれが落ちてきて、遅ればせながらようやく新潟も落ち着いてボールを保持し返していました。
79分にレオ→貴章でなんとか勝ち越し点を奪いに行きます。

しかし82分、前野の右CKをニアで神谷がすらし藤本もヘッドは凌磨がブロック。その直後左サイド竹嶋のロングスローからあわせたのは藤本。ついに逆転。
失点もそうですが、CKをニアへ走りこんだ神谷にあわせられるのはこの日2回目でした。これも頭の痛いというか、悩ましいところです。

新潟は至恩の仕掛け、終盤にはパウロンも上げてパワープレーを試みますがゴールは奪えず。

試合終了、2-3。
愛媛は今季初の逆転勝ちだったそうです。

後半の入り

HTコメントで吉永さんは「相手の変化に対応しよう、立ち上がりの15分の入り方を間違えないこと」と伝えていました。
仮に言われてなくたって2点ビハインドでしかも2枚替えしてきたチームが圧力を強めてくるであろうことは間違いなく予想できるし、しているはずです。
大武が「相手が後半になってギアを上げてきたのに、自分たちはうまくいっていた前半と同じリズムで入ってしまい、スキができてしまった」とコメントしていましたが、どうしてそうなってしまったのか不思議でなりません。

100歩譲って相手の変化に対応できず早々に1点返されたのであれば、許容はできませんが受け止めようとは思います。
しかし、圧力が強くなったのと山瀬が多少気を利かせたプレーをするようになったくらいだったように思うのです。
川井さんは「システムも少しいじった」とコメントされていて、確かにWBが高い位置に貼るようになりシャドーがより近い位置で関わるようにしてはいましたが、これは微修正の範囲ではないでしょうか。ドラスティックに形を変えたわけでもなかったですし(もっと大きな変化を見逃していたらごめんなさい)、これまでの愛媛の試合で見たことがない新しい戦い方をしてきたわけでもなかったはずです。
圧力が強くなってボールを持てなくなったというのでは、ビルドアップから崩しの形を多くやっている練習の意義が分からなくなりますし、吉永さんになってから実際にボールを持つところは向上して練習の成果が出ていると感じる場面もこれまでの試合で見られていたわけですから、やっぱり腑に落ちません。

では、さらに倍。200歩譲って山瀬のボールを受ける絶妙なポジショニングに対応できず1点返されたのであれば、これも受け止めましょう。
ちょっともう自分で書きながら、それでいいのか?と思ってしまいますが。
しかし、結局失点シーンだけじゃなくて61分のシーンなんかも、新太は林堂に寄せて前野にボールが出た後、戻ってコースを消す動きが見られず山瀬にフリーで運ばれてしまっています。ずるずる下がる中で神谷へのコースを消そうとしてボランチ2人が中へ寄せられると、今度は吉田にその脇のスペースをフリーで使われてしまいました。
さらに、吉田へプレッシャーがかかってない分、DFもインターセプトを狙う事が出来ず神谷にライン間で受けられてしまい、最後はサイドからのクロスでフィニッシュまで持ち込まれるという一連の流れで、いいようにスペースを使われているわけです。
この日新太が守備の部分でどうにも不安定に見える局面がいくつか見られたわけですけど、これは新太自身の問題であると共に、新太だけの責任でもないはずです。何のためにサッカーは11人いるのかということです。

守備の連動とコミュニケーション

守備の連動に関しても前半と後半で様相が変わってしまったのは非常に歯痒く感じました。

前半のところでも例示しましたが、21分の新太のシュートまで至ったシーンは、右サイドで大が前野とちょっと距離を取りつつ正面に立ち、下川に出たらすぐに追いかけます。もちろん背後には尚紀が準備をしていました。
そしてフォローに来た神谷はズミさんにぴったりと付かれており下げざるを得ず、下げたら大がスプリントしてプレッシャーをかけ、この時にはもう後ろの林堂にはレオ、ボランチの田中には新太が狙っていました。

もちろん、神谷から下げられたボールを前野がすぐに田中へ送ったり、その後林堂から田中に入った時に中に持ち出してGKを使って展開されたりする余地はありました。
それでも複数人でじわじわ追い詰めることで蓋をすることはできてたと思います。

しかし後半は、56分の例を取ってみますが、GK岡本から近藤に入ったところで新井と凌磨で挟みに行きますが簡単に田中へ逃げられ、新井がそのまま追いかけますが竹嶋に下げられてかわされます。
そこへ凌磨が行こうとした時にはもう前に出てサポートした林堂へダイレクトでつながれ、新太も必死に追いかけていましたが、田中とのワンツーで逃げられてしまいました。
中央を消すために新井がやや下がったことで再び空いた近藤を使われて、そこから中央の山瀬へ通され、結局レオがファールで止めるという流れです。
前半のように少し様子を見ながらコースを隠してじわじわ追い込むということができていませんでしたし、物理的に追いかけても間に合わないところがあったのは確かなのですが、そうであれば行かなければいいのではないかと思います。
それでも、前から取りに行こうという意識があったからなのか、1人1人がバラバラに行ってしまったため、寄せては剥がされ、寄せては剥がされになってしまいました。
新太へのコーチングもそうですが、失点シーンや少しプレーが止まった時に話し合っている姿や、声を上げて鼓舞する姿が少なく感じました。行く、行かないとか、つなぐ、蹴り出すとかチームの意思統一を含め、コミュニケーションの部分も気になる部分として残ります。

最後に

ここまで書いてきて、もしかするとこいつ怒ってんのか?って思われてしまいそうな文になってしまったのでいちおう書いておきますが、怒っているというのはあまり正確ではなくて、後半の戦い(特に最初の15分くらい)が不思議なのです。どうしてああなってしまったのか率直に言うと理解が及ばないのです(もちろん、自分のフットボールリテラシー不足もあるとは思いますが)。

いつも以上にまとまっていない気がしますがこのへんで終わります。
前回のレビューと同じ締めになっちゃいますが、がんばれ、がんばろう。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。